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傍観者
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拓哉に対するしごきは止まることなく
僕自身も少し拓哉から距離を
置くようになって行った
1年生の僕達はランニングや球拾い
基礎的な柔軟運動や後片付けグランドの
整備などで特別に優れた能力がある人は
バッティングなどに加わる事は出来たけれど
ほとんどがこれを毎日繰り返していた
ある日、練習が終わり後片付けをしょうと
していると
「1年生は帰っていいぞ~
こいつ一人で片付け
やってもらうから手伝うなよ~」
とライトを守っている実力があり
目立っている3年生の先輩が拓哉に指さし
いかにも意地悪な自信満々な言い方で言った
みんなは顔を見合わせて困った顔をしている
でも先輩の言う事は絶対で逆らう事もできず
拓哉を気にしながらも、みんな部室の方に
歩き出した
拓哉は何も言わすグランドの整備を始めた
僕は何度も振り向き拓哉を見つめながら
部室に入り着替えをすました
先輩達は、ばかにしたように
笑いながら着替えると
部室を出て帰って行った
僕は拓哉をかばってあげられないもどかしさ
どうする事も出来ない状況に
心が苦しくて門の外で腰掛けて拓哉を
待つ事にした
涼しい風が時折吹くものの
もうすぐ近づく
梅雨の時期を思わせるような
少しジメジメした夕方で段々辺りは
暗くなって来た
何時間経つただろう
足音が聞こえ
拓哉が門の側にやって来た
「拓哉、お疲れ!」
僕は普通にそう言うと
「おっ~!翔、待っててくれたんだ~
やっぱり一人でグランド整備はきついわ~
先輩ひどいよな~
俺、入部してから生意気だったから
もっと大人しくしとけば良かったかな、、」
拓哉はさっぱりとした口調で
にっこり笑って言った
「俺、拓哉の味方になれなくて
ごめんな~
どうする事も出来なくて、、」
僕は拓哉の横に並ぶと歩きながらそう言った
「いいよ、先輩達に逆らったら俺と同じ目に
合うし、夏の大会終わったら
先輩達も引退していなくなるし
それまでの辛抱だから
なんとか頑張るし
こうやって翔が待ってて
くれて嬉しかった
一人でも味方がいてくれているだけで
俺頑張れそうだから、、
翔は見て見ぬ振りしてたらいいからな!」
僕は拓哉の逞しさや優しいさに
ますます心が痛んだけれど何も言えず
下を向いて歩いていた
拓哉は昔から正義感が強いから
間違った事を言ってるやつには
ハッキリ物を言う
僕は、そんな拓哉を尊敬していたし
とても大切な親友と思っていた
でも今回はどうする事も出来なかった
世の中は上に立つ能力のある意地の悪い
自己中心的なやつらが
普通で優しくて
何も悪い事をしていない誰かに
ターゲットを絞り打ちのめし
それを見ている周りのやつらは
自分がターゲットにならないように
上手くかわし
そいつらに媚びへつらい見て見ぬ振りをする
先生さえやもそんなやつらに
関わりたくなくて
知らない振りをする
その方が平和に過ぎるから、、
何人かの悪人に対して大勢いる普通の
人達は団結する事も悪を悪とも言えず
正当化してその繰り返しだ
だからいつまでも
いじめは無くならないんだ
でも僕もその傍観者の一人である事は
間違いなかった
僕はただ拓哉が先輩達からこれ以上
いじめを受ける事がないように
祈る事しか出来なかった
こんな傍観者の僕なのに拓哉は
変わらず優しかった
僕自身も少し拓哉から距離を
置くようになって行った
1年生の僕達はランニングや球拾い
基礎的な柔軟運動や後片付けグランドの
整備などで特別に優れた能力がある人は
バッティングなどに加わる事は出来たけれど
ほとんどがこれを毎日繰り返していた
ある日、練習が終わり後片付けをしょうと
していると
「1年生は帰っていいぞ~
こいつ一人で片付け
やってもらうから手伝うなよ~」
とライトを守っている実力があり
目立っている3年生の先輩が拓哉に指さし
いかにも意地悪な自信満々な言い方で言った
みんなは顔を見合わせて困った顔をしている
でも先輩の言う事は絶対で逆らう事もできず
拓哉を気にしながらも、みんな部室の方に
歩き出した
拓哉は何も言わすグランドの整備を始めた
僕は何度も振り向き拓哉を見つめながら
部室に入り着替えをすました
先輩達は、ばかにしたように
笑いながら着替えると
部室を出て帰って行った
僕は拓哉をかばってあげられないもどかしさ
どうする事も出来ない状況に
心が苦しくて門の外で腰掛けて拓哉を
待つ事にした
涼しい風が時折吹くものの
もうすぐ近づく
梅雨の時期を思わせるような
少しジメジメした夕方で段々辺りは
暗くなって来た
何時間経つただろう
足音が聞こえ
拓哉が門の側にやって来た
「拓哉、お疲れ!」
僕は普通にそう言うと
「おっ~!翔、待っててくれたんだ~
やっぱり一人でグランド整備はきついわ~
先輩ひどいよな~
俺、入部してから生意気だったから
もっと大人しくしとけば良かったかな、、」
拓哉はさっぱりとした口調で
にっこり笑って言った
「俺、拓哉の味方になれなくて
ごめんな~
どうする事も出来なくて、、」
僕は拓哉の横に並ぶと歩きながらそう言った
「いいよ、先輩達に逆らったら俺と同じ目に
合うし、夏の大会終わったら
先輩達も引退していなくなるし
それまでの辛抱だから
なんとか頑張るし
こうやって翔が待ってて
くれて嬉しかった
一人でも味方がいてくれているだけで
俺頑張れそうだから、、
翔は見て見ぬ振りしてたらいいからな!」
僕は拓哉の逞しさや優しいさに
ますます心が痛んだけれど何も言えず
下を向いて歩いていた
拓哉は昔から正義感が強いから
間違った事を言ってるやつには
ハッキリ物を言う
僕は、そんな拓哉を尊敬していたし
とても大切な親友と思っていた
でも今回はどうする事も出来なかった
世の中は上に立つ能力のある意地の悪い
自己中心的なやつらが
普通で優しくて
何も悪い事をしていない誰かに
ターゲットを絞り打ちのめし
それを見ている周りのやつらは
自分がターゲットにならないように
上手くかわし
そいつらに媚びへつらい見て見ぬ振りをする
先生さえやもそんなやつらに
関わりたくなくて
知らない振りをする
その方が平和に過ぎるから、、
何人かの悪人に対して大勢いる普通の
人達は団結する事も悪を悪とも言えず
正当化してその繰り返しだ
だからいつまでも
いじめは無くならないんだ
でも僕もその傍観者の一人である事は
間違いなかった
僕はただ拓哉が先輩達からこれ以上
いじめを受ける事がないように
祈る事しか出来なかった
こんな傍観者の僕なのに拓哉は
変わらず優しかった
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