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第三章
順位
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「......は?」
掲示板に張り出された結果を見に、生徒同士がようようと集っていき凝固していく。
現代文の僅かな減点、数学以外、間違えがあるとは思っていなかった。
1位 768点
圧倒的な差をつけて君臨している。
だが、何回見ようと1位は全く別の人物。
1位 768点 透百合礼華
そして2位に678点で藤桜の名前が書かれている。
本来藤桜の名前があることは驚くべき、褒めるとこなのに全く思考が追いついていない。
また左の用紙にはそれぞれの満点を取った生徒の名前が記されている。
透百合の名前が独占しているだけだ。
俺の名前を探すと、真実を飾るように酷く記されていた。
400位 茜澤拓真 0点
意味のわからない結果を目の当たりにし、尚更何も考えられなくなる。
名前は書き忘れてはいない。
解答用紙のズレがないか、計算ミスなどないか充分に確かめた。
理由がわからない。佇んだまま動かなくなった俺の体は密集に簡単に軽く弾かれた。
呆然としたまま教室に戻ると、席には三人の姿があった。
「どういうことだよ」
「ほら言ったでしょ。また口だけで勉強なんて一切してないじゃん」
「違う」
「何も違わないだろ?結果が出てんだ。もう終わったな」
「...なら樫谷と藍水はどうだったんだ?」
せめてもの反論にしては弱いものだった。
「俺は250位だ」
「...アタシは380位...」
「そうか」
やはりこいつらが言えるような立場ではない。結局マイナスになるわけなのだ。
なぜ200位より下を取って俺を責めることができるのだろう。
そんなことを言ったら喧嘩になるだけ。
俺抜きとして考えるならば、藤桜が2位なので950ポイント。
誤採点もあるためまだ実際にはわからない。
この現在時点で900ポイントのプラスだ。
樫谷と藍水のマイナスは決まりだが、280位ならまだ樫谷のマイナスは大きくはない。
藍水も900ポイント以上マイナスされることはないが、もし赤点を取っていたならばかなり危機的ではある。
否、どんなに考えても俺が0点で最下位の限り、結果は分かっていた。
掲示板に張り出された結果を見に、生徒同士がようようと集っていき凝固していく。
現代文の僅かな減点、数学以外、間違えがあるとは思っていなかった。
1位 768点
圧倒的な差をつけて君臨している。
だが、何回見ようと1位は全く別の人物。
1位 768点 透百合礼華
そして2位に678点で藤桜の名前が書かれている。
本来藤桜の名前があることは驚くべき、褒めるとこなのに全く思考が追いついていない。
また左の用紙にはそれぞれの満点を取った生徒の名前が記されている。
透百合の名前が独占しているだけだ。
俺の名前を探すと、真実を飾るように酷く記されていた。
400位 茜澤拓真 0点
意味のわからない結果を目の当たりにし、尚更何も考えられなくなる。
名前は書き忘れてはいない。
解答用紙のズレがないか、計算ミスなどないか充分に確かめた。
理由がわからない。佇んだまま動かなくなった俺の体は密集に簡単に軽く弾かれた。
呆然としたまま教室に戻ると、席には三人の姿があった。
「どういうことだよ」
「ほら言ったでしょ。また口だけで勉強なんて一切してないじゃん」
「違う」
「何も違わないだろ?結果が出てんだ。もう終わったな」
「...なら樫谷と藍水はどうだったんだ?」
せめてもの反論にしては弱いものだった。
「俺は250位だ」
「...アタシは380位...」
「そうか」
やはりこいつらが言えるような立場ではない。結局マイナスになるわけなのだ。
なぜ200位より下を取って俺を責めることができるのだろう。
そんなことを言ったら喧嘩になるだけ。
俺抜きとして考えるならば、藤桜が2位なので950ポイント。
誤採点もあるためまだ実際にはわからない。
この現在時点で900ポイントのプラスだ。
樫谷と藍水のマイナスは決まりだが、280位ならまだ樫谷のマイナスは大きくはない。
藍水も900ポイント以上マイナスされることはないが、もし赤点を取っていたならばかなり危機的ではある。
否、どんなに考えても俺が0点で最下位の限り、結果は分かっていた。
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