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17話 接触②

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「まず、お前が人を信じる際に、最も大切なのは絆や約束、あとはその人との相性やその人自身が、信じられるかどうか…といった具合だろう」
「ああ、まぁ…言葉にされるとその通りかもな」
「その分、ステータスが現れたことでより感覚が敏感になったのだと思うが、本能的に相性が悪い、もしくは相手を信じられない…というか、相手が自身のそういった信条に合わない奴を避ける傾向にある」

海堂はその説明を聞いて少し頭を傾げた。そして、少し考えたあと、もう一度聞き返す。

「じゃあ…俺はあいつが嫌いっていうよりかは、あいつを警戒しているってことか?」
「まぁ、平たく言えばそうだ。あいつのスキルは扇動と魅了。扇動は相手を説得しやすくなり、魅了はそのままで相手を魅了…まぁ、好感度を上げるスキルだな。
だが、精神系のスキルには欠点があるんだ。俺も鑑定ではなく、お前を見ていて分かったことなんだが、
1、警戒状態の相手には効き目がない、もしくはスキルのランクが低く、効きづらい
2、好感度にも幾つかランクがあり、相手が自身を嫌っている場合は、多少の緩和、もしくは無関心とはなるが、好感の範囲にいくことがない。これもランクが関係しているだろうな。
3、そもそも話を聞く気がない相手に扇動は効かない。
4、自身より相手の方がレベルが高い場合、スキルは効き目が弱くなる、もしくは無効となる。
5、精神スキルの制御及び抵抗は魔力の数値を上げることで精神力の上昇をさせるとしやすくなる」
「うわ、嫌いなタイプ…」
「まぁ、気を付けていれば問題はない。心配なら魔力の数値を上げれば良い」
「魔力がなんなのかすら分からねぇよ」
「それは後で教えてやる」
《主、言ってなかったが他者の体内魔力へ双方が安全に干渉するには、親密な接触が必要だぞ》
「…はぁ?」
「なにかあったのか?」
「ああ、いや。魔力の干渉について調べていたんだが…嫌なら断ってくれて構わない。
他者の魔力に干渉するには安全策は親密な接触が必要らしいんだ」
「それはどれくらいだ?」
《ハグとか…まぁ、一番は直接的な接触となるが、0距離ならば問題はないはずだ》
「…うーん、まぁハグならギリ…いける、らしい」
「なら、別にそれくらい良いぜ。で、こっちも話を戻すが、さっき話してたのが2番目に言ってたグループのリーダーだな。
で、3番目のグループは弱くて武力的には警戒しなくて良いんだが、キレ症みたく、気性が荒くなっているんだ」
「そいつらは無視していい、邪魔なら黙らせろ。ゲームや漫画、小説の世界と現実の世界を混合させて不満を抱いているだけだろう」
「まぁ、お前がそう言うなら…とりあえず、次は女子のグループだけど、女子グループは基本的に2つしかグループがないな。
1つは、ほとんどの女子が集まっているグループで、こんな世界になったからなのか、今じゃ全員仲良く分担してできる作業をしているみたいだ」
「ほぼ女子全員となると、かなり大規模なグループのようだな」
「ああ。んで、もう1つのグループが、その女子のリーダーが複数人居るんだが、その女子を毛嫌いしている連中が集まったグループだな。といっても、こっちは本当に小規模だから、グループといって良いのかは分からないが」
「まぁ、一応頭には入れておこう」
「で、先生のグループもあって、こっちは強硬派と穏健派の2つがある。
穏健派は他の男女グループと仲良くやっていて、他のグループと構成はそう変わらないんだが、男女混合グループだな。まぁ、主に生徒達との接触や手助けが多く、生徒グループもそれらは歓迎しているようだ。
もう1つの方は、生徒を管理しようとしている先生達だな。あっちのグループは厄介…というか、面倒だ。出席簿も何故か持ってるみたいだし…」
「ああ、それが面倒な連中か。いずれ自滅する気もするが…ま、最悪それはこっちで処理しておこう。
さぁ、音楽室に着いたな。【影門】
ここに入ってくれ」
「ああ」

2人は影門を通り、音楽室へ入った。
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