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拾肆の抄 病床の夢
其の伍
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夢路をたどった先、しのぶの夢である。
学校の教室だろうか。
まだ元気だった頃のしのぶが、学ランを着用した武晴に肩を抱かれていっしょにアイスを食べている。
「花火大会、浴衣で行こな」
「……ゆかた?」
「オレ浴衣デートが夢やってん。なんつーか、女子とってだけとちゃうねん。ラブラブな彼女とって意味でよ」
「じゃあ浴衣──買わなくっちゃ」
「一緒に選ぶわ!」
「ほんと?」
しのぶは、すこし照れくさそうに頬をほころばせた。
世の中の幸せをすべてモノにしたような気持ちだった。
これは、しのぶの記憶だろうか。
場面は変わって、どこかの土手を歩いていた。隣にはやはり武晴がいる。
ふたりは浴衣を着て手をつないでいる。
「実はこのあたりから見るのがええんよ」
「マジで、穴場ってやつ?」
「そう、アナバ」
うふふ、と笑ってしのぶはめずらしくくるくると回った。
武晴が「転ぶぞ」といった瞬間に尻もちをついた。また、笑った。
「言わんこっちゃねえで!」
「ごめん」
「足、平気か」
「うん」
しのぶは、武晴の手を取って立ち上がった。
空に咲いた花が、自分たちに影を落とす。その影に隠れるように、しのぶは一瞬背伸びをして武晴に口づけた。
「……ふ、へへ」
しのぶは、照れたようにうつむいた。
武晴は黙ったまま、口づけを返す。
「…………」
「また来年も見ようね」
「……ああ」
ザザ。
ザザ、ザ。
突然、景色にノイズが走った。
篁は瞳を細める。──言霊だ。
しかしいつまで待っても和歌は聞こえない。何故。
篁は眉をひそめた。
「おまえは──和泉式部」
ノイズの走る景色のなか、和泉式部と呼ばれた女はしずしずと頭を下げる。
「篁様」
「うたは」
「うたはもう、詠みましてございます」
「なに?」
「昨夜のうちにひっそりと、詠みましてございます」
式部が言った瞬間に、景色は変わった。
「しのぶ」
呼ばれた。
呼んだのは、武晴だ。
ここは無菌室。ガラス戸の向こうに彼がいた。
「いまも昔もかわいいよ、おまえは」
そう言った武晴は、笑っていた。
しのぶは管につながれた腕を必死に伸ばして、笑った。
けれど、しのぶが見ていたガラス戸にヒビが入る。武晴の顔にも、ヒビが入る。
ビシ、という音とともに粉々に砕け散ったガラスには、これまでに見た思い出の景色が映し出される。
「…………」
しのぶは、散らばったガラスの破片をしばらく見つめていたけれど、やがて力なく腕を落とした。
その頬には涙が一筋つたった。
式部は、割れたガラスの破片をひとつ拾い上げ、悲しそうに笑った。
そして、つぶやくように口ずさんだのである。
『あらざらむ この世のほかの おもひでに
いまひとたびの 逢ふこともがな』
──うた。
「この和歌を、夜更けに詠みました」
式部と呼ばれた女がいった。
「われとこの娘しかおらなんだ。ふたりで、闇夜のなかで、──いつまでもこの御方を待っておった」
ガラスにちらりと映る武晴の顔を、彼女は愛おしそうに撫でる。
「このおなごの願いは、きのうのわずかな逢瀬によりて成し遂げられてしまいました」
そして式部はしのぶの頬をも撫でた。
ここは夢の中である。
けれどしのぶは満足したように微笑んだまま、目を開けようとはしない。
和泉式部は、そして和本へと戻りゆく。
篁は、ゾッとした。
──夢を出る。
ずいぶんと部屋が騒がしい。
あれから何時間が経ったのか──すこしだけ空が白みだしている。
篁がしのぶを見下ろした。
そこには、多くの医者や看護師が集まっていた。
「心拍数低下!」
「危篤の連絡は──」
「みなさん集まっておられます」
「お母さんそばに来て!」
医者や看護師がしのぶに何かしている。
「しのぶ!」
しのぶの母親が飛び込んできた。
少し席を外していたが、連絡を受けて走って戻ってきたようだった。
「しのぶッ」
父親も遅れて入ってくるなり、叫んだ。
一日中起きていたのだろうか、目の下に疲労が濃く見える。
医者や看護師、両親、篁でさえもが、しのぶの回復を願っていた。
けれど、肝心のしのぶ本人は違った。
もう満足したとでも言いたげに、わらって。
あれほど懸命に動いていた心臓が、いまやぴくりとも動かない。
医者や看護師が、一瞬息を詰まらせた。
まもなく医者が時計を確認する。
しのぶのベッドの周りで、医者や看護師一同がうなだれる。
「午前五時五十六分、──死亡確認」
「ご臨終です」
医者の声が、部屋に響いた。
「あ、あ……ああああああ」
しのぶの母は娘に縋りつくように泣いた。父は、しのぶの手や頬を何度も撫でた。
そんな彼女の顔は、満足そうに笑っているような、どこか柔らかい面差しを残している。
ふわり。
しのぶのからだからもやが立つ。
それは、しのぶだった。
苦しみから解放された彼女はおだやかな顔で父母を抱きしめて、医者や看護師に頭を下げる。
そして篁に向き直ってまた、一礼した。
「”おかえり”なさい。……」
篁は、なんともいえぬ心持ちのまま、ひとこと彼女にそういった。
彼女はうれしそうにわらった。
※
翌日。
武晴がぱちりと目を開けると、自分の携帯に一通のメールが届いていた。
もぞりと横になったままメールを開く。しのぶの母からである。
「…………」
しのぶが死んだ。
そんな内容のメールだった。
武晴はぼんやりとメールの画面を見つめた。
「ふあぁ──おはよ」
八郎である。
そういえば、昨日はここに泊まったのだっけ──と武晴はぼんやりと八郎の部屋を見回す。
そして黙ったまま携帯を八郎に渡すと、ふたたびごろりと横になった。
「なに──」
八郎は、メールを読んでまもなく息を呑んだ。そして武晴を見る。
「…………学校休んで、病院行く?」
まだしのぶの遺体やしのぶの母はいるかもしれないから、という提案だった。
しかし武晴は布団に横になったまま「文化祭やで」といってむくりと起き上がる。
「オレが行かなきゃはじまらへんやろ」
「…………じゃあ、終わったら行こうや」
「ああ」
武晴はつかれたようにわらった。
※ ※ ※
──わたしはもう永くない。
この世の最期の思い出に、
もう一度だけ
あなたに逢いたい。──
第五十六首 和泉式部
気分がふだんと異なりけるころ、
いとしい者にあてて、
使者を遣わして詠める。
学校の教室だろうか。
まだ元気だった頃のしのぶが、学ランを着用した武晴に肩を抱かれていっしょにアイスを食べている。
「花火大会、浴衣で行こな」
「……ゆかた?」
「オレ浴衣デートが夢やってん。なんつーか、女子とってだけとちゃうねん。ラブラブな彼女とって意味でよ」
「じゃあ浴衣──買わなくっちゃ」
「一緒に選ぶわ!」
「ほんと?」
しのぶは、すこし照れくさそうに頬をほころばせた。
世の中の幸せをすべてモノにしたような気持ちだった。
これは、しのぶの記憶だろうか。
場面は変わって、どこかの土手を歩いていた。隣にはやはり武晴がいる。
ふたりは浴衣を着て手をつないでいる。
「実はこのあたりから見るのがええんよ」
「マジで、穴場ってやつ?」
「そう、アナバ」
うふふ、と笑ってしのぶはめずらしくくるくると回った。
武晴が「転ぶぞ」といった瞬間に尻もちをついた。また、笑った。
「言わんこっちゃねえで!」
「ごめん」
「足、平気か」
「うん」
しのぶは、武晴の手を取って立ち上がった。
空に咲いた花が、自分たちに影を落とす。その影に隠れるように、しのぶは一瞬背伸びをして武晴に口づけた。
「……ふ、へへ」
しのぶは、照れたようにうつむいた。
武晴は黙ったまま、口づけを返す。
「…………」
「また来年も見ようね」
「……ああ」
ザザ。
ザザ、ザ。
突然、景色にノイズが走った。
篁は瞳を細める。──言霊だ。
しかしいつまで待っても和歌は聞こえない。何故。
篁は眉をひそめた。
「おまえは──和泉式部」
ノイズの走る景色のなか、和泉式部と呼ばれた女はしずしずと頭を下げる。
「篁様」
「うたは」
「うたはもう、詠みましてございます」
「なに?」
「昨夜のうちにひっそりと、詠みましてございます」
式部が言った瞬間に、景色は変わった。
「しのぶ」
呼ばれた。
呼んだのは、武晴だ。
ここは無菌室。ガラス戸の向こうに彼がいた。
「いまも昔もかわいいよ、おまえは」
そう言った武晴は、笑っていた。
しのぶは管につながれた腕を必死に伸ばして、笑った。
けれど、しのぶが見ていたガラス戸にヒビが入る。武晴の顔にも、ヒビが入る。
ビシ、という音とともに粉々に砕け散ったガラスには、これまでに見た思い出の景色が映し出される。
「…………」
しのぶは、散らばったガラスの破片をしばらく見つめていたけれど、やがて力なく腕を落とした。
その頬には涙が一筋つたった。
式部は、割れたガラスの破片をひとつ拾い上げ、悲しそうに笑った。
そして、つぶやくように口ずさんだのである。
『あらざらむ この世のほかの おもひでに
いまひとたびの 逢ふこともがな』
──うた。
「この和歌を、夜更けに詠みました」
式部と呼ばれた女がいった。
「われとこの娘しかおらなんだ。ふたりで、闇夜のなかで、──いつまでもこの御方を待っておった」
ガラスにちらりと映る武晴の顔を、彼女は愛おしそうに撫でる。
「このおなごの願いは、きのうのわずかな逢瀬によりて成し遂げられてしまいました」
そして式部はしのぶの頬をも撫でた。
ここは夢の中である。
けれどしのぶは満足したように微笑んだまま、目を開けようとはしない。
和泉式部は、そして和本へと戻りゆく。
篁は、ゾッとした。
──夢を出る。
ずいぶんと部屋が騒がしい。
あれから何時間が経ったのか──すこしだけ空が白みだしている。
篁がしのぶを見下ろした。
そこには、多くの医者や看護師が集まっていた。
「心拍数低下!」
「危篤の連絡は──」
「みなさん集まっておられます」
「お母さんそばに来て!」
医者や看護師がしのぶに何かしている。
「しのぶ!」
しのぶの母親が飛び込んできた。
少し席を外していたが、連絡を受けて走って戻ってきたようだった。
「しのぶッ」
父親も遅れて入ってくるなり、叫んだ。
一日中起きていたのだろうか、目の下に疲労が濃く見える。
医者や看護師、両親、篁でさえもが、しのぶの回復を願っていた。
けれど、肝心のしのぶ本人は違った。
もう満足したとでも言いたげに、わらって。
あれほど懸命に動いていた心臓が、いまやぴくりとも動かない。
医者や看護師が、一瞬息を詰まらせた。
まもなく医者が時計を確認する。
しのぶのベッドの周りで、医者や看護師一同がうなだれる。
「午前五時五十六分、──死亡確認」
「ご臨終です」
医者の声が、部屋に響いた。
「あ、あ……ああああああ」
しのぶの母は娘に縋りつくように泣いた。父は、しのぶの手や頬を何度も撫でた。
そんな彼女の顔は、満足そうに笑っているような、どこか柔らかい面差しを残している。
ふわり。
しのぶのからだからもやが立つ。
それは、しのぶだった。
苦しみから解放された彼女はおだやかな顔で父母を抱きしめて、医者や看護師に頭を下げる。
そして篁に向き直ってまた、一礼した。
「”おかえり”なさい。……」
篁は、なんともいえぬ心持ちのまま、ひとこと彼女にそういった。
彼女はうれしそうにわらった。
※
翌日。
武晴がぱちりと目を開けると、自分の携帯に一通のメールが届いていた。
もぞりと横になったままメールを開く。しのぶの母からである。
「…………」
しのぶが死んだ。
そんな内容のメールだった。
武晴はぼんやりとメールの画面を見つめた。
「ふあぁ──おはよ」
八郎である。
そういえば、昨日はここに泊まったのだっけ──と武晴はぼんやりと八郎の部屋を見回す。
そして黙ったまま携帯を八郎に渡すと、ふたたびごろりと横になった。
「なに──」
八郎は、メールを読んでまもなく息を呑んだ。そして武晴を見る。
「…………学校休んで、病院行く?」
まだしのぶの遺体やしのぶの母はいるかもしれないから、という提案だった。
しかし武晴は布団に横になったまま「文化祭やで」といってむくりと起き上がる。
「オレが行かなきゃはじまらへんやろ」
「…………じゃあ、終わったら行こうや」
「ああ」
武晴はつかれたようにわらった。
※ ※ ※
──わたしはもう永くない。
この世の最期の思い出に、
もう一度だけ
あなたに逢いたい。──
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