66 / 140
新人魔導師、後輩ができる
同日、技術班班長と時々年下の先輩
しおりを挟む
騒動の後、天音は恭平と透の論文を借りることにした。書き込んだり付箋を貼ったりしたいので、念のためコピーをとろう。これなら返却期限を気にしなくて済む。
「コピー機ってあります?」
魔導式のものならあるのだろうか。技術班のメンバーなら作ってそうだ。零にそう問うと、首を傾げた後、魔導文字を書いて雑誌を軽く叩いた。
「コピー機はないですけど、これで大丈夫ですか?」
目の前に同じ論文が載った雑誌が2冊ずつある。天音の知らない術だ。あまりにも便利すぎる。
「だ、大丈夫です! ありがとうございます。これ、教えてください!」
「はい、構いませんよ」
何か書くものを、と言われて、いつも携帯しているメモ帳とお気に入りのペンを渡した。天音の魔力に似た色の軸のボールペンは、母が買ってくれたものだ。書きやすくて気に入っている。
零は紙にさらさらと魔導文字を書いて天音に渡してくれた。見るなり絶句する。
「あ……これ難しい術ですね……」
「頑張ってください、解析師さん」
「うう……」
簡単便利などというものは技術が発達し、誰でもできるようにならないと言えないものだ。まだまだ発展途中の魔導技術では、そう上手くいくものではない。複製の術の魔導文字の示す難易度に、天音は泣きそうになった。なんだこれ、長いうえに必要魔力量が多いやつ。
「そうそう、研究員の手が空き次第、紙無しでの発動訓練も始まりますので、覚悟しておいてくださいね」
「……はーい」
魔導解析師ともなれば、空中で魔導文字を書いて発動させることができるものが多い。天音はまだその段階に達していないので、この後の訓練に怯えつつも返事をした。仕方がない、やらねばならぬことである。
「では、僕はこれで」
「あ、はい! ありがとうございました」
黒い魔力と共に消えていく零に一礼して、天音は論文を抱え自室に小走りで戻った。
早く論文を読んでみたい。どんなことが書いてあるのだろう。私はそれを理解できるのだろうか。
まずはある程度内容を教えてくれた恭平のものから。
天音はわくわくしながらページを捲った。
「なんか2人ともやつれてるッスけど、大丈夫ッスか?」
夕食の時間、「家」の食堂へやって来た天音と由紀奈を見て、葵が心配そうに顔を覗き込んできた。
調査班は出土品の研究に取り掛かり、なかなかの結果が得られたようだ。皆艶々としている。そのせいで、余計に2人がやつれているように見えた。
「わ、私……私、何してたと思います……?」
由紀奈が背もたれに寄りかかり、痙攣しながら言った。さながらホラーである。
「チビミヤと勉強してたってのは聞いたッス」
どうやら雅はサイズで渾名が異なるらしい。葵の渾名をつけるクセを知らない由紀奈は困っているようだったので、そっと横から雅のことだと伝えた。
「あ、そうです、そう……あの時から、ずっと……」
「え、さっきまで!? ってことは8時間以上!?」
「間にちょっと休憩はありましたけど……先生、すごい楽しそうで……休みたいって言えなくて……」
「研究者はオタクと一緒ッス。自分の好きなものは語りたい」
「うーん厄介」
雅からすれば、ようやく現れた医療班の後輩に語れることが嬉しくて仕方がなかったのだろう。そして、雅に懐いている由紀奈は、何も言えずにひたすら話を聞いていたに違いない。
「あまねんは? 一緒に聞いてたんスか?」
「いえ……論文を読んでいました」
「お、誰の誰の?」
「こ……恭平さんと増田さんのです。でもまだ全然理解できてなくて……恭平さんのを読み返して勉強してます」
「自分のもいずれ読んで欲しいッスねー。感想ください」
「あ、はい、いずれ……」
多分工学がわからないので読めることはない。けれど一応そう答えておく。
「で、なんでやつれてるんスか?」
「いやもう難しすぎて……見てくださいこれ」
わからなかったところに線を引き、付箋を貼り、他の本も読んでわかったことを書き込んだコピーを見せた。
「うわマジメ!」
「そうではなく」
「いや冗談ッスよ冗談。にしても、細かく見てるッスね。おーい、リトモリー!」
和馬を手伝っていた恭平を呼ぶ。夕食の肉じゃがが乗った皿を術で運びながら、恭平はいつものように気だるげに返事をした。
「はーい?」
「お前もう研究終わったッスよね? あまねんのこれ見てみろー」
「え、何?」
恭平は天音の持つ紙を覗き込んだ。途端、気だるげな表情が明るくなり、テーブルから身を乗り出して天音に話しかける。
「読んでくれたんです? こんなに細かいトコまで……興味あります? この後時間ありますか?」
「ナンパかよ」
葵が珍しくツッコミをいれた。どうどう、と馬にやるように恭平を落ち着かせ、座らせる。
「まずはメシッスよ。その後にしましょ」
恭平はしぶしぶといった様子だったが、大人しく席についた。一応、(この研究所の)年上の人間の言うことは聞くことにしているようだ。
「まずはお疲れ様ッス。じゃ、全員揃ったんで食べますかね!」
何事もなければ、こうして誰かが音頭をとって食事となる。家族団欒のようなそれを、天音は気に入っていた。実家ではなかった光景だ。
「お互い頑張ろうね……」
ぐったりとしながらも空腹だったようで、由紀奈はせっせと箸を伸ばし、食事をしている。その横で天音が囁くと、じゃがいもを咀嚼しながら頷かれた。空腹には勝てないらしい。
それを見て、天音もようやく箸をとり、なくならないうちにと肉じゃがをとった。
「コピー機ってあります?」
魔導式のものならあるのだろうか。技術班のメンバーなら作ってそうだ。零にそう問うと、首を傾げた後、魔導文字を書いて雑誌を軽く叩いた。
「コピー機はないですけど、これで大丈夫ですか?」
目の前に同じ論文が載った雑誌が2冊ずつある。天音の知らない術だ。あまりにも便利すぎる。
「だ、大丈夫です! ありがとうございます。これ、教えてください!」
「はい、構いませんよ」
何か書くものを、と言われて、いつも携帯しているメモ帳とお気に入りのペンを渡した。天音の魔力に似た色の軸のボールペンは、母が買ってくれたものだ。書きやすくて気に入っている。
零は紙にさらさらと魔導文字を書いて天音に渡してくれた。見るなり絶句する。
「あ……これ難しい術ですね……」
「頑張ってください、解析師さん」
「うう……」
簡単便利などというものは技術が発達し、誰でもできるようにならないと言えないものだ。まだまだ発展途中の魔導技術では、そう上手くいくものではない。複製の術の魔導文字の示す難易度に、天音は泣きそうになった。なんだこれ、長いうえに必要魔力量が多いやつ。
「そうそう、研究員の手が空き次第、紙無しでの発動訓練も始まりますので、覚悟しておいてくださいね」
「……はーい」
魔導解析師ともなれば、空中で魔導文字を書いて発動させることができるものが多い。天音はまだその段階に達していないので、この後の訓練に怯えつつも返事をした。仕方がない、やらねばならぬことである。
「では、僕はこれで」
「あ、はい! ありがとうございました」
黒い魔力と共に消えていく零に一礼して、天音は論文を抱え自室に小走りで戻った。
早く論文を読んでみたい。どんなことが書いてあるのだろう。私はそれを理解できるのだろうか。
まずはある程度内容を教えてくれた恭平のものから。
天音はわくわくしながらページを捲った。
「なんか2人ともやつれてるッスけど、大丈夫ッスか?」
夕食の時間、「家」の食堂へやって来た天音と由紀奈を見て、葵が心配そうに顔を覗き込んできた。
調査班は出土品の研究に取り掛かり、なかなかの結果が得られたようだ。皆艶々としている。そのせいで、余計に2人がやつれているように見えた。
「わ、私……私、何してたと思います……?」
由紀奈が背もたれに寄りかかり、痙攣しながら言った。さながらホラーである。
「チビミヤと勉強してたってのは聞いたッス」
どうやら雅はサイズで渾名が異なるらしい。葵の渾名をつけるクセを知らない由紀奈は困っているようだったので、そっと横から雅のことだと伝えた。
「あ、そうです、そう……あの時から、ずっと……」
「え、さっきまで!? ってことは8時間以上!?」
「間にちょっと休憩はありましたけど……先生、すごい楽しそうで……休みたいって言えなくて……」
「研究者はオタクと一緒ッス。自分の好きなものは語りたい」
「うーん厄介」
雅からすれば、ようやく現れた医療班の後輩に語れることが嬉しくて仕方がなかったのだろう。そして、雅に懐いている由紀奈は、何も言えずにひたすら話を聞いていたに違いない。
「あまねんは? 一緒に聞いてたんスか?」
「いえ……論文を読んでいました」
「お、誰の誰の?」
「こ……恭平さんと増田さんのです。でもまだ全然理解できてなくて……恭平さんのを読み返して勉強してます」
「自分のもいずれ読んで欲しいッスねー。感想ください」
「あ、はい、いずれ……」
多分工学がわからないので読めることはない。けれど一応そう答えておく。
「で、なんでやつれてるんスか?」
「いやもう難しすぎて……見てくださいこれ」
わからなかったところに線を引き、付箋を貼り、他の本も読んでわかったことを書き込んだコピーを見せた。
「うわマジメ!」
「そうではなく」
「いや冗談ッスよ冗談。にしても、細かく見てるッスね。おーい、リトモリー!」
和馬を手伝っていた恭平を呼ぶ。夕食の肉じゃがが乗った皿を術で運びながら、恭平はいつものように気だるげに返事をした。
「はーい?」
「お前もう研究終わったッスよね? あまねんのこれ見てみろー」
「え、何?」
恭平は天音の持つ紙を覗き込んだ。途端、気だるげな表情が明るくなり、テーブルから身を乗り出して天音に話しかける。
「読んでくれたんです? こんなに細かいトコまで……興味あります? この後時間ありますか?」
「ナンパかよ」
葵が珍しくツッコミをいれた。どうどう、と馬にやるように恭平を落ち着かせ、座らせる。
「まずはメシッスよ。その後にしましょ」
恭平はしぶしぶといった様子だったが、大人しく席についた。一応、(この研究所の)年上の人間の言うことは聞くことにしているようだ。
「まずはお疲れ様ッス。じゃ、全員揃ったんで食べますかね!」
何事もなければ、こうして誰かが音頭をとって食事となる。家族団欒のようなそれを、天音は気に入っていた。実家ではなかった光景だ。
「お互い頑張ろうね……」
ぐったりとしながらも空腹だったようで、由紀奈はせっせと箸を伸ばし、食事をしている。その横で天音が囁くと、じゃがいもを咀嚼しながら頷かれた。空腹には勝てないらしい。
それを見て、天音もようやく箸をとり、なくならないうちにと肉じゃがをとった。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
私はお母様の奴隷じゃありません。「出てけ」とおっしゃるなら、望み通り出ていきます【完結】
小平ニコ
ファンタジー
主人公レベッカは、幼いころから母親に冷たく当たられ、家庭内の雑務を全て押し付けられてきた。
他の姉妹たちとは明らかに違う、奴隷のような扱いを受けても、いつか母親が自分を愛してくれると信じ、出来得る限りの努力を続けてきたレベッカだったが、16歳の誕生日に突然、公爵の館に奉公に行けと命じられる。
それは『家を出て行け』と言われているのと同じであり、レベッカはショックを受ける。しかし、奉公先の人々は皆優しく、主であるハーヴィン公爵はとても美しい人で、レベッカは彼にとても気に入られる。
友達もでき、忙しいながらも幸せな毎日を送るレベッカ。そんなある日のこと、妹のキャリーがいきなり公爵の館を訪れた。……キャリーは、レベッカに支払われた給料を回収しに来たのだ。
レベッカは、金銭に対する執着などなかったが、あまりにも身勝手で悪辣なキャリーに怒り、彼女を追い返す。それをきっかけに、公爵家の人々も巻き込む形で、レベッカと実家の姉妹たちは争うことになる。
そして、姉妹たちがそれぞれ悪行の報いを受けた後。
レベッカはとうとう、母親と直接対峙するのだった……
冷宮の人形姫
りーさん
ファンタジー
冷宮に閉じ込められて育てられた姫がいた。父親である皇帝には関心を持たれず、少しの使用人と母親と共に育ってきた。
幼少の頃からの虐待により、感情を表に出せなくなった姫は、5歳になった時に母親が亡くなった。そんな時、皇帝が姫を迎えに来た。
※すみません、完全にファンタジーになりそうなので、ファンタジーにしますね。
※皇帝のミドルネームを、イント→レントに変えます。(第一皇妃のミドルネームと被りそうなので)
そして、レンド→レクトに変えます。(皇帝のミドルネームと似てしまうため)変わってないよというところがあれば教えてください。
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
【本編完結】さようなら、そしてどうかお幸せに ~彼女の選んだ決断
Hinaki
ファンタジー
16歳の侯爵令嬢エルネスティーネには結婚目前に控えた婚約者がいる。
23歳の公爵家当主ジークヴァルト。
年上の婚約者には気付けば幼いエルネスティーネよりも年齢も近く、彼女よりも女性らしい色香を纏った女友達が常にジークヴァルトの傍にいた。
ただの女友達だと彼は言う。
だが偶然エルネスティーネは知ってしまった。
彼らが友人ではなく想い合う関係である事を……。
また政略目的で結ばれたエルネスティーネを疎ましく思っていると、ジークヴァルトは恋人へ告げていた。
エルネスティーネとジークヴァルトの婚姻は王命。
覆す事は出来ない。
溝が深まりつつも結婚二日前に侯爵邸へ呼び出されたエルネスティーネ。
そこで彼女は彼の私室……寝室より聞こえてくるのは悍ましい獣にも似た二人の声。
二人がいた場所は二日後には夫婦となるであろうエルネスティーネとジークヴァルトの為の寝室。
これ見よがしに少し開け放たれた扉より垣間見える寝台で絡み合う二人の姿と勝ち誇る彼女の艶笑。
エルネスティーネは限界だった。
一晩悩んだ結果彼女の選んだ道は翌日愛するジークヴァルトへ晴れやかな笑顔で挨拶すると共にバルコニーより身を投げる事。
初めて愛した男を憎らしく思う以上に彼を心から愛していた。
だから愛する男の前で死を選ぶ。
永遠に私を忘れないで、でも愛する貴方には幸せになって欲しい。
矛盾した想いを抱え彼女は今――――。
長い間スランプ状態でしたが自分の中の性と生、人間と神、ずっと前からもやもやしていたものが一応の答えを導き出し、この物語を始める事にしました。
センシティブな所へ触れるかもしれません。
これはあくまで私の考え、思想なのでそこの所はどうかご容赦して下さいませ。
「不細工なお前とは婚約破棄したい」と言ってみたら、秒で破棄されました。
桜乃
ファンタジー
ロイ王子の婚約者は、不細工と言われているテレーゼ・ハイウォール公爵令嬢。彼女からの愛を確かめたくて、思ってもいない事を言ってしまう。
「不細工なお前とは婚約破棄したい」
この一言が重要な言葉だなんて思いもよらずに。
※約4000文字のショートショートです。11/21に完結いたします。
※1回の投稿文字数は少な目です。
※前半と後半はストーリーの雰囲気が変わります。
表紙は「かんたん表紙メーカー2」にて作成いたしました。
❇❇❇❇❇❇❇❇❇
2024年10月追記
お読みいただき、ありがとうございます。
こちらの作品は完結しておりますが、10月20日より「番外編 バストリー・アルマンの事情」を追加投稿致しますので、一旦、表記が連載中になります。ご了承ください。
1ページの文字数は少な目です。
約4500文字程度の番外編です。
バストリー・アルマンって誰やねん……という読者様のお声が聞こえてきそう……(;´∀`)
ロイ王子の側近です。(←言っちゃう作者 笑)
※番外編投稿後は完結表記に致します。再び、番外編等を投稿する際には連載表記となりますこと、ご容赦いただけますと幸いです。
婚約者に消えろと言われたので湖に飛び込んだら、気づけば三年が経っていました。
束原ミヤコ
恋愛
公爵令嬢シャロンは、王太子オリバーの婚約者に選ばれてから、厳しい王妃教育に耐えていた。
だが、十六歳になり貴族学園に入学すると、オリバーはすでに子爵令嬢エミリアと浮気をしていた。
そしてある冬のこと。オリバーに「私の為に消えろ」というような意味のことを告げられる。
全てを諦めたシャロンは、精霊の湖と呼ばれている学園の裏庭にある湖に飛び込んだ。
気づくと、見知らぬ場所に寝かされていた。
そこにはかつて、病弱で体の小さかった辺境伯家の息子アダムがいた。
すっかり立派になったアダムは「あれから三年、君は目覚めなかった」と言った――。
私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?
新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。
※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる