悪魔皇子達のイケニエ

亜依流.@.@

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re.《75》審議

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毒々しい美貌はすぐに嫌な笑みを浮かべる。
妖しい笑みだ。
この瞳に見下ろされると、自分がこの世で1番恥ずかしい存在になったように感じる。


「興奮してきちゃった」

「·····へ、」


思わず彼の下半身に向かった視線を、慌ててベットのシーツへと逃がす。
あんなグロテスクなものを想像してしまったなんて嘘だ。そもそも、怯えている伴侶を見て興奮するなんて、誰が聞いても酷い話じゃないか。

そう思うのに、歪んだマットと伸びた影に、心臓が早足になってゆく。


「てことで今から、審議に移りたいと思いまーす」

「·····?·····??」


ハインツェはよく分からないことを言いながら、今度は刃先で下着をつついた。


「チルチルが認めないから」


足先は大袈裟なほど飛び上がってしまった。

(何の話?)

話も分からないし、1番敏感なところにあてられる凶器ほど恐ろしいものは無い。
少し強く押し付けられたら、チクリとした痛みがあった。

傷つけないって言ったのに。
全く保証もない言葉を思いだして、じんわり目元が熱くなる。
目が合ったライムグリーンはにっこりと歪んだ。


「あ·····俺困っちゃうよチル」


彼は本当に困ったように言った。
高い鼻が傾いて、「ねえ」と首筋へ囁く。恐怖と、ゾクゾクした感覚に力が抜けてしまう。
少しザラついていて軽薄なのに冷たい感じがする、不思議な声色だ。


「ちょっとからかっただけなのに、んなカワイ~顔してさ·····」

「ふぁ♡」


耳元へ絶望的なことを言い聞かせながら、長い指は下着越しに蕾を擦り始める。


「いや·····ッ♡」

「ヤなの·····ほんとに?」


彼はいつもそう聞く。
呼吸はどんどん浅くなってゆく。
緩んだ口元を慌てて噛むと、ハインツェは耳元へ直接語りかけてきた。


「チルの身体、お口と一緒の答えにならないねぇ。俺チルの旦那サマなのに····ホントの事知れなくて悲しいなぁ」

「·····ッ♡········ッ♡」

「だからいい事思いついちゃったんだよね」


湿り気を感じとった指の腹が時折そこを弾いたり圧迫しながら、しつこく擦り続けるのだ。









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