コイシイヒト

山本未来

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柳井君の住む街

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4月末、私は退職した


3年間本当に色々あった

毎日、毎日忙しくて倒れそうになったり

ミスをしないように常に緊張していたり

沢山かかって来る電話の応対に疲れたり


だけどやっとそのストレスから解放される


だけどこの会社で働いたおかげで

同期の人や先輩や後輩や沢山の人達と

知り合う事が出来た


そして遊びに行ったりして仲良くなれた


そして宮部さんや柳井君に恋して

沢山の忘れられない宝物を心に

刻む事が出来た


だからこの会社で働けた事に

感謝している



5月になり私は小山さんと東京に旅行に

行く事になった


小山さんとは部署は違っていたけれど

会社の華道部で一緒だったので

ずっと仲良くしていた


たまに華道部のメンバーで

遊びに行ったりしていて

その中でも一番気が合う人だった


柳井君の家に泊めてくれる話しを

小山さんにしたら

始めは驚いた様子だったけれど

了解してくれたので

柳井君と電話で待ち合わ場所を決め

今日出発する事になった



京都駅で小山さんと待ち合わをして

新幹線に乗った


「めぐみちゃんって柳井君と

仲良しだったの?

家に泊めてくれるなんて凄いね~

この事ってみんな知っているの?」


小山さんは新幹線のシートに

もたれながら言った


「柳井君とは4人であちこち

遊びに行ったり

電話もよくかかって来てたから

仲良しと言えば仲良しかな~」


私は平井さん以外には

柳井君とか宮部さんの

話しは全くしていなかったので

多分みんなは私達の事

詳しくは知らなかったのだ


「私は柳井君と少しは話した事

あるけど

そんなに話した事ないから

少し緊張するな~」


「大丈夫!

柳井君は話しやすいし

人見知りしないから」


私達は持って来たお菓子やパンや

ドリンクを食べたり飲んだりしながら

色々な話しをした



そしてあっと言う間に東京に着いた


柳井君に教えてもらった出口に向かい

銀の鈴がかかってある

待ち合わせ場所として有名な所に

歩いて行った


「やっぱり東京駅は凄い沢山人が居るね

人混みに疲れるね、、」


小山さんはキョロキョロしながら言った


「確かこの辺だと思うんだけど、、

あっ!あった!

あそこに銀の鈴がかかってる~」


私達は足早にその場所に向かった



「オーイ!

白石!こっち、こっち」


大きな声がする方に目をやると


柳井君が私達の方を見ながら

手を振っている



「柳井君!!

久しぶり!」


私は柳井君の姿を確認すると

嬉しくて

走って柳井君の目の前に近づいた



「柳井君!元気だった?

だいぶ待たせてしまったかな?

少し送れてごめんね~」


私は息を切らしながら言った


「元気だぞ!

さっき来た所だから

そんなに待ってないぞ

白石も元気そうだな~」


柳井君は少し痩せた感じがしたけれど

相変わらず元気だった



「じゃあ~俺の家に行こうか~

埼玉だから少し遠いし乗り換えも

多いけど我慢しろよ!」



『柳井君は埼玉からわざわざ

東京まで来てくれたんだ~

本当に優しいな~

柳井君に会えて幸せ!

幸せ過ぎるな~』


私は本当に嬉しくて

歩きながら何度も柳井君の顔を見つめた


電車やバスを乗り継ぎようやく

柳井君の家がある

駅に着いた


「こんなに東京から離れた場所に

住んでたんだね~

仕事行くの大変だね、、」


私は駅を見渡しながら言うと


「埼玉は家賃が割と安いから

ここにした

通勤は少し大変だけど

東京の家賃はかなり高いからな~

仕方ないよな~」


柳井君は私達の荷物を何個か

抱えて持ち歩きながら言った



駅から5分位で柳井君の家に着いた


2階建てのアパートで全部で15件程

部屋数があるみたいで

見た感じは白い建物で綺麗だった


柳井君の部屋は2階の真ん中


玄関に入ると小さな靴置き場


少し入って左は小さな台所があり


その向かいにトイレお風呂洗面所が

一緒になっている場所があり

少し行くとフローリングの六畳程の

部屋があった


テレビ、小さな本棚、小さめのテーブル

がありスッキリしている


「綺麗にしてるしスッキリしてるね」

私と小山さんが言うと


「昨日から今日の朝方までかかって

片付けしたから

なんとかましになったかな

めったに片付けしないから

結構疲れた、、」


柳井君は照れた顔でそう言った


「そんなにかかったんだ~

大変だったね~

でも思ってたより綺麗な所に

住んでいたからビックリした」


私は部屋を見渡しながら言った


『柳井君の部屋で2日間

過ごせるんだ~

楽しみだな~

嬉しいな~』


私の心はウキウキしていた


柳井君と私達は結構歩き疲れていたので

家でのんびりする事にした


明日は早朝から起きてディズニーランドに

行くから本当に楽しみだ


柳井君はとても張り切っていた


「明日は早く起きないといけないから

今日は早く寝ないとな

俺、いっぱい乗り物やアトラクション

に行くの決めてるから

楽しもうな!」



柳井君はまるで少年のようにはしゃいでいた


私はそんな柳井君の少年ぽい

純粋な所が大好きだった


キラキラ輝く柳井君の目をそっと

見つめた


休憩した後

近所の定食屋さんに

みんなで行った


「俺、少しこの店で時間潰すから

先に帰ってお風呂とか勝手に入って

くれてていいから、、」


柳井君は気を使って

そう言ってくれたので

私達は鍵を預かり先に帰る事にした


家に着いて順番にお風呂に入り


ドライヤーで髪を乾かしたりした


私達はまるで自分の家にいるみたいに

くつろいでいた



暫くすると電話が鳴り

私達は電話に出る事は出来ないので

放っていると留守番電話に切り替わり

メッセージがを入れる声が聞こえた



それはある人からの電話だった、、


以外な人からの電話、、


私達はその内容に少し戸惑った、、


そして柳井君の事が少し心配になった


柳井君大丈夫かな、、


それは本当に以外な人からの電話だった、、

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