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38、陽ちゃんとお話
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空siad
「おはよう、大丈夫?」
目を覚ますと陽ちゃんが背中をさすってくれていた。
「おはよう、うん、大丈夫」
夢の内容は覚えていないが、魘されていたらしい。
「今何時?」
「ん?3時、もうすぐ城崎先生来るかな~」
1時間くらい寝てたのかな…
「空、ちょっとお話しよう。」
陽ちゃんが真面目な顔で言ってきた。
なんだろう…また怒られるのかな…
ベッドの上で向き合って座った。
「空、さっき風呂でしたこと覚えてる?」
「うん、」
「何した?」
「えっと…お湯に入った。」
「そうだね、俺が来るまでは?何してた?」
「……水…被って…お湯でぶくぶくした。」
「それしてどうだった?」
「どうって………?」
「水被ってどうだった?」
「冷たかった。」
「そうだよな、冷たい水被ったら体冷えちゃうよな、
体調悪いのにそんなことしたら悪化するって分かる?」
「ごめんなさい…」
「うん、
じゃあどうして湯船に顔付けてた?」
「……入れって……」
「そっか、俺が入れって言ったのがそういう意味だと思ったのか、そっか…ごめんな」
陽ちゃんは優しく抱きしめた。
「ごめんな、怖かったな。ごめんな、」
「褒めてほしかった…」
「褒めてほしかった…?どういうこと?」
「でも怒らせちゃった。ごめんなさい。
ちゃんと上手にできなかった…から…」
「え…待って、誤解してないか?」
「ごめんなさい、ごめん…なさい…はぁ、はぁ……はぁ」
息が苦しい…もう陽ちゃんに怒られたくない。
自分が悪いのは分かってる。分かってるから。
でも…苦しいの怖い……
「ごめん、ごめんな、ごめんな、」
陽ちゃんはずっと僕に謝り落ち着くまで抱きしめてくれた。
「陽ちゃんは悪くない。」
「もう大丈夫?」
「うん…ごめんなさい…」
「うーうん、大丈夫、怒ってないよ。
空、空の気持ちちゃんと聞かせて、どうして湯船に顔を付けてたの?」
「僕、お風呂行きたくないってわがまま言ったから陽ちゃん怒っちゃったでしょ?
だからちゃんと苦しいの我慢できたら許してくれるかなって思って、
上手にできたら褒めてくれるかなって…
笑ってくれるかなって…
でも、もっと怒らせちゃった…上手にできなかったから…だから次はちゃんとする。
ちゃんと苦しいの我慢するから…ごめんなさい。」
陽ちゃんは最後まで聞いてくれた。
陽ちゃんは暗い顔をしていた。
また怒らせちゃったのかな。
「はぁ…そっか…」
陽ちゃんが大きなため息をついた。
「ごめんなさい…次はちゃんとっ!!」
「次はないよ。」
「え……ごめんなさい!…ごめん…なさい!!…痛いの…やっ」
「ごめん、俺怒ってないよ。」
怒ってない…?でも…
「ごめん、こういう態度だから怒ったて思ったんだよな。ごめんな」
今日の陽ちゃんはよく謝る。
でもどうして謝られているのかが分からなかった。
「次はないっていうのはな、
次から風呂に入る時は冷たい水を被らなくていいし、
湯船に顔を付けることもしなくていいってこと。」
「お風呂もう入らないの?」
「ん?あー、俺とさっき入った時温かくて気持ち良かったよな?」
「うん、」
「ああいう、温かくて気持ちいいことだけをするの。
だから風呂ではもう、冷たいことも苦しいこともしなくていい。
だから、次はない。分かる?」
「うん…」
どうして冷たいことと苦しいことをしなくていいのか正直よく分からなかった。
けど、もう苦しいことしなくていい…怖いのない…と思うと安心して、自然と涙が零れていた。
「もう怖いのないから、大丈夫、大丈夫、」
陽ちゃんは俺を抱きしめ頭を撫でてくれた。
「陽ちゃんと一緒にまたお風呂入りたい…」
「うん、一緒に入ろうな。
少しずつでいいから風呂好きになれたらいいな。」
陽ちゃんは優しい笑顔でそう言ってくれた。
また陽ちゃんとお風呂でぽかぽか気持ち良くなれるのが楽しみだった。
「おはよう、大丈夫?」
目を覚ますと陽ちゃんが背中をさすってくれていた。
「おはよう、うん、大丈夫」
夢の内容は覚えていないが、魘されていたらしい。
「今何時?」
「ん?3時、もうすぐ城崎先生来るかな~」
1時間くらい寝てたのかな…
「空、ちょっとお話しよう。」
陽ちゃんが真面目な顔で言ってきた。
なんだろう…また怒られるのかな…
ベッドの上で向き合って座った。
「空、さっき風呂でしたこと覚えてる?」
「うん、」
「何した?」
「えっと…お湯に入った。」
「そうだね、俺が来るまでは?何してた?」
「……水…被って…お湯でぶくぶくした。」
「それしてどうだった?」
「どうって………?」
「水被ってどうだった?」
「冷たかった。」
「そうだよな、冷たい水被ったら体冷えちゃうよな、
体調悪いのにそんなことしたら悪化するって分かる?」
「ごめんなさい…」
「うん、
じゃあどうして湯船に顔付けてた?」
「……入れって……」
「そっか、俺が入れって言ったのがそういう意味だと思ったのか、そっか…ごめんな」
陽ちゃんは優しく抱きしめた。
「ごめんな、怖かったな。ごめんな、」
「褒めてほしかった…」
「褒めてほしかった…?どういうこと?」
「でも怒らせちゃった。ごめんなさい。
ちゃんと上手にできなかった…から…」
「え…待って、誤解してないか?」
「ごめんなさい、ごめん…なさい…はぁ、はぁ……はぁ」
息が苦しい…もう陽ちゃんに怒られたくない。
自分が悪いのは分かってる。分かってるから。
でも…苦しいの怖い……
「ごめん、ごめんな、ごめんな、」
陽ちゃんはずっと僕に謝り落ち着くまで抱きしめてくれた。
「陽ちゃんは悪くない。」
「もう大丈夫?」
「うん…ごめんなさい…」
「うーうん、大丈夫、怒ってないよ。
空、空の気持ちちゃんと聞かせて、どうして湯船に顔を付けてたの?」
「僕、お風呂行きたくないってわがまま言ったから陽ちゃん怒っちゃったでしょ?
だからちゃんと苦しいの我慢できたら許してくれるかなって思って、
上手にできたら褒めてくれるかなって…
笑ってくれるかなって…
でも、もっと怒らせちゃった…上手にできなかったから…だから次はちゃんとする。
ちゃんと苦しいの我慢するから…ごめんなさい。」
陽ちゃんは最後まで聞いてくれた。
陽ちゃんは暗い顔をしていた。
また怒らせちゃったのかな。
「はぁ…そっか…」
陽ちゃんが大きなため息をついた。
「ごめんなさい…次はちゃんとっ!!」
「次はないよ。」
「え……ごめんなさい!…ごめん…なさい!!…痛いの…やっ」
「ごめん、俺怒ってないよ。」
怒ってない…?でも…
「ごめん、こういう態度だから怒ったて思ったんだよな。ごめんな」
今日の陽ちゃんはよく謝る。
でもどうして謝られているのかが分からなかった。
「次はないっていうのはな、
次から風呂に入る時は冷たい水を被らなくていいし、
湯船に顔を付けることもしなくていいってこと。」
「お風呂もう入らないの?」
「ん?あー、俺とさっき入った時温かくて気持ち良かったよな?」
「うん、」
「ああいう、温かくて気持ちいいことだけをするの。
だから風呂ではもう、冷たいことも苦しいこともしなくていい。
だから、次はない。分かる?」
「うん…」
どうして冷たいことと苦しいことをしなくていいのか正直よく分からなかった。
けど、もう苦しいことしなくていい…怖いのない…と思うと安心して、自然と涙が零れていた。
「もう怖いのないから、大丈夫、大丈夫、」
陽ちゃんは俺を抱きしめ頭を撫でてくれた。
「陽ちゃんと一緒にまたお風呂入りたい…」
「うん、一緒に入ろうな。
少しずつでいいから風呂好きになれたらいいな。」
陽ちゃんは優しい笑顔でそう言ってくれた。
また陽ちゃんとお風呂でぽかぽか気持ち良くなれるのが楽しみだった。
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