上 下
11 / 217

〖10〗シオンと海賊

しおりを挟む







エドワードは誰にともなく吐き捨てた。


1つ目の計画は、至ってシンプルだ。

効果が出るまで、四人でシオンを輪姦する。
残虐な提案は、本人の拒否権なく続行されることが決まった。

リアムの舌打ちは、扉の閉まる音にかき消された。




























──シオンと4人の海賊──

















遠くから歌声が聞こえてくる。

不協和音だ。
不快な旋律はすぐ側まで近づいてきて、ピタリと止んだ。


「·····──い·····おーい」



誰かを呼んでいるようだが、夢なのか現実なのかは定かでない。
身体が、鉛のように重かった。


「あー、メンドくさいなぁ、早く起きろっつーの」


パシン、と、乾いた音が響き、シオンは驚いて目を覚ます。
左の頬にじんわり熱が集まった。


「ひっ!」


目の前に男がいた。
ここに来たばかりの頃、躊躇なく髪を鷲掴みしてきた男だ。


「おいおい、寝起きでこんな男前をみといて、その反応はなくね?」


彼は呆れたように首を振った。

酷いナルシスト発言だが、冗談に聞こえないのは整った容姿のせいだろう。


「·····にしても」


エドワードが、尻上がりな口笛を吹く。
狐のような瞳は細められ、それはこちらをじっとり観察した。


「リヒトには随分可愛がられたみたいだねぇ·····」



「!」


記憶が鮮明に蘇る。

縛り上げられ、禍々しい熱が身体をこじ開けた。

耐え難いほどの痛みと快感。
ずくりと、腹の奥が疼いた。


「い、や·····」


逃げなければ。
身じろぐと、鎖の擦れる音がした。

体が鈍く痛む。

手首には手錠を嵌められ、開脚する形でくるぶしと股を固定されていた。


「ひっ?」

蕾に指を差し込まれる。


「うわ、トロトロ」


2本の指は、躊躇なく孔を押し広げた。


「完全に出来上がってんな。ま○こかよ(笑)」


「·····!」


耳元がかっと熱くなる。
扱いは女性器と同じだ。シオンは、恥ずかしさと惨めさで、泣き出してしまいそうだった。

腫れた蕾は熱を持っていた。
触られれば、痛みと共にむず痒さが込み上げる。


「んっ·····」


「あれ」


思わずこぼれた声を、目の前の男は見逃さない。

一度動きを止めた指が、ゆっくりと押し込まれてゆく。


「はぁ·····っ·····あぅ·····」


シオンは唾液を飲み込んだ。


「あっはは」


エドワードの口元は意地悪くつり上がった。


「お前、ココきもちーんだ?ん?」


猫なで声が囁く。

シオンは首を振るのに精一杯だった。


「成程ねぇ·····こりゃ、リヒトも楽しかったワケだ」

「ひ、や·····あんっ♡」


曲げられた中指が、内側をくるりと混ぜる。

とうとう、隠しようもない甘声が零れた。


「エッチな声、もれちゃったねえ」


「あ·····っや、ぁ·····」


馬鹿にするようだった視線は、妖麗な光を灯してシオンを見下ろしている。


「お前みたいな貧相な餓鬼、さっさと突っ込んで終わらせようと思ったけど·····」


エドワードがベストを脱ぎ捨てる。
大きな体躯はこちらへのし上がった。


「意外と楽しめそうだ」










しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

転生したらついてましたァァァァァ!!!

夢追子
ファンタジー
「女子力なんてくそ喰らえ・・・・・。」 あざと女に恋人を奪われた沢崎直は、交通事故に遭い異世界へと転生を果たす。 だけど、ちょっと待って⁉何か、変なんですけど・・・・・。何かついてるんですけど⁉ 消息不明となっていた辺境伯の三男坊として転生した会社員(♀)二十五歳。モブ女。 イケメンになって人生イージーモードかと思いきや苦難の連続にあっぷあっぷの日々。 そんな中、訪れる運命の出会い。 あれ?女性に食指が動かないって、これって最終的にBL!? 予測不能な異世界転生逆転ファンタジーラブコメディ。 「とりあえずがんばってはみます」

掃除中に、公爵様に襲われました。

天災
BL
 掃除中の出来事。執事の僕は、いつものように庭の掃除をしていた。  すると、誰かが庭に隠れていることに気が付く。  泥棒かと思い、探していると急に何者かに飛び付かれ、足をかけられて倒れる。  すると、その「何者か」は公爵であったのだ。

ヤンデレ蠱毒

まいど
BL
王道学園の生徒会が全員ヤンデレ。四面楚歌ならぬ四面ヤンデレの今頼れるのは幼馴染しかいない!幼馴染は普通に見えるが…………?

檻の中

Me-ya
BL
遥香は蓮専属の使用人だが、騙され脅されて勇士に関係を持つよう強要される。 そんな遥香と勇士の関係を蓮は疑い、誤解する。 誤解をし、遥香を疑い始める蓮。 誤解を解いて、蓮の側にいたい遥香。 面白がる悪魔のような勇士。 🈲R指定です🈲 ※この作品はフィクションです。 実在の人物、団体等とは一切関係ありません。 ※この小説はだいぶ昔に別のサイトで書いていた物です。 携帯を変えた時に、そのサイトが分からなくなりましたので、こちらで書き直させていただきます。

イケメン王子四兄弟に捕まって、女にされました。

天災
BL
 イケメン王子四兄弟に捕まりました。  僕は、女にされました。

大親友に監禁される話

だいたい石田
BL
孝之が大親友の正人の家にお泊りにいくことになった。 目覚めるとそこは大型犬用の檻だった。 R描写はありません。 トイレでないところで小用をするシーンがあります。 ※この作品はピクシブにて別名義にて投稿した小説を手直ししたものです。

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

王宮まかない料理番は偉大 見習いですが、とっておきのレシピで心もお腹も満たします

櫛田こころ
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞〜癒し系ほっこりファンタジー賞〜受賞作品】 2022/7/29発売❣️ 2022/12/5【WEB版完結】2023/7/29【番外編開始】 ​───────『自分はイージアス城のまかない担当なだけです』。 いつからか、いつ来たかはわからない、イージアス城に在籍しているとある下位料理人。男のようで女、女のようで男に見えるその存在は、イージアス国のイージアス城にある厨房で……日夜、まかない料理を作っていた。 近衛騎士から、王女、王妃。はてには、国王の疲れた胃袋を優しく包み込んでくれる珍味の数々。 その名は、イツキ。 聞き慣れない名前の彼か彼女かわからない人間は、日々王宮の贅沢料理とは違う胃袋を落ち着かせてくれる、素朴な料理を振る舞ってくれるのだった。 *少し特殊なまかない料理が出てきます。作者の実体験によるものです。 *日本と同じようで違う異世界で料理を作ります。なので、麺類や出汁も似通っています。

処理中です...