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第19話
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《RDside》
お腹もいっぱいになり、遊び疲れた時間帯。
一日目の開校記念祭も終わりを迎えようとしていた。
「わ~…綺麗」
思わず漏らす声。屋上から夕日に染まる街並みを眺める。美しい帝都に胸が高鳴った。隣に佇むハーベルダ大公の顔をそっと盗み見る。夕日に照らされる美しい横顔に、風に揺れる髪。あまりのイケメンさに、ここは天国?と思わず勘違いしてしまった。前世の世界にいたのなら、軽くトップ俳優に上り詰めるどころか、ハリウッドでもバチバチに活躍してそうな顔だ。そんなイケメンとこんなに近くにいる奇跡に感謝…。アーメン!!!
「殿下。本日は俺の我儘に付き合っていただきありがとうございました」
「おれこそ、楽しい時間をありがとうございました」
ぺこりと一礼をし合うおれたち。目が合い、同時に笑い出す。
ハーベルダ大公の飾らない笑顔は、本当に心臓に悪い。いつもは厳格な表情をしているのに、こういうときだけ笑うとかズルいよ…。
「殿下」
ハーベルダ大公に呼ばれ、視線を戻す。すると、ハーベルダ大公は、いつもよりも真剣な表情を浮かべていた。ハーベルダ大公はその場で膝をつき、懐から何かを取り出す。キラリと光るのは、昼間の的当てで貰った景品。チェーンで繋がれた指輪は、美しい魔法具だ。
「この指輪を貰ってはいただけませんか?」
「へ、?」
「そして、殿下の指輪を俺がいただきたいのです」
頬が赤いのは、夕日のせいだろうか。それとも、照れているのだろうか。柄にもなく、おれも顔が真っ赤に染まってしまっている気がする。
ハーベルダ大公の指輪をおれに。おれの指輪をハーベルダ大公に。つまり、おそろっちだ。こんなイケメンとおそろっちできる世界線どこ?ここだよ!!!前世では、ペアルックしてる美男美女カップルを見る度に、羨ましい!イケメンとペアルック羨ましい!とか思っていたのに。いざ自分がその立場になると戸惑うくらいにドキドキしてしまっている…。しかもペアルックどころか、指輪のおそろっちだよ?やばくない?やばいよね?
「も、もちろん!おれのでよければ…!」
吃りながらそう言うと、ハーベルダ大公は柔らかく微笑んで立ち上がる。おれの後ろへ回りチェーンのついた指輪を首元へとつけてくれた。
い、イケメンにつけてもらっちゃった!!!え!?!?やばっ!!!
「殿下もつけてはいただけませんか?」
「は、はひぃ!!!」
元気よく(?)返事をして、屈んでくれたハーベルダ大公の首元に震える手でつける。胸元に輝く指輪を見て、控えめに笑ったハーベルダ大公。
「一生、一生大切にします。次は、もっと高価で正式な物をお送り致したいです。そのときは…受け取ってくださいますか?」
恐る恐るコクリと首を縦に振る。
もっと高価で正式な物って何!?もしかして結婚指輪!?給料三ヶ月分の結婚指輪!?ハーベルダ大公夫人になっちゃうの!?おれ!!!と興奮しつつも、別にイケメンが好きなだけでイケメンと結婚したいわけではないからなぁ~。子供を産める希少体だから、将来結婚するのは男だろうけど…。どこぞの国との和平のためだとか言われて、皇帝陛下に嫁入りを命じられるかもしれないし。どうなるかは分からないけれど、ハーベルダ大公とは結婚できないだろう…。
「殿下。御手を」
ハーベルダ大公に言われるがまま、手を差し出す。すると、ハーベルダ大公はおれの手の甲へと一つキスを落とした。
あ、あれ?あれ?ハーベルダ大公っておれのこと嫌いなんじゃなかったの?おれの記憶では確かに嫌われていたはずなんだけど…。どうして、そんな慈しむような顔をしているの?
「お約束ですよ、殿下」
やたらと整った唇から漏れるように発せられた声色に、おれの胸はドキドキと高鳴る。
おれは、頬が熱いのを夕日のせいにしたのだった_____。
‧✧̣̥̇‧✦‧✧̣̥̇‧✦‧✧̣̥̇‧✦‧✧̣̥̇‧✦
お腹もいっぱいになり、遊び疲れた時間帯。
一日目の開校記念祭も終わりを迎えようとしていた。
「わ~…綺麗」
思わず漏らす声。屋上から夕日に染まる街並みを眺める。美しい帝都に胸が高鳴った。隣に佇むハーベルダ大公の顔をそっと盗み見る。夕日に照らされる美しい横顔に、風に揺れる髪。あまりのイケメンさに、ここは天国?と思わず勘違いしてしまった。前世の世界にいたのなら、軽くトップ俳優に上り詰めるどころか、ハリウッドでもバチバチに活躍してそうな顔だ。そんなイケメンとこんなに近くにいる奇跡に感謝…。アーメン!!!
「殿下。本日は俺の我儘に付き合っていただきありがとうございました」
「おれこそ、楽しい時間をありがとうございました」
ぺこりと一礼をし合うおれたち。目が合い、同時に笑い出す。
ハーベルダ大公の飾らない笑顔は、本当に心臓に悪い。いつもは厳格な表情をしているのに、こういうときだけ笑うとかズルいよ…。
「殿下」
ハーベルダ大公に呼ばれ、視線を戻す。すると、ハーベルダ大公は、いつもよりも真剣な表情を浮かべていた。ハーベルダ大公はその場で膝をつき、懐から何かを取り出す。キラリと光るのは、昼間の的当てで貰った景品。チェーンで繋がれた指輪は、美しい魔法具だ。
「この指輪を貰ってはいただけませんか?」
「へ、?」
「そして、殿下の指輪を俺がいただきたいのです」
頬が赤いのは、夕日のせいだろうか。それとも、照れているのだろうか。柄にもなく、おれも顔が真っ赤に染まってしまっている気がする。
ハーベルダ大公の指輪をおれに。おれの指輪をハーベルダ大公に。つまり、おそろっちだ。こんなイケメンとおそろっちできる世界線どこ?ここだよ!!!前世では、ペアルックしてる美男美女カップルを見る度に、羨ましい!イケメンとペアルック羨ましい!とか思っていたのに。いざ自分がその立場になると戸惑うくらいにドキドキしてしまっている…。しかもペアルックどころか、指輪のおそろっちだよ?やばくない?やばいよね?
「も、もちろん!おれのでよければ…!」
吃りながらそう言うと、ハーベルダ大公は柔らかく微笑んで立ち上がる。おれの後ろへ回りチェーンのついた指輪を首元へとつけてくれた。
い、イケメンにつけてもらっちゃった!!!え!?!?やばっ!!!
「殿下もつけてはいただけませんか?」
「は、はひぃ!!!」
元気よく(?)返事をして、屈んでくれたハーベルダ大公の首元に震える手でつける。胸元に輝く指輪を見て、控えめに笑ったハーベルダ大公。
「一生、一生大切にします。次は、もっと高価で正式な物をお送り致したいです。そのときは…受け取ってくださいますか?」
恐る恐るコクリと首を縦に振る。
もっと高価で正式な物って何!?もしかして結婚指輪!?給料三ヶ月分の結婚指輪!?ハーベルダ大公夫人になっちゃうの!?おれ!!!と興奮しつつも、別にイケメンが好きなだけでイケメンと結婚したいわけではないからなぁ~。子供を産める希少体だから、将来結婚するのは男だろうけど…。どこぞの国との和平のためだとか言われて、皇帝陛下に嫁入りを命じられるかもしれないし。どうなるかは分からないけれど、ハーベルダ大公とは結婚できないだろう…。
「殿下。御手を」
ハーベルダ大公に言われるがまま、手を差し出す。すると、ハーベルダ大公はおれの手の甲へと一つキスを落とした。
あ、あれ?あれ?ハーベルダ大公っておれのこと嫌いなんじゃなかったの?おれの記憶では確かに嫌われていたはずなんだけど…。どうして、そんな慈しむような顔をしているの?
「お約束ですよ、殿下」
やたらと整った唇から漏れるように発せられた声色に、おれの胸はドキドキと高鳴る。
おれは、頬が熱いのを夕日のせいにしたのだった_____。
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