悪魔皇子達のイケニエ

亜依流.@.@

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115.10分前

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「ミチル様のお世話をしている間、私は指の一本も余さずあなたのものです」


極めて冷静な声が告げる。
彼の言い分はわかるけれど、それとはまた何かが違う。
言い返す言葉が思いつかないうちに、そっと脚を開かされてしまった。


(でも·····)


そういえば、そこを触って欲しいなんて、そもそも言ったっけ。
彼は自分が仕える者のためにどんな仕事もてきぱきこなす。だからこれも、自分の事のように考えを見抜いた彼の手練だと思っていた。
そんなに欲求不満に見えたのか?
なにか変だ。


「そうでなくても·····もうあなたのナカまで知っているというのに」

「·····へ····───あ、!」


押し付けられたのは予想よりずっと重たくて大きな物質。
指ではない。
ミチルはギョッとして彼を見上げる。


(なんで?)


頬は少し上気して見えた。



「だめ、ジェ·····ッ、·····ぁ·····!」


潤いながらも閉じかけていた粘膜に、生物の出っ張りが突き刺さる。
熱くて硬い。生身の肉であることは、確認するまでもなかった。

先っぽから、ゆっくり、ねっとりと押し込まれてゆく。

(なんで?)

紛れもなく彼を嵌め込まれてしまっている。


「あぁぁ·····♡·····だめ·····っ♡」


拒絶するはずの声に威厳はない。
ミチルは熱い腕に抱きしめられながら絶頂した。

言葉が紡げなくなった身体を見下ろされながら、ぱちゅぱちゅと優しくてもどかしいピストンが続く。
胸の突起をしつこく揉まれ、口や、あるいは乳頭を吸われ、心地よいタイミングで絶頂を繰り返す。

結合部に手を伸ばすと、血管の浮きでた弾痕が突き刺さっている。
中間まで挿入って出入りを繰り返す肉が、たまにズンと奥を突いた。

青い瞳はじっとりとこちらを観察していた。


「う、そ·····ッ·····ぁ·····~~~ッ"♡♡」


忙しなく首筋を舐め回されて天国を見る。
痙攣する体から、ゆっくりと彼が引き抜かれ、最後は生々しい音を残して出ていった。

事を終えてすぐ、ビクビク震える身体を暖かい濡れタオルで拭かれる。

あっという間みたいな、酷く長く感じた時間だ。
呼吸を取り戻しながら疑問と背徳感に苛まれる。

いつもそばにいた口うるさい教師のような悪魔。
血も涙もない冷血漢で、仕事しか頭にない男。

そんな彼の奮い立った熱欲が腟内を何度も擦った。
つまりそれは交尾と変わりない。否交尾だ。

(どうしよう)

汚れたタオル片手にジェロンが部屋を出ていき、混乱したミチルの考えはそこに行き着く。

思い出していてもたってもいられなくなる。
上級使用人はセックスの講座でも受けるのだろうか。慣れた手つきで当たり前のように抱かれてしまった。

(そうだ、まだ·····)

彼の棍棒は射精せずまだ完全勃起状態だった。
あれ、そしたらアレは、触ってもいないのにこちらを見て勃起したのか?
謎は深まってゆく。

直ぐに戻ってきた彼が1人で処理したのは聞くまでもない事実だ。
少し仕返ししたかっただけなのに、とんでもないことをしてしまった。


「ジェロン」


ジェロンは嫌じゃなかったんだろうか。
そっと呼びかけるが、嫌じゃなかったかなんて聞きにくい。
だって他人のオナニーの道具として身体を行使するなんて、嫌じゃないわけが無いから。


涼し気な顔はいつも通りだった。
さっきの少し上気した頬が嘘みたいに白い。


「ご入浴の準備が整いました」


ミチルは思わず羽毛を引き寄せた。
指とは訳が違う?指なんてものじゃない。


「どこか優れませんか?」


ジェロンはどうしてこんなに平常運転なんだ。
また彼をちょっと見上げてしりごみする。

よく見たら、いやよく見なくてもかなり男前でハンサムだ。
もうどんな小言を言われてムカついても、この綺麗な顔を見れないかもしれない。


「ご気分が優れないようなら、主治医を呼びますが」

「なんで」


たった10数分前だ。
彼と繋がっていたのは。












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