ホントの気持ち

神娘

文字の大きさ
上 下
12 / 136

12、ごめんなさい。

しおりを挟む
空side


学校が終わっていつも通り塾に向かう間、神山先生に謝ろうと謝る言葉を考えていた。

塾に着くと職員室前に神山先生が立っていた。

「こんにちは」


「こんにちは、体調はどう?」
体調のことどう伝えていいか分からず目をそらしてしまった。

「……」


「しんどいの気付いてあげれなくてごめんね、無理し過ぎたらダメだよ」

どうして、先生が謝るの?
もしかして、心配してくれてる?

あ、そうだ。謝らなきゃ

「ごめ……い」


「ん?」

ちゃんと伝えなきゃ

「ごめんなさい。この前授業止めてごめんなさい。」

怒られるのが怖くて先生の顔を見ることができなかった。


「謝らなくて大丈夫だよ、授業はほぼ終わってたし気にしなくていいよ。もしかして、ずっと悩んでた?」


先生の言葉を聞いて心が一気に軽くなった。
あれ、泣いてる。どうして、止まらない。

先生に背中をさすられ固めていた心が解される感じがした。
先生の香り、落ち着く。


「うぅ……んぅ」


「声出してもいいよ。まだ他の生徒は来ないから。」

声を出して泣くなんていつぶりだろう。
泣いたらいつも怒られるから……






「空くんホットミルク飲める?」

校長先生がホットミルクをくれた。

「はい、ありがとうございます。」


甘くて優しい味。落ち着く。


「熱いから気を付けてね、ゆっくりでいいよ」


「先生…ありがとう。」

神山先生のお陰で心が軽くなった気がする。
そう感じるとお礼を言わずにはいられなかった。


「全然良いんだよ。たまには泣きたい時もあるよね。」

また頭を撫でてくれた。気持ちいいな。






またホットミルクに視線を落とした。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ずっと女の子になりたかった 男の娘の私

ムーワ
BL
幼少期からどことなく男の服装をして学校に通っているのに違和感を感じていた主人公のヒデキ。 ヒデキは同級生の女の子が履いているスカートが自分でも履きたくて仕方がなかったが、母親はいつもズボンばかりでスカートは買ってくれなかった。 そんなヒデキの幼少期から大人になるまでの成長を描いたLGBT(ジェンダーレス作品)です。

タイは若いうちに行け

フロイライン
BL
修学旅行でタイを訪れた高校生の酒井翔太は、信じられないような災難に巻き込まれ、絶望の淵に叩き落とされる…

バイト先のお客さんに電車で痴漢され続けてたDDの話

ルシーアンナ
BL
イケメンなのに痴漢常習な攻めと、戸惑いながらも無抵抗な受け。 大学生×大学生

おとなのための保育所

あーる
BL
逆トイレトレーニングをしながらそこの先生になるために学ぶところ。 見た目はおとな 排泄は赤ちゃん(お漏らししたら泣いちゃう)

サッカー少年の性教育

てつじん
BL
小学6年生のサッカー少年、蹴翔(シュート)くん。 コーチに体を悪戯されて、それを聞いたお父さんは身をもってシュートくんに性教育をしてあげちゃいます。

高校生の僕は、大学生のお兄さんに捕まって責められる

天災
BL
 高校生の僕は、大学生のお兄さんに捕まって責められる。

部室強制監獄

裕光
BL
 夜8時に毎日更新します!  高校2年生サッカー部所属の祐介。  先輩・後輩・同級生みんなから親しく人望がとても厚い。  ある日の夜。  剣道部の同級生 蓮と夜飯に行った所途中からプチッと記憶が途切れてしまう  気づいたら剣道部の部室に拘束されて身動きは取れなくなっていた  現れたのは蓮ともう1人。  1個上の剣道部蓮の先輩の大野だ。  そして大野は裕介に向かって言った。  大野「お前も肉便器に改造してやる」  大野は蓮に裕介のサッカーの練習着を渡すと中を開けて―…  

或る実験の記録

フロイライン
BL
謎の誘拐事件が多発する中、新人警官の吉岡直紀は、犯人グループの車を発見したが、自身も捕まり拉致されてしまう。

処理中です...