132 / 136
131、ありがとう。ごめんなさい。
しおりを挟む
空side
「細谷、」
「ん?なぁに?」
「手紙、ありがとう。嬉しかった。」
「おっ!読んでくれたの?良かった。」
「それで、僕も細谷に言いたいことあって…」
「ん、うん。」
「えっと……ありがとう。その…全部に対して…学校でずっと僕のこと気にかけてくれて、たくさん声掛けてくれて…大丈夫?とか保健室行こうとか、何かあったら言ってとかたくさん言ってくれて……
でも、いつも大丈夫、なんでもない。って素っ気ない返事ばっかりして、ごめんなさい。
でも……嬉しかった。いつも気にかけてそういう言葉を言ってくれて嬉しかったの。ありがとう。」
「うん、どういたしまして。
俺は空が生きててくれたらそれだけで十分だから。こちらこそありがとう。」
抱きしめ合って再開して10分で2人で号泣した。
「俺さ、空が入院したって聞いた時すごい後悔したんだ。」
「え?」
「空が何か抱えてるって分かってたのに何も行動できなかったから、」
「そんな、細谷は十分僕に」
「うーうん、何もできなかった。こうやって空が生きてたから良かったけど、もしほんとに打ち所悪くってもしもの事があったら俺……俺……後悔してもしきれない。今考えたら俺でもできること沢山あったんだ。
あれから色々調べて、先生に相談したりそういう専門の施設に電話したり色々できることはあったのに俺は何もしなかったんだって……すごい後悔した。本当にごめんなさい。」
「細谷は何も悪くないよ。細谷は僕がキツく当ってもいつも傍に居てくれて細谷は僕にとって大事な居場所を作ってくれたんだよ。」
細谷が僕に謝罪をしてるのを見て陽ちゃんと城崎先生が近づいてきた。
「細谷は十分力になってくれたぞ。俺がお前に夕紀のことを聞いた時、名取先生のことを教えてくれた。だから今、名取先生と繋がれて一緒に夕紀を支えることができてる。細谷が教えてくれなかったら今のようにはなっていないと思う。」
「俺も、細谷くんにはとても感謝しています。俺は空の身内で本当は1番近くに居てあげなきゃいけないはずなのにそれが出来ず、空が苦しんでることにも気付いてあげれなかった。そんな時に空の心を支えてくれていたのは細谷くんだと思っています。ありがとう。」
「ぅ……っ……ぅううっううう……」
泣き崩れる細谷を城崎先生が支え、優しく抱きしめた。
僕が入院していた数ヶ月の間、細谷は何度自問自答を繰り返し自分を責めたのだろう。
考えるだけで心が痛み、しかもそれが自分のせいだと思うと申し訳なさがつのった。
「誰も悪くないよ。みんな自分ができる最大限のことをしたんだ。
夕紀は辛かった現実を耐え抜いて今は前に進もうとしている。
名取先生は夕紀の体と心の治療に励んでいる。
細谷は学校で夕紀を支えて居場所を作った。
俺は名取先生と繋がりって神山と一緒に今、夕紀を支えている。
確かに後から考えたらまだまだ出来ることは沢山あったって思うけど、夕紀が今生きてくれてるならこれで十分だったんじゃないかな?
だから細谷も、もう後悔しなくていいよ。夕紀もな?僕のせいで細谷に辛い思いをさせた。とか思ってんならそんなこと思わなくて良いからな。」
「っ……っん……」
僕が考えていた事に気付いて城崎先生が言ってくれた。
みんなも僕も最大限頑張った。みんな僕のために色んなことをしてくれた。
「みんなありがとう。」
「どういたしまして。」
涙が止まらず陽ちゃんに抱きついて見上げると陽ちゃんも泣いていた。
気付いたらみんな泣いていてなんだか可笑しくなっちゃった。
僕が笑うとみんな「へへっ」って笑って顔を見合わせた。
「細谷、」
「ん?なぁに?」
「手紙、ありがとう。嬉しかった。」
「おっ!読んでくれたの?良かった。」
「それで、僕も細谷に言いたいことあって…」
「ん、うん。」
「えっと……ありがとう。その…全部に対して…学校でずっと僕のこと気にかけてくれて、たくさん声掛けてくれて…大丈夫?とか保健室行こうとか、何かあったら言ってとかたくさん言ってくれて……
でも、いつも大丈夫、なんでもない。って素っ気ない返事ばっかりして、ごめんなさい。
でも……嬉しかった。いつも気にかけてそういう言葉を言ってくれて嬉しかったの。ありがとう。」
「うん、どういたしまして。
俺は空が生きててくれたらそれだけで十分だから。こちらこそありがとう。」
抱きしめ合って再開して10分で2人で号泣した。
「俺さ、空が入院したって聞いた時すごい後悔したんだ。」
「え?」
「空が何か抱えてるって分かってたのに何も行動できなかったから、」
「そんな、細谷は十分僕に」
「うーうん、何もできなかった。こうやって空が生きてたから良かったけど、もしほんとに打ち所悪くってもしもの事があったら俺……俺……後悔してもしきれない。今考えたら俺でもできること沢山あったんだ。
あれから色々調べて、先生に相談したりそういう専門の施設に電話したり色々できることはあったのに俺は何もしなかったんだって……すごい後悔した。本当にごめんなさい。」
「細谷は何も悪くないよ。細谷は僕がキツく当ってもいつも傍に居てくれて細谷は僕にとって大事な居場所を作ってくれたんだよ。」
細谷が僕に謝罪をしてるのを見て陽ちゃんと城崎先生が近づいてきた。
「細谷は十分力になってくれたぞ。俺がお前に夕紀のことを聞いた時、名取先生のことを教えてくれた。だから今、名取先生と繋がれて一緒に夕紀を支えることができてる。細谷が教えてくれなかったら今のようにはなっていないと思う。」
「俺も、細谷くんにはとても感謝しています。俺は空の身内で本当は1番近くに居てあげなきゃいけないはずなのにそれが出来ず、空が苦しんでることにも気付いてあげれなかった。そんな時に空の心を支えてくれていたのは細谷くんだと思っています。ありがとう。」
「ぅ……っ……ぅううっううう……」
泣き崩れる細谷を城崎先生が支え、優しく抱きしめた。
僕が入院していた数ヶ月の間、細谷は何度自問自答を繰り返し自分を責めたのだろう。
考えるだけで心が痛み、しかもそれが自分のせいだと思うと申し訳なさがつのった。
「誰も悪くないよ。みんな自分ができる最大限のことをしたんだ。
夕紀は辛かった現実を耐え抜いて今は前に進もうとしている。
名取先生は夕紀の体と心の治療に励んでいる。
細谷は学校で夕紀を支えて居場所を作った。
俺は名取先生と繋がりって神山と一緒に今、夕紀を支えている。
確かに後から考えたらまだまだ出来ることは沢山あったって思うけど、夕紀が今生きてくれてるならこれで十分だったんじゃないかな?
だから細谷も、もう後悔しなくていいよ。夕紀もな?僕のせいで細谷に辛い思いをさせた。とか思ってんならそんなこと思わなくて良いからな。」
「っ……っん……」
僕が考えていた事に気付いて城崎先生が言ってくれた。
みんなも僕も最大限頑張った。みんな僕のために色んなことをしてくれた。
「みんなありがとう。」
「どういたしまして。」
涙が止まらず陽ちゃんに抱きついて見上げると陽ちゃんも泣いていた。
気付いたらみんな泣いていてなんだか可笑しくなっちゃった。
僕が笑うとみんな「へへっ」って笑って顔を見合わせた。
12
お気に入りに追加
376
あなたにおすすめの小説
ヤクザと捨て子
幕間ささめ
BL
執着溺愛ヤクザ幹部×箱入り義理息子
ヤクザの事務所前に捨てられた子どもを自分好みに育てるヤクザ幹部とそんな保護者に育てられてる箱入り男子のお話。
ヤクザは頭の切れる爽やかな風貌の腹黒紳士。息子は細身の美男子の空回り全力少年。
【BL】国民的アイドルグループ内でBLなんて勘弁してください。
白猫
BL
国民的アイドルグループ【kasis】のメンバーである、片桐悠真(18)は悩んでいた。
最近どうも自分がおかしい。まさに悪い夢のようだ。ノーマルだったはずのこの自分が。
(同じグループにいる王子様系アイドルに恋をしてしまったかもしれないなんて……!)
(勘違いだよな? そうに決まってる!)
気のせいであることを確認しようとすればするほどドツボにハマっていき……。
兄弟がイケメンな件について。
どらやき
BL
平凡な俺とは違い、周りからの視線を集めまくる兄弟達。
「関わりたくないな」なんて、俺が一方的に思っても"一緒に居る"という選択肢しかない。
イケメン兄弟達に俺は今日も翻弄されます。
塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。
ヤンデレ化していた幼稚園ぶりの友人に食べられました
ミルク珈琲
BL
幼稚園の頃ずっと後ろを着いてきて、泣き虫だった男の子がいた。
「優ちゃんは絶対に僕のものにする♡」
ストーリーを分かりやすくするために少しだけ変更させて頂きましたm(_ _)m
・洸sideも投稿させて頂く予定です
倫理的恋愛未満
雨水林檎
BL
少し変わった留年生と病弱摂食障害(拒食)の男子高校生の創作一次日常ブロマンス(BL寄り)小説。
体調不良描写を含みます、ご注意ください。
基本各話完結なので単体でお楽しみいただけます。全年齢向け。
【完結・BL】俺をフッた初恋相手が、転勤して上司になったんだが?【先輩×後輩】
彩華
BL
『俺、そんな目でお前のこと見れない』
高校一年の冬。俺の初恋は、見事に玉砕した。
その後、俺は見事にDTのまま。あっという間に25になり。何の変化もないまま、ごくごくありふれたサラリーマンになった俺。
そんな俺の前に、運命の悪戯か。再び初恋相手は現れて────!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる