ホントの気持ち

かんこ

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131、ありがとう。ごめんなさい。

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空side


「細谷、」

「ん?なぁに?」

「手紙、ありがとう。嬉しかった。」

「おっ!読んでくれたの?良かった。」

「それで、僕も細谷に言いたいことあって…」

「ん、うん。」

「えっと……ありがとう。その…全部に対して…学校でずっと僕のこと気にかけてくれて、たくさん声掛けてくれて…大丈夫?とか保健室行こうとか、何かあったら言ってとかたくさん言ってくれて……
でも、いつも大丈夫、なんでもない。って素っ気ない返事ばっかりして、ごめんなさい。
でも……嬉しかった。いつも気にかけてそういう言葉を言ってくれて嬉しかったの。ありがとう。」

「うん、どういたしまして。
俺は空が生きててくれたらそれだけで十分だから。こちらこそありがとう。」

抱きしめ合って再開して10分で2人で号泣した。


「俺さ、空が入院したって聞いた時すごい後悔したんだ。」

「え?」

「空が何か抱えてるって分かってたのに何も行動できなかったから、」

「そんな、細谷は十分僕に」

「うーうん、何もできなかった。こうやって空が生きてたから良かったけど、もしほんとに打ち所悪くってもしもの事があったら俺……俺……後悔してもしきれない。今考えたら俺でもできること沢山あったんだ。
あれから色々調べて、先生に相談したりそういう専門の施設に電話したり色々できることはあったのに俺は何もしなかったんだって……すごい後悔した。本当にごめんなさい。」

「細谷は何も悪くないよ。細谷は僕がキツく当ってもいつも傍に居てくれて細谷は僕にとって大事な居場所を作ってくれたんだよ。」

細谷が僕に謝罪をしてるのを見て陽ちゃんと城崎先生が近づいてきた。
「細谷は十分力になってくれたぞ。俺がお前に夕紀のことを聞いた時、名取先生のことを教えてくれた。だから今、名取先生と繋がれて一緒に夕紀を支えることができてる。細谷が教えてくれなかったら今のようにはなっていないと思う。」

「俺も、細谷くんにはとても感謝しています。俺は空の身内で本当は1番近くに居てあげなきゃいけないはずなのにそれが出来ず、空が苦しんでることにも気付いてあげれなかった。そんな時に空の心を支えてくれていたのは細谷くんだと思っています。ありがとう。」

「ぅ……っ……ぅううっううう……」

泣き崩れる細谷を城崎先生が支え、優しく抱きしめた。

僕が入院していた数ヶ月の間、細谷は何度自問自答を繰り返し自分を責めたのだろう。
考えるだけで心が痛み、しかもそれが自分のせいだと思うと申し訳なさがつのった。

「誰も悪くないよ。みんな自分ができる最大限のことをしたんだ。
夕紀は辛かった現実を耐え抜いて今は前に進もうとしている。
名取先生は夕紀の体と心の治療に励んでいる。
細谷は学校で夕紀を支えて居場所を作った。
俺は名取先生と繋がりって神山と一緒に今、夕紀を支えている。
確かに後から考えたらまだまだ出来ることは沢山あったって思うけど、夕紀が今生きてくれてるならこれで十分だったんじゃないかな?
だから細谷も、もう後悔しなくていいよ。夕紀もな?僕のせいで細谷に辛い思いをさせた。とか思ってんならそんなこと思わなくて良いからな。」

「っ……っん……」

僕が考えていた事に気付いて城崎先生が言ってくれた。
みんなも僕も最大限頑張った。みんな僕のために色んなことをしてくれた。

「みんなありがとう。」

「どういたしまして。」

涙が止まらず陽ちゃんに抱きついて見上げると陽ちゃんも泣いていた。

気付いたらみんな泣いていてなんだか可笑しくなっちゃった。

僕が笑うとみんな「へへっ」って笑って顔を見合わせた。
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