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しおりを挟む見つめる鋭い視線を見つめ返して、優介は彼の返答を待った。
暫くして聞こえたのは、大きな舌打ちだった。
「逃げたらぶち○すからな」
恐ろしい捨て台詞は、とてもただの脅しには聞こえない。
去り際の司が乱暴に扉を閉める。部屋はしんと静まり返った。
優介は、司を裏切ってしまったような気分に戸惑った。
けれど、話さなければいけないことがあるのだ。
こちらへ向かってきた翔が優介の隣へ腰かける。強引に求められたキスは以外にも優しく、そしてあっさりと離れていった。
「·····他に言いたいことがあるみたいだね」
ベットへ腰掛け、彼は呟いた。
こちらを見下ろす瞳が切な気に揺れている。美しい顔立ちに影が落ちるのを眺めながら、優介はこくりと頷いた。
「俺も知りたいよ」
話すことを躊躇っている様子の優介に、彼は静かな声で言う。
「突然別れたいだなんて····とても納得出来ない」
「お、怒りませんか?」
話す前に多少の勇気が必要で、無駄なことだとわかりつつそう聞く優介。
少し驚いたように眉を持ち上げた表情が無駄に格好いい。嫌な動悸を誤魔化すように、優介は足先を動かした。
感の良い翔には、優介の不安な思いが伝わったらしい。
彼は分かったと頷いた後、まだ心配そうな優介に提案をした。
「····どんな内容でも受け入れるよ。今日はこれ以上引き止めない。話しが終わったら俺に構わず部屋を出て」
それなら心配ない?と確認をとる彼。
優介は制服に着替えてから、再び彼の隣に腰かけた。
少しの間さまよわれた視線は、やがて自身の膝の上に落ち着く。優介はポツポツと言葉をつむぎ始めた。
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