33 / 136
33、空の気持ちに気づけない
しおりを挟む
名取side
あれから抱えて病室に連れてきたが、ベッド横でうずくまったまま出てこない。
「体冷えるからこっちおいで~」
「……」
さっきから色々声を掛けるが反応がない。
空が病院に来た時のことを思い出すな~
どうしたらいいかな……
「う゛ん……」
手を噛みだした。
「やめろ、痛くなるよ。」
「う゛う゛う゛……」
止めても手を噛むことを止めなかった。
「じゃあ、俺の噛んどけ、」
空の細い手よりはマシだろうと思い自分の指を空の口に入れた。初めは痛かったが次第に落ち着き指を舐めていた。
「陽ちゃん」
「ん?もう指いいのか?」
「うん、ごめんなさい。」
「どうして外に出た?」
「怖かったから……外に出た。」
「そっか、怖かったな。」
おそらく目が覚めた時にフラッシュバックを起こしたのだろう。
「今は怖くない。」
「そっか、体冷えただろうから風呂入れるか?」
ある程度は拭いたが、まだ濡れていてこのままだと熱が上がってしまう。
「行きたく…ない……」
今まで何度か風呂に入ったが行きたくないと言ったことはなかった。
「行きたくないか、でも寒くない?」
「寒い……あ、えっと、行きます。ごめんなさい。」
目を泳がせ、俺の顔色を伺いながら行くと言ってきた。
脅すつもりはなかったのだが、
「無理に行かなくても、いいんだが、」
「いや、行きます。ごめんなさい。ごめんなさい。」
「分かった。じゃあ着替えとタオル取って来るから先に風呂に入っておいてくれ、お湯は張ってあるから入っていて、」
「分かった。」
空は俯いていて表情は見えなかった。
着替えとタオルを取ったら風呂に向かおう。
あれから抱えて病室に連れてきたが、ベッド横でうずくまったまま出てこない。
「体冷えるからこっちおいで~」
「……」
さっきから色々声を掛けるが反応がない。
空が病院に来た時のことを思い出すな~
どうしたらいいかな……
「う゛ん……」
手を噛みだした。
「やめろ、痛くなるよ。」
「う゛う゛う゛……」
止めても手を噛むことを止めなかった。
「じゃあ、俺の噛んどけ、」
空の細い手よりはマシだろうと思い自分の指を空の口に入れた。初めは痛かったが次第に落ち着き指を舐めていた。
「陽ちゃん」
「ん?もう指いいのか?」
「うん、ごめんなさい。」
「どうして外に出た?」
「怖かったから……外に出た。」
「そっか、怖かったな。」
おそらく目が覚めた時にフラッシュバックを起こしたのだろう。
「今は怖くない。」
「そっか、体冷えただろうから風呂入れるか?」
ある程度は拭いたが、まだ濡れていてこのままだと熱が上がってしまう。
「行きたく…ない……」
今まで何度か風呂に入ったが行きたくないと言ったことはなかった。
「行きたくないか、でも寒くない?」
「寒い……あ、えっと、行きます。ごめんなさい。」
目を泳がせ、俺の顔色を伺いながら行くと言ってきた。
脅すつもりはなかったのだが、
「無理に行かなくても、いいんだが、」
「いや、行きます。ごめんなさい。ごめんなさい。」
「分かった。じゃあ着替えとタオル取って来るから先に風呂に入っておいてくれ、お湯は張ってあるから入っていて、」
「分かった。」
空は俯いていて表情は見えなかった。
着替えとタオルを取ったら風呂に向かおう。
20
お気に入りに追加
368
あなたにおすすめの小説
傍若無人な姉の代わりに働かされていた妹、辺境領地に左遷されたと思ったら待っていたのは王子様でした!? ~無自覚天才錬金術師の辺境街づくり~
日之影ソラ
恋愛
【新作連載スタート!!】
https://ncode.syosetu.com/n1741iq/
https://www.alphapolis.co.jp/novel/516811515/430858199
【小説家になろうで先行公開中】
https://ncode.syosetu.com/n0091ip/
働かずパーティーに参加したり、男と遊んでばかりいる姉の代わりに宮廷で錬金術師として働き続けていた妹のルミナ。両親も、姉も、婚約者すら頼れない。一人で孤独に耐えながら、日夜働いていた彼女に対して、婚約者から突然の婚約破棄と、辺境への転属を告げられる。
地位も婚約者も失ってさぞ悲しむと期待した彼らが見たのは、あっさりと受け入れて荷造りを始めるルミナの姿で……?
「僕は病弱なので面倒な政務は全部やってね」と言う婚約者にビンタくらわした私が聖女です
リオール
恋愛
これは聖女が阿呆な婚約者(王太子)との婚約を解消して、惚れた大魔法使い(見た目若いイケメン…年齢は桁が違う)と結ばれるために奮闘する話。
でも周囲は認めてくれないし、婚約者はどこまでも阿呆だし、好きな人は塩対応だし、婚約者はやっぱり阿呆だし(二度言う)
はたして聖女は自身の望みを叶えられるのだろうか?
それとも聖女として辛い道を選ぶのか?
※筆者注※
基本、コメディな雰囲気なので、苦手な方はご注意ください。
(たまにシリアスが入ります)
勢いで書き始めて、駆け足で終わってます(汗
冷徹女王の中身はモノグサ少女でした ~魔女に呪われ国を奪われた私ですが、復讐とか面倒なのでのんびりセカンドライフを目指します~
日之影ソラ
ファンタジー
タイトル統一しました!
小説家になろうにて先行公開中
https://ncode.syosetu.com/n5925iz/
残虐非道の鬼女王。若くして女王になったアリエルは、自国を導き反映させるため、あらゆる手段を尽くした。時に非道とも言える手段を使ったことから、一部の人間からは情の通じない王として恐れられている。しかし彼女のおかげで王国は繁栄し、王国の人々に支持されていた。
だが、そんな彼女の内心は、女王になんてなりたくなかったと嘆いている。前世では一般人だった彼女は、ぐーたらと自由に生きることが夢だった。そんな夢は叶わず、人々に求められるまま女王として振る舞う。
そんなある日、目が覚めると彼女は少女になっていた。
実の姉が魔女と結託し、アリエルを陥れようとしたのだ。女王の地位を奪われたアリエルは復讐を決意……なーんてするわけもなく!
ちょうどいい機会だし、このままセカンドライフを送ろう!
彼女はむしろ喜んだ。
茶番には付き合っていられません
わらびもち
恋愛
私の婚約者の隣には何故かいつも同じ女性がいる。
婚約者の交流茶会にも彼女を同席させ仲睦まじく過ごす。
これではまるで私の方が邪魔者だ。
苦言を呈しようものなら彼は目を吊り上げて罵倒する。
どうして婚約者同士の交流にわざわざ部外者を連れてくるのか。
彼が何をしたいのかさっぱり分からない。
もうこんな茶番に付き合っていられない。
そんなにその女性を傍に置きたいのなら好きにすればいいわ。
愛されない花嫁は初夜を一人で過ごす
リオール
恋愛
「俺はお前を妻と思わないし愛する事もない」
夫となったバジルはそう言って部屋を出て行った。妻となったアルビナは、初夜を一人で過ごすこととなる。
後に夫から聞かされた衝撃の事実。
アルビナは夫への復讐に、静かに心を燃やすのだった。
※シリアスです。
※ざまあが行き過ぎ・過剰だといったご意見を頂戴しております。年齢制限は設定しておりませんが、お読みになる場合は自己責任でお願い致します。
欲情しないと仰いましたので白い結婚でお願いします
ユユ
恋愛
他国の王太子の第三妃として望まれたはずが、
王太子からは拒絶されてしまった。
欲情しない?
ならば白い結婚で。
同伴公務も拒否します。
だけど王太子が何故か付き纏い出す。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる