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第一章 ゲームスタート編
ケモナーの新たな仲間!
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後ろからバチン! と何かを地面に叩きつけるような音が聞こえる。まるで、S○クラブで鳴り響く鞭のような音……
その音にフロスは怯えながらも、振り向き音の主を確認する。
「シャアァアア!」
そこには蛇がいた。とてもとても大きな蛇。
「あ、ども、あのー……私蛇は専門外でして……出来ればこのままお引き取り頂ければなーなんて……」
フロスは控えめに蛇へとお願いする。当然そんなもの魔物が聞き入れてくれるはずもなく……
「キシャアア!!」
蛇は彼女に向かって毒の塊を吐き出した。
「もおおおっ! ミーナさんの嘘つき! 何でこうなるのよーっ! 何がアンデッドしか出ないよ! なんかボス出てきたんですけどっ!! ……てやばっ!」
蛇のリーチを舐めてたフロスは蛇に捕らえられる。
「私おいしくないですよーっ!? ちょっ! 離して!」
蛇に咥えられた彼女は当然暴れた。幸か不幸か、その際に彼女の腰にぶら下げてあるきびだんごが全て蛇の口の中に入っていった。
「キシャッ!? シャアアアア!!?」
蛇は苦しそうに暴れ出し、フロスを地面に落とした。
「え? どうしたの? 私そんなにおいしくなかった? ってあ、きひだんご……ええ!? モフれないじゃん! いや……これもまたケモナーの、モフリストの試練……! 獣でなくとも愛せ、モフれ! そうよ、私のモフモフに限界なんてない! あ、蛇消えた」
『レベルが13に上がりました』
『スキル【蛇王の絆】を入手しました』
「んー? 何ででかいやつだとテイムしただけでレベル上がるんだろ? ……はっ! そうだよ! ボスみたいな魔物探してテイムすればいいんだ! ……でもきびだんごが……まあいいや、一旦戻ろうかな」
フロスはミーナに一言いう為にミーナがいるところに向かっていった。
◆
「あ、フロスちゃんじゃない、どうだった?」
「ミーナさん……私のこと騙しましたね」
ミーナに会うとすぐにフロスは自分の身に起こったことを伝える。
「あー……獣ってアンデッドもダメなんだ……」
「そこもそうですけど……それじゃないです、なんかでかい蛇出てきたんですけど。毒吐いてくる奴」
彼女が愚痴りたいのはウルフゾンビの事ではなくあのでかい蛇のことだ。
「あ、バジリスクのこと? 言おうとしたのに先行っちゃうから……」
そう、ミーナはたしかに伝えようとしていたのだ。つまり悪いのは……
「え!? あ、なんかごめんなさい……」
そう、フロスの方である。
「いいのいいの、ところで……バジリスクからどうやって逃げてきたの?」
「捕まえました」
「……え?」
ミーナは信じられないとでもいうように目を見開く。というかこのゲームにおいてテイム何て出来るとは聞いたことがない。
「捕まえたって……どうやって?」
「きびだんごです」
「きびだんご……? あのモモ太郎に出てくる?」
「そう、それです! きびだんご上げるとモフらせてくれるの!」
フロスの言葉にミーナは固まる。もしこれが本当ならば革新的なものだろう。世はまさにケモナー時代になるかもしれない。
「それってどうやってゲットするの……?」
「えっとー確かスキルと一緒にもらえた筈ですよ!
つまりスキルの取得条件さえ知ることができれば誰でもモンスターをテイムできるようになるわけだ。
「そのスキルは……」
聞こうとしてミーナは思いとどまった。ダンジョンの場所とかならまだしも自分のスキルを教えるアホなんて流石にいないだろう。ミーナはそう考え、フロスに聞くのを思いとどまった。
「あ、ちなみにスキルは【動物愛護】って奴です!」
「アホいたわ……」
「え?」
ミーナの予想は見事に外れた。お人好しというかアホというか……とにかくスキルはわかったのだ。この調子なら取得条件も教えてくれるだろう。
「それにしても【動物愛護】ねぇ……うん、聞いたことないわ。取得条件は……流石に教えてくれないかな?」
「取得条件ですか? えっとたしかー……あ、一日のうちに無抵抗で50回以上魔物に殺されるのが条件みたいですよ!」
フロスの言葉を聞いた瞬間ミーナの頭には一つの言葉が駆け巡った。
(マゾ……! この娘……とんでもないマゾだわ!)
無抵抗で50回以上殺される、一体どんな神経しているのだろうか。どちらにしろ取得は不可能だろう。そもそも死ぬのは痛いのだ。それに上位層ともなると自動反撃スキルを持っている者もいる。自動反撃とは対をなすスキルだろう。どちらか選べと言われたらミーナは絶対に自動反撃を選ぶ筈だ。とにかく彼女には一つだけ伝えたかった。
「50回も無抵抗でやられるなんて……もしかして学校でいじめられてたりするの? お姉さん話聞くよ?」
虐げられることに慣れているとしか思えない。ミーナはフロスが虐められているのでは?と心配になり、話すよう促す。
「え? 急に何ですか! いじめられてませんよ!?」
「そうよね……まだよく知らない私に話せるようなことじゃないのよね……いいの、いつか話して頂戴、必ず力になってあげるからね。貴方は一人じゃないのよ?」
「あの……そもそもいじめられてませんよ?」
「大丈夫……隠さなくてもいいの。でもいま話さなくてもいい……いつか話してね?」
ミーナの中では完全にフロスがいじめられっ子の可哀想な子、というイメージで定着してしまった。
「ダメだこれ」
フロスはミーナの説得を諦めた。
その音にフロスは怯えながらも、振り向き音の主を確認する。
「シャアァアア!」
そこには蛇がいた。とてもとても大きな蛇。
「あ、ども、あのー……私蛇は専門外でして……出来ればこのままお引き取り頂ければなーなんて……」
フロスは控えめに蛇へとお願いする。当然そんなもの魔物が聞き入れてくれるはずもなく……
「キシャアア!!」
蛇は彼女に向かって毒の塊を吐き出した。
「もおおおっ! ミーナさんの嘘つき! 何でこうなるのよーっ! 何がアンデッドしか出ないよ! なんかボス出てきたんですけどっ!! ……てやばっ!」
蛇のリーチを舐めてたフロスは蛇に捕らえられる。
「私おいしくないですよーっ!? ちょっ! 離して!」
蛇に咥えられた彼女は当然暴れた。幸か不幸か、その際に彼女の腰にぶら下げてあるきびだんごが全て蛇の口の中に入っていった。
「キシャッ!? シャアアアア!!?」
蛇は苦しそうに暴れ出し、フロスを地面に落とした。
「え? どうしたの? 私そんなにおいしくなかった? ってあ、きひだんご……ええ!? モフれないじゃん! いや……これもまたケモナーの、モフリストの試練……! 獣でなくとも愛せ、モフれ! そうよ、私のモフモフに限界なんてない! あ、蛇消えた」
『レベルが13に上がりました』
『スキル【蛇王の絆】を入手しました』
「んー? 何ででかいやつだとテイムしただけでレベル上がるんだろ? ……はっ! そうだよ! ボスみたいな魔物探してテイムすればいいんだ! ……でもきびだんごが……まあいいや、一旦戻ろうかな」
フロスはミーナに一言いう為にミーナがいるところに向かっていった。
◆
「あ、フロスちゃんじゃない、どうだった?」
「ミーナさん……私のこと騙しましたね」
ミーナに会うとすぐにフロスは自分の身に起こったことを伝える。
「あー……獣ってアンデッドもダメなんだ……」
「そこもそうですけど……それじゃないです、なんかでかい蛇出てきたんですけど。毒吐いてくる奴」
彼女が愚痴りたいのはウルフゾンビの事ではなくあのでかい蛇のことだ。
「あ、バジリスクのこと? 言おうとしたのに先行っちゃうから……」
そう、ミーナはたしかに伝えようとしていたのだ。つまり悪いのは……
「え!? あ、なんかごめんなさい……」
そう、フロスの方である。
「いいのいいの、ところで……バジリスクからどうやって逃げてきたの?」
「捕まえました」
「……え?」
ミーナは信じられないとでもいうように目を見開く。というかこのゲームにおいてテイム何て出来るとは聞いたことがない。
「捕まえたって……どうやって?」
「きびだんごです」
「きびだんご……? あのモモ太郎に出てくる?」
「そう、それです! きびだんご上げるとモフらせてくれるの!」
フロスの言葉にミーナは固まる。もしこれが本当ならば革新的なものだろう。世はまさにケモナー時代になるかもしれない。
「それってどうやってゲットするの……?」
「えっとー確かスキルと一緒にもらえた筈ですよ!
つまりスキルの取得条件さえ知ることができれば誰でもモンスターをテイムできるようになるわけだ。
「そのスキルは……」
聞こうとしてミーナは思いとどまった。ダンジョンの場所とかならまだしも自分のスキルを教えるアホなんて流石にいないだろう。ミーナはそう考え、フロスに聞くのを思いとどまった。
「あ、ちなみにスキルは【動物愛護】って奴です!」
「アホいたわ……」
「え?」
ミーナの予想は見事に外れた。お人好しというかアホというか……とにかくスキルはわかったのだ。この調子なら取得条件も教えてくれるだろう。
「それにしても【動物愛護】ねぇ……うん、聞いたことないわ。取得条件は……流石に教えてくれないかな?」
「取得条件ですか? えっとたしかー……あ、一日のうちに無抵抗で50回以上魔物に殺されるのが条件みたいですよ!」
フロスの言葉を聞いた瞬間ミーナの頭には一つの言葉が駆け巡った。
(マゾ……! この娘……とんでもないマゾだわ!)
無抵抗で50回以上殺される、一体どんな神経しているのだろうか。どちらにしろ取得は不可能だろう。そもそも死ぬのは痛いのだ。それに上位層ともなると自動反撃スキルを持っている者もいる。自動反撃とは対をなすスキルだろう。どちらか選べと言われたらミーナは絶対に自動反撃を選ぶ筈だ。とにかく彼女には一つだけ伝えたかった。
「50回も無抵抗でやられるなんて……もしかして学校でいじめられてたりするの? お姉さん話聞くよ?」
虐げられることに慣れているとしか思えない。ミーナはフロスが虐められているのでは?と心配になり、話すよう促す。
「え? 急に何ですか! いじめられてませんよ!?」
「そうよね……まだよく知らない私に話せるようなことじゃないのよね……いいの、いつか話して頂戴、必ず力になってあげるからね。貴方は一人じゃないのよ?」
「あの……そもそもいじめられてませんよ?」
「大丈夫……隠さなくてもいいの。でもいま話さなくてもいい……いつか話してね?」
ミーナの中では完全にフロスがいじめられっ子の可哀想な子、というイメージで定着してしまった。
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