愛が憎しみに変わる時

山本未来

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夜の出来事

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私達は歩いている途中にあった

公園のベンチに座って話す事にした


「今頃、戸倉達どうしてるかな?

きっと俺らが居なくなって

ラッキーって思ってるだろうな~」


高田君は私に爽やかな笑顔を

向けながらそう言った


「そうだよね~

きっと2人で居たかったよね~

戸倉君って高田君に

真希ちゃんの話しとかしてくるの?」


「あいつクールだから

自分の話しほとんどしないな~

家の話しとか奥さんの話しも

滅多にしないし、、

少し謎な所あるよな~」


「そうなんだ~

確かに話しづらいと言うか

一緒にいても何話したらいいか

分からい時あるわ~

でも真希ちゃんの事

好きなんだよね?」


「好きなんだろうな、、

俺には分からないけど、、」


「でも結婚してるのに

何で何だろう?!

真希ちゃんには彼氏もいるのにね、、

私不倫している人の気持ち

分からないわ~

真希ちゃんの事は好きだから

不倫してても友達でいるけど、、」


「結婚してたとしても

好きって思う人に出会ったら

気持ち伝えたいって思うんじゃない?」


「それはそうだけど

好きになったとしても

気持ち伝えたら駄目だよね~

だって不倫は不倫だし、、」


「そうなんだけど

男って好きな子には

ストレートだからな、、

もし俺が紗季ちゃんの事

好きって言ったらどうする?」


「また~、、

何で高田君が

私の事好きなのよ?!

そんな事考えた事もないよ~」


「じゃあさ~

もし俺が結婚してなくて

好きって言ったら?」


「、、、」


私は何て言ったらいいか

分からなくなった


「知らない!!」


私は高田君から目を逸らすと

下を向いた


「まあいいか~

結局、俺は結婚してるしな、、」


高田君は意外とあっさりしながら

そう言った


「じゃあ、そろそろホテルに

戻ろうか?」


高田君は立ち上がると

歩き出した


私は走って高田君の横に並んだ


高田君はガッチリしていて

筋肉質で男っぽい


そんな高田君の横顔を見つめた


『本当に爽やかでかっこいいな~

高田君が結婚してなくて

好きって言って来たら

私だって好きって

言うに決まってる

だって初めて会った時

私、高田君に

一目惚れしたんだから、、』


私は心の中でそう思った


だけど結婚してるんだから

やっぱりあり得ないと思った


高田君は何故かいつもより

無口で何も話さない


『どうしたんだろう?!

怒ってるのかな?』


私は高田君をチラチラ見ながら

そう思った


いつもの高田君じゃないみたいだった

私は何を話せばいいか分からなくて

ずっと黙っていた


すると高田君が私の手を握って来た

私は驚いて高田君を見つめた


行きしに手を繋いで来た彼とは違って

とても真剣な顔をしている


「高田君どうしたの?」

私がそう言っても何も言ってこない


だけど手を握る力はとても強かった


私達はそのまま何も話さず

ホテルに到着した


結局何も言ってくれず

私は部屋に戻った


真希ちゃんはまだ戻って来ていない


「真希ちゃんいつ戻って

来るんだろう?!

まさか戸倉君の部屋に

行ってるって事はないよね、、」

私はそんな事を考えながら

テレビのチャンネルを手に取ると

テレビを見る事にした


暫くすると

部屋の電話が鳴った


『部屋の電話が鳴るなんて

何だろう?!

誰からなんだろう?!』


私は受話器を取った


「もしもし、、」


私が不思議そうに言うと


「紗季ちゃん~

ごめんね、、

高田君が今から

紗季ちゃんの部屋に

行くけど中に入れて

あげてくれるかな?」


「え、、

どう言う事、、」


「事情は高田君に聞いてくれるかな、、

紗季ちゃん本当にごめんね、、」


そう言って電話は切れた


『どうしたんだろう?!

訳が分からない、、

高田君一人でこの部屋に

来るのかな?!

まさかこの部屋に

泊まるって事はないよね?!』


私は少し散らかっている部屋を

ささっと片付けて

高田君が来るのを待った
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