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妊婦には優しく
第4回妊婦なう①(Dari)
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あの夢の日から二週間たった。ずっと夢の中では求め合い続けている。現実ではあまり触れ合いをしない反動で、お互いに激しくなっていた。
朝起きるたび、私の下着はびしょ濡れでリチェ様には毎度毎度『昨晩はお楽しみでしたね』っとからかわれるのだ。
一度びしょ濡れの下着を洗浄する前にリチェ様が『ルイスに下賜してきます』っと言って奪っていった日は…。ルーは一日中上機嫌だった。また保存魔法とかかけて保管してるらしいが、用途については…何も聞かなかった。私も恥ずかしいからだ。
そんな感じで過ごしていたら、リオと面会する日になった。
「マイカ様。久しぶり」
「うん。リオも最近あんまり顔を見せてこないから、元気か心配してたけど。とっても元気そうだね」
広間のソファーでテーブルを挟んで向かい合って座っているリオは機嫌も良いし、元気ハツラツといった様子だった。ちなみに、ルーは私のソファーの後ろで立って、リチェ様を抱っこしてこちらの様子を見ている。
「まぁ、な」
ふっと何かを思い出したのかリオは私から目線を外して返答をした。
「…ご褒美も求めなくなったけど、新しい飼い主さんが決まったのかな?」
リオの様子の変化からもしかして?っと思って声をかけると、リオは顔を真っ赤に赤らめた。
「あら…らぁ…。お尻叩いてもらったから?」
「…お、おう」
飼い主をいつの間にか鞍替えしていた事が後ろめたいのか、少し耳を垂らして(るように見える)リオは返答した。
「いいじゃない。飼い主って奥様達?」
コクンっとリオは頷いて、チラッチラッっと私を見つめてきた。私の事も飼い主であるとはまだ思っている様子で、新しい飼い主について私が怒っていないか気になる様子だった。
「私が元の世界に戻る事を考えると…奥様達に飼ってもらえて安心した。ちなみに…満たされてる?」
「…かなり」
私の「お尻を叩いてもらえ」という一言でここまで変化が起きるとは、予想外だった。まぁ、お互いに合意してる行為なら問題はなさそうだ。私は話を進めることにした。
「じゃあ、瓶渡しておくね。体液はリオだけので。奥様達に手伝ってもらう時は気をつけてね」
「おう、わかった。じゃ明日朝届ける」
リオは瓶を差し出すと、それを受け取って大事そうに大きな手で包んだまま部屋から出て行った。
「ねぇ、あの変わりよう凄いよね」
「はい。いつもイライラと何にでも噛み付いていたのが嘘のようですね」
『ほんとですねー。コレもマイカさんのおかげですね』
「えー?何もしてないのにー?」
あははっと私が笑っていると、ルーとリチェ様は何か知っているのか、互いに見つめあった後に頷き合っていた。
次の日、白い液体が届いた。今回も石を入れるのは皆んなで、中に入れるのは私1人で作業した。
子供が宿った事をリチェ様に確認してもらい、リオに連絡するとドタバタと離宮に現れ、私のことを持ち上げてワーイワーイっと喜びを表現した後に嵐のように部屋から出ていった。
喜び方が大胆だった。ルーは私が落とされるかとヒヤヒヤしたようで、しばらくリオに怒っていたぐらい妊婦にするようなことではなかった。
リオはそれからアレクと同じように昼食後の午後に現れた。騎士団は仕事の時間はどこも同じ流れのようだった。
食後のお茶を飲みながら話して、リオのおしゃべりに付き合う日々だった。時々、頬に赤い手形を付けてくる時があったが本人は気にしていないようだった。
ちなみに、奥様達とは本当に円満になったようだ。アレクやエリオが私に贈り物を持ってきていた事を聞いたリオは家に帰って、リオの中の飼い主ランクのトップの私に何かを贈りたいと騒いだようだ。次の日、奥様達から手紙と共にお菓子と数種類のお茶が届いた。届けてきたのはリオだが…。
[犬が世話になっております。躾ける機会をくださりありがとうございました。我らも子供が生まれる事を楽しみにしております。今暫くは犬の世話をお願いいたします。何かありましたら、すぐにご連絡くださいませ。ささやかながら贈り物をいたします。気に入っていただけると嬉しくおもいます。飼い主一同より]
奥様達はリオを完全に犬にしたようだ。
手紙を読んで、リオに目を向けると嬉しそうに笑ってこちらが出した茶菓子をバグバグ食べていた。幸せそうなので私はもう何も言わない事にした。
段々とお腹が大きくなると、会うたびにリオはお腹に耳を当て中の音を聞こうとしてくるようになった。私の中でも犬認定しているからだろうか。尻尾を振って(いるように見え…)お腹にじゃれ付いてきても力任せにしてこなければ、そのまま好きなようにさせていた。
ルー達には呆れたような微笑ましいような…そんな顔で見られる日々だった。
奥様達からは時折手紙とお菓子が届いた。リオが来るたびにお菓子など食料が減る事を気にしている様子だった。
そして、リオに似ているのか…お腹の子供はとても動く。元気に動く。今までの子の中で1番元気だった。夜も寝てる時にボーンっと蹴ってくるのだ。夢を繋いでいても、蹴りに起きるようになったためルーとの逢瀬もできなくなってきた。だからか、ルーは最近少しリオに冷たくなった。子供に不満は向けられないと思ったようだ。しかしリオは冷たくされても特に気にした様子もなく…ルーの不満は増すばかりだった。
そうして、またこの子も外の世界へ旅立つ時が来た。
朝起きるたび、私の下着はびしょ濡れでリチェ様には毎度毎度『昨晩はお楽しみでしたね』っとからかわれるのだ。
一度びしょ濡れの下着を洗浄する前にリチェ様が『ルイスに下賜してきます』っと言って奪っていった日は…。ルーは一日中上機嫌だった。また保存魔法とかかけて保管してるらしいが、用途については…何も聞かなかった。私も恥ずかしいからだ。
そんな感じで過ごしていたら、リオと面会する日になった。
「マイカ様。久しぶり」
「うん。リオも最近あんまり顔を見せてこないから、元気か心配してたけど。とっても元気そうだね」
広間のソファーでテーブルを挟んで向かい合って座っているリオは機嫌も良いし、元気ハツラツといった様子だった。ちなみに、ルーは私のソファーの後ろで立って、リチェ様を抱っこしてこちらの様子を見ている。
「まぁ、な」
ふっと何かを思い出したのかリオは私から目線を外して返答をした。
「…ご褒美も求めなくなったけど、新しい飼い主さんが決まったのかな?」
リオの様子の変化からもしかして?っと思って声をかけると、リオは顔を真っ赤に赤らめた。
「あら…らぁ…。お尻叩いてもらったから?」
「…お、おう」
飼い主をいつの間にか鞍替えしていた事が後ろめたいのか、少し耳を垂らして(るように見える)リオは返答した。
「いいじゃない。飼い主って奥様達?」
コクンっとリオは頷いて、チラッチラッっと私を見つめてきた。私の事も飼い主であるとはまだ思っている様子で、新しい飼い主について私が怒っていないか気になる様子だった。
「私が元の世界に戻る事を考えると…奥様達に飼ってもらえて安心した。ちなみに…満たされてる?」
「…かなり」
私の「お尻を叩いてもらえ」という一言でここまで変化が起きるとは、予想外だった。まぁ、お互いに合意してる行為なら問題はなさそうだ。私は話を進めることにした。
「じゃあ、瓶渡しておくね。体液はリオだけので。奥様達に手伝ってもらう時は気をつけてね」
「おう、わかった。じゃ明日朝届ける」
リオは瓶を差し出すと、それを受け取って大事そうに大きな手で包んだまま部屋から出て行った。
「ねぇ、あの変わりよう凄いよね」
「はい。いつもイライラと何にでも噛み付いていたのが嘘のようですね」
『ほんとですねー。コレもマイカさんのおかげですね』
「えー?何もしてないのにー?」
あははっと私が笑っていると、ルーとリチェ様は何か知っているのか、互いに見つめあった後に頷き合っていた。
次の日、白い液体が届いた。今回も石を入れるのは皆んなで、中に入れるのは私1人で作業した。
子供が宿った事をリチェ様に確認してもらい、リオに連絡するとドタバタと離宮に現れ、私のことを持ち上げてワーイワーイっと喜びを表現した後に嵐のように部屋から出ていった。
喜び方が大胆だった。ルーは私が落とされるかとヒヤヒヤしたようで、しばらくリオに怒っていたぐらい妊婦にするようなことではなかった。
リオはそれからアレクと同じように昼食後の午後に現れた。騎士団は仕事の時間はどこも同じ流れのようだった。
食後のお茶を飲みながら話して、リオのおしゃべりに付き合う日々だった。時々、頬に赤い手形を付けてくる時があったが本人は気にしていないようだった。
ちなみに、奥様達とは本当に円満になったようだ。アレクやエリオが私に贈り物を持ってきていた事を聞いたリオは家に帰って、リオの中の飼い主ランクのトップの私に何かを贈りたいと騒いだようだ。次の日、奥様達から手紙と共にお菓子と数種類のお茶が届いた。届けてきたのはリオだが…。
[犬が世話になっております。躾ける機会をくださりありがとうございました。我らも子供が生まれる事を楽しみにしております。今暫くは犬の世話をお願いいたします。何かありましたら、すぐにご連絡くださいませ。ささやかながら贈り物をいたします。気に入っていただけると嬉しくおもいます。飼い主一同より]
奥様達はリオを完全に犬にしたようだ。
手紙を読んで、リオに目を向けると嬉しそうに笑ってこちらが出した茶菓子をバグバグ食べていた。幸せそうなので私はもう何も言わない事にした。
段々とお腹が大きくなると、会うたびにリオはお腹に耳を当て中の音を聞こうとしてくるようになった。私の中でも犬認定しているからだろうか。尻尾を振って(いるように見え…)お腹にじゃれ付いてきても力任せにしてこなければ、そのまま好きなようにさせていた。
ルー達には呆れたような微笑ましいような…そんな顔で見られる日々だった。
奥様達からは時折手紙とお菓子が届いた。リオが来るたびにお菓子など食料が減る事を気にしている様子だった。
そして、リオに似ているのか…お腹の子供はとても動く。元気に動く。今までの子の中で1番元気だった。夜も寝てる時にボーンっと蹴ってくるのだ。夢を繋いでいても、蹴りに起きるようになったためルーとの逢瀬もできなくなってきた。だからか、ルーは最近少しリオに冷たくなった。子供に不満は向けられないと思ったようだ。しかしリオは冷たくされても特に気にした様子もなく…ルーの不満は増すばかりだった。
そうして、またこの子も外の世界へ旅立つ時が来た。
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