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ダンジョン部の姫
第95話 オーガの間へと向かう
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ダンジョンのマップはあらかじめネットで検索してあった。
最短経路でシューターを通り、私たちは15階層へとやってきた。時間にしたら20分もかかっていないだろう。
空気がとても冷たい。洞窟内は静まり返っているが、時々岩が転がるような音が聞こえてくる。上層とは違い、ここは張り詰めたような緊迫感がある。話す声も必然的に小さくなる。
私たちは囁くようにか細い声で会話をする。
部長が他の部員に話しかけた。
「き、来ちゃったね。15階層」
緊張感が全員に伝わっていた。
「そ、そうでござる」
「ゆ、油断は禁物である」
「静かに行くのである」
私は少し後方からデバイスで撮影をしている。
能力制限の腕輪の能力を確認する。
この階層では私のレベルは20相当に制限されている。
これはダンジョン部の部員たちとほぼ変わらない能力のはずだ。
リミッターはいつでも解除できる。万が一、危険が迫れば即座に対応はできる。
「ここからは二足歩行のモンスターも増えてくる。ゴブリン、コボルド、そして強敵はオークだ」
部長は説明するが、部員は誰もが知っている情報だった。
「注意点としては絶対にモンスターを集めないこと。遭遇した順番に、確実に仕留めていく。もしもモンスターを集めてしまったり、あるいは誰かが集めてしまったモンスターに遭遇したら、そこで今回の探索は終了。即撤退。いいね?」
私を含め、部員の全員が無言で頷く。
私は数学の先生がチョークに刻んでいた文字、「PK」のことが気になっていた。
あれからPKについて調べたが、PKとはプレイヤーキラーのことだった。ハンターが他のハンターを殺して金品を奪う行為だ。
だが、直接PKを行う者はほとんどいない。なぜなら自らの危険性も高いからだ。
可能性としてあるのはMPKと呼ばれる行為だ。モンスターを集め、他のハンターを襲わせることだ。証拠が残りにくいこともある。
だが、上層においてはこれも自らの危険性が高く、現実的ではない。
部長が口元に人差し指を当てた。声を出すなという意味だ。
「さっそく、ゴブリンのお出ましだ。それじゃあ、打ち合わせ通りに」
私たちは行動を開始する。
まだゴブリンはこちらに気づいていない。
子供の背丈ほどの子鬼は細い棍棒を手にしている。鎧のような防具は身につけていない。薄手の布をまとっているだけだ。
部長がゴブリンに向かって大盾を構える。その後ろには葛城さんが弓を手に待機する。男性にしては細い腕で、あまり筋肉はなさそうだ。その腕で弓の弦を引き絞った。
ヒュウ、と風切り音を立てて矢が飛ぶ。ゴブリンには命中せず、足元の地面に刺さった。こちらを向いたゴブリンは部長が視界に入ったようだ。まっすぐと向かってきた。
石田さんと九条さんが洞窟の壁に張り付くように立っていた。動きを止めて気配を殺しているため、ゴブリンには気づかれていない。
真横を通り過ぎようとしたと同時、左右から一斉に斬りかかった。石田さんは首を、九条さんは足を狙った。
ギギャッと、わずかに悲鳴にも似た声だけを残して、ゴブリンはあっさりと討伐される。
「て、手汗をかいたでござる……」
石田さんが長剣に付いた血を払いながら言った。
「さあ、次。いくぞ。のんびりしている時間はない」
部長の指示で、洞窟を進んでいく。端から見たら何の問題もない戦闘かもしれない。それほど強くはないモンスターを確実に仕留めているように見える。
だが、わずかな失敗が死につながることもある。
失敗を許されない戦闘は精神力を削っていく。死角からいきなりモンスターに襲われることもあるかもしれない。そうしたイレギュラーにも確実に対処していく必要がある。いつも計画通りに、予定調和でいくとは限らない。
絶対に集中を切らさないという張り詰めた緊迫感の中、私たちは進んでいった。数体のゴブリンを倒し、やがて16階層へ降りる階段へ到達する。
階段を降りると道は左右に分かれている。ダンジョンデバイスのナビゲーターが指し示す通りに左の道を選び、しばらく歩いて曲がり角から部長が先を覗き見る。
「ゴブリン2体、コボルド1体。3体同時はやっかいだ……」
呟く部長に、椎名さんが訂正を入れる。
「天井にジャイアント・スパイダーが2匹」
ちゃんと見れば見落とすことはない。巨大な蜘蛛だ。
万が一にも気づかずに下を通れば、頭の上から落ちてきただろう。
「ごめん、見落とした。5体か……。ジャイアント・スパイダーは弓で落とすか……。1対1の戦闘に持ち込むしかないな」
一番良くないのは混戦になって仲間のサポートができないことだ。
私は自撮り棒の先に装着していたデバイスを外し、肩に取り付ける。
「私も参戦します」
私の言葉には部員たちがいっせいにこちらを見た。
「いやいや、春菜さんを危険にさらすわけには。別のルートを選択することもできるわけですし」
「そんなに強い敵じゃないです。このくらいは倒せないと」
正直に言うと、見ているばかりだったので戦いたくてうずうずしていたのだ。
ゴブリンソードはせっかく5000DPで買ったのに、まだ一回も使っていない。これがついに日の目を見ることになる。
「守れるであろうか……」
「いや、守らなくちゃいけないんだよ」
不安そうに言う石田さんに、部長の返答。
軽く打ち合わせをして、戦闘が開始する。
葛城さんと椎名さんが弓矢を撃ち、2本ともそれぞれのジャイアント・スパイダーに見事命中した。
ジャイアント・スパイダーはもがきながら地面へと落下し、同時に私たちは駆けた。
全員が剣を手にし、それぞれの担当モンスターへと向かう。
私と部長はコボルドだ。
犬を2足歩行にしたようなこのモンスター。ゴブリンよりもやや知的で素早さもあり、腕力も高い。
左右方向に別れた私と部長に、コボルドは目標を定めることができなかったようだ。手に持った剣を手にしながら、首を左右にふる。
部長はコボルドの頭をかち割ろうと垂直に剣を振り下ろした。私はコボルドの左足を狙う。
刀身の短いゴブリンソードは扱いが難しい。軽いステップで左足を切り落として、そのまま胴体を真っ二つにする予定だったのだが、足を切り落とすだけに留まる。切れ味が悪いのだ、この剣は。
部長はコボルドの頭を叩き割ろうとしたが、石頭のコボルドはまだ生きている。抵抗しようと剣を振り上げたので、私はその右腕にゴブリンソードを突き刺した。もう少し剣に切れ味があれば腕ごと切り落としていた。
持っていた剣を落としたコボルドに対して、ゴブリンソードをすぐに引き抜き、今度は心臓めがけて突き刺す。さすがにこれでコボルドは絶命した。
ほかの部員はというと、苦戦しながらもそれぞれのモンスターを倒していた。
だが、さすがに無傷というわけにはいかない。
私と部長以外の4人の部員はそれぞれに切り傷などを負っていた。
「なんとか……倒せたでござる……」
石田さんはその場にへたり込む。
傷を負った部員たちは各自ポーションを使って回復を待っている。
時間が経てば傷を完全に治してくれるが、そこまで待つつもりはないようだ。
5分程したら部長がみんなに声を掛けた。
「さあ、先へ行こう」
部長が促し、部員たちが立ち上がる。
そこからほとんど休憩もなく、18階層、19階層へとルート通りにたどっていった。
やがて、下へ降りる階段を発見し、無事に目的地である20階層へと到達した。
ここまでで最も強いモンスターはオークだった。
豚の顔をしたオークは非常に強い攻撃力で私たちを襲ってきた。
だが、連携がとれているダンジョン部の敵ではなかった。
最も苦戦したのはゴブリン2体、コボルド1体、ジャイアント・スパイダー2体の合計5体を同時に相手にした戦闘だった。やはり数が多い相手には手こずることになる。
そして私たちはオーガの間と呼ばれる部屋の前までやってきた。
ここは天井が高い。
見上げるほどに大きな扉は複雑な装飾が施されている豪華なものだった。
「やっと、たどり着いたね」
「この扉を姫に見せたかったのである」
部員たちは感慨深そうに扉を見上げている。
「この向こうにオーガがいるのであるな」
石田さんが興味津々に言うと、部長は釘を刺す。
「戦わないからね。僕たちでは絶対に倒すのは無理なんだから」
「扉を開けてしまったらどうなるのであるか?」
石田さんが問いかけた。
最短経路でシューターを通り、私たちは15階層へとやってきた。時間にしたら20分もかかっていないだろう。
空気がとても冷たい。洞窟内は静まり返っているが、時々岩が転がるような音が聞こえてくる。上層とは違い、ここは張り詰めたような緊迫感がある。話す声も必然的に小さくなる。
私たちは囁くようにか細い声で会話をする。
部長が他の部員に話しかけた。
「き、来ちゃったね。15階層」
緊張感が全員に伝わっていた。
「そ、そうでござる」
「ゆ、油断は禁物である」
「静かに行くのである」
私は少し後方からデバイスで撮影をしている。
能力制限の腕輪の能力を確認する。
この階層では私のレベルは20相当に制限されている。
これはダンジョン部の部員たちとほぼ変わらない能力のはずだ。
リミッターはいつでも解除できる。万が一、危険が迫れば即座に対応はできる。
「ここからは二足歩行のモンスターも増えてくる。ゴブリン、コボルド、そして強敵はオークだ」
部長は説明するが、部員は誰もが知っている情報だった。
「注意点としては絶対にモンスターを集めないこと。遭遇した順番に、確実に仕留めていく。もしもモンスターを集めてしまったり、あるいは誰かが集めてしまったモンスターに遭遇したら、そこで今回の探索は終了。即撤退。いいね?」
私を含め、部員の全員が無言で頷く。
私は数学の先生がチョークに刻んでいた文字、「PK」のことが気になっていた。
あれからPKについて調べたが、PKとはプレイヤーキラーのことだった。ハンターが他のハンターを殺して金品を奪う行為だ。
だが、直接PKを行う者はほとんどいない。なぜなら自らの危険性も高いからだ。
可能性としてあるのはMPKと呼ばれる行為だ。モンスターを集め、他のハンターを襲わせることだ。証拠が残りにくいこともある。
だが、上層においてはこれも自らの危険性が高く、現実的ではない。
部長が口元に人差し指を当てた。声を出すなという意味だ。
「さっそく、ゴブリンのお出ましだ。それじゃあ、打ち合わせ通りに」
私たちは行動を開始する。
まだゴブリンはこちらに気づいていない。
子供の背丈ほどの子鬼は細い棍棒を手にしている。鎧のような防具は身につけていない。薄手の布をまとっているだけだ。
部長がゴブリンに向かって大盾を構える。その後ろには葛城さんが弓を手に待機する。男性にしては細い腕で、あまり筋肉はなさそうだ。その腕で弓の弦を引き絞った。
ヒュウ、と風切り音を立てて矢が飛ぶ。ゴブリンには命中せず、足元の地面に刺さった。こちらを向いたゴブリンは部長が視界に入ったようだ。まっすぐと向かってきた。
石田さんと九条さんが洞窟の壁に張り付くように立っていた。動きを止めて気配を殺しているため、ゴブリンには気づかれていない。
真横を通り過ぎようとしたと同時、左右から一斉に斬りかかった。石田さんは首を、九条さんは足を狙った。
ギギャッと、わずかに悲鳴にも似た声だけを残して、ゴブリンはあっさりと討伐される。
「て、手汗をかいたでござる……」
石田さんが長剣に付いた血を払いながら言った。
「さあ、次。いくぞ。のんびりしている時間はない」
部長の指示で、洞窟を進んでいく。端から見たら何の問題もない戦闘かもしれない。それほど強くはないモンスターを確実に仕留めているように見える。
だが、わずかな失敗が死につながることもある。
失敗を許されない戦闘は精神力を削っていく。死角からいきなりモンスターに襲われることもあるかもしれない。そうしたイレギュラーにも確実に対処していく必要がある。いつも計画通りに、予定調和でいくとは限らない。
絶対に集中を切らさないという張り詰めた緊迫感の中、私たちは進んでいった。数体のゴブリンを倒し、やがて16階層へ降りる階段へ到達する。
階段を降りると道は左右に分かれている。ダンジョンデバイスのナビゲーターが指し示す通りに左の道を選び、しばらく歩いて曲がり角から部長が先を覗き見る。
「ゴブリン2体、コボルド1体。3体同時はやっかいだ……」
呟く部長に、椎名さんが訂正を入れる。
「天井にジャイアント・スパイダーが2匹」
ちゃんと見れば見落とすことはない。巨大な蜘蛛だ。
万が一にも気づかずに下を通れば、頭の上から落ちてきただろう。
「ごめん、見落とした。5体か……。ジャイアント・スパイダーは弓で落とすか……。1対1の戦闘に持ち込むしかないな」
一番良くないのは混戦になって仲間のサポートができないことだ。
私は自撮り棒の先に装着していたデバイスを外し、肩に取り付ける。
「私も参戦します」
私の言葉には部員たちがいっせいにこちらを見た。
「いやいや、春菜さんを危険にさらすわけには。別のルートを選択することもできるわけですし」
「そんなに強い敵じゃないです。このくらいは倒せないと」
正直に言うと、見ているばかりだったので戦いたくてうずうずしていたのだ。
ゴブリンソードはせっかく5000DPで買ったのに、まだ一回も使っていない。これがついに日の目を見ることになる。
「守れるであろうか……」
「いや、守らなくちゃいけないんだよ」
不安そうに言う石田さんに、部長の返答。
軽く打ち合わせをして、戦闘が開始する。
葛城さんと椎名さんが弓矢を撃ち、2本ともそれぞれのジャイアント・スパイダーに見事命中した。
ジャイアント・スパイダーはもがきながら地面へと落下し、同時に私たちは駆けた。
全員が剣を手にし、それぞれの担当モンスターへと向かう。
私と部長はコボルドだ。
犬を2足歩行にしたようなこのモンスター。ゴブリンよりもやや知的で素早さもあり、腕力も高い。
左右方向に別れた私と部長に、コボルドは目標を定めることができなかったようだ。手に持った剣を手にしながら、首を左右にふる。
部長はコボルドの頭をかち割ろうと垂直に剣を振り下ろした。私はコボルドの左足を狙う。
刀身の短いゴブリンソードは扱いが難しい。軽いステップで左足を切り落として、そのまま胴体を真っ二つにする予定だったのだが、足を切り落とすだけに留まる。切れ味が悪いのだ、この剣は。
部長はコボルドの頭を叩き割ろうとしたが、石頭のコボルドはまだ生きている。抵抗しようと剣を振り上げたので、私はその右腕にゴブリンソードを突き刺した。もう少し剣に切れ味があれば腕ごと切り落としていた。
持っていた剣を落としたコボルドに対して、ゴブリンソードをすぐに引き抜き、今度は心臓めがけて突き刺す。さすがにこれでコボルドは絶命した。
ほかの部員はというと、苦戦しながらもそれぞれのモンスターを倒していた。
だが、さすがに無傷というわけにはいかない。
私と部長以外の4人の部員はそれぞれに切り傷などを負っていた。
「なんとか……倒せたでござる……」
石田さんはその場にへたり込む。
傷を負った部員たちは各自ポーションを使って回復を待っている。
時間が経てば傷を完全に治してくれるが、そこまで待つつもりはないようだ。
5分程したら部長がみんなに声を掛けた。
「さあ、先へ行こう」
部長が促し、部員たちが立ち上がる。
そこからほとんど休憩もなく、18階層、19階層へとルート通りにたどっていった。
やがて、下へ降りる階段を発見し、無事に目的地である20階層へと到達した。
ここまでで最も強いモンスターはオークだった。
豚の顔をしたオークは非常に強い攻撃力で私たちを襲ってきた。
だが、連携がとれているダンジョン部の敵ではなかった。
最も苦戦したのはゴブリン2体、コボルド1体、ジャイアント・スパイダー2体の合計5体を同時に相手にした戦闘だった。やはり数が多い相手には手こずることになる。
そして私たちはオーガの間と呼ばれる部屋の前までやってきた。
ここは天井が高い。
見上げるほどに大きな扉は複雑な装飾が施されている豪華なものだった。
「やっと、たどり着いたね」
「この扉を姫に見せたかったのである」
部員たちは感慨深そうに扉を見上げている。
「この向こうにオーガがいるのであるな」
石田さんが興味津々に言うと、部長は釘を刺す。
「戦わないからね。僕たちでは絶対に倒すのは無理なんだから」
「扉を開けてしまったらどうなるのであるか?」
石田さんが問いかけた。
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