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9話 魔力運用

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「ところで、お前のところは何人いるんだ?」
「5人だ。男が3人、女子が2人」
「うーん…それ、大丈夫か?」
「あ?ああ、幼なじみだからな。男の方は高校からだが…」
「まぁいい。それじゃあ、今の分を引いて一旦帰るか?」
「そうだな。教えてくれた情報は他の奴に教えても良いのか?」
「ああ。だが、俺の情報は出さないでくれ」
「ああ、分かってる」

2人はガチャを引いたあと、出会った3階で分かれた。

「さて、寝床を探しに行こう」

この校舎は4階まである。実際に使われている校舎は3階までだが、4階には災害時の防犯グッズ等もある。この倉庫は基本的にどの学校にもあることが多く、大抵の学校は避難所になる場合が多いため、こういった設備が置かれている。

「鍵は…閉まってるか」

短剣の柄を使い、鍵を破壊し扉を開ける。その先は薄暗く、電気はつかない。

「うーん…まぁ、だったら手当たり次第にインベントリにしまっていくか」

薄暗くあまり見えていないが、手当たり次第にインベントリに入れていくと、その中に懐中電灯があり、それを使い、散策を始めた。

「お、毛布がある。食料と水もあるな。これは回収だ。救急セットもあるみたいだが…これはマジックアイテムに変化しているのか?」
《ああ、しているぞ》
「じゃ、これも回収だな」
《他の人に向けて残しておかなくて良いのか?》
「当然残しておくさ。現段階じゃそこまで必要ないし、ガチャを引いていけば自然と溜まっていくからな。海堂用だ」
《お前が言っていたあの5人もか?》
「まぁ、それは会ったらだろうけどな。よし、こんなもんだな。じゃ、降りるか」

校舎内だと人が居るか?協力しようなんて言われても困るしなぁ…移動教室を見回ってみるか。使えるアイテムもあるかもしれないしな。

「…うーん、スライムは魔石集めには最適だな。こいつら水のある場所に集まってくるみたいだし」
《そうだな。ところで主、誰か近付いてきてるぞ》
「ああ。問題ない」

廊下を歩いていると前の方から人が歩いてくる。しかし、その先の人は気づいていないのか彼をそのまま素通りして教室に戻って行った。

「魔力操作の応用だ。外部の魔力と自身の魔力を連結させることで気配を周囲に浸透させる」
《おお、もう応用まで…》
「そういや魔法ってスキルがないと出来ないのか?」
《基本的にはそうだが、属性の経験値を獲得することで属性を増やすことはできるぞ》
「属性の経験値?」
《さっきやったやつの応用だ。自然に発生しているものには属性魔力が生み出される。
 水のある場所…例えば、川や湖、海なんかは水の属性魔力が多い。それを体内魔力と連結させて魔法を発動させることで、擬似的にスキルを発動させて経験値を獲得することでスキルを獲得出来る》
「それは水道の水とかでも出来るのか?」
《出来なくはないだろうが、少量しかないから経験値は少ないぞ》
「うーん、なら結局ここら辺を探索しないといけないのか。マッピングのスキルとかってあるのか?」
《あるにはあるが、こっちはSPを5消費するぞ》
「まぁでも、今後必要になるんだから早めに取っておくに越したことはないな。丁度SPも5あるし、取得しよう。てか、APの分配もまだしてないな。攻撃2、俊敏1に分配…
よし、それじゃあ引き続き寝床を探すか」
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