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10_アイビスの夢
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「さて、と。私もお昼からの稽古の準備をしなくちゃね」
ヴェルナーを見送った後、自室に戻ったアイビスは、道着やタオル、水筒を袋に詰め込むと実家の道場へと向かう準備をする。
今日はお昼から集団クラスが入っている。
アイビスの護身術道場は、主に女性向けで、貴族や平民といった身分の差に関わらず受け入れている。
クラスの種類は二種類で、集団クラスと個人クラスを設けている。
集団クラスでは複数の門下生と共に型の練習や組み手をして、実践形式で訓練する。
個人クラスでは門下生の要望に柔軟に対応して、授業内容を組み立てている。護身術だけでなく、希望があれば攻めの武術を教えることもあるのだが、基本的には我が身を守る術を身につけて欲しいがために道場を開いている。
準備が整ったアイビスは部屋を出る間際、あっ!と思い出して、そっと結婚指輪を指から抜く。そして、ベッドサイドのテーブルの上にあらかじめ用意していたケースへと大事にしまった。
護身術の稽古で指輪をつけたままでは、相手に怪我をさせてしまうかもしれない。稽古中は指輪を外すことについて、事前にヴェルナーに詫びたのだが、彼は全て分かっていると笑顔で快諾してくれた。
怪我をさせまいという武闘家としての心得、それに少しの間でも指輪を外す罪悪感、その全てをきっとヴェルナーは見透かし、受容してくれているのだ。
その時のことを思い返したアイビスは、ほのかに頬を染めつつ、表情を緩ませたまま実家へと向かった。
◇◇◇
「よし、いっちょやりますか」
道場に到着したアイビスは、扉をガラガラ開けて、胸いっぱいに空気を吸い込んだ。
数日訪れていないだけで随分と久しぶりな気がする。
窓を全て開けて換気をしつつ、アイビスは素早く道着に着替えると、倉庫からモップを取り出して道場全体を掃除し始める。
この場所があるからアイビスは護身術の師範として、女性たちに指導することができるのだ。その感謝の気持ちを込めて、道場に入るとまずは隅々まで磨き上げることから始めている。
慣れた手つきでモップを滑らせ、間も無く全面を拭き終える。足の裏で磨き加減を確かめると、キュキュッと耳触りの良い音が鳴った。
「よしっ!バッチリね」
モップを片付けて時計を見ると、まだ開始時間まで十分に時間があった。
アイビスは準備運動がてら基本の型を取ることにした。流派によって型の内容が異なるのだが、アイビスは護身術の動きに応用できる内容で自分なりに構成した独自の型を使っている。
ビュッ!ビュッ!と拳や足が空を切る音、道着が擦れる音が神聖なる道場内に響き渡る。
「ふぅー…」
程よく身体が温まり、呼吸を整えながら水筒に入れてきた水をグイッと煽る。
タオルで汗を拭っていると、道場の入り口方面から人の気配を感じた。
「あ!アイビス様!こんにちは!」
「あら、違うでしょう?」
「あ……師範!」
ちょうど門下生たちが到着したようだ。
アイビスが出迎えると、彼女たちは頭を下げて挨拶をした。
「さ、着替えていらっしゃい。先週の復習から始めるわよ」
「はい!よろしくお願いしますっ!」
バタバタと更衣室に駆けていく後ろ姿を見送りつつ、アイビスは微笑んだ。
現在、アイビスの道場に通っているのはほんの十名ほど。けれども、道場を開いた時に閑古鳥が鳴いていたことを思うと、随分増えたと思う。ましてや、女性が武術を習うこと自体のハードルはまだまだ高い。そんな中、必要だと感じて通ってくれる人がいる。そのことがアイビスは嬉しかったし、自分の仕事に自信や誇りも持っていた。
今日の集団クラスに通う門下生は五人。
うち三人は平民で、残る二人は貴族令嬢である。
彼女たちが道場に通う理由はさまざまだ。
周りの男友達に負けないように立ち回る力が欲しい人、幼い頃に男女の差により不当な扱いを受け、その悔しさをバネに強くなりたいと願う人、弱小貴族で護衛を雇う余裕がないから、最低限自分の身は自分で守りたいという強かな令嬢もいる。
どんな理由であれ、アイビスは受け入れる。
来るもの拒まず、去るもの追わずの精神である。
女性はいつまでも護られるばかりの非力な存在ではないと常々思っている。
理不尽な目にあった時、反撃の術を身につけて欲しい。
泣き寝入りするばかりではなく、戦う勇気と力を持って欲しい。
今はまだ、そんなアイビスの考えは異端である。
けれども、いつの日か、凝り固まった固定観念を払拭し、女性が強く生きるための力となれるように、アイビスは一歩ずつ前進していくつもりだ。
護身術が学園の必修科目の一つとなるほどに、女性が武芸を学ぶことを世の中に定着させる――それが幼い頃にとある出来事を経験したアイビスの密かな夢であり、野望である。
道のりは遠いが、精一杯自分にできることを積み重ねていきたい。
そう決意を新たに、アイビスは道着に着替えた門下生たちを迎えた。
「よろしくお願いします!」
「ええ、よろしく。基本の型で身体をほぐしてから、先週教えた背後から抱きつかれた時の対処法の復習をしましょう」
アイビスの見本で、門下生たちは懸命に拳を振るう。最初に比べると随分と様になったものだ。
一通り終えると息も絶え絶えになるあたり、基礎体力が足りないなと、頭の中で授業構成を練り直していく。
「さ、二人一組になって、一人は後ろから抱きつく役、もう一人はその状態からうまく脱出を試みてちょうだい。あなたたちは五人だから……ミーア、あなたは私と組みましょう」
「はっ、はいっ!」
ミーアは平民の娘で、歳は今年十八になる。
父を早くに亡くし、幼い妹弟を護る力を身につけるため、アイビスの道場の門を叩いた。
残る四人も素早くペアになったようで、アイビスは笑みを浮かべる。
一歩道場に足を踏み入れたら、そこに身分の差などない。平民であれ貴族であれ、等しく門下生としてアイビスは接している。彼女たちもすっかりそのことが身についたようで、身分の差に関わらず抵抗もせずペアを組んでくれている。
「じゃあ、まずは私たちが実践するから、復習だと思ってよーく見ていてね。ミーア、教えた通りにやってみて」
「は、はい!」
アイビスはミーアの後ろに素早く回り込むと、小柄な彼女を包み込むように後ろから抱きしめた。
ミーアはびくりと肩を縮ませるが、素早く膝を曲げて腰を落とした。アイビスの重心が僅かに崩れた隙に、足を一歩踏み出して両手を振り上げながら勢いよく立ち上がり、身体が離れた拍子にアイビスの腕の中から逃げ出した。
「うん!上手にできたわね!急に後ろから抱きつかれたとしても慌てないで、相手の体勢を崩せば逃げる隙は必ず生じるわ。腰を落とした時に思い切り相手の足を踏み付けてもいいわ。ヒールを履いていたら中々のダメージを入れられるでしょうしね」
アイビスは身振り手振りで詳しく説明をおこなっていく。
「顎に頭突きをしたり、急所を蹴り上げたり、ともかく相手が怯んだ隙に人の気配がする方へ思い切り走りなさい。一番は自分の命を守ること。助けを求める勇気も一種の強さよ。決して自分の力や技術を過信して深追いをしてはいけないわ」
門下生一同はうんうん頷きながら、アイビスの真似をするように各々が身体を動かしたりペアの相手と動きの確認をしたりしている。
「さ!あとは実践あるのみ!抱きつく側を交代して繰り返し動きを身体に覚えさせましょう」
「はいっ!」
道場は時間いっぱい活気ある声に満ちていた。
ヴェルナーを見送った後、自室に戻ったアイビスは、道着やタオル、水筒を袋に詰め込むと実家の道場へと向かう準備をする。
今日はお昼から集団クラスが入っている。
アイビスの護身術道場は、主に女性向けで、貴族や平民といった身分の差に関わらず受け入れている。
クラスの種類は二種類で、集団クラスと個人クラスを設けている。
集団クラスでは複数の門下生と共に型の練習や組み手をして、実践形式で訓練する。
個人クラスでは門下生の要望に柔軟に対応して、授業内容を組み立てている。護身術だけでなく、希望があれば攻めの武術を教えることもあるのだが、基本的には我が身を守る術を身につけて欲しいがために道場を開いている。
準備が整ったアイビスは部屋を出る間際、あっ!と思い出して、そっと結婚指輪を指から抜く。そして、ベッドサイドのテーブルの上にあらかじめ用意していたケースへと大事にしまった。
護身術の稽古で指輪をつけたままでは、相手に怪我をさせてしまうかもしれない。稽古中は指輪を外すことについて、事前にヴェルナーに詫びたのだが、彼は全て分かっていると笑顔で快諾してくれた。
怪我をさせまいという武闘家としての心得、それに少しの間でも指輪を外す罪悪感、その全てをきっとヴェルナーは見透かし、受容してくれているのだ。
その時のことを思い返したアイビスは、ほのかに頬を染めつつ、表情を緩ませたまま実家へと向かった。
◇◇◇
「よし、いっちょやりますか」
道場に到着したアイビスは、扉をガラガラ開けて、胸いっぱいに空気を吸い込んだ。
数日訪れていないだけで随分と久しぶりな気がする。
窓を全て開けて換気をしつつ、アイビスは素早く道着に着替えると、倉庫からモップを取り出して道場全体を掃除し始める。
この場所があるからアイビスは護身術の師範として、女性たちに指導することができるのだ。その感謝の気持ちを込めて、道場に入るとまずは隅々まで磨き上げることから始めている。
慣れた手つきでモップを滑らせ、間も無く全面を拭き終える。足の裏で磨き加減を確かめると、キュキュッと耳触りの良い音が鳴った。
「よしっ!バッチリね」
モップを片付けて時計を見ると、まだ開始時間まで十分に時間があった。
アイビスは準備運動がてら基本の型を取ることにした。流派によって型の内容が異なるのだが、アイビスは護身術の動きに応用できる内容で自分なりに構成した独自の型を使っている。
ビュッ!ビュッ!と拳や足が空を切る音、道着が擦れる音が神聖なる道場内に響き渡る。
「ふぅー…」
程よく身体が温まり、呼吸を整えながら水筒に入れてきた水をグイッと煽る。
タオルで汗を拭っていると、道場の入り口方面から人の気配を感じた。
「あ!アイビス様!こんにちは!」
「あら、違うでしょう?」
「あ……師範!」
ちょうど門下生たちが到着したようだ。
アイビスが出迎えると、彼女たちは頭を下げて挨拶をした。
「さ、着替えていらっしゃい。先週の復習から始めるわよ」
「はい!よろしくお願いしますっ!」
バタバタと更衣室に駆けていく後ろ姿を見送りつつ、アイビスは微笑んだ。
現在、アイビスの道場に通っているのはほんの十名ほど。けれども、道場を開いた時に閑古鳥が鳴いていたことを思うと、随分増えたと思う。ましてや、女性が武術を習うこと自体のハードルはまだまだ高い。そんな中、必要だと感じて通ってくれる人がいる。そのことがアイビスは嬉しかったし、自分の仕事に自信や誇りも持っていた。
今日の集団クラスに通う門下生は五人。
うち三人は平民で、残る二人は貴族令嬢である。
彼女たちが道場に通う理由はさまざまだ。
周りの男友達に負けないように立ち回る力が欲しい人、幼い頃に男女の差により不当な扱いを受け、その悔しさをバネに強くなりたいと願う人、弱小貴族で護衛を雇う余裕がないから、最低限自分の身は自分で守りたいという強かな令嬢もいる。
どんな理由であれ、アイビスは受け入れる。
来るもの拒まず、去るもの追わずの精神である。
女性はいつまでも護られるばかりの非力な存在ではないと常々思っている。
理不尽な目にあった時、反撃の術を身につけて欲しい。
泣き寝入りするばかりではなく、戦う勇気と力を持って欲しい。
今はまだ、そんなアイビスの考えは異端である。
けれども、いつの日か、凝り固まった固定観念を払拭し、女性が強く生きるための力となれるように、アイビスは一歩ずつ前進していくつもりだ。
護身術が学園の必修科目の一つとなるほどに、女性が武芸を学ぶことを世の中に定着させる――それが幼い頃にとある出来事を経験したアイビスの密かな夢であり、野望である。
道のりは遠いが、精一杯自分にできることを積み重ねていきたい。
そう決意を新たに、アイビスは道着に着替えた門下生たちを迎えた。
「よろしくお願いします!」
「ええ、よろしく。基本の型で身体をほぐしてから、先週教えた背後から抱きつかれた時の対処法の復習をしましょう」
アイビスの見本で、門下生たちは懸命に拳を振るう。最初に比べると随分と様になったものだ。
一通り終えると息も絶え絶えになるあたり、基礎体力が足りないなと、頭の中で授業構成を練り直していく。
「さ、二人一組になって、一人は後ろから抱きつく役、もう一人はその状態からうまく脱出を試みてちょうだい。あなたたちは五人だから……ミーア、あなたは私と組みましょう」
「はっ、はいっ!」
ミーアは平民の娘で、歳は今年十八になる。
父を早くに亡くし、幼い妹弟を護る力を身につけるため、アイビスの道場の門を叩いた。
残る四人も素早くペアになったようで、アイビスは笑みを浮かべる。
一歩道場に足を踏み入れたら、そこに身分の差などない。平民であれ貴族であれ、等しく門下生としてアイビスは接している。彼女たちもすっかりそのことが身についたようで、身分の差に関わらず抵抗もせずペアを組んでくれている。
「じゃあ、まずは私たちが実践するから、復習だと思ってよーく見ていてね。ミーア、教えた通りにやってみて」
「は、はい!」
アイビスはミーアの後ろに素早く回り込むと、小柄な彼女を包み込むように後ろから抱きしめた。
ミーアはびくりと肩を縮ませるが、素早く膝を曲げて腰を落とした。アイビスの重心が僅かに崩れた隙に、足を一歩踏み出して両手を振り上げながら勢いよく立ち上がり、身体が離れた拍子にアイビスの腕の中から逃げ出した。
「うん!上手にできたわね!急に後ろから抱きつかれたとしても慌てないで、相手の体勢を崩せば逃げる隙は必ず生じるわ。腰を落とした時に思い切り相手の足を踏み付けてもいいわ。ヒールを履いていたら中々のダメージを入れられるでしょうしね」
アイビスは身振り手振りで詳しく説明をおこなっていく。
「顎に頭突きをしたり、急所を蹴り上げたり、ともかく相手が怯んだ隙に人の気配がする方へ思い切り走りなさい。一番は自分の命を守ること。助けを求める勇気も一種の強さよ。決して自分の力や技術を過信して深追いをしてはいけないわ」
門下生一同はうんうん頷きながら、アイビスの真似をするように各々が身体を動かしたりペアの相手と動きの確認をしたりしている。
「さ!あとは実践あるのみ!抱きつく側を交代して繰り返し動きを身体に覚えさせましょう」
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