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三章 夏休みは夜遊び

063 情報収集

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 スパイ犬ロリの勧誘が上手くいったら、もう一回激しくスポーツしてから今後のことを話すフィリップ。その内容は、情報の集め方。
 素人を使うことになるのだから、下手すると危険な目にあうのは当然。なので、噂話を集めるテイで話を聞いて、要人がどこで働き寝ているかを割り出すことにする。
 しかし、1人では手に入る情報が少ないので、同僚の3人にもオファー。情報によってはひとつの情報でも金貨を払うからと勧誘してもらう。

 この日は程々の時間まで楽しみ、ロリが寝入ったらお金を多く置いて立ち去るフィリップ。そして、オロフ組のアジトに顔を出し、ケビたちも仲間になると聞いたりお掃除大作戦の進捗を聞いたら、今日は撤退。
 ロリが凄かったから、さすがのフィリップもお腹いっぱいでクリスティーネのところには寄らなかった。


 次の日の夜は、マッツの酒場で待ち合わせしていたロリと3人の同僚を連れて宿屋にイン。数部屋あるちょっとお高い部屋に入ると、ロリがフィリップに近すぎるので、同僚のカロラお姉さんたちはめっちゃ引いてる。

「もしかして……やッちゃった??」

 そう。子供に手を出したのだと……

「こないだ必死にジャンケンしてたんだから、お姉さんたちも同類じゃなかったの?」
「「「うっ……」」」

 しかし、フィリップが数日前のことを出したら全員黙った。あのままだったら、確実にロリと同類になっていたのだから……

「まぁ話し合いが終わったあと、お姉さんたちもどう? それ相応の報酬は期待していいよ~??」
「ぐるるぅぅ……」
「なんかロリが唸ってるんだけど……」
「ロリさん! 待て!!」
「ワンッ!」

 やっぱりこんな変態とは違うと、ちょっと安心した3人のお姉さん方であったとさ。


「ところで、3人とも今日ここに来たってことは、アルバイトに参加するってことでいいの?」
「ええ。もう噂話も集めて来たわよ」
「わ~お。仕事が早いね~。ロリさんもありがと~う」
「くぅぅ~ん」
「「「「喋れよ」」」」

 カロラたちから確認を取ってロリも褒めてあげたけど、犬の呪いが解けていなかったので、全員で冷めたツッコミをしたら人間に戻った。
 それから1人ずつ噂話を披露してもらい、フィリップはメモ。危険があるから、4人には証拠が残るメモ用紙なんて使わせていないらしい。

「う~ん……噂話だけじゃなんか頭に入って来ないな。簡単でいいから、城の見取り図とか書けない?」

 とりあえずロリたちから今日の報告を聞いたら、一番知りたい情報をしれっと尋ねるフィリップ。そのことに気付かず、カロラたちは協力して城の見取り図を書いてくれた。

「へ~。みんなの職場は1階から2階なんだ。けっこう広いのに、上り下り大変じゃないの?」
「基本はずっと同じフロアで仕事するからそうでもないと言いたいんだけどね~……あのハゲがアレ取って来いとか持って行けとか言うから、酷い時は足パンパンよ」
「あのハゲ、毛と一緒に記憶もなくしていってるんじゃない? 同じ物、何回も取りに行かされたことあるわよ」
「アハハ。かわいそ~」

 フィリップは哀れんでいるけど、半分はハゲと馬鹿にされてる上司にだ。

「でも、3階とか5階の人よりマシなんじゃないの? もっと階段上らないといけないじゃない」
「ううん。あいつら1級市民……貴族の次女とかだから、持ち場から下りて来ないの。人数も多いから、たぶんかなり楽してるはずよ」
「その上、私たちより10倍は貰ってるらしいよ」
「そんな人の給料、よく調べられたね」
「バカな子が親切に教えてくれたの。よくそんな安月給で働けるわね~って……」
「うん。みんな嫌味言われてるから嫌いなんだね」

 全員嫌悪感が半端ない顔をするので、フィリップも同意するしかない。めっちゃ愚痴を聞かされたし……


「今日のところはこんなもんかな? それじゃあ、これが今回の報酬ね」
「「「「こんなに!?」」」」
「初回特典ってことで色を付けてあげたよ。それと、今回のMVPの人には、金貨1枚プラスね~」
「やった! え? いいの??」
「「「いいな~」」」

 楽しく愚痴を言っただけで金貨数枚も貰えるのだから、驚くのは当然。さらにボーナスまであるのだから、貰ったロリは質問よりも先に喜んじゃった。

「じゃあ、次回は3日後に酒場に集合ね。あ、帰る前にお風呂使って行ってもいいよ。水しか出ないけどね」

 報酬を貰って喜ぶカロラたちが「助かる~」と順番を決めていたら、フィリップは「覗かないでね~」と、ロリと一緒に寝室に入って行った。
 カロラたちは「あの女、マジでやってるんだ」と引いた目で見送り、1人目からお風呂で体を洗っていたら、寝室からロリの凄い声が聞こえて来たので聞き耳を立てていた。

 それから全員お風呂が終わり、コソコソとやっていたらロリの声が消えたので、3人で帰る旨を伝えに行った。

「あ、まだいたんだ。そのまま出てってよかったのに」
「「「いや~……」」」
「なに? なんか忘れてたっけ??」
「「「私たちもいいかな~? なんて」」」

 いや、ロリの声が凄すぎたから、3人とも盛っちゃったのだ。

「いいとも~。おいでおいで。まずは誰からする~? 2人同時までならいけるよ~? いや、3人同時もチャレンジしちゃおう!!」

 なので、フィリップは快く承諾。ロリが気絶しているなか、取っ換え引っ換えしてマッサージを楽しむフィリップであったとさ。
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