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第四章
56話 メリークリスマス
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「花ってけっこう高いんだな」
井龍はつぶやいた。
真っ白な病室のなかに色とりどりの花が咲く。見舞いの花束だと言ったら数本おまけしてくれたらしい。たしかに、学生が自腹で花を買うにしてはりっぱなものであった。
そうみたいやな、と笑いながら伊織は花の向きをいじる。
井龍は、控えめに愛織の顔を覗いた。見舞いには初めて来たという。一向に反応のないマネージャーに、ショックを受けた顔をする。
伊織はヘヘッとあかるくわらって、井龍のとなりに腰かけた。
「十一月からずーっとこれや。もう年も越してまうのにね」
「──大神が助けたらしいな」
「うん、そのせいで怪我してもうて──関東大会には不出場や。ごめんな、楽しみにしてたやろうに」
「…………うちのマネージャーでもあるんだ。これ以上酷いことにならなかっただけでも、礼を言いてえくらいだよ」
「さよか。……」
「それに才徳は大神がいなくても、関東くらいは突破するんだろ。全国でやり合えばいいだけのこった」
「あは、そういえばそうや」
伊織はまたわらう。
すこしの沈黙が病室を過ぎる。井龍の視線が棚の上に向けられた。おもむろに手を伸ばし、先ほど伊織が置いたラケットグリップに触れた。
「あ。せや」
「ん?」
「メリークリスマス」
「あ、ああ。──今日、もうクリスマスか」
「それあげる。クリスマスプレゼントや」
「はっ? いやでも、これ姉貴にあげたんだろう」
「うん。でも……まだ目ェ覚めへんから。覚めたらそのときなんか買うてあげることにしてん。グリップなんて時間経ったら使いもんにならへんやろ、ええから使いィ」
と、グリップを持つ井龍の手を包むように握りしめ、伊織はからりとわらった。そこまで言われたら貰うほかない。井龍はたどたどしく礼を言って、宝物を扱うかのような手つきでそれをカバンにしまった。
伊織の頭がぐらりと前傾した。
どうした、と井龍があわててそちらを見る。彼女は姉の胸元に耳をつけていた。トク、トクとわずかに聞こえる心音に、ほうとため息をつく。
「生きてる──」
「な、七浦」
「ただ寝てるだけやんな。おかん死んでから、大変やったもんな。ええねんええねん、ちょっとくらい休んだってもええんや」
「…………」
「ほんでしっかり休んだら、目ェ覚ますんよ。そのまま──おかんのとこ、先に行きよったらうち一生許さへんからな」
さいごの方は、独り言のようだった。
あまりに弱々しい声色に、井龍は泣いているのかとドギマギしたが、やがてゆっくりと頭を起こした伊織の瞳は存外ふつうであった。
心配そうな顔をしていたのだろう、伊織は井龍を見るなりフハッと吹き出して「ごめん」とわらった。
「うちそろそろ帰る。井龍クンはまだいてる?」
「あ、いや。俺ももう帰ろうかと」
「ほんならいっしょに出よか。今日はホンマに、来てくれておおきに」
「こちらこそ──姉妹団欒の時間を邪魔しちまって、わるかったな。あとグリップも」
「ええねん。最近な、愛織のこと心配してくれる人がたくさんいてること知ってん。うちそれが嬉しくって、今日もホンマに嬉しかってん。ええクリスマスになったわ」
「それは」
と言いかけて井龍は閉口した。
愛織の人柄ゆえだ、ということばは心の内に留めておいた。愛織が目覚めたときに祝福のことばとして伝えればよいとおもった。
しかし伊織には通じたのだろう。
さっきまで乾いた笑いを浮かべていた彼女が、初めてしっとりと柔らかな笑みで井龍に笑いかけている。
外に出た。
身を刺すような冷気から逃れようと、互いに学校指定のコートを袷せる。吐きだす息は白い。対称的に赤く染まった鼻頭を上に向け、伊織は空にきらめく星を見上げた。
「全国までには目ェ覚めるといいなぁ」
「ああ。大神がもどった才徳を、完膚なきまでに叩き潰すところ──見てもらわなきゃならねえからな」
「あっ、喧嘩売ったな。言うとくけどな、大神抜きかて強いで。関東大会も楽しみにしてや」
「望むところだ」
ふたりは拳を突き合わせ、はにかんだ。
────。
ゴォーン、とまたひとつ鐘が鳴る。
近所の寺は、大晦日の二十三時すこし前より、一分一発のリズムからなる除夜の鐘がはじまる。この音をバックミュージックに、人々はこの一年に想いを馳せるのである。
例に漏れず。
今宵この時は、場末のラーメン屋もおなじ。らしからぬ薫りが店内にただよう。本日の営業は午前中までに終わらせて午後はおもに味楽店内の大掃除。夜を迎えて、大将と伊織、常連の禿げ親父もとい平井という三人だけの忘年会が開かれた。
といっても、年越しそばを食らうだけの会なのであるが。
「平井のおっちゃん、いつもここいてるけど家族おらんの?」
「寂しいこというなよ……」
「去年の暮れだったか。奥さんに逃げられたんだァな、ヒラさんよ」
「あれからもう一年か──時間ってのは年々速くなっていくな。伊織ちゃんはきっとまだ一日が長くてしようがないんだろうなぁ。いいなぁ」
「小学生のときに比べたら、うちかて時間の流れが速なったなぁ思うわ。むかしは一日が一生っちゅうくらい全力で生きてた。子どもって最強やんな」
「そうかそうか、お前も立派になりやがって──前に抱き上げてやったときはこーんな」
と、大将が指でテニスボールくらいの大きさの丸をつくる。
「ちっこかったのによう」
「そんなちっこかったらそれもうエイリアンやないか。そんなんまだおかんの胎盤におった頃くらいの大きさやで」
「なんだい大将、アンタ伊織ちゃんのこと抱っこしたことあんのかい」
「たりめーヨ。伊織も愛織も、いっぺんに抱っこしてやった。なんせコイツらお手々握りあって離さねえんだから。これがまたかんわいいんだ。ひゃあ、いま思い出しても鳥肌が立つ」
大将は蕎麦の汁を飲み干して、ぶるりと腕を擦った。いつもはビール瓶を胸に抱えて離さない平井も、そうかぁ、としっぽり緑茶を啜る。
「蓮十郎もおんなじくれェ鳥肌立ってたんだぜ。せっかくの暮れだ、如月の家に行ってやりゃあよかったのに」
「なんで年の最後に糞アニキの顔見なあかんねん。それに如月の家と仲良うできてたんは愛織だけやで。愛織がおらんのにうちが行くわけないやろ」
「でも声かけられてたんだろ」
それはそうである。
年の暮れくらいはいっしょに過ごそう、と蓮十郎や千秋、おまけに千秋の母親──つまり蓮十郎の正妻──にまで気を遣われた。おそらくは愛織がこんなことになって、悄気ているだろうという同情からだろうが、伊織からすればいい迷惑だった。
年の暮れにまで気を遣うくらいなら、場末のラーメン屋でしっぽりと蕎麦をかっ食らう方が性に合う。
除夜の鐘が、またひとつ。
もう五十回は鳴っただろうか。時計の針も、着実に新年への歩みを刻みゆく。伊織はがたりと立ち上がり、カウンターのなかへあがった。
「はーお腹いっぱい。ほら片付けんで、平井さんももう帰りィよ」
「ちぇ、伊織ちゃんは手厳しいな」
「アンタがいると店が閉められねえんだよ。俺もはやく横になって『ゆく年くる年』を見なきゃなんねんだから──」
「はいはいお邪魔さまでした」
平井がゆっくりと立ち上がる。
「よいお年を」
と。
上機嫌なようすで、平井が店の引戸をがらりと開けた。その時である。
「うわっ」
叫んだのは平井。
どうしたのかと伊織と大将が同時に入口へ目を向ける。向けて、おもわず動きを止めた。
そこに立っていたのは、上等な外套を羽織り、いままさに扉へ手をかけようとしていたらしいひとりの男。
場末のラーメン屋がもっとも似合わないその男の名は──大神謙吾である。
井龍はつぶやいた。
真っ白な病室のなかに色とりどりの花が咲く。見舞いの花束だと言ったら数本おまけしてくれたらしい。たしかに、学生が自腹で花を買うにしてはりっぱなものであった。
そうみたいやな、と笑いながら伊織は花の向きをいじる。
井龍は、控えめに愛織の顔を覗いた。見舞いには初めて来たという。一向に反応のないマネージャーに、ショックを受けた顔をする。
伊織はヘヘッとあかるくわらって、井龍のとなりに腰かけた。
「十一月からずーっとこれや。もう年も越してまうのにね」
「──大神が助けたらしいな」
「うん、そのせいで怪我してもうて──関東大会には不出場や。ごめんな、楽しみにしてたやろうに」
「…………うちのマネージャーでもあるんだ。これ以上酷いことにならなかっただけでも、礼を言いてえくらいだよ」
「さよか。……」
「それに才徳は大神がいなくても、関東くらいは突破するんだろ。全国でやり合えばいいだけのこった」
「あは、そういえばそうや」
伊織はまたわらう。
すこしの沈黙が病室を過ぎる。井龍の視線が棚の上に向けられた。おもむろに手を伸ばし、先ほど伊織が置いたラケットグリップに触れた。
「あ。せや」
「ん?」
「メリークリスマス」
「あ、ああ。──今日、もうクリスマスか」
「それあげる。クリスマスプレゼントや」
「はっ? いやでも、これ姉貴にあげたんだろう」
「うん。でも……まだ目ェ覚めへんから。覚めたらそのときなんか買うてあげることにしてん。グリップなんて時間経ったら使いもんにならへんやろ、ええから使いィ」
と、グリップを持つ井龍の手を包むように握りしめ、伊織はからりとわらった。そこまで言われたら貰うほかない。井龍はたどたどしく礼を言って、宝物を扱うかのような手つきでそれをカバンにしまった。
伊織の頭がぐらりと前傾した。
どうした、と井龍があわててそちらを見る。彼女は姉の胸元に耳をつけていた。トク、トクとわずかに聞こえる心音に、ほうとため息をつく。
「生きてる──」
「な、七浦」
「ただ寝てるだけやんな。おかん死んでから、大変やったもんな。ええねんええねん、ちょっとくらい休んだってもええんや」
「…………」
「ほんでしっかり休んだら、目ェ覚ますんよ。そのまま──おかんのとこ、先に行きよったらうち一生許さへんからな」
さいごの方は、独り言のようだった。
あまりに弱々しい声色に、井龍は泣いているのかとドギマギしたが、やがてゆっくりと頭を起こした伊織の瞳は存外ふつうであった。
心配そうな顔をしていたのだろう、伊織は井龍を見るなりフハッと吹き出して「ごめん」とわらった。
「うちそろそろ帰る。井龍クンはまだいてる?」
「あ、いや。俺ももう帰ろうかと」
「ほんならいっしょに出よか。今日はホンマに、来てくれておおきに」
「こちらこそ──姉妹団欒の時間を邪魔しちまって、わるかったな。あとグリップも」
「ええねん。最近な、愛織のこと心配してくれる人がたくさんいてること知ってん。うちそれが嬉しくって、今日もホンマに嬉しかってん。ええクリスマスになったわ」
「それは」
と言いかけて井龍は閉口した。
愛織の人柄ゆえだ、ということばは心の内に留めておいた。愛織が目覚めたときに祝福のことばとして伝えればよいとおもった。
しかし伊織には通じたのだろう。
さっきまで乾いた笑いを浮かべていた彼女が、初めてしっとりと柔らかな笑みで井龍に笑いかけている。
外に出た。
身を刺すような冷気から逃れようと、互いに学校指定のコートを袷せる。吐きだす息は白い。対称的に赤く染まった鼻頭を上に向け、伊織は空にきらめく星を見上げた。
「全国までには目ェ覚めるといいなぁ」
「ああ。大神がもどった才徳を、完膚なきまでに叩き潰すところ──見てもらわなきゃならねえからな」
「あっ、喧嘩売ったな。言うとくけどな、大神抜きかて強いで。関東大会も楽しみにしてや」
「望むところだ」
ふたりは拳を突き合わせ、はにかんだ。
────。
ゴォーン、とまたひとつ鐘が鳴る。
近所の寺は、大晦日の二十三時すこし前より、一分一発のリズムからなる除夜の鐘がはじまる。この音をバックミュージックに、人々はこの一年に想いを馳せるのである。
例に漏れず。
今宵この時は、場末のラーメン屋もおなじ。らしからぬ薫りが店内にただよう。本日の営業は午前中までに終わらせて午後はおもに味楽店内の大掃除。夜を迎えて、大将と伊織、常連の禿げ親父もとい平井という三人だけの忘年会が開かれた。
といっても、年越しそばを食らうだけの会なのであるが。
「平井のおっちゃん、いつもここいてるけど家族おらんの?」
「寂しいこというなよ……」
「去年の暮れだったか。奥さんに逃げられたんだァな、ヒラさんよ」
「あれからもう一年か──時間ってのは年々速くなっていくな。伊織ちゃんはきっとまだ一日が長くてしようがないんだろうなぁ。いいなぁ」
「小学生のときに比べたら、うちかて時間の流れが速なったなぁ思うわ。むかしは一日が一生っちゅうくらい全力で生きてた。子どもって最強やんな」
「そうかそうか、お前も立派になりやがって──前に抱き上げてやったときはこーんな」
と、大将が指でテニスボールくらいの大きさの丸をつくる。
「ちっこかったのによう」
「そんなちっこかったらそれもうエイリアンやないか。そんなんまだおかんの胎盤におった頃くらいの大きさやで」
「なんだい大将、アンタ伊織ちゃんのこと抱っこしたことあんのかい」
「たりめーヨ。伊織も愛織も、いっぺんに抱っこしてやった。なんせコイツらお手々握りあって離さねえんだから。これがまたかんわいいんだ。ひゃあ、いま思い出しても鳥肌が立つ」
大将は蕎麦の汁を飲み干して、ぶるりと腕を擦った。いつもはビール瓶を胸に抱えて離さない平井も、そうかぁ、としっぽり緑茶を啜る。
「蓮十郎もおんなじくれェ鳥肌立ってたんだぜ。せっかくの暮れだ、如月の家に行ってやりゃあよかったのに」
「なんで年の最後に糞アニキの顔見なあかんねん。それに如月の家と仲良うできてたんは愛織だけやで。愛織がおらんのにうちが行くわけないやろ」
「でも声かけられてたんだろ」
それはそうである。
年の暮れくらいはいっしょに過ごそう、と蓮十郎や千秋、おまけに千秋の母親──つまり蓮十郎の正妻──にまで気を遣われた。おそらくは愛織がこんなことになって、悄気ているだろうという同情からだろうが、伊織からすればいい迷惑だった。
年の暮れにまで気を遣うくらいなら、場末のラーメン屋でしっぽりと蕎麦をかっ食らう方が性に合う。
除夜の鐘が、またひとつ。
もう五十回は鳴っただろうか。時計の針も、着実に新年への歩みを刻みゆく。伊織はがたりと立ち上がり、カウンターのなかへあがった。
「はーお腹いっぱい。ほら片付けんで、平井さんももう帰りィよ」
「ちぇ、伊織ちゃんは手厳しいな」
「アンタがいると店が閉められねえんだよ。俺もはやく横になって『ゆく年くる年』を見なきゃなんねんだから──」
「はいはいお邪魔さまでした」
平井がゆっくりと立ち上がる。
「よいお年を」
と。
上機嫌なようすで、平井が店の引戸をがらりと開けた。その時である。
「うわっ」
叫んだのは平井。
どうしたのかと伊織と大将が同時に入口へ目を向ける。向けて、おもわず動きを止めた。
そこに立っていたのは、上等な外套を羽織り、いままさに扉へ手をかけようとしていたらしいひとりの男。
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