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明日香からのお誘い
しおりを挟む乳がんの症状が少しずつ
出だした頃
高校のクラスが一緒で
ずっと仲良くしていた明日香から
ラインが来た
「前川君達が何人かで飲み会
行かないかって連絡来たんだけど
京子来ない?」
日にちを確認したら
特に予定はなかったので
私は行くと返事をした
来週の土曜日18時からで
駅で待ち合わせる事になった
『楽しみだな~
誰が来るんだろう?
多分田中君は来るだろうな~』
私は少しワクワクした
土曜日になり待ち合わせの
駅に行くと既にみんな集まっていた
男子3人女子3人の合計6人
駅から5分程の居酒屋に着くと
個室に案内された
「適当に座ろうか?」
前川君がそう言った
私は明日香の横に座ったけど
前川君が自分の横に来るように
明日香に言ったので
私は佐藤君と言う明るい男子の
隣になった
田中君は私の向いの席で
一番右端だったので
少し残念だった
コース料理が次々と運ばれ
私達は取皿で好きな料理を盛り付けた
「高校の時あまり話さなかったよな?」
佐藤君はビールを飲みながら私に言った
「うん、、
佐藤君は色々な女子と
仲良かったよね~
私は男子と話すの苦手だったから、、
佐藤君モテたでしょう?」
私は酎ハイを飲みながら言った
「後輩にはモテた!」
「そうなんだ~
カッコ良かったもんね!
何人位に告白された?」
「15人!」
「え~!
そんなに沢山の子に
告白されたの?!
凄いね~!」
「でも彼女いたから全員断った
高校の時は一途だったからな~
今だったらみんなと上手く
付き合うけど、、」
佐藤君は笑いながらそう言った
「本当にモテてたんだね~
凄いわ~
今と違って純粋だったんだね~」
私は突っ込み笑いながら言った
隣が佐藤君だったから
ほとんど佐藤君とばかり話しをした
佐藤君は話しやすいし気遣いも
あるからモテるのも分かる気がした
人数が6人だから色々な話しで
盛り上がったし
高校の時の話題が尽きなくて
あっという間に時間が経った
「この6人でグループライン作って
また飲み会しよう!」
前川君はそう言うと
早速グループラインで私達を
招待してグループラインが出来た
高校の時は前川君とも佐藤君とも
ほとんど話さなかったのに
今は普通に仲良く話せるのが不思議だった
帰り道少しだけ田中君と話をした
だけど何故か照れてしまって
恥ずかしくてわざと離れたりした
『前川君と佐藤君とは話せるのに
田中君とはなぜか普通に話せないな~
今日は話せるかと思っていたのに、、
でも6人のグループライン出来たし
また会えるから
きっといつかは話せるだろう?!』
今日はとても楽しかった
これからも飲み会するのが
楽しみだった
帰り最終のバスに乗り
家に着くと田中君からラインが来ていた
「今日は楽しかったな!
また次回も楽しみにしてます!」
そんなありふれた内容だったけれども
田中君からのラインは私にとって
特別に嬉しいラインだった
田中君とのラインのやりとりが
少しずつ増えていき
読み返したりするのも
少しワクワクした
これから色々なやりとり
出来るといいな~
私は田中君とのラインの画面を
見つめながら眠りについた
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