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魔物ハンターとサキュバス
咲宮(さきみや) 雫(しずく) 身長169cm B108 W59 H89 Eカップ ⑬
しおりを挟む「さて、愛液の効果はこれで十分ね。次は……」
「次はどうするの?」
「攻めてみましょう」
「待ってください。それはいくらなんでも早すぎでは?」
「本人じゃないわよ。言い方を変えるわ。あなたの大切な人を救いましょう」
てっきり、救うのは後回しになるのだと思っていたから、その言葉に私は驚いた。
汐音を助けたい気持ちはある。だけど……大きなリスクがある。
「でも、それだとムルトに気付かれてしまう可能性があります」
「そうね。だから、できる限りその可能性を除去するわ」
「というと?」
「入ってきなさい」
「はい」
入ってきたのは黒髪のスーツを着た女性だった。
年齢は20代後半ぐらいだろうか。少なくとも私よりは年上に見える。
「彼女は?」
「彼女の名前は林道……違ったわ。淫堂(いんどう)優紀(ゆうき)。私の女学園の理事長よ」
「そうですか」
じっくりと彼女を見つめる。
プロポーションが素晴らしく、ふくよかな胸。スーツの上から分かるくびりにそれらすべてを指せるお尻。
完璧な女性とはこういう人のことを言うのかもしれない。
ただ……一点、目の奥に何かを感じる。
それは私のよく知るものだった。
「もしかして催眠術をかけてます?」
「合意の上でかけているわよ」
「合意の?」
「ええ」
「そこからは私が」
胸に手を当てて前に出る。その際にぷるるっんと揺れたので確実にノーブラだということが分かった。
「私はメリナ様にお願いして催眠術をかけています」
「でも、意識が」
「雫様。なにも感覚すべてを支配するのが催眠術ではないはずです」
「え?」
その言葉に疑問を持つ。私の用いる催眠術は基本的には感覚全てを支配し、その上で世界を変える。
いわば、その人だけの神様になるみたいなものだった。
しかし、メリナの催眠術は違った。
「私ぐらいになると一部の感情だけじゃなくその人にとっての価値観を薄く上塗りすることができるの」
「上塗り?」
「そう、下地を整えてきれいするケーキみたいな感じね」
その話からすると効率が悪いと正直に思う。
どうしてそんなめんどうなことをするのか疑問に思い、口にしようとしたとき優紀さんが身の上を放してくれた。
「私は性行為そのものにトラウマがあり、塞ぎこんでいたのです。それをメリナ様が埋めてくれたんです」
「まあ、ようするに勝手に勇気を出せただけよ。背中を押しただけね」
「それでも私は感謝してますよ」
そういう優紀さんの笑顔は心の底から感謝しているように見えた。
「そう、まあそれで彼女から思いもよらない報酬をもらったのよ」
「報酬ですか?」
「ええ。優紀、よろしくね」
「はい。私は、私を救ってくれたメリナ様のために、私の所持する学園をメリナ様に献上しました」
「学園!?」
優紀さんのお礼の価値観がぶっとんでいた。
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