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re.《323》初めて
しおりを挟む気がついたら、彼は身を乗り出すようにしてまじまじとこちらの表情を覗き込んでいた。
「クニクニするの、好き·····?♡」
(だめ)
また、得体の知れない恐ろしさ。
恐ろしさじゃない───何かが来るような予感。
彼の声や香りは、"何か"が危ない。
そしてついに、胸元ではじける予感がした。
「ふぁぁぁぁ·····♡♡」
しばらく意識が白くなっていたと思う。
こちらを組み敷いている青年にキスされて、唾液を交換する。
「見てみて」と、甘い声に囁かれて見下ろした突起は、とろりとしたもので濡れていた。
「ふ·····へ·····?」
「いただきます·····♪♡」
「··········?ぁ·····ッ·····♡」
赤い舌先が、熟れた豆粒をすくったのが確認できた。
そして生暖かい口内へ。
次の刺激に、ミチルは再び声を我慢することは叶わなかった。
「~~~~~♡♡」
快楽の神経が、糸のように吸い取られゆく感覚。
ビクビク震える身体は、無意識で彼にしがみつく。それを喜ぶように相手はこちらを抱きしめて、舌を行使させ始める。
「はぁ♡これがミーちゃんの味····♡美味し·····ッ♡」
大きな波が過ぎてゆくと、半分放心していた。
それなのに生暖かい舌が乳頭に絡みつく。
さっきの、真っ赤な、蛇みたいな舌だ。
「ふぁ♡ぁ♡ぁ♡ぁ·····♡」
有り得ないような台詞を吐露しながら、彼の舌は止まらない。
また緩く吸われて足先を伸ばす。
「ふぁ·····♡ら、め♡とまって·····♡」
「ん·····っ♡」
ミチルは懸命に首を振った。
濡れた唇はそっと離れてゆく。
その刹那、先にキスをされた気がするが、記憶はおぼろげだ。
「も、も·····っ♡だめ·····♡」
こちらをうっとり見つめる瞳から逃げるようにして、嫌だと首を振る。
ついでに晒されていた胸元を押さえつける。
相手はじっとり見つめていた瞳に、不安げな色をともした。
「あれ·····初めてだから、刺激強かったのかな·····」
(さっきのは、なに?)
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