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11話 属性理論

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「うん、これでよし。ちなみにさ、魔法っていうのは限界とかあるのか?」
《例えば?》
「そうだな。自身の姿を変化させるとか」
《できるぞ。その類で言えば、再現は可能だが創造は不可能、といった具合が言葉に正しいと思う。
自身を触媒に発動するものなんかは可能だな。無論、それを行えるのは闇魔法くらいだろうがな。ああいや、異世界人ならイメージ次第では可能かもしれないな。
ともかく、それらは可能だが、魔法によって命を創造することは不可能だし、それらは禁忌とされている》
「蘇生はあり?」
《蘇生は創造ではなく再生の類いだからな。無から生を生み出すことは不可能と覚えていれば良い》
「ちなみに、回復魔法ってのはそれ単体の属性か?それとも、光や水のような属性から派生する類い?」
《回復魔法自体がひとつの属性ではあるが、光と水魔法にも回復はある。
一重に違いを説明するなら、浄化効果の有無だろうな》
「浄化効果?」
《魔物には特殊な力を使うものが居る。毒なんかがわかりやすい例だが、魔毒や瘴気といったものもいる。
これらは回復魔法、もしくは聖魔法でしか治すことが出来ないんだ》
「呪いみたいなものなのか?」
《ああ。それらの力が魔力を阻害するせいで回復が出来ない》
「なら、回復か聖魔法は獲得するべきか」
《ああ。だが、聖魔法を獲得するには、回復と光魔法が必要なんだ。だから、回復を優先的に取るべきだな》
「なるほど?」

俺が首を傾げながらそう言うと、大和は少しため息をつき、改めて説明を続けた。

《属性魔法っていうのは基本的に基礎属性なんだ。
だから、そこから派生する属性や上位の属性も無論存在している。
例えば、主が使った【シャドウ・プロテウス】。
あれは影属性だが、影属性は闇属性が派生した属性なんだ。
その他にも、上位属性…先程言った聖属性なんかはそうだな。その他にも、炎、雷、地属性とかも上位属性に分類されている》
「あれ、その名前を聞いた限りだと風は上位がないのか?」
《ああ。…いや、うーん…まぁ、そうとも言えるしそう出ないとも言えるな。というのも、上位属性は大抵が複合させた上で進化するんだ。ただ、メインの属性に引っ張られるから、火は炎に、水は雷に、土は地属性になる。その為、風は進化することがないかわりにその力に限界がない上、他の属性と複合させることが可能だ。
例えば、
炎は火と風の両方を持った上で、火をベースに上位となるし、
雷は水と風で水をベースにって感じだな。
ただ、地属性だけは別でこれは土と水がベースだ》
「なるほど。うわ、でもそう聞くと雷とか炎とか欲しくなるな。それに風属性も欲しいし…うーん」
《…まぁ、今はSPもねはぇし考えないようにな。身近なものなら鍛錬で取れるかもしれねぇが…》
「水と土はいけそうだよな」
《周囲の探索は必要だけどな。屋上に行ってみるか?》
「そうだな。確認だけして明日行けそうだったら向かってみよう」
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