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本編
懐かれました?
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やっぱり丈が合わなかったので、私とプリシアで手早く裾を直してあげることになった。
破れた制服はプリシアが持っていったから、直しに出してくれるだろう。
リリアーナはそんな私たちに終始恐縮していたけれど、そんな姿も可愛い…。
ちなみにプリシアには私が彼女を気に入ったことはすぐにバレてしまった。
曰く、
「ものすごく、レティ様の好みの子ですもの」
らしい。
…一応、誤解のないように言わせてもらえば、可愛い子は好きだけれど、恋愛対象はちゃんと異性です。
ハイドライドみたいなのは願い下げだけれど。
そして、保険の先生が戻るまでの間、リリアーナと話してみたんだけれど、やはり彼女はハイドライドの行動に迷惑しているらしかった。
ただ、立場上文句を言うことも出来ず、そのままずるずると今の状況になってしまったらしい。
彼のお陰で編入当初仲良くなった子達からは敬遠され、カルミアの様な貴族の女子からは色々と嫌がらせをされるしで辟易しているそうだ。
まぁ、そうなるわよねぇ。
いくら学園内で学生は平等だといっても実際そうはいかないのが現実である。
王子であるハイドライドにズバズバ好き勝手に言える相手なんて数えるほどしかいないのだ。
(たぶん、私や兄様くらい)
彼のことだから学園内の事でも不敬罪とか騒ぎかねないし。
まぁ、それを本気にして罪を問うようなバカな役人はこの国にはいないと思いたいけれど…。
そんな感じでリリアーナの話を聞いた私は、だったら私と友達にならないか、と切り出してみた。
彼女はその申し出にまた恐縮してしまっていたけれど…。
単に私が彼女と仲良くしたいだけだから、気にしなくて良いのに…
きっと、ここにシアやルドがいたら呆れられる自覚は、ある。
まぁ、ともかく、そんな感じでリリアーナとは仲良くなったのだけれど…。
「レティ様、お待たせしてしまいましたか?」
昼休み、授業が終わってから急いで来たのだろう、頬を上気させてリリアーナが私たちの座るテーブルに小走りで駆け寄ってきた。
学年の違う彼女は教室が私たちよりも食堂から離れているので、いつも私たちが先に来て席を取っている。
最初の頃はそれに申し訳なさそうにしていた彼女だったけれど、今はアイリスやクレアとも打ち解けて二人にもなついていた。
クレアなんて、妹が出来たみたい❗と言ってリリアーナを可愛がっている。
小柄が二人がじゃれあってるのを見てると、仔犬がじゃれあってるように見えて可愛い…。
なんて、思ってることは本人たちには言えないけれどね。
ちなみに、リリアーナは移動教室ではないときの休み時間はいつも私たちの教室に遊びに来ている。
廊下で私を見つけた時なんて、尻尾を振った仔犬みたいだ。
まさかここまでなついてくるとは…。
まぁ、可愛いからいいんだけど…。
てか、私たちのところにばっかり来ているけど、ちゃんとクラスに友達はできたのかしら?
心配になって、それとなく聞いてみたら、ちゃんとできたらしい。
未だにハイドライドには言い寄られているし、カルミアたちのような貴族令嬢からも嫌がらせもあるらしいけれど、私たちのところに来れるなら、そんなのたいしたことない、と笑っていた。
「…でも、殿下には困ったものねぇ」
食後、カフェテリアに移動してお茶を飲みながらアイリスはチラッと後方に視線を向けて呆れたように言った。
アイリスが少しだけ視線を向けた先にはハイドライドと彼のとりまき、アンスリウムとコランバイルの姿がある。
ついでに言えばその三人から少し離れたところにはカルミア嬢とそのとりまきもいたりする。
そして、その二つの集団はどちらもこちらを見てるんだから始末におえない。
カルミア様なんて、視線で人を殺せるのではないかしら?
あんな顔、間違っても男性に見せたら引かれてしまいそうだけど…。
まぁ、そのカルミアが入れ込んでいるハイドライドはレティーナの隣で楽し気にお茶を飲んでおしゃべりに興じているリリアーナを熱く見つめているのだけれど。
「リリィは可愛いわねぇ…」
「?」
小首をかしげてこちらを見てくる彼女の頭をグリグリと撫で回す。
どうせだから、見せ付けてやりましょう。
破れた制服はプリシアが持っていったから、直しに出してくれるだろう。
リリアーナはそんな私たちに終始恐縮していたけれど、そんな姿も可愛い…。
ちなみにプリシアには私が彼女を気に入ったことはすぐにバレてしまった。
曰く、
「ものすごく、レティ様の好みの子ですもの」
らしい。
…一応、誤解のないように言わせてもらえば、可愛い子は好きだけれど、恋愛対象はちゃんと異性です。
ハイドライドみたいなのは願い下げだけれど。
そして、保険の先生が戻るまでの間、リリアーナと話してみたんだけれど、やはり彼女はハイドライドの行動に迷惑しているらしかった。
ただ、立場上文句を言うことも出来ず、そのままずるずると今の状況になってしまったらしい。
彼のお陰で編入当初仲良くなった子達からは敬遠され、カルミアの様な貴族の女子からは色々と嫌がらせをされるしで辟易しているそうだ。
まぁ、そうなるわよねぇ。
いくら学園内で学生は平等だといっても実際そうはいかないのが現実である。
王子であるハイドライドにズバズバ好き勝手に言える相手なんて数えるほどしかいないのだ。
(たぶん、私や兄様くらい)
彼のことだから学園内の事でも不敬罪とか騒ぎかねないし。
まぁ、それを本気にして罪を問うようなバカな役人はこの国にはいないと思いたいけれど…。
そんな感じでリリアーナの話を聞いた私は、だったら私と友達にならないか、と切り出してみた。
彼女はその申し出にまた恐縮してしまっていたけれど…。
単に私が彼女と仲良くしたいだけだから、気にしなくて良いのに…
きっと、ここにシアやルドがいたら呆れられる自覚は、ある。
まぁ、ともかく、そんな感じでリリアーナとは仲良くなったのだけれど…。
「レティ様、お待たせしてしまいましたか?」
昼休み、授業が終わってから急いで来たのだろう、頬を上気させてリリアーナが私たちの座るテーブルに小走りで駆け寄ってきた。
学年の違う彼女は教室が私たちよりも食堂から離れているので、いつも私たちが先に来て席を取っている。
最初の頃はそれに申し訳なさそうにしていた彼女だったけれど、今はアイリスやクレアとも打ち解けて二人にもなついていた。
クレアなんて、妹が出来たみたい❗と言ってリリアーナを可愛がっている。
小柄が二人がじゃれあってるのを見てると、仔犬がじゃれあってるように見えて可愛い…。
なんて、思ってることは本人たちには言えないけれどね。
ちなみに、リリアーナは移動教室ではないときの休み時間はいつも私たちの教室に遊びに来ている。
廊下で私を見つけた時なんて、尻尾を振った仔犬みたいだ。
まさかここまでなついてくるとは…。
まぁ、可愛いからいいんだけど…。
てか、私たちのところにばっかり来ているけど、ちゃんとクラスに友達はできたのかしら?
心配になって、それとなく聞いてみたら、ちゃんとできたらしい。
未だにハイドライドには言い寄られているし、カルミアたちのような貴族令嬢からも嫌がらせもあるらしいけれど、私たちのところに来れるなら、そんなのたいしたことない、と笑っていた。
「…でも、殿下には困ったものねぇ」
食後、カフェテリアに移動してお茶を飲みながらアイリスはチラッと後方に視線を向けて呆れたように言った。
アイリスが少しだけ視線を向けた先にはハイドライドと彼のとりまき、アンスリウムとコランバイルの姿がある。
ついでに言えばその三人から少し離れたところにはカルミア嬢とそのとりまきもいたりする。
そして、その二つの集団はどちらもこちらを見てるんだから始末におえない。
カルミア様なんて、視線で人を殺せるのではないかしら?
あんな顔、間違っても男性に見せたら引かれてしまいそうだけど…。
まぁ、そのカルミアが入れ込んでいるハイドライドはレティーナの隣で楽し気にお茶を飲んでおしゃべりに興じているリリアーナを熱く見つめているのだけれど。
「リリィは可愛いわねぇ…」
「?」
小首をかしげてこちらを見てくる彼女の頭をグリグリと撫で回す。
どうせだから、見せ付けてやりましょう。
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