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伝令兵

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 ~~~姫が地下室にくる数日前~~~

 私の名前はシノ この国が建国されたころは得意の魔法で戦場を駆け巡る戦士だったのだが、現在は城の警備と姫様への伝令を主に仕事している。
 あの頃の私は敵の大将をとったりと武勇に優れていたのだが、今では怪我をして剣を振ることができなくなってしまった。
 エルフ王国が創立した頃は敵が多く、そのことがきっかけでよく団長や女王様と会う機会が多かったが、今ではすっかり平和になってしまい、怪我のことも相まって話すことがなくなってしまった。
 それでもあの人たちは私のことを覚えてくれるのか。いきなり、姫様付きの伝令兵に昇格されたり城の警備を一任されたりと任命されることが多かった。
 そして、今では姫様も立派になり、伝令兵としての役目は月一度あるかないかだ。

「ふあーぁ」
「こーら、やめなよ」

 真横でともに歩いていた同僚のユウキが私のあくびを注意する。
 ユウキは最近引っ越してきたハイエルフの移住者であり、気のいい同僚だ。
 言葉遣いが少しボーイシュなため、面接では姫様に叱られていたが結局は治らずに姫様があきれ果てていた。
 よく、城下町のギルドで酒を飲んでいるの見かけては話しかけて、敬語がなくなったのはつい最近だ。
 距離が近くなったみたいで上司の私としてはうれしく思う。

「だって、ここまで平和だと居眠りしたくなるよ。少しぐらいあくびしても姫様は怒らないよ」
「気の持ちようだよ。しっかりとここを守るんだって思っていればあくびなんて出ないよ」

 そういって、ユウキは鉄のプレートで隠されているほぼ無いに等しい胸を張る。
 どや顔のところ、申し訳ないが私は顔を見つめてしまった。ぶっちゃけると間抜け面だけど、愛しさを感じる。
 実は私はユウキのことが恋愛対象として見てしまっている時がある。
 最初のころは世話を焼いていただけなのだが次第にこの気持ちは恋ではないかと思い込んでしまうとそこからは急転直下だった。
 ポーカーフェイスは得意なのでユウキには気づかれていないが、いつかはこのことを打ち明けようと思う
 エルフ王国では女性しかいないため、別に何も問題はない。これが、故郷とかだととやかく言われるのだろう
 そんな考えをしていると視界の端に人が城に入って行くのを見つけた。
 桃色の長髪をなびかせてひどく扇情的な服装を身につけて怪しい。

「ユウキ。今日って誰か面会の予定あったけ?」
「え? 何と思いますけど。それならシノ先輩の方が詳しいじゃないですか?」

 ユウキのいう通りだ。姫様の予定は一応、場内にいる者たちにはある程度伝えられ、その中でも私は姫様に直接言いに行くためよく覚えている。
 そんな私の記憶に引っかかりもしない来訪者。もしかすると急の来客かもしれないが足音を聞くに城の地下へと入っていった。
 一度、気になってしまうと忘れることができず、戦場を駆け巡っていた時の血が騒いできた

「ちょっと様子を見にいこう」
「はい」

 ―――カツン。カツン

 二人分の足音を立てて、私たちは城に地下に潜っていた
 今のところ様子がおかしいところがないため油断することができない
 ユウキは緊張をしているのか口数がなくなり、私の腰にしがみついていた

「せ、先輩」
「静かに。まだ、いないと決まったわけじゃない」
「で、でも、怖いです。この先には何もないし、もう戻りましょうよ」
「ダメよ。確かに今のところは異変がないけど、もしこの場所に敵が潜り込んだらなにをするか」

 少し開けた場所にたどり着いた。その時、後ろから声が聞こえた。

「あら、なにかしちゃダメなのかしら」

 私はその声が聞こえた瞬間、鎧の合間に仕込んでいたナイフを投げつけるが壁に当たる音がするので外れたみたいだった。
 声の主の姿を見ると、マイクロビキニのように秘部しか隠さない衣装を身に舞っている。背中には蝙蝠(こうもり)のような羽を生やして微笑を浮かべている。
 このような種族を相手にするのは初めてだが、女性でその姿は一つだけ思い当たるものがある。
 サキュバスだ。普段は男性の精液を糧として生きるはずの彼女がなぜこの場所に現れたかはわからない。
 私はじっと相手の目を見つめるとほんの一瞬だけ、その顔に見とれるが気を取り持ち直して警戒する。

「野蛮ね。いきなりだなんて」

 ひらひらと手をふって余裕の行動を見せる。
 そもそも、サキュバスには神聖の魔法が有効だ。だが、今は場所が悪い。この地下には外の結界とは別にもう一つ、結界が張られており魔法の発動を確認すると結界の効果で魔法が強制的に封印されてしまう。
 こうなってくると手は一つだけだ。

「ユウキ! 上に行って助けを呼んできて!!」
「わ、わかりました!!」

 こっちには仲間がいる。
 ユウキの後を追わせないために道を防いで、ナイフを構える

 そんなときだった

「これでいいですか!?」
「はへっ!?」

 突然、ユウキが私の鎧に手をかけて、勢いよく留め具を外していく
 見事な手際で私は鎧を脱がされて下着姿をさらしてしまう
 変な声がでて、私は思わずナイフを手放して下着を隠す

「ユウキ 何するの!?」
「え? だって、今言ったじゃないですか」

「「ユウキ! 私の服を脱がして!!」って」

「そんなこと言って―――」

 言葉を思い出そうとする。その時、サキュバスと目が合い、一瞬意識が飛んだ。
 えーと、何を言おうとそうだ。ユウキを怒って、あれなんで怒るんだっけ。だって、私は

「言ったわね」

 瞬時に冷静になり、思い出す
 そうだ、サキュバス相手にスピードではかなわないと思ったから脱いで軽くしようと思ったんだった
 ユウキは私の言葉に従っただけで悪くない。これは私が悪かった

「ですよね? じゃあ、下着も取りますよ」
「んっ」

 ユウキにバラの模様が入ったブラとショーツを脱がしてもらう
 プルンと豊満な乳が顔を出し、縦に揺れるとサキュバスがしっかりとこちらを見ていると視線を見切った
 ショーツを脱がしてもらう際には私はなまめかしい声をわざと出して、誘惑する
 これで準備万端だ

「くらいなさい。サキュバス! あなたの弱点はこれよ!!」
「あら、何かしら。怖いわね」

 私は距離を置いて、胸を橋梁するようなセクシーポーズをとる
 正直、とても恥ずかしいがこれでサキュバスは顔を真っ赤にして動きが止まるはずだ
 しかし、サキュバスは面白そうに笑うだけで聞いていない
 どうやら、見たい場所は胸ではなくお尻のようだ。私はお尻を前に出してさらに誘惑するポーズをとったが、効果がないみたいだ

「なぜ、効いてないの?」

 どうして、こいつには効いていないんだ? 本で読んだ内容にはサキュバスには裸体を見せつけるのが効果的―――そこで、違和感が生まれる
 何かがおかしい。私の戦場の感がそうつぶやいている。そうだ、そう思った時には、ガリッと私は唇の端を血が出るまで噛んだ
 何とも言えない血の味を確認して、改めて現状を見つめなおす

「そういうことね」
「先輩! 大丈夫ですか?」
「ユウキ、近寄らないで」

 私は自身の恥ずかしいところである胸を片手で隠したながら、床に落ちたナイフを持ち直して、警告する。
 サキュバスの胸を見ながら、対峙するとサキュバスが面白うそうに笑っていた

「へぇ、いいじゃない。簡単には堕ちないんだ」

 恐らくはこの言葉にすら、答えてはならないだろう。
 私とユウキは恐らく、サキュバスの催眠術か何かにかかっているみたいだ。
 痛みと大嫌いな血の味を認識することで私は少しだけ正気に戻っている。
 裸なのは恥ずかしいが、少しでも隙を見せるとやられてしまうと本能が訴えている。

「へえ、いいわね。あなた。そうなんだ」

 サキュバスが独り言をつぶやいている。
 しっかりとその言葉が聞こえたが何を意味するかは考えなかった。
 私はしっかりと魔物の胸をみていると魔物が急に自分の胸をこね始めた。

「あなたにはこれがいいみたいね」

 そういって、凝視していた胸から一つの白濁職の小瓶を上から取り出した。
 なまめかしく動く胸を見て、私は動けずにそれどころかもっと見たいと心の片隅で思った。
 見せつけるように小瓶を振り、魔物は言った

「これね。親友からもらった催眠薬で飲むと少しの間だけ、目を合わせた人を操ることができるのよ」

 その言葉に衝撃を受けてしまう。今は相手の話を聞いてはいけないと思っているのに聞き入ってしまった
 いや、それどころかその言葉を何度も頭の中でつぶやいて、さらにはよこしまな考えが頭によぎってしまっていた。

(だめ、考えたらだめ……)

 それを使えばユウキとイチャラブすつことができるじゃないのか?と否応にも考える
 気が付いた時にはサキュバスから目を放して、ユウキの体をじっとりと見つめていた

「せ、せんぱい。どうかしました?」

 いつの間にか下着姿になっていたユウキはその小ぶりな胸を腕で隠す。隠しきれない隙間からはピンク色のいつも風呂に入る際に見慣れている形状が今はとてもいやらしく見えた
 ボーイッシュな髪形に、幼い顔の造形。何度も私を魅了してきた唇からはもう目が離せない

「使う? いいわよ。まだストックはあるし」

 その声を耳元でつぶやかれる。魔物はいつの間にか後ろから私に抱き着いていて、目の前で小瓶を揺らされた
 そして、そっと、私の胸にそっと乗せた。
 胸から転がり始めた小瓶を慌ててナイフを捨てて、両手でキャッチする。

「大丈夫よ。私が教えてあげるから」
「ふう、ふうう」

 呼吸が荒くなっていた。もう頭の中ではユウキをどうやって犯すかしか考えれなかった
 キュポンと小瓶を開けて、グイッと口の中に流し込む
 それはこの世にあるとは思えないほど甘く、へばりつくかのように喉に残った
 少し、せき込んで胃に落とすとすぐに効果が表れて、高鳴る鼓動が私を突き動かした

「ユウキ。裸になって」
「せんぱい。わかりました」

 ユウキの目をしっかりと見て命令をした



 どこで覚えたのか、天然なのか。ユウキが下着を脱ぐのはゆっくりとそれでいて見せつけるかのように目が離せなかった
 恥ずかしいのか大事なところを腕で隠して、顔を真っ赤にしてうつむいている
 そんな彼女の腕をどかせて、私は押し倒した
 もう、我慢なんてすることができない
 酔っぱらって何度も何度も我慢してきた私はこれは当然の報酬だと思い込んで、ユウキのつつましやかな胸を両手で触る

「きゃ!」

 いちいち言動がかわいい。いつもの男らしい雰囲気などは消え失せて、代わりそこにいたのは触れれば壊れてしまいそうな少女だった
 1揉み2揉みするごとに彼女の唇からは耐えきれない快楽の声が聞こえる

「ユウキ。キスするわよ」

 返事なんて待たずに強引に私は唇を奪った
 彼女の口は柔らかく、とろけてしまいそうだ
 私は呼吸をするのも忘れて押し付けていた

 「そろそろ、放した方がいいわよ?」とサキュバスの声が聞こえて、言われたとおりにした
 お互いに息を荒げながら、ユウキはうつろな目をしている
 恐らくは私も同じような目をしているのだろう
 私は自分の乙女の一番大事なところに手を伸ばしたいじくる。ユウキは口に手を当てて我慢しようとするが快楽には抗えず、声が漏れていた
 気が付くとユウキからあふれだしたのか愛液が床に水たまりを作るほどにこぼれていた
 思わず、どんな味がするのだろうと私は彼女の股間に顔を近づける

「せんぱい……ダメです」

 どうやら、催眠が切れてしまったみたいで頭を手で押さえられる
 もう、何も我慢することができない私は命令するために再び、ユウキの目を見つめる

「ユウキ……命令よ」
「や、だめ」
「私を受け入れて」

 そう命令すると手の力はなくなり、私は彼女の大切なところをなめる
 汗のように塩辛いような、それでいてどことない甘みを感じる

「はぅ、せん・・・ぱい」

 ユウキの声はもう私には届かなかった
 なめるたびにあふれ出してくる愛液に夢中になってしまう
 ああ、今まで我慢していたのが嘘のようだ
 私は全身を支配する欲望に身を任せて、彼女の体をじっくりと味わう


 もう私の頭の中にはサキュバスのことなんて消えていた

 それから、どれくらいの時間がたったのだろう
 疲れ果てて動けなくなってしまった私たちは重なり合って倒れこんでいた
 ユウキは最期には気絶してしまい、それを境に私も脱力感に襲われてしまった

「あらあら、やっぱりいいわよ。あなたたち、私の想像以上にやってくれたわ」

 サキュバスはまた胸から怪しいものを取り出した
 外見は小さなハートマークの刺繍が入ったピンクの巾着袋だが、中身が私には気になった
 先ほどまで私の体を支配していた興奮は消え伏せて、かといってこの国のために何かしようというきもなかった
 あるのはただの好奇心。思考が定まらない中で、ふと目に入っただけだ

「さてと、とりあえずあなたたちはこっちやってと」

 袋とは逆の手をこちらに向けて、何かをつぶやき私とユウキの体はサキュバスと位置が交換した
 これは空間魔法の一種で、基本的には道具と道具を入れ替える魔法だと私は考える

「さてと、いい感じになってほしいわね」

 サキュバスは巾着袋から砂のようなものを指でつまんで、私たちの水たまりに振りかけた。
 水を吸った砂はみるみる大きくなり、一つがマシュマロぐらいまで大きくなっていた。

「やば、いい感じだけど。これは増殖までしちゃいそうね」

 胸を上下にサキュバスは揉みこむと下から植木鉢が顔を出す。
 両手でそれを引っこ抜いて、足元に広がるマシュマロを一つずつ丁寧に植木鉢の中に入れ始めた。

「アンリ。来てくれるといいのだけど」

 そう少女のような笑顔でサキュバスは笑った。
 魔物は植木鉢を割れ物を扱うかのように丁寧に床に置き、私たちの前に立った。

「シノだったわね。あなたたちのおかげで面白くなってきたわ。そのお礼に私の中に案内してあげる」

 そういうと魔物は覆いかぶさるように翼を広げて私たちを包み込んだ。



 目を覚ますとそこはラブホテルのようなピンクでいかがわしい雰囲気を醸し出している部屋でそのベッドの上にいた。
 ふかふかで何人もがおれるような大きなサイズで、その上で私とユウキは寝ていたみたいだ
 ほどなくして、ユウキが目を覚ます。

「あれ? 先輩だ?」
「……おはよう。ユウキ」

 私は彼女の顔をまともに見ることができず、背中を向けて挨拶をした
 ユウキの声を聴くとさっきまでのこと思い出してしまい、顔を真っ赤にしてしまう

「どうしてそっち向くの?」
「い、いや。だって」
「ん? ああ、私が裸だからか。ちょっと待ってね。すぐに服を着るから」
「えっ?」

 ユウキはそういって近くにあるクローゼットを開けて、服をいくつかベッドの上に持ってきた
 どこか手慣れているようなしぐさに私は疑念を持ってしまう
 そんなことを全くユウキは気にせずに続ける

「んー? 黒か白か。いや、今日は赤の気分だけど。シノ。どっちを私に着てほしい?」
「えっと、じゃぁ……赤が似合うと思う」

 下着を手に取って、問いかけられる
 どの下着もいつもユウキが着るには縁がなさそうな扇情的なデザインをしている
 どれも似合いそうだが、私は青を着ることが多いことから赤を選んだ

「そっか。先輩はこれを脱がしたいのか―――よく見ててね」

 そういって、見せびらかすようにユウキはショーツをはく。
 立ちながら履く踊り子のようなしぐさに私は目をそらせなくなっている。
 ブラをつける時も、一度は私に背を向けてからと優雅に私を誘惑する。

「これでよし。あ、先輩はこれを着させてあげるからこっちに来て」
「え、いや、自分で着るから」
「いいから。お願い」
「ん。わかったわ」

 お願いされたら仕方がないと思い、ベッドから出た。
 ユウキが着せやすいように両手を伸ばして、大きく開ける。
 ブラをつける際に私の胸を何度も揉みこんできたが気持ちいいので問題ない。
 さらにはショーツを履かされたときはちょっととした子供にでもなった気分だった。

「はい、似合ってますよ。そうだ。これもやっておきますね」
「それは?」
「これは友人が作った魔力の筆です。これでリラックスできる紋をかけば気持ちいいですよ」
「いや、私にはいらないよ」
「お願い。先輩♪」
「……仕方ないな。好きにしていいわ」

 そういうとユウキは笑顔で私のおなかに文字を描く
 さわさわと筆自体の感触が気持ちよく、なんだかいけないことをしている感じがしてきた
 触れるというかどちらかというとなめられるような感触だなと思った
 そうして、ボワッと私のおなかに大きく描かれた紋が光りだす

「よし、書くのは初めてだから緊張したけどうまくいきました」
「へえ、ん。確かに気持ちいい」

 私は全身に走るかゆみにいたまどろむような快楽を味わう
 それと同時にユウキの体をまた見てしまう
 もう一度だけならいいじゃないかと思うが、催眠薬は手元にない
 どうすればいいと考えてることもできず、ふと気になったこと聞いてみた

「ユウキ。これ、なんの紋なの?」
「悦楽奴隷の淫紋ですよ。刻まれたら最期、死ぬまでその人の性奴隷になれます」
「……うそ」
「本当ですよ。だって先輩、もうHことしか考えられないですよ」
「ユウキ、なんで……」
「大丈夫です。大事にしますよ、さっきのように衝動に身を任せるんじゃなくてしっかりと私は愛をもってじっくり調教しますから」

 「私好みに」とユウキは付け加えた言葉を私は頭の中で何度も反復する
 どんな風に私を調教するのか楽しみで仕方がない
 体が熱くなり、私は自分の体を抱きしめるとその上からシノが抱き着いてきた
 そして、そのまま引っ張るように椅子に座らせた

「先輩。股を開いてください」
「くっ」
「そう、いいですよ。これからこのローターを当ててあげますからしっかりと座って感じてください」
「わかりました」

 はあはあと息を荒げながら、震えるローターを待つ
 ユウキは焦らすようにゆっくりゆっくりと私の股に近づけてくる
 そして、触れた瞬間に私の体は魚のように震えあがった

「は! あうぅ!!」
「しっかり感じてますね。えらいえらい」

 ローターを押さえつけているとは別の手で頭をなでられる
 その手でなでられた途端、すごくぞわぞわとする感覚が引いていく感じがし、代わりに甘い快楽が私を愛してくれる
 無様にもよだれを垂らしているが、どうでもいい。それよりももっともっとほしい

「はい。ぐりぐり~ぐりぐり~」
「はぅぅ!!」

 視界にバチバチと火花が散るのが見える
 最高だ。ユウキは私がしてほしいことをやってくれる
 私は腰をローターにさらに近づけて、さらなる未知の感覚を求めるが

「こら、ダメですよ。先輩。調教なんだから」
「ううぅ」

 怒られてしまったが、だが今はそれすらもいいと思った



「さて、お仕置きしても喜んじゃいそうな先輩にはとっておきのやり方があります」
「な、なんなの」
「無視しても、痛みも与えてもダメな人にはいっそのことよりすごいやつで依存してもらいます」
「す、すごいやつ」

 ごくりとつばを飲み込んだ。一体どんなお仕置きをされちゃうんだろう
 期待に目を輝かさせて、ユウキの動きを見逃さないよう観察する
 ユウキはクローゼットから先に宝石が付いている杖を取り出した
 それを私に向けると先端に魔力を込めて光らせる

「感じて、喜んで、刻んでください」
「は、はぅ、ひぐっっ!!?」

 光った宝石に反応して淫紋がバチバチと輝き、一筋の雷を帯びた蛇が私の皮膚を這いつくばる
 その動きの速さは早く、足元まで行ったと思えば気が付けば胸の先端をなめるように動き回る
 その行動一つ、また一つ動くたびに私は達してしまう

「ユ、ユウキ。これ、あぅ、やばい」

 許容オーバーな快楽に私は正気に戻っていた
 死を覚悟してしまいそうな、この感覚が怖い
 「助けて」と声がでず、涙を流して手を伸ばし、懇願する
 そんな私を見て、ユウキは

「あー。淫紋を蛇に変身させたから思考誘導が解けちゃいましたか。しかも、正気に戻って催眠もですか。まあ、いいです。もしかするとそっちの方が好都合かも」
「は、早く。たす、けて」
「はい。すぐに」

 ユウキの持っている杖が光りだし、蛇が私の体から離れる
 そのことにほっとした私し、べとべとした椅子が気持ち悪いが足に力が入らず、椅子から立ち上がることができない

「それじゃ、シャワーの準備してきますからちょっとまっててください」

 そういってユウキはドアを開けて出て行った
 部屋にはシャワーを準備する音がかすかに聞こえるだけとなり、私はぼーとしていた

 それからしばらくしてユウキに肩を借りてシャワーを浴びる
 先ほどまでべたべたしていた体はつやつやとなり、髪を洗ってくれるユウキはとても楽しそうだった
 そんな中で私は思っていた

(もうこれがずっと続けばいいのに)

 このままではいけないと考えながらもこの幸せを手放したくなかった
 サキュバスが現れてからとても幸せだ
 もう、もやもやしていた気持ちなんてどこかに飛んで行ってしまっている
 今の私はユウキさえいればいい
 そんなことまで思い始めて湯船につかった

「ふぅ」
「ん~~。気持ちいい~~」

 隣同士、肩を並べて入っても、このユニットバスはまだ余裕があった
 ちょうどよいお風呂の温度を感じながら私はユウキの横顔を眺める
 さっきまで私を攻め立てている時の顔とはうってかわって今では無邪気な子供にしか見えない
 そんな勇気と目が合い、つい背けてしまうが顔をがっしりと両手でつかまれる

「せんぱい。目、つぶってください」

 顔をどんどん近づけてくる
 私は言われたとおりに目を閉じて、唇に意識を集中させた
 チュッと音が聞こえた気がした
 さっきまでは何度も唇を合わせていたが、感覚が違うような気がする
 心の底から幸せになれるようなそんな感覚だった

「先輩。好きです」
「―――はい」

 私は反射的に答えていた
 それと同時に心が満たされていく
 このまま時間が止まってしまえばいいのに



「あらあら、これはいい感じになったわね」

 シャワー室から出るとサキュバスがベッドに腰かけていた
 私を守ろうとユウキが一歩前に出て、話しかける

「何の用? 先輩は私のだよ」
「いいわよ別に。ほしい方はもらっているし」
「どういうこと?」
「んー、あなたたちならいいわね。これを見なさい」

 そういってサキュバスは私たちの前に一つの映像を見せつける
 それは、姫様と私が仲睦まじく情事をしている映像とユウキは他の部下に何かを配っている映像だった

「なに、これ」

 そんなことをした記憶がない私は驚き手が震える
 これでは姫様と浮気しているみたいにユウキに思われる
 だが、そんなことは裏腹にユウキは私の手を握り絞めてはっきりといった

「大丈夫。先輩はそんな人じゃないことは知ってる」
「ユウキ……」

 また、まただ。ユウキは心の底から私のことを信用してくれる
 そのことがすごくうれしい

「へぇー、やっぱりかぁ。期待通りねあなたたち」
「なにがだ」
「それよそれ。感情が本当に味わい深いわ」
「味わい深い? どういう」
「私はね。サキュバスの中でも特別で女の子同士の恋や愛を糧としてるのだけど問題があってね。それだけじゃあお腹が満たされないのよ」
「わからない。それとこの映像になにが」
「簡単よ。体をもらって魂と心をこの世界に閉じ込めたのよ。あなたたち二人だけにしてね」
「・・・・・・待って、それじゃあ」
「そう、体の方は現実世界で私の傀儡となり、魂と心はこの世界で恋と愛をはぐくんでもらうの」
「誰が、お前の言う通りに」
「してもらうわよ? だって、私の世界なんだから」

 そう、サキュバスが言った瞬間、体の芯に熱がこもりユウキの胸をなめる

「はひゅっ!? せんぱい、いまは」
「ごめん、ユウキ。体が」

 いうことを聞かない。それどころか私の意思に反してどんどん過激になっていく
 サキュバスにまた操れらてしまう

「あ、いうけど。過激になっていくのは私だけの精じゃないから」
「えっ?」
「だって、好きでもない相手としたって面白くないから。本当にやりたくないならやらないわよ」

「だから、本当はやりたいんでしょ? あなたたち二人は愛し合っているのだから」

 その言葉をきっかけに私たちの中の何かが壊れたような気がする


 あれから、どれくらいの月日が流れたのだろうかわからない
 閉じ込められたサキュバスの世界で私たちは互いの存在を確かめ合うかのように愛し合っていた

「せんぱい」
「ユウキ」
「シノって呼んでもいいですか?」
「は―――はい」
「シノ。愛してます」

 ぎこちない笑顔を浮かべて、私はそれを承諾した
 力強い彼女の言葉にメロメロになってしまっている。あまりの恥ずかしさに視線をそらして、自身の体を隠そうとしている手をはねのけてベッドに押し倒される
 口と口がひっ付き合い、胸と胸が重なり合う。情熱的なキスをした後は、ユウキは私の胸をいじくることに夢中だ。シャワーを浴び、一度は冷めてしまった体が再び朱色に染まり始める
 ただ、胸だけを愛撫されているとほかのところがうずき始めた

「あぅ、ユウキ。胸以外も」
「どこですか? はっきりと口にしてください」
「わ、私の秘所をいじってほしい」
「りょうかいです。シノ」

 ユウキの手が私の大事な割れ目に触れる
 すでに湿り始めていることで、クチュクチュと卑猥な音が部屋に響く

「こんなに濡れて、どんなこと考えてたんです?」
「ユウキ、ユウキのことだけ。ユウキにエッチしてもらえることだけ考えてた」
「そう、ですか」

 ユウキの頬が真っ赤に染まると手の動きが一段階早くなった

「ひゃ、ユウ、キ。それは、まだ」
「まだ? まだじゃないでしょう。もっと強くいきますよ」
「ひゃああぁぁぁっ!!」

 抗いたくない快感に、私は全身痙攣して受け止めた
 早くも息が上がり始めるが、まだまだ始まったばかりだ
 多分、これから先ずっとこんな風に主導権を握られたままエッチするのだろう
 少しだけ悔しいという感情は残っているが、私の心は満たされていた
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幼馴染同士パーティーを組んで冒険者として生計を立てている2人、シルフィとアステリアは王都でのクエストに一区切りをつけたところだった。 故郷の村へ馬車が出るまで王都に滞在する彼女らは、今流行りのオイルマッサージ店の無料チケットを偶然手に入れる。 好奇心旺盛なシルフィは物珍しさから、故郷に恋人が待っているアステリアは彼のためにも綺麗になりたいという乙女心からそのマッサージ店へ向かうことに。 しかしそこで待っていたのは、真面目な冒険者2人を快楽を貪る雌へと変貌させる、甘くてドロドロとした淫猥な施術だった。 シルフィとアステリアは故郷に戻ることも忘れてーー ★登場人物紹介★ ・シルフィ ファイターとして前衛を支える元気っ子。 元気活発で天真爛漫なその性格で相棒のアステリアを引っ張っていく。 特定の相手がいたことはないが、人知れず恋に恋い焦がれている。 ・アステリア(アスティ) ヒーラーとして前衛で戦うシルフィを支える少女。 真面目で誠実。優しい性格で、誰に対しても物腰が柔らかい。 シルフィと他にもう1人いる幼馴染が恋人で、故郷の村で待っている。 ・イケメン施術師 大人気オイルマッサージ店の受付兼施術師。 腕の良さとその甘いマスクから女性客のリピート必至である。 アステリアの最初の施術を担当。 ・肥満施術師 大人気オイルマッサージ店の知らざれる裏の施術師。 見た目が醜悪で女性には生理的に受け付けられないような容姿のためか表に出てくることはないが、彼の施術を受けたことがある女性客のリピート指名率は90%を超えるという。 シルフィの最初の施術を担当。 ・アルバード シルフィ、アステリアの幼馴染。 アステリアの恋人で、故郷の村で彼女らを待っている。

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