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新学期の最初には
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残暑が残る9月の初め、今日から新学期が始まる。 体育館には夏休みを終えたばかりで、まだ抜けきっていない生徒が多く、普通に立っているだけでもだらけて見えてしまう。
そんな体育館に僕らも入り、クラス別で番号順に並んでいった。
「えー、皆さん。 本日から2学期となります。 夏休みを満喫したのは分かりますが、みんなはまだこの学校の生徒であることを、再認識してもらい、気持ちを切り替え直し、学業に育んで頂きたいと思う。 さしあたり今の我が校の現状は・・・」
こういう集会恒例の年長者のありがたい話(ただただ長い話)を立ったまま聞かされるという苦行をさせられるのだ。
「・・・ということを改めて考えてほしい。 以上である。」
約10分の話を聞いて、拍手が飛び交い、ようやく次の話に進む。 さすがの僕も眠たすぎて立ったまま寝てしまっていた。 根も葉もない話を聞かされるとやっぱり人間の脳は拒絶反応のように眠気が襲ってくる。 安見さんの事を笑えないな。
「では続いて生徒会からのお話。」
そう先生が言った後に壇上に上がってきたのは、長髪で眼鏡を掛けた女子生徒だった。 恐らく生徒会長だろう。
「生徒会長の源 由来那みなもと ゆきなだ。 我々から話すことは2つ。 1つは来月末に行う文化祭の出し物申請、及び準備期間の説明だ。 新入生諸君は良く聞いてほしい。 我が校は全ての学年、及びクラスで、何かしらの出し物をしてもらう。 もちろん分かってはいると思うが衛生面、そして我々生徒会の管理できる範囲内の出し物をしてもらう。 詳しくは生徒会から改めて発行をさせてもらう。」
生徒会さんの話を聞いて僕はしっかりしてるんだなということと、そんな予算を出せるこの学校も何気にすごいなと感じだった。
文化祭。 中学の時でもそれなりに自分達で作っていたこともあったが、大半は先生が出し物を考えたりしていたので、自分達が作ったとは言い難かった。 なので今回の事は、生徒会の申請が通ればほぼなんでも出来ると言うことだ。
「そしてもうひとつ。 その文化祭の開催に辺り、君達の清純性を改めておきたいと思っている。」
清純性? ここに来て話が理解出来なくなってしまった。
「簡単に言えば来週1週間ほど「不純異性交流禁止強化週間」を開始する。 とは言っても別に行動規制をするわけではない。 あくまでも「疑わしき者には罰則を」というモットーの元行うだけだ。 身構える必要もない。」
むしろそこまで徹底してしまったら困るのは生徒会ではないのかな? と思ったのは他でもない。
「ではその認知でよろしく頼む。 当然我々も常に見れるわけではない。 疑わしい生徒がいるようならば、生徒職員の方も報告をしてもらいたい。 では生徒会からは以上だ。」
そう言って生徒会長は壇上から降りる。 強化週間かぁ。 なんというかそう言われても実感が沸かないかもしれないなぁ。
「なぁんか実感が沸かないよねぇ。」
いつものグループでいつものように会話を始めようかと思った矢先に濱井さんからそう呟かれた。 なんだかんだでみんな同じことを考えていたのかな?
「厳密な内容は言われてはいないが、要は秩序を守れと言う事なのは間違いないだろう。」
坂内君が先程配られた生徒会便りを見ながらそう答える。 生徒会便りに書かれていたのは強化週間の日程に加えて、罰則内容が書かれていた。
罰則の内容はその事の重さによって課せられる。 反省文から謹慎処分、ここには書かれてはいないが、最悪の場合は退学も視野に入ってくる。 生徒会も徹底している。
「ですけど、逆を言ってしまえば、そのようなことをしなければ、普通に、学校生活を、送れる、んです、よね?」
「そこは生徒会の人達の匙加減と言った所だと思います。 何気ない男女の行動が、生徒会に目をつけられる原因になるやもしれないですし。」
生徒会の許容範囲内が分からない以上はちょっとした行動も危ういということだ。 どこで目を光らせているか分からないのも怖いところだ。
「そうだなぁ。 いくら友人とはいえ、退学になったりでもしたら嫌だもんなぁ。」
「そういうことですので、気を付けてくださいね? 安見さん、館さん。」
「あ、やっぱりこっちに来ますか。」
江ノ島さんに名指しで注意はされたものの、こっちに話が振られるのは薄々気が付いていた。 この中で一番危険なの僕だもんね。
「別に安見さんと離れろとは言いませんが、極力は避けていただかないと。」
「君達は林間学校の時から少々距離が近くなっていたのには気になっていたところだからな。 私達の手の施しようの無いところまでいかれるのも困るのでな。 辛いかもしれないが、耐え忍んではくれないか?」
「あれ? すでに依存してると思われてる?」
「館君。 私達が何を言っても無駄なのはお分かりでしょう。 大人しく従う事にしましょう。 抗って事が最悪の事態に陥る訳にはいかないので。」
安見さんもそう諭してくる。 まあ事実そんなことをしても誰も得しないのは分かっていることだし。
「しかし逆を言ってしまえば、俺たちには身近に反面教師がいるとも言える。」
「よしたまえ小舞君。 彼らを出汁にして悪いことをするものではないよ。」
「分かってるって。 次に同じことが起きたときのための対策にもなるだろってことだよ。 生徒会考案なんだ。 今回限りなんてことがあるか?」
言いたいことは分かるけれど、僕らを使って危ない橋を渡ろうとするのは止めてくれないかな?
「とにかく私達は普通に過ごしていればいいんでしょ?」
「ええ、ですが私たち自身もいつ油断するか分かりません。 私たちも極力自粛した方がいいかもしれませんね。」
「1週間位ならなにも問題はないな。 恐らくだが学校だけの話ではないと思う。 休日にも気を緩めずに行くとしようか。 ねぇ館君。」
「・・・釘を刺してくれてありがとう、坂内君。」
しっかりしているけれど、心配もあるのだろうな。 僕自身も慎重に行動しなければならない時がきているようだ。 気を付けよう。
そんな体育館に僕らも入り、クラス別で番号順に並んでいった。
「えー、皆さん。 本日から2学期となります。 夏休みを満喫したのは分かりますが、みんなはまだこの学校の生徒であることを、再認識してもらい、気持ちを切り替え直し、学業に育んで頂きたいと思う。 さしあたり今の我が校の現状は・・・」
こういう集会恒例の年長者のありがたい話(ただただ長い話)を立ったまま聞かされるという苦行をさせられるのだ。
「・・・ということを改めて考えてほしい。 以上である。」
約10分の話を聞いて、拍手が飛び交い、ようやく次の話に進む。 さすがの僕も眠たすぎて立ったまま寝てしまっていた。 根も葉もない話を聞かされるとやっぱり人間の脳は拒絶反応のように眠気が襲ってくる。 安見さんの事を笑えないな。
「では続いて生徒会からのお話。」
そう先生が言った後に壇上に上がってきたのは、長髪で眼鏡を掛けた女子生徒だった。 恐らく生徒会長だろう。
「生徒会長の源 由来那みなもと ゆきなだ。 我々から話すことは2つ。 1つは来月末に行う文化祭の出し物申請、及び準備期間の説明だ。 新入生諸君は良く聞いてほしい。 我が校は全ての学年、及びクラスで、何かしらの出し物をしてもらう。 もちろん分かってはいると思うが衛生面、そして我々生徒会の管理できる範囲内の出し物をしてもらう。 詳しくは生徒会から改めて発行をさせてもらう。」
生徒会さんの話を聞いて僕はしっかりしてるんだなということと、そんな予算を出せるこの学校も何気にすごいなと感じだった。
文化祭。 中学の時でもそれなりに自分達で作っていたこともあったが、大半は先生が出し物を考えたりしていたので、自分達が作ったとは言い難かった。 なので今回の事は、生徒会の申請が通ればほぼなんでも出来ると言うことだ。
「そしてもうひとつ。 その文化祭の開催に辺り、君達の清純性を改めておきたいと思っている。」
清純性? ここに来て話が理解出来なくなってしまった。
「簡単に言えば来週1週間ほど「不純異性交流禁止強化週間」を開始する。 とは言っても別に行動規制をするわけではない。 あくまでも「疑わしき者には罰則を」というモットーの元行うだけだ。 身構える必要もない。」
むしろそこまで徹底してしまったら困るのは生徒会ではないのかな? と思ったのは他でもない。
「ではその認知でよろしく頼む。 当然我々も常に見れるわけではない。 疑わしい生徒がいるようならば、生徒職員の方も報告をしてもらいたい。 では生徒会からは以上だ。」
そう言って生徒会長は壇上から降りる。 強化週間かぁ。 なんというかそう言われても実感が沸かないかもしれないなぁ。
「なぁんか実感が沸かないよねぇ。」
いつものグループでいつものように会話を始めようかと思った矢先に濱井さんからそう呟かれた。 なんだかんだでみんな同じことを考えていたのかな?
「厳密な内容は言われてはいないが、要は秩序を守れと言う事なのは間違いないだろう。」
坂内君が先程配られた生徒会便りを見ながらそう答える。 生徒会便りに書かれていたのは強化週間の日程に加えて、罰則内容が書かれていた。
罰則の内容はその事の重さによって課せられる。 反省文から謹慎処分、ここには書かれてはいないが、最悪の場合は退学も視野に入ってくる。 生徒会も徹底している。
「ですけど、逆を言ってしまえば、そのようなことをしなければ、普通に、学校生活を、送れる、んです、よね?」
「そこは生徒会の人達の匙加減と言った所だと思います。 何気ない男女の行動が、生徒会に目をつけられる原因になるやもしれないですし。」
生徒会の許容範囲内が分からない以上はちょっとした行動も危ういということだ。 どこで目を光らせているか分からないのも怖いところだ。
「そうだなぁ。 いくら友人とはいえ、退学になったりでもしたら嫌だもんなぁ。」
「そういうことですので、気を付けてくださいね? 安見さん、館さん。」
「あ、やっぱりこっちに来ますか。」
江ノ島さんに名指しで注意はされたものの、こっちに話が振られるのは薄々気が付いていた。 この中で一番危険なの僕だもんね。
「別に安見さんと離れろとは言いませんが、極力は避けていただかないと。」
「君達は林間学校の時から少々距離が近くなっていたのには気になっていたところだからな。 私達の手の施しようの無いところまでいかれるのも困るのでな。 辛いかもしれないが、耐え忍んではくれないか?」
「あれ? すでに依存してると思われてる?」
「館君。 私達が何を言っても無駄なのはお分かりでしょう。 大人しく従う事にしましょう。 抗って事が最悪の事態に陥る訳にはいかないので。」
安見さんもそう諭してくる。 まあ事実そんなことをしても誰も得しないのは分かっていることだし。
「しかし逆を言ってしまえば、俺たちには身近に反面教師がいるとも言える。」
「よしたまえ小舞君。 彼らを出汁にして悪いことをするものではないよ。」
「分かってるって。 次に同じことが起きたときのための対策にもなるだろってことだよ。 生徒会考案なんだ。 今回限りなんてことがあるか?」
言いたいことは分かるけれど、僕らを使って危ない橋を渡ろうとするのは止めてくれないかな?
「とにかく私達は普通に過ごしていればいいんでしょ?」
「ええ、ですが私たち自身もいつ油断するか分かりません。 私たちも極力自粛した方がいいかもしれませんね。」
「1週間位ならなにも問題はないな。 恐らくだが学校だけの話ではないと思う。 休日にも気を緩めずに行くとしようか。 ねぇ館君。」
「・・・釘を刺してくれてありがとう、坂内君。」
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