死神の館の主様

XX GURIMU

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力不足

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 思い当たる節はあった。
 殺人者に対抗することができなかったのも使用制限があったから。
 もしかしたら、じいやが何か教えてくれるかも。
「……その顔ではまだわかっていないようですね」
「えっ?」
「いいでしょう。続けますよ」
 剣を再び手にしたじいやが踏み込んでくる。
 今度は大振りで簡単に避けることができる。
 だが、想像もつかない攻撃が来るかもしれない。
 もう一度、ブラックホールを使い剣を止めた。
「やはり、そうするのですね」
 鋭いけりが繰り出された。
 僕は腕を交差して受け止め、後ろに後ずさる。
 矢継ぎ早に襲い掛かってくる蹴り技を抑えることができず、専守防衛で防ぎ続けた。
「おや、引き寄せる力が弱まっていますよ」
 意識を防御に回し続けたせいかブラックホールが小さくなっていた。
 じいやはそれに気づくとすぐに力を込めて、ブラックホールを引きはがして切りかかってくる。
(まずい……間に合わない!)
 なにをしようともくらってしまう。
 ここで死んでしまうとどうなるのかという考えがよぎり、目を瞑ってしまった……。
 その後、いつまでたっても切り裂かれる感覚は無く、目を開けるとギリッギリのところでじいやの剣は止まっていた。
「残念です。これではお嬢様を守るには力不足すぎます……」
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