13 / 40
13_デート当日
しおりを挟む
「ふっふっふ、会心の出来です!」
「あ、ありがとう、サラ」
頬を上気させ、額に滲んだ汗を拭いながら満足げにしているのは侍女のサラである。
その誇らしげな視線の先にいるアイビスはというと、サラに思う存分手入れをされて貴族令嬢のお出かけスタイルに変身していた。
サラサラのヘーゼルナッツ色の髪は編み上げられており、アイビスの美しいうなじが丸見えだ。
サラ曰く「ご主人様も吸い寄せられるほどの美しいうなじ!隠す手はありません!存分に誘惑してしまいましょう!」らしい。いや、日々色気のある眼差しや仕草で誘惑されているのは私なんだけど、という本音は恥ずかしいので口にはできない。
鏡の前でくるりと回って全身を確認する。
(うん、これならヴェルの隣を歩いていても恥ずかしくはないわ)
ハイウエストな膝丈のクラシカルなワンピースは淡い水色で、初夏の青空を想起させる。
今日は街を歩くので、靴はヒールなしのパンプスだが、ちょこんと遠慮がちにつけられたリボンが可愛らしい。実は可愛いものが好きなアイビスは、そんなリボンのワンポイントがとても気に入った。
お洒落よりも機能性重視で生きてきたアイビスであるが、こうして誰かのために着飾るというのも悪くはない。
ヴェルナーはどんな反応をしてくれるのだろうか?そう考えるだけで頬が自然と緩んでしまう。
ヴェルナーとは玄関で待ち合わせをしているため、アイビスはサラに改めて礼を言うと、ショルダーバッグを手に取り部屋を出た。
今日は生まれて初めての『デート』の日。
ここ数日ソワソワ落ち着きがなかったアイビスではあるが、ヴェルナーと二人で出かけることを楽しみにしていた。
(あ、いたわ)
玄関前の厳かな階段を軽やかに降りると、足音に気付いたヴェルナーが顔を上げた。
藍色のジャケットとパンツを上品に着こなし、少し長めの前髪を片側だけ耳にかけている。
ヴェルナーはいつも文句なしに格好良いのだが、自分と同じように相手を想って準備したのかと思うと、胸がキュッと切なくなる。
「ごめんね、お待たせ」
「いや、俺もついさっき来たところだ」
階段に歩み寄ったヴェルナーが手を差し出す。
アイビスはふわりと微笑むと、その手を取り最後の数段を降りた。
「アイビス、とても綺麗だ。……やっぱり出かけるのは止めようか」
「えっ!?なんで!」
目元を赤らめ、愛おしそうにアイビスを見つめていたヴェルナーが、不意に考え込む仕草を見せた。
今日を楽しみにしていたのはヴェルナーも同じはず。アイビスは驚き、思わずヴェルナーの胸に縋りついた。
「…………………………アイビスが可愛すぎる。街ゆく男たちにその姿を見られると思うと嫉妬で狂いそうだ」
「え……」
見上げた先の困ったような表情から、冗談ではないと悟り、アイビスの顔は真っ赤に染まる。そんなアイビスを包み込むように腕を回したヴェルナーに、思わずアイビスの本音が漏れた。
「そ、それはお互い様じゃないかしら?」
「ん?どういうことだ」
「あ、あなただって……とっても素敵よ?独り占めしたくなるぐらい」
「――っ!!」
いつも言われっぱなしではいられないと、意趣返ししてみたのだが逆効果だったらしい。
途端にアイビスを包んでいた腕に力が籠り、力強く抱きしめられてしまった。
「――ああ、せっかくの化粧が崩れてしまうからキスは夜まで我慢する」
「ちょっ!?」
苦しいぐらいに抱きしめられて、耳元には熱い吐息がかかる。出発前からこの調子で、果たしてアイビスの心臓は保つのだろうか。
今日の日を楽しみにしていたこと、ヴェルナーと一緒に髪飾りを選びたいことを懸命に伝えれば、ようやくヴェルナーはアイビスを解放して馬車へと足を向けてくれた。
ガッチリと手は繋がれたまま、街の中心地に向けて二人のデートが始まった。
◇◇◇
街でのヴェルナーは、それはそれはスマートであった。
アイビスを人混みから護るように、基本的に通路側を歩くヴェルナー。少しの段差も見逃さずにアイビスに伝えては、段差のたびに腰を支えてくれる。店の扉を開けるのも、休憩で入ったカフェで椅子を引くのも流れるような所作で、自分がお姫様になったかのように錯覚してしまう。
それほどに大切に大切にエスコートをしてくれた。
その一つ一つに目敏く気が付いてしまうアイビスは、照れ臭くも嬉しくて、素直にヴェルナーに身体を委ねていた。
アイビスたちが暮らす国、ブロモンド王国は少し変わった街並みをしている。
王城を中心に、螺旋状にメイン通りが伸びており、坂道や路地裏の多い入り組んだ造りとなっている。これは建国時、未だ戦が絶えない時代に、王城に簡単に攻め込まれないように考えられた構造だと言われている。迷路のような細い路地からメイン通りを進行する敵軍を奇襲したり、敵将を闇討ちしたりすることで幾度となく国家防衛に成功した逸話がある。
そんな街並みも今や文化遺産として観光客を集める要因の一つとなっている。実際に高台から見下ろした街は美しい渦を描いており、凛と聳え立つ王城を含めて絵画のモチーフにもされるほどである。
アイビスたちは幾つか装飾店やドレスショップを回り、髪飾りを探した。ヴェルナーがあれも似合うこれも似合うと言うため、一つに絞るのに苦労をしたのだが、純度の高い琥珀があしらわれた蝶の髪飾りを選んだ。髪につけると、まるで蝶が休息のため羽を畳んでいるように見える。
「良い買い物ができたな」
「ええ、ありがとう。とても気に入ったわ」
少し遅めの昼食のため、オープンテラスのカフェに入り、通りが見渡せる二階席に着席した二人は、本日の戦果を取り出していた。
華奢なデザインの髪留めは、自分をグッと女の子にしてくれる。男勝りなアイビスであるが、この髪飾りをつければ、貴族令嬢らしく振る舞えるような気さえしてくる。
一方のヴェルナーも、小さな蝶がついたタイピンを購入うしていた。一粒のアメジストが埋め込まれており、一目見ただけで購入を決めていた。
「お揃いだな」
「う……そこはもっとオブラートに包むんじゃない?さりげなくお揃いのものを付けるのがいいのに」
「確かにそうか。嬉しくてつい、な」
箱を開けてタイピンを見つめるヴェルナーの目はとても優しい。いつもアイビスに向けるような熱のこもった眼差しで、アイビスに触れるような優しい手付きで愛おしげにタイピンを撫でるものだから、なんだか照れ臭くなる。
大事に蝶の髪飾りをしまったアイビスは、熱を逃すようにカフェが面する大通りに視線を落とした。
王国の中心地ともあれば、行き交う人々の通行量も多い。小さな子供が必死に親の手を握って歩く姿や、老夫婦が互いを労わりあいながら歩く姿を見て、自然とアイビスの表情も和らぐ。
その時、一人の少女がふらりと道を外れて細い路地裏に入り込んでいく姿が目に入った。
ざわりと嫌な胸騒ぎがする。
脳の奥で、もう十年も前の嫌な記憶が蘇る。
ザザッ、ザザッとノイズがかったような映像が脳裏に浮かび、アイビスは額を押さえた。
「アイビス?」
アイビスの中で警鐘が鳴り響いて止まらない。
考えるよりも早く、アイビスは立ち上がると、ワンピースを片側に纏めて手で抑え、勢いをつけてテラスの手すりを乗り越えた。
「あ、ありがとう、サラ」
頬を上気させ、額に滲んだ汗を拭いながら満足げにしているのは侍女のサラである。
その誇らしげな視線の先にいるアイビスはというと、サラに思う存分手入れをされて貴族令嬢のお出かけスタイルに変身していた。
サラサラのヘーゼルナッツ色の髪は編み上げられており、アイビスの美しいうなじが丸見えだ。
サラ曰く「ご主人様も吸い寄せられるほどの美しいうなじ!隠す手はありません!存分に誘惑してしまいましょう!」らしい。いや、日々色気のある眼差しや仕草で誘惑されているのは私なんだけど、という本音は恥ずかしいので口にはできない。
鏡の前でくるりと回って全身を確認する。
(うん、これならヴェルの隣を歩いていても恥ずかしくはないわ)
ハイウエストな膝丈のクラシカルなワンピースは淡い水色で、初夏の青空を想起させる。
今日は街を歩くので、靴はヒールなしのパンプスだが、ちょこんと遠慮がちにつけられたリボンが可愛らしい。実は可愛いものが好きなアイビスは、そんなリボンのワンポイントがとても気に入った。
お洒落よりも機能性重視で生きてきたアイビスであるが、こうして誰かのために着飾るというのも悪くはない。
ヴェルナーはどんな反応をしてくれるのだろうか?そう考えるだけで頬が自然と緩んでしまう。
ヴェルナーとは玄関で待ち合わせをしているため、アイビスはサラに改めて礼を言うと、ショルダーバッグを手に取り部屋を出た。
今日は生まれて初めての『デート』の日。
ここ数日ソワソワ落ち着きがなかったアイビスではあるが、ヴェルナーと二人で出かけることを楽しみにしていた。
(あ、いたわ)
玄関前の厳かな階段を軽やかに降りると、足音に気付いたヴェルナーが顔を上げた。
藍色のジャケットとパンツを上品に着こなし、少し長めの前髪を片側だけ耳にかけている。
ヴェルナーはいつも文句なしに格好良いのだが、自分と同じように相手を想って準備したのかと思うと、胸がキュッと切なくなる。
「ごめんね、お待たせ」
「いや、俺もついさっき来たところだ」
階段に歩み寄ったヴェルナーが手を差し出す。
アイビスはふわりと微笑むと、その手を取り最後の数段を降りた。
「アイビス、とても綺麗だ。……やっぱり出かけるのは止めようか」
「えっ!?なんで!」
目元を赤らめ、愛おしそうにアイビスを見つめていたヴェルナーが、不意に考え込む仕草を見せた。
今日を楽しみにしていたのはヴェルナーも同じはず。アイビスは驚き、思わずヴェルナーの胸に縋りついた。
「…………………………アイビスが可愛すぎる。街ゆく男たちにその姿を見られると思うと嫉妬で狂いそうだ」
「え……」
見上げた先の困ったような表情から、冗談ではないと悟り、アイビスの顔は真っ赤に染まる。そんなアイビスを包み込むように腕を回したヴェルナーに、思わずアイビスの本音が漏れた。
「そ、それはお互い様じゃないかしら?」
「ん?どういうことだ」
「あ、あなただって……とっても素敵よ?独り占めしたくなるぐらい」
「――っ!!」
いつも言われっぱなしではいられないと、意趣返ししてみたのだが逆効果だったらしい。
途端にアイビスを包んでいた腕に力が籠り、力強く抱きしめられてしまった。
「――ああ、せっかくの化粧が崩れてしまうからキスは夜まで我慢する」
「ちょっ!?」
苦しいぐらいに抱きしめられて、耳元には熱い吐息がかかる。出発前からこの調子で、果たしてアイビスの心臓は保つのだろうか。
今日の日を楽しみにしていたこと、ヴェルナーと一緒に髪飾りを選びたいことを懸命に伝えれば、ようやくヴェルナーはアイビスを解放して馬車へと足を向けてくれた。
ガッチリと手は繋がれたまま、街の中心地に向けて二人のデートが始まった。
◇◇◇
街でのヴェルナーは、それはそれはスマートであった。
アイビスを人混みから護るように、基本的に通路側を歩くヴェルナー。少しの段差も見逃さずにアイビスに伝えては、段差のたびに腰を支えてくれる。店の扉を開けるのも、休憩で入ったカフェで椅子を引くのも流れるような所作で、自分がお姫様になったかのように錯覚してしまう。
それほどに大切に大切にエスコートをしてくれた。
その一つ一つに目敏く気が付いてしまうアイビスは、照れ臭くも嬉しくて、素直にヴェルナーに身体を委ねていた。
アイビスたちが暮らす国、ブロモンド王国は少し変わった街並みをしている。
王城を中心に、螺旋状にメイン通りが伸びており、坂道や路地裏の多い入り組んだ造りとなっている。これは建国時、未だ戦が絶えない時代に、王城に簡単に攻め込まれないように考えられた構造だと言われている。迷路のような細い路地からメイン通りを進行する敵軍を奇襲したり、敵将を闇討ちしたりすることで幾度となく国家防衛に成功した逸話がある。
そんな街並みも今や文化遺産として観光客を集める要因の一つとなっている。実際に高台から見下ろした街は美しい渦を描いており、凛と聳え立つ王城を含めて絵画のモチーフにもされるほどである。
アイビスたちは幾つか装飾店やドレスショップを回り、髪飾りを探した。ヴェルナーがあれも似合うこれも似合うと言うため、一つに絞るのに苦労をしたのだが、純度の高い琥珀があしらわれた蝶の髪飾りを選んだ。髪につけると、まるで蝶が休息のため羽を畳んでいるように見える。
「良い買い物ができたな」
「ええ、ありがとう。とても気に入ったわ」
少し遅めの昼食のため、オープンテラスのカフェに入り、通りが見渡せる二階席に着席した二人は、本日の戦果を取り出していた。
華奢なデザインの髪留めは、自分をグッと女の子にしてくれる。男勝りなアイビスであるが、この髪飾りをつければ、貴族令嬢らしく振る舞えるような気さえしてくる。
一方のヴェルナーも、小さな蝶がついたタイピンを購入うしていた。一粒のアメジストが埋め込まれており、一目見ただけで購入を決めていた。
「お揃いだな」
「う……そこはもっとオブラートに包むんじゃない?さりげなくお揃いのものを付けるのがいいのに」
「確かにそうか。嬉しくてつい、な」
箱を開けてタイピンを見つめるヴェルナーの目はとても優しい。いつもアイビスに向けるような熱のこもった眼差しで、アイビスに触れるような優しい手付きで愛おしげにタイピンを撫でるものだから、なんだか照れ臭くなる。
大事に蝶の髪飾りをしまったアイビスは、熱を逃すようにカフェが面する大通りに視線を落とした。
王国の中心地ともあれば、行き交う人々の通行量も多い。小さな子供が必死に親の手を握って歩く姿や、老夫婦が互いを労わりあいながら歩く姿を見て、自然とアイビスの表情も和らぐ。
その時、一人の少女がふらりと道を外れて細い路地裏に入り込んでいく姿が目に入った。
ざわりと嫌な胸騒ぎがする。
脳の奥で、もう十年も前の嫌な記憶が蘇る。
ザザッ、ザザッとノイズがかったような映像が脳裏に浮かび、アイビスは額を押さえた。
「アイビス?」
アイビスの中で警鐘が鳴り響いて止まらない。
考えるよりも早く、アイビスは立ち上がると、ワンピースを片側に纏めて手で抑え、勢いをつけてテラスの手すりを乗り越えた。
20
お気に入りに追加
306
あなたにおすすめの小説
国王陛下、私のことは忘れて幸せになって下さい。
ひかり芽衣
恋愛
同じ年で幼馴染のシュイルツとアンウェイは、小さい頃から将来は国王・王妃となり国を治め、国民の幸せを守り続ける誓いを立て教育を受けて来た。
即位後、穏やかな生活を送っていた2人だったが、婚姻5年が経っても子宝に恵まれなかった。
そこで、跡継ぎを作る為に側室を迎え入れることとなるが、この側室ができた人間だったのだ。
国の未来と皆の幸せを願い、王妃は身を引くことを決意する。
⭐︎2人の恋の行く末をどうぞ一緒に見守って下さいませ⭐︎
※初執筆&投稿で拙い点があるとは思いますが頑張ります!
不憫な侯爵令嬢は、王子様に溺愛される。
猫宮乾
恋愛
再婚した父の元、継母に幽閉じみた生活を強いられていたマリーローズ(私)は、父が没した事を契機に、結婚して出ていくように迫られる。皆よりも遅く夜会デビューし、結婚相手を探していると、第一王子のフェンネル殿下が政略結婚の話を持ちかけてくる。他に行く場所もない上、自分の未来を切り開くべく、同意したマリーローズは、その後後宮入りし、正妃になるまでは婚約者として過ごす事に。その内に、フェンネルの優しさに触れ、溺愛され、幸せを見つけていく。※pixivにも掲載しております(あちらで完結済み)。
身代わりの公爵家の花嫁は翌日から溺愛される。~初日を挽回し、溺愛させてくれ!~
湯川仁美
恋愛
姉の身代わりに公爵夫人になった。
「貴様と寝食を共にする気はない!俺に呼ばれるまでは、俺の前に姿を見せるな。声を聞かせるな」
夫と初対面の日、家族から男癖の悪い醜悪女と流され。
公爵である夫とから啖呵を切られたが。
翌日には誤解だと気づいた公爵は花嫁に好意を持ち、挽回活動を開始。
地獄の番人こと閻魔大王(善悪を判断する審判)と異名をもつ公爵は、影でプレゼントを贈り。話しかけるが、謝れない。
「愛しの妻。大切な妻。可愛い妻」とは言えない。
一度、言った言葉を撤回するのは難しい。
そして妻は普通の令嬢とは違い、媚びず、ビクビク怯えもせず普通に接してくれる。
徐々に距離を詰めていきましょう。
全力で真摯に接し、謝罪を行い、ラブラブに到着するコメディ。
第二章から口説きまくり。
第四章で完結です。
第五章に番外編を追加しました。
【完結】婚約者を譲れと言うなら譲ります。私が欲しいのはアナタの婚約者なので。
海野凛久
恋愛
【書籍絶賛発売中】
クラリンス侯爵家の長女・マリーアンネは、幼いころから王太子の婚約者と定められ、育てられてきた。
しかしそんなある日、とあるパーティーで、妹から婚約者の地位を譲るように迫られる。
失意に打ちひしがれるかと思われたマリーアンネだったが――
これは、初恋を実らせようと奮闘する、とある令嬢の物語――。
※第14回恋愛小説大賞で特別賞頂きました!応援くださった皆様、ありがとうございました!
※主人公の名前を『マリ』から『マリーアンネ』へ変更しました。
婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです
青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています
チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。
しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。
婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。
さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。
失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。
目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。
二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。
一方、義妹は仕事でミスばかり。
闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。
挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。
※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます!
※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。
公爵様、契約通り、跡継ぎを身籠りました!-もう契約は満了ですわよ・・・ね?ちょっと待って、どうして契約が終わらないんでしょうかぁぁ?!-
猫まんじゅう
恋愛
そう、没落寸前の実家を助けて頂く代わりに、跡継ぎを産む事を条件にした契約結婚だったのです。
無事跡継ぎを妊娠したフィリス。夫であるバルモント公爵との契約達成は出産までの約9か月となった。
筈だったのです······が?
◆◇◆
「この結婚は契約結婚だ。貴女の実家の財の工面はする。代わりに、貴女には私の跡継ぎを産んでもらおう」
拝啓、公爵様。財政に悩んでいた私の家を助ける代わりに、跡継ぎを産むという一時的な契約結婚でございましたよね・・・?ええ、跡継ぎは産みました。なぜ、まだ契約が完了しないんでしょうか?
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいませええ!この契約!あと・・・、一体あと、何人子供を産めば契約が満了になるのですッ!!?」
溺愛と、悪阻(ツワリ)ルートは二人がお互いに想いを通じ合わせても終わらない?
◆◇◆
安心保障のR15設定。
描写の直接的な表現はありませんが、”匂わせ”も気になる吐き悪阻体質の方はご注意ください。
ゆるゆる設定のコメディ要素あり。
つわりに付随する嘔吐表現などが多く含まれます。
※妊娠に関する内容を含みます。
【2023/07/15/9:00〜07/17/15:00, HOTランキング1位ありがとうございます!】
こちらは小説家になろうでも完結掲載しております(詳細はあとがきにて、)
とまどいの花嫁は、夫から逃げられない
椎名さえら
恋愛
エラは、親が決めた婚約者からずっと冷淡に扱われ
初夜、夫は愛人の家へと行った。
戦争が起こり、夫は戦地へと赴いた。
「無事に戻ってきたら、お前とは離婚する」
と言い置いて。
やっと戦争が終わった後、エラのもとへ戻ってきた夫に
彼女は強い違和感を感じる。
夫はすっかり改心し、エラとは離婚しないと言い張り
突然彼女を溺愛し始めたからだ
______________________
✴︎舞台のイメージはイギリス近代(ゆるゆる設定)
✴︎誤字脱字は優しくスルーしていただけると幸いです
✴︎なろうさんにも投稿しています
私の勝手なBGMは、懐かしすぎるけど鬼束ちひろ『月光』←名曲すぎ
【完結】絶世の美女から平凡な少女に生まれ変わって幸せですが、元護衛騎士が幸せではなさそうなのでどうにかしたい
大森 樹
恋愛
メラビア王国の王女であり絶世の美女キャロラインは、その美しさから隣国の王に無理矢理妻にと望まれ戦争の原因になっていた。婚約者だったジョセフ王子も暗殺され、自国の騎士も亡くなっていく状況に耐えられず自死を選んだ。
「神様……私をどうしてこんな美しい容姿にされたのですか?来世はどうか平凡な人生にしてくださいませ」
そして望み通り平民のミーナとして生まれ変わった彼女はのびのびと平和に楽しく生きていた。お金はないけど、自由で幸せ!最高!
そんなある日ミーナはボロボロの男を助ける。その男は……自分がキャロラインだった頃に最期まで自分を護ってくれた護衛騎士の男ライナスだった。死んだような瞳で生きている彼に戸惑いを覚える。
ミーナの恋のお話です。ミーナを好きな魅力的な男達も沢山現れて……彼女は最終的に誰を選ぶのか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる