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オナニー愛好家と元クソ野郎が恋人になるまで
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沈黙が辛い。気まずい。
よりにもよって俺のケツオナの声が連日男を連れ込んでの爛れた乱痴気騒ぎだと思われてたなんて……しかも、相手は大学の友人達。最悪だ。
あいつ等とあんな事やこんな事をしていたと思われてたなんて……うぇ、想像しただけで気持悪。
まさかのとんでもない誤解にどんな顔をすればいいのか。古町さんは唖然としてるし。てか、古町さんは誤解とはいえ、そんな俺の事を今までどう言う目で見てたんだろ?
そう思うと、古町さんの顔を見ていられなくて目線を下げる。
「それは……分かりました。しかし、セックスをした事が無いなんて、本気で言っているんですか?」
「本気も何も、本当に無いんだし……彼女だっていた事無いですし。勿論、彼氏も無いんですよ?」
「廣邊君……でしたら、僕とやっている事は、何ですか?」
古町さんとやってる事?
古町さんの問いかけに、ペットボトルの表面を伝い落ちる水滴を眺めていた目線を上げ、その先で見た物にビクッと肩が震える。
いつも自信なさげにオドオドと泳いでいるか、優し気に穏やかに微笑んでいる古町さんの目が笑っていない。
いや、顔は笑ってるんだよ? 顔はニッコリ、と表現する程口角も上がって目だって細めて俺を見てる。だけど、目の奥だけが笑ってない。
古町さんの初めて見る表情に心臓の辺りが一気に冷えた様な感覚に襲われる。
「何って……あの、チンコをお借りして」
「オナニーしていた、と言いたいんですか? なるほど……僕は本当に名実ともに肉ディルド扱いだった訳ですね。まさか、セフレですらないなんてね」
「セ! セフレ!? ぃゃ、何を言ってるんですか……あの、俺は、ただ……」
「廣邊君、君が色々な男とセックスしまくっていた、なんてとんだ誤解をしてしまっていた事は謝ります。全て僕の勝手な思い込みで全面的に僕に非があります」
「あっ謝らないで下さいよ古町さん!! それは、俺がっ」
僕に向かって頭を下げる古町さんに焦る。
古町さんが勘違いしたのなんて、俺が馬鹿みたいにオナニーしまくってアヘ声を漏れさせたのが原因なんだから!
下げた頭を上げて貰おうと伸ばした手が触れる前に古町さんが頭を上げ、慌てて手を引く。
だって、いまだに不自然に目だけが笑っていない笑顔を浮かべていて、もしかしなくてもだけど……怒ってる?
あの温厚な古町さんが怒るなんてよっぽどの事だぞ? 俺、何やった? 何をやっちまったんだ?
焦って空回りする思考の断片を集めて考えて考えて考えて……
はっ! もしかして……肉ディルドの事か!?
そう言えば、さっき古町さんが「名実ともに肉ディルド扱いだった訳ですね」って……
それだー! そりゃそうだよ。こんなに良い人な古町さんを肉ディルド扱いなんてしてたら怒って当然だ。
俺は古町さんのチンコを貸して貰って気持ち良くケツオナして、古町さんは俺のケツでオナニーして気持ち良くなって貰って、俺達win‐winの関係! なんて、調子に乗ってた俺が全部悪い。
今更ながら古町さんに凄く失礼な事をしていた事に気が付いて、自分の浅はかさに鳩尾が重くなる。
これって俺……古町さんに嫌われちゃうんじゃ……今までは古町さんの広い心で許して貰えてただけだったのかも。
最高のチンコで最高なケツオナが出来なくなるのは辛い。
だけど、挙動不審な古町さんの控えめな笑顔を見れなくなるのも、スパダリが垣間見える優しい目で見て貰えなくなるのも嫌だー!
もう、チンコ貸して下さいとか言わないし、肉ディルドだっていらないから、今まで通り仲良くして欲しいって言うのは図々しいだろうか。
俺、古町さんに嫌われたら、もうあのアパートにいられない。引っ越す!
「ごめんなさい、古町さん。俺、肉ディルドだなんて、古町さんに酷い事を――」
「ああ、それは別にいいですよ」
「は!?」
いいんかい!
あっさりと肉ディルドの件を否定されて、思い切り肩透かしを食らった気分だ。
自分で言うのもなんだけど、むしろ怒っていいと思う。
「廣邊君に肉ディルドになって欲しいと言われた時は戸惑いましたけど、良く考えれば僕も昔は似た様な扱いを大勢の人にして来ましたし」
「え”!?」
似た様な扱いを大勢の人に!? 古町さんが!?
「一晩だけの行きずりなんて当たり前。セフレだって何十人といた訳ですから、僕がそれに不服を言う事も思う事もありませんよ」
「え”え”!?」
な、ななななな何十人!? モテるとは思ってたけど、そんなに!?
あ、あの人畜無害を絵に描いた様な挙動不審なキャラな古町さんが? スパダリでイケメン紳士なキャラな古町さんが? どちらのキャラでも想像も出来ない予想外な告白に理解が追いつかない。
古町さんの言ってた若気の至りって、一体どれだけのものだったんだ?……
「そんな僕なので、肉ディルドだとかセフレだとかなんて些細な事ですよ」
「え? えええ?……えっと、じゃっ、じゃぁ、なんで怒って……」
もう、古町さんに関する驚愕情報と俺の大失態の発覚で頭がグルグルして来た。
だったら古町さんの、その笑ってない目はいったいなんなの? あ、やばい、目も回って来た。
「怒ってないですよ? 僕が廣邊君に怒る訳無いじゃないですか。あ、もしかして。僕、顔が怖くなってましたか?」
古町さんがグニグニと自分の顔を片手で揉みながら苦笑いする。その時には、目に感情が籠った笑みでホッと肩から力が抜ける。
怖かった……イケメンのあの手の顔は威力が半端ないって。
よりにもよって俺のケツオナの声が連日男を連れ込んでの爛れた乱痴気騒ぎだと思われてたなんて……しかも、相手は大学の友人達。最悪だ。
あいつ等とあんな事やこんな事をしていたと思われてたなんて……うぇ、想像しただけで気持悪。
まさかのとんでもない誤解にどんな顔をすればいいのか。古町さんは唖然としてるし。てか、古町さんは誤解とはいえ、そんな俺の事を今までどう言う目で見てたんだろ?
そう思うと、古町さんの顔を見ていられなくて目線を下げる。
「それは……分かりました。しかし、セックスをした事が無いなんて、本気で言っているんですか?」
「本気も何も、本当に無いんだし……彼女だっていた事無いですし。勿論、彼氏も無いんですよ?」
「廣邊君……でしたら、僕とやっている事は、何ですか?」
古町さんとやってる事?
古町さんの問いかけに、ペットボトルの表面を伝い落ちる水滴を眺めていた目線を上げ、その先で見た物にビクッと肩が震える。
いつも自信なさげにオドオドと泳いでいるか、優し気に穏やかに微笑んでいる古町さんの目が笑っていない。
いや、顔は笑ってるんだよ? 顔はニッコリ、と表現する程口角も上がって目だって細めて俺を見てる。だけど、目の奥だけが笑ってない。
古町さんの初めて見る表情に心臓の辺りが一気に冷えた様な感覚に襲われる。
「何って……あの、チンコをお借りして」
「オナニーしていた、と言いたいんですか? なるほど……僕は本当に名実ともに肉ディルド扱いだった訳ですね。まさか、セフレですらないなんてね」
「セ! セフレ!? ぃゃ、何を言ってるんですか……あの、俺は、ただ……」
「廣邊君、君が色々な男とセックスしまくっていた、なんてとんだ誤解をしてしまっていた事は謝ります。全て僕の勝手な思い込みで全面的に僕に非があります」
「あっ謝らないで下さいよ古町さん!! それは、俺がっ」
僕に向かって頭を下げる古町さんに焦る。
古町さんが勘違いしたのなんて、俺が馬鹿みたいにオナニーしまくってアヘ声を漏れさせたのが原因なんだから!
下げた頭を上げて貰おうと伸ばした手が触れる前に古町さんが頭を上げ、慌てて手を引く。
だって、いまだに不自然に目だけが笑っていない笑顔を浮かべていて、もしかしなくてもだけど……怒ってる?
あの温厚な古町さんが怒るなんてよっぽどの事だぞ? 俺、何やった? 何をやっちまったんだ?
焦って空回りする思考の断片を集めて考えて考えて考えて……
はっ! もしかして……肉ディルドの事か!?
そう言えば、さっき古町さんが「名実ともに肉ディルド扱いだった訳ですね」って……
それだー! そりゃそうだよ。こんなに良い人な古町さんを肉ディルド扱いなんてしてたら怒って当然だ。
俺は古町さんのチンコを貸して貰って気持ち良くケツオナして、古町さんは俺のケツでオナニーして気持ち良くなって貰って、俺達win‐winの関係! なんて、調子に乗ってた俺が全部悪い。
今更ながら古町さんに凄く失礼な事をしていた事に気が付いて、自分の浅はかさに鳩尾が重くなる。
これって俺……古町さんに嫌われちゃうんじゃ……今までは古町さんの広い心で許して貰えてただけだったのかも。
最高のチンコで最高なケツオナが出来なくなるのは辛い。
だけど、挙動不審な古町さんの控えめな笑顔を見れなくなるのも、スパダリが垣間見える優しい目で見て貰えなくなるのも嫌だー!
もう、チンコ貸して下さいとか言わないし、肉ディルドだっていらないから、今まで通り仲良くして欲しいって言うのは図々しいだろうか。
俺、古町さんに嫌われたら、もうあのアパートにいられない。引っ越す!
「ごめんなさい、古町さん。俺、肉ディルドだなんて、古町さんに酷い事を――」
「ああ、それは別にいいですよ」
「は!?」
いいんかい!
あっさりと肉ディルドの件を否定されて、思い切り肩透かしを食らった気分だ。
自分で言うのもなんだけど、むしろ怒っていいと思う。
「廣邊君に肉ディルドになって欲しいと言われた時は戸惑いましたけど、良く考えれば僕も昔は似た様な扱いを大勢の人にして来ましたし」
「え”!?」
似た様な扱いを大勢の人に!? 古町さんが!?
「一晩だけの行きずりなんて当たり前。セフレだって何十人といた訳ですから、僕がそれに不服を言う事も思う事もありませんよ」
「え”え”!?」
な、ななななな何十人!? モテるとは思ってたけど、そんなに!?
あ、あの人畜無害を絵に描いた様な挙動不審なキャラな古町さんが? スパダリでイケメン紳士なキャラな古町さんが? どちらのキャラでも想像も出来ない予想外な告白に理解が追いつかない。
古町さんの言ってた若気の至りって、一体どれだけのものだったんだ?……
「そんな僕なので、肉ディルドだとかセフレだとかなんて些細な事ですよ」
「え? えええ?……えっと、じゃっ、じゃぁ、なんで怒って……」
もう、古町さんに関する驚愕情報と俺の大失態の発覚で頭がグルグルして来た。
だったら古町さんの、その笑ってない目はいったいなんなの? あ、やばい、目も回って来た。
「怒ってないですよ? 僕が廣邊君に怒る訳無いじゃないですか。あ、もしかして。僕、顔が怖くなってましたか?」
古町さんがグニグニと自分の顔を片手で揉みながら苦笑いする。その時には、目に感情が籠った笑みでホッと肩から力が抜ける。
怖かった……イケメンのあの手の顔は威力が半端ないって。
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