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第90話 *

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《RDside》

「んっ…!」

 突如として、唇を奪われる。ただ唇を合わせるだけの優しいキス。何度も触れては離れを繰り返す。もどかしく感じたおれは、自ら口を開いて舌先でフレイの歯列をなぞった。驚いたフレイの瞳が見える。

「んっ…ふっ、んぅ…」
「はっ、」

 やけに、はっきりと互いの息遣いが聞こえる。部屋が静かだからだろうか。
 フレイは唇を割り、おれの舌を受け入れる。触れ合った舌先は、徐々に激しく絡み合い溶け合っていく。甘い唾液が混じり合いながら、口の端からつーっと垂れた。おれはそれを気に止めることもなく、キスを続ける。

「ン…フレ、イ…!」

 息継ぎの合間に甘い声で名を呼ぶと、フレイは分かりやすく照れる。薄らと目を開けて、眼前に迫るイケメンの照れ顔を拝みながら、内心でハァハァと興奮する。
 キスの最中に、イケメン具合に興奮する余裕ができちゃったなんて。フレイには口が裂けても言えない。もっと激しくされちゃいそうだし。何と言うか、激しいけどちゃんと愛を感じられる優しい感じがちょうどいい。

「リダ。脱がせていいか?」
「はっ…ん…そんなこと聞かないで、早く脱がせて」

 寝間着よりきちんとした、だが正装よりは明らかに緩い程度の服。それをフレイは次々と脱がせていく。
 フレイに裸体を晒すのは、これで二度目。だが、だからと言って恥ずかしくないというわけではない。もちろん羞恥心はある。何せ今から抱かれる相手が、とんだイケメンだからね…。恥ずかしくないわけがないよね。

「ぁっ…」

 最後の砦までをも剥ぎ取られてしまった。枕元で揺れる灯りに照らされるフレイの美貌があまりにも人外のような美しさで…。おれは思わず、それに釘付けになってしまった。フレイはというと、惜しげなく灯りの元に晒されたおれの裸体をまじまじと見つめている。

「ちょっ、そんな、見ないでくださいよ…」

 羞恥心に襲われ、我慢できなくなったおれは自らの体を隠そうとする。が、すぐに腕を取られ一纏めにされてしまった。真っ裸で腕も取られてしまったおれの醜態を、熱に浮かされたような表情で見下ろすフレイ。
 ま、待ってよ。一体、どんなプレイ?まさかフレイ。顔に似合わず、相手を凌駕するようなプレイがお好みで…?この前は結構されるがままになっていたのに…。
 やがて見ることに飽きてしまったのか、何も言わずおれの首元に顔を埋めた。

「ぁっ…んぁッ」

 ちゅっちゅっと、可愛らしい音を立てながらキスを落とされる。首から胸元にかけて、美しく色付いた赤い花を散りばめられていく。ふっくらと控えめに膨らんだ胸を揉みしだかれながら、そこにもキスをされる。
 そ、そんな際どいところ、舐めるなんて…!
 頂に触れるか触れるか分からないもどかしいところを責められる。まだ行為は始まったばかりなのに、息も絶え絶えだ。

「焦らさないでください…フレイ」
「そんなつもりはないが?」
「ぁあっ!♡」

 言った傍から、頂にキスをされる。唐突に訪れた快感に、腰が震え歓喜に揺れる。おれの反応を見たフレイは、楽しそうに笑った。
 少し触れられただけで、ピンと自らを主張する乳首をパクリと口に含まれる。舌先で転がされながら、ぷっくりと浮かび上がる乳輪ごと強く吸われた。

「ひぁっ…!ンっ、ぁっ、」
「甘いな…」

 そっと囁かれる。その言葉におれは、カッと目を見開く。
 ち、乳首が甘いだって!?そんなことあるのか!?同人誌の世界だけかと思ってたんだけど!?めちゃめちゃ気になるから、おれも今度フレイの乳首舐めさせてもらおう。確かめたいだけであって、断じてイケメンの乳首を舐めたい!とかそういう破廉恥な思いを抱いているわけじゃないから!
 心中で必死に弁解をするおれに構わず、フレイは胸への愛撫を続ける。

「ふっ…んっ…もう、そこはいいからっ!早くここ触ってください…」
「ここ?どこだよ」
「ぁっ…ぁっ。わ、分かってるんでしょう?」

 そう聞けば、フレイはフッと笑みを零す。仕方がないな、とでも言うようにおれが触って欲しかった場所へと触れてくれた。
 何だかんだ言って優しいイケメンとか、堪らんのだけど。
 体の中心部。男にとって一番大切な場所に触れられたからか、太ももの内側が痙攣し始める。既に勃起していた性器を根元から擦り上げられる。白い先走りの液で滑りは良好だ。

「ひっぁっ…!ぁっあっ!気持ちいいっ」
「おまえがここを使うことは一生ないが、快楽は拾えるようにしとかねぇとな」

 色っぽい声で耳元で囁かれ、思わずイきそうになった。が、何とかギリギリのところで耐えることができた。フレイは、大きな手で性器をやんわり包み込みながらあらゆる手段で快楽を与えてくる。

「ぁっ、あっ!だめっ、だめ…もうダメぇぇぇっ!!!」

 おれの口から出たとは思えない甲高い喘ぎ声。そんな声と共に、無事に絶頂を迎えた。ほんの少し。ほんの少し触られただけで達してしまった。男としては、プライドをへし折られたような気持ちだろう。しかし、今のおれは立派なメスのため、「気持ちいい♡フレイ好き♡」という気持ちしかないわけだ。こんなこと冷静に語っているが、実際にやばい。本当にやばいのだ。
 肩で息をするおれの額にキスをすると、フレイは次なる愛撫をするべく、お尻の方へと手を伸ばした。





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