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-後宮事変-
陸
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「執務室とか、絶対来ることないと思ってた……」
執務室と札のかかる部屋へたどり着くと、深くため息を吐く。
下女宮につけば、名前と所属を問われ、一人ずつ奥の執務室へ行くようにと廊下を示された。メイメイとも別れ、言われるまま廊下を突き進み見えてきたのがこの扉だ。
ここであってるよな?と人数が集まってるという割には、静かな扉をこつこつと叩き入ろうと取手へと手を伸ばせば、ガチャリと触れる前に自動的に扉が開く。
「ようこそ、君が一人目だね」
にこりと黒塗りの艶やかな机に肘をつき、組んだ手に顎を乗せていた、男--カジャクが含むような笑みで楽しそうに笑う。
「は、い?いやもうすでに何人も集まって………」
「残念ながら、ここにたどり着けたのは今のところ君だけだ」
話が違う、女官はもう既に何人も来てると言っていた。なにより先に来てるはずのメイメイがいない。あたりを見回すとくすくすと笑う声が聞こえる。
綺麗に笑うその笑みにきっと、何人も娘が昏倒していただろう。
ただそれは一般的な少女に限るだろう。自他共に認める調薬狂いのリシャナには効かず、それどころかただ苛つかせるだけのものだった。
小馬鹿にされた気分だと舌打ちしたい気持ちを抑えて、じとと睨んでやればその綺麗な顔が少し驚いたように見開かれる。
文句の一つでも言ってやろうと、口を開きかけ先程のカジャクの言葉に、すでに寄っていた眉がさら寄る。
「は?たどり着け……た?」
「君、詰めが甘いとよく言われないかい?」
扉を開けたであろう男が、楽しそうにリシャナへ向けて口を開くカジャクの隣に戻りながら、悪い癖がでたと口元だけが動き深くため息を吐いた。
出る前に止めろよという念を送っておく。
「なんの話でしょうか」
「おや?分からないのかい?」
「はぁ?」
カジャクに対して苛立ちを募らせ、堪らずに
なにが言いたいんだこの男はと心の底から殴りたい衝動にかられながら、睨んでやると隣の男がすこし困ったように咳払いをしていた。
上役に対しての行動としては良くないかもしれないが、しょうがないだろうと心の中で舌を出してやる。男もそれがわかっているのか、それとも笑みをたたえた優男がご機嫌だからなのか、複雑な表情で黙っているようだった。
「この部屋だと、どうやって確信した?」
「奥の執務室だといわれたからよ」
「そうだね、でも奥の部屋はここ以外にもいくつもあるけど何故ここだと思ったんだい?」
カジャクの目がすぅっと細くなると、ゆっくりと扉を指差して、優雅に首を傾げた。まるで追い詰めた鼠をいたぶるように。
ぞくりと背中を走る冷たい汗を感じながら、なにがおかしいのだと扉へ自然とつられて視線を向ける。
あぁ!と気づいた時にはもう遅かった。だからこそしまったと扉へ顔を向けたまま顔を顰める。
そう、奥の部屋といわれただけで、この部屋以外にも廊下にはいくつも部屋があった筈だ。
なにを見て、ここが執務室だと判断したかと言えば、札だ。リシャナは札に書かれていた文字を見て、ここを執務室だと判断した。
カジャクはこう聞いてるのだ、文字が読めない筈のリシャナが、どうやって判断したのかと。
「それは、女官様に場所を……」
「うん、その場合ここにはたどり着けないんだよね」
「あーと……なんとなくここかなって?」
「ふふ、さっき女官に聞いたって言ったじゃないか」
「んぐぅ」
なんとか言い逃れるすべはないものかと、思案するリシャナを追い込む男をみるに、そもそもここには文字が読める事で初めて来れる仕組みが成されている。
(目的は、多分……)
この男わかっててやってやがると、睨みつけてやると、何が楽しいのかさらに笑みが深くなる。
「君、これに見覚えないかい?」
「いいえありません」
「早いねぇ」
取り出されたのは白木の樹皮。ところどころ青黒いのは、文字のように見える。
見るなり首を振って即答する。開き直ったリシャナの態度にくっくと喉を震わせて笑うと、書かれた文字をなぞる。
『ナキナコノミ ヲ タベロ』
樹皮の繊維に引っ張られて歪んではいるが、端的に書かれていた。
「これ、なにが書いてあると思う?」
「私は、字が読めないのでわかりません」
「ふぅん、何が書いてあるかと聞いただけで、私は文字とは一言もいってないけどなぁ」
「……っち」
あらかさまに舌打ちをすれば、腕を組み態度を変え大きく溜息を吐く。
「えぇ、そうですよ文字は読めますよ。でもそれに身に覚えはありません」
こうなれば文字が読める事だけは認めてしまおうと諦める。頑なに拒絶して詮索されるのも面倒この上ない。この程度、下女の中にも沢山いる。すぐ給料が上がったり仕事の延長が起きるわけでもないのだから。
カジャクが取り出した樹皮は、以前藤姫と蘭姫のやり取りを見た後、なんとかこしらえた簡易の処置書き。
足がつかないよう、わざわざこの辺りなら何処でもとれる樹皮に木の実の汁を使ったというのに、もしその文字の内容を書いたことが自分であると分かれば、それこそその予定が大いに狂いかねない。ならば文字が読める程度なら問題はない。
「ふむ、あくまでこれは知らないと」
話は済んだならもういいよねと言いたげに視線をむければ、まだ楽しそうにリシャナへと微笑みかけるカジャクと目が合う。思わず蛞蝓でも見つけたような視線を向けてしまったのは許して欲しい。
あくまでも知らぬを通すリシャナに、おかしいなぁなどといいながら、今度は白い紙を一枚取り出し、樹皮の隣へ並べておく。
「知っているかい、文字というのはね書き癖で誰が書いたかわかるものなのだよ」
「へぇ、そんな凄いことができるのですね……で、それが私となにか関係が?」
筆跡で誰のものか判定する技術が知らないわけじゃない。そんなこと知ってるとは思いつつ、知らぬ顔をする。何よりここで人の知る場所で文字を書く機会なんてない。
カジャクが手元の紙をとんとんと指でたたく、視線を向けたれば、そこまでするかと胸ぐらを掴んでガクガクと頭を揺すってやりたくなった。なんならその甘ったるい顔を潰してやりたい、全力で。
「これは先日、君に書いて貰った写しな訳だが、不思議だねぇ鑑定させたらこの樹皮の文字、多少歪んではいるけど癖が一致したんだよ」
「私は、書き写す仕事を手伝っただけです。その元の資料を書かれた方の字では?」
手が足りないからと、文字の読み書きが出来ない下女が集められ、本の写しを手伝わされた。読み書きが出来ないからこそ、できる仕事もあるわけでその一つでもある。カジャクの手にあるのは、言い逃れもできないまさしくその時の一枚だ。
別に内容としてはそれ程機密でもなく、官内で使用する文書の複製。多くの人に渡す際、こうして集められて手伝わされていた。
周りも慣れた様子だったので、こんな仕事もあるんだなぁとしか考えず書き写していた。
読み書きができない下女が、勉強する一貫にもなっているのだろうとさえ思っていた。
「すでに見本とは比べてるし、たしかに見本に近いは近いけど、本当に文字書きができない子はね、写すのも結構大変な作業なんだよ?これは綺麗に写しすぎている。それに、文字の癖というのは、よほど訓練しないと変えるなんて難しいんだよ」
「だとしても、私は身に覚えが無いのにどうしろと?」
「そうか、残念だ。これで確定だと思ったんだが。この手段でもダメならやはり内々はむりかぁ……私の力不足が嘆かわしい、もっと大掛かりに徹底的に、調査の必要があるか」
大きな独り言にしては、唐突すぎる含ませる言い方は、ここまでの事は全て彼一人の独断であり、内密に周りにも知らせず行動してるのだと、今ここで認めるなら公にはしないとそう脅しにも聞こえた。
ここで認めなければ大事になる、リシャナは諦めたように声を上げ、降参だとぶすりと不満げに腕を組む。
「えぇ、そうです。私ですよ!というか、普通ここまでします?」
「確かに普段ならそうだけどね、今は毒やら呪いやらと騒がれてる。たとえ治ったとしても、この書付の人物が今回の騒ぎの発端である可能性はあるだろう?」
「っは!私がやったんなら、わざわざ危険を冒してまで、治し方を教えたりしませんけどね」
ほっとけば死ぬし、絶対に証拠なんて残せないんだからと鼻で笑う。皇室に恩を売るにしても命がけすぎでしょと首を振る。
「明らかにこれは治療法。こちらではどうしようもないことは事実であったからね。これが処置できる人間が運良くいるなんて、自然とこの騒ぎとこの手紙の人物に関係性を疑うのは当然だろう?」
「自然発生とは考えないんです?少なくとも、どこでも起こりうる現象ですよ」
確かに不自然ではあるがと心の中で付け足すと、カジャクの目が見すかすように弧を描く。
「君は違うと思ってるみたいだけど?」
「さぁ?私はこの症例を見たことがあったから治療法を知ってただけですけど?」
「怪異病を見極められるのは怪異師だけだよ」
どうしても認めたくないようなら容疑者として捉えなければならないのだけどと、ゆったりと首を傾げるカジャク。
後ろめたいことがない以上、これ以上知らぬ存ぜぬを通すと逆に怪しまれるかと、カジャクの後ろの男の不信感の浮かぶ視線に今取れる最善策を考える。
(さよなら、平穏な下女生活)
目を閉じて諦めたように、天を仰いだリシャナは心の中で小さく呟いた。
執務室と札のかかる部屋へたどり着くと、深くため息を吐く。
下女宮につけば、名前と所属を問われ、一人ずつ奥の執務室へ行くようにと廊下を示された。メイメイとも別れ、言われるまま廊下を突き進み見えてきたのがこの扉だ。
ここであってるよな?と人数が集まってるという割には、静かな扉をこつこつと叩き入ろうと取手へと手を伸ばせば、ガチャリと触れる前に自動的に扉が開く。
「ようこそ、君が一人目だね」
にこりと黒塗りの艶やかな机に肘をつき、組んだ手に顎を乗せていた、男--カジャクが含むような笑みで楽しそうに笑う。
「は、い?いやもうすでに何人も集まって………」
「残念ながら、ここにたどり着けたのは今のところ君だけだ」
話が違う、女官はもう既に何人も来てると言っていた。なにより先に来てるはずのメイメイがいない。あたりを見回すとくすくすと笑う声が聞こえる。
綺麗に笑うその笑みにきっと、何人も娘が昏倒していただろう。
ただそれは一般的な少女に限るだろう。自他共に認める調薬狂いのリシャナには効かず、それどころかただ苛つかせるだけのものだった。
小馬鹿にされた気分だと舌打ちしたい気持ちを抑えて、じとと睨んでやればその綺麗な顔が少し驚いたように見開かれる。
文句の一つでも言ってやろうと、口を開きかけ先程のカジャクの言葉に、すでに寄っていた眉がさら寄る。
「は?たどり着け……た?」
「君、詰めが甘いとよく言われないかい?」
扉を開けたであろう男が、楽しそうにリシャナへ向けて口を開くカジャクの隣に戻りながら、悪い癖がでたと口元だけが動き深くため息を吐いた。
出る前に止めろよという念を送っておく。
「なんの話でしょうか」
「おや?分からないのかい?」
「はぁ?」
カジャクに対して苛立ちを募らせ、堪らずに
なにが言いたいんだこの男はと心の底から殴りたい衝動にかられながら、睨んでやると隣の男がすこし困ったように咳払いをしていた。
上役に対しての行動としては良くないかもしれないが、しょうがないだろうと心の中で舌を出してやる。男もそれがわかっているのか、それとも笑みをたたえた優男がご機嫌だからなのか、複雑な表情で黙っているようだった。
「この部屋だと、どうやって確信した?」
「奥の執務室だといわれたからよ」
「そうだね、でも奥の部屋はここ以外にもいくつもあるけど何故ここだと思ったんだい?」
カジャクの目がすぅっと細くなると、ゆっくりと扉を指差して、優雅に首を傾げた。まるで追い詰めた鼠をいたぶるように。
ぞくりと背中を走る冷たい汗を感じながら、なにがおかしいのだと扉へ自然とつられて視線を向ける。
あぁ!と気づいた時にはもう遅かった。だからこそしまったと扉へ顔を向けたまま顔を顰める。
そう、奥の部屋といわれただけで、この部屋以外にも廊下にはいくつも部屋があった筈だ。
なにを見て、ここが執務室だと判断したかと言えば、札だ。リシャナは札に書かれていた文字を見て、ここを執務室だと判断した。
カジャクはこう聞いてるのだ、文字が読めない筈のリシャナが、どうやって判断したのかと。
「それは、女官様に場所を……」
「うん、その場合ここにはたどり着けないんだよね」
「あーと……なんとなくここかなって?」
「ふふ、さっき女官に聞いたって言ったじゃないか」
「んぐぅ」
なんとか言い逃れるすべはないものかと、思案するリシャナを追い込む男をみるに、そもそもここには文字が読める事で初めて来れる仕組みが成されている。
(目的は、多分……)
この男わかっててやってやがると、睨みつけてやると、何が楽しいのかさらに笑みが深くなる。
「君、これに見覚えないかい?」
「いいえありません」
「早いねぇ」
取り出されたのは白木の樹皮。ところどころ青黒いのは、文字のように見える。
見るなり首を振って即答する。開き直ったリシャナの態度にくっくと喉を震わせて笑うと、書かれた文字をなぞる。
『ナキナコノミ ヲ タベロ』
樹皮の繊維に引っ張られて歪んではいるが、端的に書かれていた。
「これ、なにが書いてあると思う?」
「私は、字が読めないのでわかりません」
「ふぅん、何が書いてあるかと聞いただけで、私は文字とは一言もいってないけどなぁ」
「……っち」
あらかさまに舌打ちをすれば、腕を組み態度を変え大きく溜息を吐く。
「えぇ、そうですよ文字は読めますよ。でもそれに身に覚えはありません」
こうなれば文字が読める事だけは認めてしまおうと諦める。頑なに拒絶して詮索されるのも面倒この上ない。この程度、下女の中にも沢山いる。すぐ給料が上がったり仕事の延長が起きるわけでもないのだから。
カジャクが取り出した樹皮は、以前藤姫と蘭姫のやり取りを見た後、なんとかこしらえた簡易の処置書き。
足がつかないよう、わざわざこの辺りなら何処でもとれる樹皮に木の実の汁を使ったというのに、もしその文字の内容を書いたことが自分であると分かれば、それこそその予定が大いに狂いかねない。ならば文字が読める程度なら問題はない。
「ふむ、あくまでこれは知らないと」
話は済んだならもういいよねと言いたげに視線をむければ、まだ楽しそうにリシャナへと微笑みかけるカジャクと目が合う。思わず蛞蝓でも見つけたような視線を向けてしまったのは許して欲しい。
あくまでも知らぬを通すリシャナに、おかしいなぁなどといいながら、今度は白い紙を一枚取り出し、樹皮の隣へ並べておく。
「知っているかい、文字というのはね書き癖で誰が書いたかわかるものなのだよ」
「へぇ、そんな凄いことができるのですね……で、それが私となにか関係が?」
筆跡で誰のものか判定する技術が知らないわけじゃない。そんなこと知ってるとは思いつつ、知らぬ顔をする。何よりここで人の知る場所で文字を書く機会なんてない。
カジャクが手元の紙をとんとんと指でたたく、視線を向けたれば、そこまでするかと胸ぐらを掴んでガクガクと頭を揺すってやりたくなった。なんならその甘ったるい顔を潰してやりたい、全力で。
「これは先日、君に書いて貰った写しな訳だが、不思議だねぇ鑑定させたらこの樹皮の文字、多少歪んではいるけど癖が一致したんだよ」
「私は、書き写す仕事を手伝っただけです。その元の資料を書かれた方の字では?」
手が足りないからと、文字の読み書きが出来ない下女が集められ、本の写しを手伝わされた。読み書きが出来ないからこそ、できる仕事もあるわけでその一つでもある。カジャクの手にあるのは、言い逃れもできないまさしくその時の一枚だ。
別に内容としてはそれ程機密でもなく、官内で使用する文書の複製。多くの人に渡す際、こうして集められて手伝わされていた。
周りも慣れた様子だったので、こんな仕事もあるんだなぁとしか考えず書き写していた。
読み書きができない下女が、勉強する一貫にもなっているのだろうとさえ思っていた。
「すでに見本とは比べてるし、たしかに見本に近いは近いけど、本当に文字書きができない子はね、写すのも結構大変な作業なんだよ?これは綺麗に写しすぎている。それに、文字の癖というのは、よほど訓練しないと変えるなんて難しいんだよ」
「だとしても、私は身に覚えが無いのにどうしろと?」
「そうか、残念だ。これで確定だと思ったんだが。この手段でもダメならやはり内々はむりかぁ……私の力不足が嘆かわしい、もっと大掛かりに徹底的に、調査の必要があるか」
大きな独り言にしては、唐突すぎる含ませる言い方は、ここまでの事は全て彼一人の独断であり、内密に周りにも知らせず行動してるのだと、今ここで認めるなら公にはしないとそう脅しにも聞こえた。
ここで認めなければ大事になる、リシャナは諦めたように声を上げ、降参だとぶすりと不満げに腕を組む。
「えぇ、そうです。私ですよ!というか、普通ここまでします?」
「確かに普段ならそうだけどね、今は毒やら呪いやらと騒がれてる。たとえ治ったとしても、この書付の人物が今回の騒ぎの発端である可能性はあるだろう?」
「っは!私がやったんなら、わざわざ危険を冒してまで、治し方を教えたりしませんけどね」
ほっとけば死ぬし、絶対に証拠なんて残せないんだからと鼻で笑う。皇室に恩を売るにしても命がけすぎでしょと首を振る。
「明らかにこれは治療法。こちらではどうしようもないことは事実であったからね。これが処置できる人間が運良くいるなんて、自然とこの騒ぎとこの手紙の人物に関係性を疑うのは当然だろう?」
「自然発生とは考えないんです?少なくとも、どこでも起こりうる現象ですよ」
確かに不自然ではあるがと心の中で付け足すと、カジャクの目が見すかすように弧を描く。
「君は違うと思ってるみたいだけど?」
「さぁ?私はこの症例を見たことがあったから治療法を知ってただけですけど?」
「怪異病を見極められるのは怪異師だけだよ」
どうしても認めたくないようなら容疑者として捉えなければならないのだけどと、ゆったりと首を傾げるカジャク。
後ろめたいことがない以上、これ以上知らぬ存ぜぬを通すと逆に怪しまれるかと、カジャクの後ろの男の不信感の浮かぶ視線に今取れる最善策を考える。
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