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第5話 「私の愛猫は凶暴です」

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「これからよろしくお願いします。ご主人」
 突如、目の前の黒猫はそう言って頭を下げた。
 ……俺はそれを聞いた。ただただ、無言で。
 俺がそうして呆けている間にも、時間は動き続ける。
 ――俺が乗れなかった流れもそのままに。
 そんな俺を見て、状況についてこれていないと判断したのか。
 黒猫は言葉を紡いだ。
「……混乱されているようですね。私はご主人のスキルであった<貯金>が『覚醒』し、変化したものです」
 そう言いながら、猫は俺に近づき、言葉を続ける。
「私はご主人のスキルであり、ご主人にも分かりやすく伝えるなら能力です」
 気づけば、猫は俺の足に軽く片足を乗せていた。
「ご自分の能力なので、そんなに怯えないでください」
 そう言った声は、少し寂しそうだった。
 心なしか、乗せた足も震えているように見える。
 ……この猫の話が本当なら、この猫は生まれたばかりのようなものだ。
 生まれた瞬間、主人が高速で逃げ部屋の隅で黙っていることは、果たしてこの猫の目にどう映ったのか。
 ……。
 そこまで考えて俺は――
「やり直しを要求する」
 ――そう言った。
「……へ?」
 口を開けたまま、ポカンとする猫。
 だが、これは大事なことなのだ。
「こんなシチュエーションは二度とないだろう。……この場合のお前の第一声は、主人が誰かを問うものでなければならない」
 そう。
 そこなのだ。
 この猫が現れてから、俺がずっと黙っていた理由は。
 自然な流れでやれなかったことは悔やまれるが、今ならまだ回収できる。
「さぁ!! 問うのだ、猫よ!! 『貴方が私のマスターか?』、と!!」
 ――返事は無言の猫パンチだった。
 猫パンチという名前のわりに、世界を狙えるクラスの左フックだった。


「ご主人がそういう性格なのは知ってたんですけどね。もうちょっと、他に気にする点があると思いますよ」
 振り抜いた拳を静かに戻しながら、そう言葉を紡いでジト目でこちらを見てくる猫。
 ああ、確かに。
 一度チャンスを逃した時点でネタというものは寒くなるのだ。
 この場合はネタの回収に走るより、新しく場に沿ったものを考えるべきだったか。
 意外とこの猫、笑いには厳しいのかもしれない。
 ――なんていう事を、俺は床とキスしながら考えていた。
 いやぁ。
 本当に良い左フックだったぜ。
 俺が拳キチだったなら、セコンドとして世界を薦める程度に。
 ……うん。
 まぁ、冗談は置いておいて現状の確認だ。
 俺は起き上がって、猫に質問した。
「とりあえず、お前は俺の能力ってことなんだよな?」
「先ほど、そうお伝えした筈ですけれど、随分と軽い脳みそをお使いなんですね」
 俺の質問に対して、猫は不機嫌そうにそう返してきた。
 どうやらファーストコンタクトが、かなり気に障ったようだ。
「すまん。……謝るから、どうか機嫌を直してくれ」
「……はー。いいでしょう。そもそも、私はご主人の能力なんですから、許すも何もないですし」
 頭を下げた俺をチラリと確認すると、猫は軽くしっぽを揺らしながら、そう言った。
 ……どうやら、少しは機嫌が良くなったようだ。
 意外とちょろそうな猫である。
「ちょっと気になったんだが、俺のことを知ってたみたいだけど……」
「ええ。私はご主人の能力であり、ご主人の中から生まれたとも言えます。なので、生まれるまでのご主人の経験や記憶、考えなどは知識として持ってるんですよ」
 そんな猫の言葉を聞いて、俺は全身を固まらせた。
 ……おいおい。
 この猫、今なんて言った?
「具体的に言うのなら……この世界に来る前に壊したハードディスクの中身から、最近審議したダジャレの内容まで全てです。個人的にあの内容で座布団は無いですね」
「オーケー分かった。誠心誠意を込めて謝罪しようじゃないか。すいませんでしたー!!」
 言葉と共に、俺は綺麗な土下座を決めた。
「ふふふ。分かればいいのです」
 そんな俺を見て、猫は更に機嫌を良くした様だった。
 ふふん、などと鼻を鳴らしながら俺の頭をペシペシと叩いてくる。
 ……嫌がらせのつもりなんだろうが、肉球が柔らかくて気持ちよかった。
「まぁ、許してくれてありがとう。……さっそくなんだが、お前には何ができんの?」
 猫の機嫌が完全に回復したのを確認して、俺は気持ちを切り替えて、少し、いやかなりわくわくしながら、そう聞いた。
 なぜなら、先ほどまでの貯金箱とは明らかに格が違うのだ。
 俺にはこの猫を操作している感覚はない。
 つまり、この猫が自我を持って(少なくともそう見える程度には)、自律行動をしているのだ。
 戦闘だって、隠密行動だって、<貯金>よりは期待できるだろう。
 仮にこの猫が、精密操作型でも、遠隔操作型でも、俺は使いこなして見せる。
 そんな、瞳を輝かせた俺に対する猫の返事は――
「何もできません」
「チェンジで」
 ――俺は考え違いをしていた。
 この猫が真に世界を狙えるのは右ストレートだった。
 閑話休題。


「失礼なご主人ですね。落ち着いてください。確かに『今』は何も出来ませんが、それは『今』に限った話です」
 猫のパンチによって、崩された姿勢のまま、俺は猫の言葉を聞く。
 ……ん? 何か引っかかる言い方だったな。
 俺は猫の台詞の意味を考えた。
 ……………っ!
 やはり、俺は天才かもしれない。(確信)
「『今は』だと……? そう言ったのか……?」
 ドドドドドドドドッ!!
 俺の口から漏れるのは、期待を込めて低音を効かせた効果音。
 俺は途切れなくその効果音を出しながら、姿勢をゆっくりと変えた。
 投げ出していた姿勢を正し、顔をあげる。
 そのまま立とうとしたが、二度に渡る猫パンチで膝が笑っていて立てなかった……ので、誤魔化してそのまま聞く。
「気づいたようですね。……そう、説明しましょう。私の力を」
 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!
 なんと、猫もやってくれた。
 ちなみに、本人は低音のつもりなんだろうけど、効果音は鼻声みたいになってて、可愛かった。
 それにしても、この猫。ノリノリである。
「私の力は、この体に収められた『お金』を利用し、<スキル>や<ステータス>を得ることが出来るのです!!」
「……ふぁっ!?」
 やべっ。思わず変な声がでちった。
 いやだって今までの流れから、精々『両替が出来る』くらいだろうと思っていたのだ。
 ……え? マジで? ……本当?
 持ち上げてから落とすんでしょ? どうせ。
「……なんですか。その疑わしい目は」
「いやすまん。……俺から、そんな有能なスキルが出るとは思えなくてな」
 そう。
 俺がここまで疑るのには勿論理由がある。
 なぜなら俺はこの世で一番、『自分という人間』を信じてはいないからだ。
 俺という人間は、初日で終わらせる予定だった夏休みの宿題を、新学期の課題へとジョブチェンジさせることに定評があるくらい、これまで積み上げてきた信頼と実績があるのだ。
 そんな俺から、そんな素晴らしいスキルが出る訳ないだろう。
「ご主人が残念な人なのは、疑いようがありませんが……」
 あれ? この猫、俺のスキルだよね?
 どうして俺は今、自分のスキルに可哀想なものを見る目で見られているのだろうか?
 ……まぁ、養豚場の家畜を見る目で見られるよりマシか。
「このスキルは神様からの贈り物としての要素が強く表れています。……そもそも、本来なら条件達成の難易度から発現しないことが前提のスキルでしたし」
 成る程。
 確かに言われてみたら、いきなり異世界人が一億を稼ぐということは相当に難しいのかもしれない。
 この世界の金銭感覚が分からないからなんとも言えないが。
 まぁ、このスキルが本当に神様からの贈り物だというなら、その内容も納得だ。
 納得は大事だ。……納得が出来ないなら、レースに出るほどに。
 ――ということは。
「分かったぜ。お前の言っていることが言葉じゃぁなく心で理解できた」
「……どう考えても言葉による理解でしたけどね」
 つまり、猫の言葉は本当で金さえあれば――俺は殆ど無敵ということだろう。
 もしかしたら、夢にまで見た『時間に干渉するようなスキル』すらあるかもしれない。
 ゴクリっ。
 気づけば。
 俺は生唾を飲み込んでいた。
 期待を込めた右手は固く握りしめられていて、口元も歓喜によって吊り上げられているのが分かる。
 それも仕方がないだろう。
 自分と言う人間が『選ばれた存在』であるかのような優越感。
 それは何とも甘美であり、酷く抗い難い喜びでもって俺の喉を鳴らしていた。
 ……だが、落ち着け。
 それでも、俺は自分にそう言い聞かせた。
 まずは、現状を変えなくちゃいけない。
 ふふっ。
 希望が見えてきたら、頭が冴えてきたな。
 やはり、能力の覚醒は俺の覚醒でもあるということか。今なら千五百秒もあれば、殆どの問題を解決できそうだ。
 さて、状況を整理しよう。
 とりあえずの目標は人間の生活圏に安全に移動することだよな。
 異世界人であるというネックはあるが、モンスターを相手にするよりは生活もしやすいだろう。
 ――であるのなら。
 この猫を使って、新しくスキルを習得し、この部屋から脱出する必要がある。 
 そこで、俺が思いついたのが<転移>だ。
 そもそも、俺が来たのは「異世界転移」だ。ならば、同じ世界内の<転移>ならもっと容易に行えるだろうし、スキルとしてもある可能性が高い。
「……確認なんだが、その獲得できるスキルというものの中に<転移>はあるのか?」
「……ええ。リストには確かに<転移>があります。その習得に必要な金額は一億」
 やっぱり、あったか。
 まったく今の俺は冴えてるな。自分で自分が怖いぜ。
 金額は思ったより高いが、この際、必要経費と割り切ろう。
「それじゃあ、それを習得してくれるか? いつまでもこんな地下室に居たくはないからな」
 俺はそう言うと、辺りを見回した。
 なんか貯金箱が猫に変化してから、床が魔法陣チックに輝いているから良いものの、またいつ暗くなってもおかしくは無いのだ。
 そうなったら、目の前の黒猫とかどこに居るか分からなくなる自信がある。
 そもそも、ここは魔王城だし。
 人間代表の小市民な俺としては、あまり長居をしたい場所ではなかった。
「出来ません。……ご主人は勘違いをしているようですが、初めの一億はスキル覚醒の代償として、消費され、現在私の体には一銭も収められていません」
 ――だが、俺のそんな思いは猫によってバッサリと切られてしまった。
「……ということは?」
「……現状、何の<スキル>も得ることは出来ません」
「……」
「……」
 俺は無言で猫と見つめ合った。
 お互い、状況を理解したのだろう。気まずい沈黙が流れた。
 ……だが、俺は主人だ。
 どれほど気まずくても、この状況なら俺から言葉を掛けるべきだろう。
 俺は自分の不安を隠しながら、猫に優しく声を掛けた。


「チェンジで」

 俺はマット(床)に沈んだ。
 三度目の拳はもう既に、世界を獲ったレベルのアッパーだった。

 ……お前がナンバーワンだ。

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