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第二十四章 アメリカ大陸編其の三 南米で遺跡発掘にゃ~
681 久し振りに猫の島で遊ぶにゃ~
しおりを挟むわしがムリヤリ作った仕事のせいでウサギ族にリータ達が迷惑掛けてしまったが、明日にまだやる事が残っているので、今日はこのままウサギの街の別荘でお泊まり。
リータ達はまだ眠くないらしいので、寝ているわしをモフモフしてから眠ったらしい。
ウサギの街の時差に合わせると猫の国に帰ってから大変なので、昼まで爆睡。それからモリモリ食べて行動に移す。
わしがまだウサギの街に残っていたのは、エルフが発見した遺跡を見に行くため。リータ達も、またウサギが増えると思って反対はしなかった。
しかし、地上を爆走して獣を倒しながら向かった遺跡はもぬけの殻。生活のあとは少し見付かったので、口減らしにあったウサギがここで暮らしていたのだろう。
観光しつつ写真を撮って、骨はそのまま残す。後日ウサギ族を派遣して慰霊碑を作る事に決めた。
帰りもまた狩りをしながら爆走。あまり狩り過ぎるとウサギ族の食料が減るので、わしは何度もリータ達を止めた。
「もらった~!」
「べティも撃つにゃよ~」
べティも久し振りの狩りでテンションが上がっているので、おもちゃのピストルをパンパン撃って鳥を落としている。どうやら大物はリータ達にすぐ取られるので、探知魔法を使って発見した木の上の鳥を狙っているようだ。
でも、その都度わしが拾いに行かなくてはならないから面倒臭いんじゃ。べティを背負って拾いに行ったらまた撃つし……
そんなこんなでウサギの街に戻ったら、ヨタンカに各種報告。軍の話、遺跡の話、ソウハとルルの結婚、狩り過ぎた獲物の譲渡。
遺跡に向かうにはウサギ族だけでは少し危険なので、ウサギ軍を整備してから、わしかエルフが付き合う事にして先送り。
結婚は、ヨタンカが少し戸惑っていた。わしだって同じ気持ちだが、個人の自由を尊重するようにと諭して、日取りが決まったら一報を入れるように先送りにした。
また王様の仕事をやらされてしまったが、夜には大猟を祝しての宴会だ。
ウサギ族は猫の街で習った料理を自分達で作り、振る舞い、笑い、踊って楽しそうだ。わし達もその輪に加わり、楽しむのであった。
「「「「モフモフ~」」」」
リータ、メイバイ、オニヒメ、べティは、ウサギを侍らせて楽しむのであったとさ。
ウサギの街が闇夜に包まれたら、わし達は猫の街に帰還。こちらはまだ朝なので、夜まではゴロゴロ。
ダメ? でも仕事はしたし……あっ! やることあったな~。
さすがに朝からのお昼寝は、リータ達に止められて訓練しようと誘われたので、忘れていた仕事をやってからソウで合流する事にした。
リータ達はコリスの背にべティを乗せてソウに走って行ったので、わしはラサに向けてダッシュ。ラサでは、猫軍本拠地でウサギの街に派遣する軍事参謀をウンチョウに頼む。
そのあと、役場に向かって代表のセンジと雑談。と言うより、センジの膝の上でお昼寝。「リータ達に言わないならお昼まで好きにしていいよ」と買収したからバレる事はない。
ぶっちゃけ、ウサギの街の宴会で、リータ達に内緒で酒を飲んでしまったから限界だったのだ。
センジの膝の上で、猫型のまま寝ていたらもうお昼。そのままセンジに餌付けしてもらい、完全に目が覚めたらソウにダッシュ。
ここの役場で代表のホウジツに、ウサギの街で働いてもいい商人の派遣をお願いしてみたら、変な目で見られていた。
別にこの姿でも支障はないじゃろ? 王様に見えないのですか。そうですか……もしかして人型も??
わしが猫型のままお願いしていたからホウジツは話がしにくかったらしいが、元々王様に見えてなかったようだ。質問してからは目を合わそうとしてくれないから、確実だろう。
忠臣からも王様に見えていなかったと知ったわしは、「たぶんそうだろうな~」と思いながら地下空洞へ移動。
王族別荘スペースでは訓練が行われていなかったので皆を探したら、寝室で仲良くお昼寝していた。まぁ短期間でもアメリカに行ったのであれば、多少の時間のズレがあるのだろう。
わしもリータとメイバイの間に入ってお昼寝するのであった。でも、起きてからはハードな訓練に付き合わされたのであったとさ。
仕事したりお昼寝したり訓練したりお昼寝したりしていたら、さっちゃんと遊ぶ約束の日。三ツ鳥居を準備していたので、猫の国組と東の国組は現地集合した。
「「「「「海だ~~~!!」」」」」
そう、水着回だ。いや、さっちゃんに会いに行く度にどこか連れて行けとうるさかったから、海に連れて来てやったのだ。
本当は、アメリカ西海岸で白マナティーと遊びたいと怖い事を言われたが、一日しか休みが取れないので時差があっては難しいし、もう九月なので西海岸では水が冷たい可能性がある。なので、赤道に近い猫の島での日帰り旅行だ。
日帰りなので、猫の国からはキャットタワーの上階に住むメンバーも連れて来てあげた。東の国からは、珍しくオッサンを含めた王族揃い踏み。それと護衛にイサベレとソフィ達、ウサギを含む侍女も付いて来ている。
当然、猫兄弟のエリザベスとルシウスも護衛として付いて来ているが、どちらかと言うと魚が食べたいらしく、わしの足元から離れてくれない。なので、スリ寄って来る黒猫ワンヂェンと共に、フライングで焼き魚を食わせてやった。
それと、王様になってから遊ぶ機会がめっきり少なくなったローザも誘ってあげたら、ぺルグラン家が全員参加となったので、三ツ鳥居を輸送。
ボーデン家のフェリシーも誘ってあげないとかわいそうとローザに言われたので、三つ鳥居を送って、お父さんとリスの尻尾を二本付けた「リス」という護衛の女性も一緒に参加。
さらに、どこからこの情報を手に入れたか知らないアダルトフォーから久し振りに海に行きたいとお願いされたので、我が家に三ツ鳥居を置いて逃げ出した。だって、既成事実を作ろうとして襲って来たんじゃもん。
さらにさらに……
「にゃんでまた玉藻が居るんにゃ~」
「西の旅の帰り道で寄ったら、たまたま誘われてのう」
玉藻まで居たので、この大所帯で遊ぶのであった。
浜辺に設置した海の家で水着に着替えたら、全員ダッシュで海へ。今回の海は、ゴムで作った浮き輪を多数用意したから、皆はプカプカ浮かんで楽しそうだ。
わしはさっちゃんに独占されているので、近くに浮かんでお喋りしている。
「気持ちいいね~」
「そうだにゃ。寝てしまいそうにゃ~」
「まだまだ遊ぶんだから、寝ちゃダメだよ?」
「わかってるにゃ~」
「じゃあ、あのグルグル~ってのやって!」
「よ~し。みんにゃ~! 落ちるにゃよ~!!」
さっちゃんのリクエストに応えて、水魔法で渦巻き。浮き輪でプカプカ浮かんでいたメンバーはグルグル回って笑っている。
あまり回転しすぎると酔ってしまいそうなので、ほどほどで大波。砂浜に寄せたり沖に寄せたりと遊ぶ。
その時、玉藻がわしのマネをしようとして逆から大波を作ったものだから、全員が大波に挟まれるトラブル発生。両側から来た波の圧力で、皆は浮き輪から落ちてしまった。
わしも浮き輪から落ちてもがきながら海から顔を出したら、ちょうど玉藻が目の前に居た。
「ぷは~! にゃにするんにゃ~!!」
「そちこそ何をしておるんじゃ……」
「にゃ?」
モミモミ……なんじゃこの柔らかい物体は? うん。これはお約束じゃな。
「いい加減離さんか!!」
「にゃ~~~!!」
ポロリしていた玉藻の巨乳を直に揉んだからには、激オコ。わしと玉藻は海の上を走り回り、海が荒れに荒れちゃうのであったとさ。
「「ゼェゼェゼェゼェ……」」
わしと玉藻が息を切らして砂浜に戻ったら、全員から冷たい目を向けられた。
「「すいにゃせん!」」
なので、シンクロ謝罪。しばらく海が使えないぐらい暴れたので当然だ。
とりあえずわし達は皆の真ん中で正座をして大丈夫だったかと質問したら、大変だったとのこと。イサベレと猫ファミリー総出で救助活動を行ったから大事はなかったが、ウサギとべティが水を飲んだらしい。
「喧嘩禁止。わかった?」
「「はいにゃ~」」
さっちゃんに怒られて反省した姿を見せたから、これで説教は終わりだろう。
「シラタマちゃんは、顔貸して」
いや、わしだけまだ何かあるようなので、さっちゃんがアゴで指した場所には、リータ、メイバイ、イサベレ、その他大勢の姿があった。
「玉藻さん……わしたち親友にゃろ? 助けて欲しいにゃ~」
「妾の乳を揉んだのだから、当然の報いじゃ。甘んじて受けて来い」
「そんにゃ~~~」
以前、玉藻がわしを襲ったと嘘をついた事があるので、助けてくれるわけがない。わしはさっちゃんに引きずられ、リータ達の元へと連行されるのであったとさ。
リータ達のモフモフの刑を受けたわしは気絶。目覚めたらバーベキュー大会が開かれていたので、わしもスリスリしながら参加。
リータ達の目が冷たかったが、「あ~ん」して待っていたら焼きホタテを口に入れてくれた。なので、スリスリしながら「あ~ん」を繰り返していたら皆の怒りはなくなった。
「なんであたしにまでゴマするのよ……」
べティも怒っているかと思ってスリスリ「あ~ん」コンボを決めてみたら、まったく効かない。
「にゃ? 怒ってないにゃ??」
「あたし、シラタマ君のハーレムの一員じゃないもん」
「ハーレムって、にゃに??」
「面倒とか言っておきながら作ってるじゃない! エミリまでハーレムに入れておいて、しらばっくれるな!!」
どうやらべティは、わしが玉藻の胸を揉んだことで怒った人がハーレムの一員だと勘違いしているようだ。その中にエミリも含まれていたので、正式に怒られるわしであった。
それから夜まで遊び倒せば、またバーベキュー。べティの指示で焼かれる魚介類や肉や野菜は、外で食べる物とは一線を画すので大盛況。特に白猫二匹と黒猫一匹が「にゃ~にゃ~」うるさい。コリスはまん丸。
わしも女王とさっちゃんに優しく餌付けされてモグモグしている。
「ところで、ここを東の国の保養地に出来ないかしら?」
「にゃんでわしのプライべートビーチを、東の国の保養地にしなくちゃいけないんにゃ~」
「え~! ちょうだいよ~!!」
二人が何やら優しくしてくれてると思っていたら、無理難題。しかも、完璧なプランまで提出して来る始末。
三ツ鳥居があるのだから、猫の国用と東の国用の三ツ鳥居を置けば、観光客を呼び込めるとのこと。管理人にエルフ夫婦を派遣すれば、ある程度の危険は排除できるし、三ツ鳥居の補充も出来るんだって。
「こんなにいい場所を遊ばせておくのも、もったいないでしょ?」
「まぁ、そうにゃけど……」
「東の国からは貴族が来るからガッポリよ。おいしくな~い??」
「まぁ、そうにゃんだけど……」
おいしい話に飛び付きたいわしであったが、この話に乗ったら大変な気がする。しかし、猫の国の国民には格安料金で旅行させてやればいいとさらにおいしい話を聞かされて、渋々「うん」と言ってしまうわしであった。
「じゃあ、建物とスタッフはそちらで用意してね」
「にゃ……」
「来年の夏開業ってことで、頑張ってね~」
「やっぱりわしが大変にゃ~~~!!」
貴族マネーが動くのだから儲かると思うが、こんな飛び地は王様の管轄らしいので、双子王女は手伝ってくれない。
わしは各種手配に奔走し、猫の島は新たな観光地へと様変わりするのであったとさ。
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