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廿三の抄 胡蝶の夢
其の壱
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約束の土曜日。
この日、高村は小町とともに京都駅で浜崎と合流した。
「あれェ。小町さんも?」
「ええ。コイツも歴史については強いんで、きっと楽しめると思って」
「そりゃああれだけくずし字読めたらね。歴史にも強いですよね」
と浜崎は感心したようにうなずく。
一行は、二条城前から京都国際ホテルのほうへとすすむ。
その東側に『閑院跡』の碑を見た。
「こいつァ、高倉天皇以降歴代天皇の皇居となったところですね」
「ええ、さすがにお詳しい」
「ははは。この時代を学んでいたらこのくらいは」
と照れた浜崎に、高村は「たのもしいな」とつぶやいて小町に視線をうつした。
「平安末期ごろになるとな、内裏はめったなことでは使われんくなった。定家が仕えた後鳥羽院や順徳院もここを御所にして過ごしたもんや」
「内裏が──そうですか。それは、……」
ひどいショックを受けた顔である。おなじく高村もどこか浮かない表情だ。おもえば、今日は合流したときからいまいち元気がないようにも見えていた。
浜崎は首をかしげたが、それに触れられるほど勇気もない。ゆえに、
「貴族文化の終焉を、その天皇たちはどんな思いで見たんスかねえ」
とあたりさわりのないことをいった。
しかしそれもまた高村にとっては痛烈なワードだったのか、彼はじっとおし黙る。代わりに答えたのは小町だった。
「四〇〇年の栄華が消えたのち、むかえたのは戦乱の世──それが時の流れというものなのでしょうか。わたくし、いえ……まだ千年にも満たぬころの人々は、貴族が廃れていくなど考えもしなかった。ずっと、月を見上げて花を手折って、和歌の詠まれる世の中だと、それが崩れていくなど疑うことはなかったのに」
「ああ。……そうして戦乱の世がつづいたのち、一度は徳川が天下をとって人がそう死なぬ世になったけれど、それもわずか三百年も満たぬこと。それからはまた戦つづきの国だった。……────ようやく平和になったこの時代が、奇跡にすら思えるよ」
と高村は沈痛な面持ちでつぶやいた。
もはや、ふたりがどの立場で現状を語っているのかが把握できない。浜崎は「ちょっとちょっと」とふたりの腕をつかんだ。
「いったいどうしたってんです。高村先生、もしかしなくても今日はなにか目的があって来たんでしょう。そんな暗い顔されたらこっちかて気になりますわ。私を誘ってくださったんも、なにか訳があるんちゃうんですか。なにか──言いたいことがあるんやないんですか」
「…………」
核心を、ついたとおもった。
ふたりが顔を見合わせて、そして浜崎に向けた表情がひどく情けないものだったからである。
「浜崎先生──すこし、お話しても?」
高村がいった。
※
小一時間ほどカフェにいる。
高村親子から聞かされた話は、およそ「はいそうですか」と流せるものではなかった。
唖然としたまま動かない浜崎を見て、高村はわずかに笑んだ。
「つ、つまり──おふたりは、平安時代のお人だと。?」
「そういうことになります」
「こ、小町ってのはつまり、小野小町──ああ、そうか。それで陸奥旅行に?」
「ええ。おたあさまのお墓参りに初めて赴きました。その節はたいへんにお世話になりました」
といって小町は深々と首を垂れる。
「た、高村というのは……小野篁からとったお名前だった、と」
「ええ。安直すぎたかと当初は反省しとりましたが」
「高村六道──ああッ、六道……そうか、冥官篁、そうか……」
ひとつひとつのピースをはめていくように、浜崎はこれまでのことを自分のなかで細かく確認しているようだった。
小町のこと。
高村のこと。
先日の史料提供のときも。
「か、考えてみりゃすべてに辻褄は合いますが──しかしその、なんといいますか。証拠っていうか、疑うわけやないんですが。突拍子もない話でしょう。その、夢路でどうとか」
「そうでしょうな。ですので特別信じてほしいわけでもないんですよ」
と、高村はあっさりといった。
どういうことです、と浜崎は動揺のあまりコーヒーに角砂糖を三個投入する。
「このことを知っているのは八郎と柊介、そして環奈くらいのものです。ほかの者に言うつもりなど毛頭なかった。当初は、ね」
「お、刑部も知っとったんか」
「ええ。幾度となく──環奈も、八郎も、柊介も。私たちのために力を貸してくれた」
「…………」
今回、と高村はかばんから和本を取り出した。
「浜崎先生にこうしてお話させていただいたのは、理由がふたつあるのです」
「……き、聞きましょう」
「どうも」
と微笑んで、高村は和本をぱらりとめくる。
先日、うまいことを言って環奈から小町の和本の頁を返してもらったこともあって、すべての通し番号がきれいにそろっているなか、最後のページが九十九番で終わっていた。
「ひとつは、この最後の和歌をあなたの夢に誘ってもらうため」
「えっ?」
「これは、歴史に造詣のあるあなたにお願いするのが一番よかった。それになにより、最後の和歌ですからね。──これを集めるということは私たちがこの世から消えることを意味します。ゆえに八郎たちはこの和本蒐集に対して、あえて意識をそらしている。私が時期を見て蒐集を一時取り止めたために、すこし期待させてしまったのかもしれません。が──とはいえ、百番の和歌も集めてやらねばこの和本は完成しません」
「…………なるほど、さきほどの話のなかで話していた、和本蒐集。貴方がここへやってきた一番の目的でしたね」
「そうです。まあいっとう初めの目的はもうひとつの探し物があったからでもあるんですが──それはいい。とにかく、特別に時間をいただいてやってきた。蒐集するといった以上はなんとしても集める必要があったのです」
「わかります」
浜崎は意外にも冷静だった。
落ち着いて話に相槌をいれながら、高村の話すことばひとつひとつを一句もらさず聞こうという姿勢が見えた。そのなかで、彼なりに状況の整理をおこなっているようだ。
「もうひとつは──おなじ、教員という貴方にお願いしたかったんです」
「え?」
「あの子たちのことを」
「…………」
高村の目は、平安歌人のそれでも、篁としてのものでもなく。
かわいい生徒を持ったひとりの教師としての目だった。
「八郎も柊介も、環奈も。彼らは私と離れることをひどくかなしむでしょう。そりゃあそうだ、これだけ非日常のなかを長い時間ともにしたんですから。無理もないんですが──しかし、彼らの悲しみを大人のだれひとりも理解できないというのが、どうにも可哀そうだと、思ってしまった」
「ああ……」
「ほんとうはいけないことなのですって」
と、小町が困ったようにわらった。
手元のおしぼりをひたすら折り込んでは、ほどいていく。それを繰り返しながら小町がつづける。
「あなたにお話しすることも、本当ならば柊介さまにだって。ね、おもうさま」
「む……」
「だってそんな話が関係のない方に漏れてしまったらどうなりますかしら。真偽のほどは不明にしたって、きっと大変なことになってしまうかもしれないでしょう。ですから──おもうさまは今日の朝まで悩んでおりました」
「そう、……でしたか」
つまりは、と高村は言いにくそうに口を開いた。
「移ったんですよ。情が」
そしてさびしそうな笑みを浮かべ、「出ましょうか」と立ち上がった。
この日、高村は小町とともに京都駅で浜崎と合流した。
「あれェ。小町さんも?」
「ええ。コイツも歴史については強いんで、きっと楽しめると思って」
「そりゃああれだけくずし字読めたらね。歴史にも強いですよね」
と浜崎は感心したようにうなずく。
一行は、二条城前から京都国際ホテルのほうへとすすむ。
その東側に『閑院跡』の碑を見た。
「こいつァ、高倉天皇以降歴代天皇の皇居となったところですね」
「ええ、さすがにお詳しい」
「ははは。この時代を学んでいたらこのくらいは」
と照れた浜崎に、高村は「たのもしいな」とつぶやいて小町に視線をうつした。
「平安末期ごろになるとな、内裏はめったなことでは使われんくなった。定家が仕えた後鳥羽院や順徳院もここを御所にして過ごしたもんや」
「内裏が──そうですか。それは、……」
ひどいショックを受けた顔である。おなじく高村もどこか浮かない表情だ。おもえば、今日は合流したときからいまいち元気がないようにも見えていた。
浜崎は首をかしげたが、それに触れられるほど勇気もない。ゆえに、
「貴族文化の終焉を、その天皇たちはどんな思いで見たんスかねえ」
とあたりさわりのないことをいった。
しかしそれもまた高村にとっては痛烈なワードだったのか、彼はじっとおし黙る。代わりに答えたのは小町だった。
「四〇〇年の栄華が消えたのち、むかえたのは戦乱の世──それが時の流れというものなのでしょうか。わたくし、いえ……まだ千年にも満たぬころの人々は、貴族が廃れていくなど考えもしなかった。ずっと、月を見上げて花を手折って、和歌の詠まれる世の中だと、それが崩れていくなど疑うことはなかったのに」
「ああ。……そうして戦乱の世がつづいたのち、一度は徳川が天下をとって人がそう死なぬ世になったけれど、それもわずか三百年も満たぬこと。それからはまた戦つづきの国だった。……────ようやく平和になったこの時代が、奇跡にすら思えるよ」
と高村は沈痛な面持ちでつぶやいた。
もはや、ふたりがどの立場で現状を語っているのかが把握できない。浜崎は「ちょっとちょっと」とふたりの腕をつかんだ。
「いったいどうしたってんです。高村先生、もしかしなくても今日はなにか目的があって来たんでしょう。そんな暗い顔されたらこっちかて気になりますわ。私を誘ってくださったんも、なにか訳があるんちゃうんですか。なにか──言いたいことがあるんやないんですか」
「…………」
核心を、ついたとおもった。
ふたりが顔を見合わせて、そして浜崎に向けた表情がひどく情けないものだったからである。
「浜崎先生──すこし、お話しても?」
高村がいった。
※
小一時間ほどカフェにいる。
高村親子から聞かされた話は、およそ「はいそうですか」と流せるものではなかった。
唖然としたまま動かない浜崎を見て、高村はわずかに笑んだ。
「つ、つまり──おふたりは、平安時代のお人だと。?」
「そういうことになります」
「こ、小町ってのはつまり、小野小町──ああ、そうか。それで陸奥旅行に?」
「ええ。おたあさまのお墓参りに初めて赴きました。その節はたいへんにお世話になりました」
といって小町は深々と首を垂れる。
「た、高村というのは……小野篁からとったお名前だった、と」
「ええ。安直すぎたかと当初は反省しとりましたが」
「高村六道──ああッ、六道……そうか、冥官篁、そうか……」
ひとつひとつのピースをはめていくように、浜崎はこれまでのことを自分のなかで細かく確認しているようだった。
小町のこと。
高村のこと。
先日の史料提供のときも。
「か、考えてみりゃすべてに辻褄は合いますが──しかしその、なんといいますか。証拠っていうか、疑うわけやないんですが。突拍子もない話でしょう。その、夢路でどうとか」
「そうでしょうな。ですので特別信じてほしいわけでもないんですよ」
と、高村はあっさりといった。
どういうことです、と浜崎は動揺のあまりコーヒーに角砂糖を三個投入する。
「このことを知っているのは八郎と柊介、そして環奈くらいのものです。ほかの者に言うつもりなど毛頭なかった。当初は、ね」
「お、刑部も知っとったんか」
「ええ。幾度となく──環奈も、八郎も、柊介も。私たちのために力を貸してくれた」
「…………」
今回、と高村はかばんから和本を取り出した。
「浜崎先生にこうしてお話させていただいたのは、理由がふたつあるのです」
「……き、聞きましょう」
「どうも」
と微笑んで、高村は和本をぱらりとめくる。
先日、うまいことを言って環奈から小町の和本の頁を返してもらったこともあって、すべての通し番号がきれいにそろっているなか、最後のページが九十九番で終わっていた。
「ひとつは、この最後の和歌をあなたの夢に誘ってもらうため」
「えっ?」
「これは、歴史に造詣のあるあなたにお願いするのが一番よかった。それになにより、最後の和歌ですからね。──これを集めるということは私たちがこの世から消えることを意味します。ゆえに八郎たちはこの和本蒐集に対して、あえて意識をそらしている。私が時期を見て蒐集を一時取り止めたために、すこし期待させてしまったのかもしれません。が──とはいえ、百番の和歌も集めてやらねばこの和本は完成しません」
「…………なるほど、さきほどの話のなかで話していた、和本蒐集。貴方がここへやってきた一番の目的でしたね」
「そうです。まあいっとう初めの目的はもうひとつの探し物があったからでもあるんですが──それはいい。とにかく、特別に時間をいただいてやってきた。蒐集するといった以上はなんとしても集める必要があったのです」
「わかります」
浜崎は意外にも冷静だった。
落ち着いて話に相槌をいれながら、高村の話すことばひとつひとつを一句もらさず聞こうという姿勢が見えた。そのなかで、彼なりに状況の整理をおこなっているようだ。
「もうひとつは──おなじ、教員という貴方にお願いしたかったんです」
「え?」
「あの子たちのことを」
「…………」
高村の目は、平安歌人のそれでも、篁としてのものでもなく。
かわいい生徒を持ったひとりの教師としての目だった。
「八郎も柊介も、環奈も。彼らは私と離れることをひどくかなしむでしょう。そりゃあそうだ、これだけ非日常のなかを長い時間ともにしたんですから。無理もないんですが──しかし、彼らの悲しみを大人のだれひとりも理解できないというのが、どうにも可哀そうだと、思ってしまった」
「ああ……」
「ほんとうはいけないことなのですって」
と、小町が困ったようにわらった。
手元のおしぼりをひたすら折り込んでは、ほどいていく。それを繰り返しながら小町がつづける。
「あなたにお話しすることも、本当ならば柊介さまにだって。ね、おもうさま」
「む……」
「だってそんな話が関係のない方に漏れてしまったらどうなりますかしら。真偽のほどは不明にしたって、きっと大変なことになってしまうかもしれないでしょう。ですから──おもうさまは今日の朝まで悩んでおりました」
「そう、……でしたか」
つまりは、と高村は言いにくそうに口を開いた。
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