13 / 53
朝影の密か 6
しおりを挟む
知らず、椿は唇を噛んだ。そんな彼のもとに、諭すような大樹の声が落ちてくる。
『私のようになる必要など、ないのですよ』
「……いいえ。僕は、貴方のようになりたいのです。貴方がお嬢さんに向ける気持ちは、何よりも尊いものだと思うから」
『それを言うのであれば、貴方があの美しいものに向ける想いも、同様に何よりも尊いものでしょう』
静かな木の言葉に、しかし椿は首を横に振った。
「いいえ。僕の想いは、貴方のそれには到底敵いません。…………僕は、この気持ちを伝えてしまいました。想いに気づいたからにはそれを伝えないのは不誠実だと、そう思って、伝えてしまったのです。朧さんが困ると判っていて、それでも、言ってしまったのです」
懺悔するように、椿はぽつぽつと言葉を吐き出す。
「自分で選択したことです。だから、今更なかったことにしたいとは思いません。……けれど、きっと言わない方が良かったんです。言わない方が、朧さんにとっては良かったんです」
抱える想いを伝えたあの日を思い出して、椿は言った。
あの日のことは、今でもはっきりと覚えている。貴方をお慕いしていますと、そう伝えたあのとき、朧は困った顔をして、そしてほんの僅かな悲しみが混じった声で、ありがとうとだけ言った。
たったそれだけの言葉しか貰えなかった椿は、しかしそれだけで、十分すぎるほどに彼の気持ちを悟ってしまった。
朧は、椿を愛してはくれない。そして、自分を好いてくれた椿を愛せないことを、心から申し訳ないと思ったのだ。
こうなることくらい、考えなくとも判ったはずだ。何者でもない朧は、何者かであるために、生けるもの死せるものの望みに手を貸す。そんな朧に椿は、叶えることができない願いを告げてしまったのだ。
愛して欲しいと言った訳ではない。ただ、この想いを黙っている訳にはいかないと思ったから、その気持ちのままに伝えただけだ。けれど、たとえ椿自身でも、そこに欠片ほどの願いもなかったとは言い切れない。ほんの僅かに愛して欲しいという欲が混じっていなかったとは、言い切れない。そしてそれが、きっと朧を苦しめている。
朧のことだ。こうして言わずとも、遅かれ早かれ椿の想いには気づいただろう。けれど、それでも椿が口に出して言わなければ、これほどまでに彼を苦しめることもなかった。音にするということは、それだけで僅かな呪いになるものなのだ。
朧との旅路でそれを知っていたはずなのに、些細な自己満足のために、椿はその呪いを吐き出してしまった。そのときの椿にはそこまで思い至っていなかったとは言え、気づかなかったで許されることではない。
だから、大樹の想いの形を羨ましいと思った。そして、これこそが至高なのだろうと、そう確信した。
しかし、そんな椿に対して、大樹は静けさの中に強さの籠った不思議な音色で言う。
『想いというのは、そんなに単純なものではないのだと思いますよ』
言われ、椿は言葉の意味が理解できないという顔をして木を見上げた。
『私が彼女に向けるこの想いは、私の想いです。私自身は紛れもなく至高の想いを捧げているつもりですが、それは私にとってはそうであるというだけのこと。別の誰かからすれば、取るに足らない淡い想いにしかならないこともあるでしょう』
「そ、そんなことはないと、」
『いいえ、あるのですよ』
椿の言葉をきっぱりと否定した大樹は、やはり強い声で言葉を続けた。
『何よりも強く想っているからこそ、何を棄ててでも手に入れたい。この上なく愛しているからこそ、この想いを受け入れて貰いたい。これほど恋しい相手にはもう出会えないと確信したからこそ、誰よりも傍にいたい。……強い想い故にこう望むこともまた、ひとつの至高なのです』
大樹の言葉が、ぽたりぽたりと椿の肌に落ちて染み込んでいく。
『想いが強ければ身を引くことなどできないだろうと、そう考える誰かからすれば、私の想いは吹けば飛ぶほどに軽いものでしょう。けれど、私自身にそのようなつもりはありません。私は、これ以上などないほどに彼女を想っているのですから』
「…………でも、貴方は何も望まず、お嬢さんの幸せだけを思い、そのために全てを投げうっていらっしゃいます。……一切の見返りを求めず、ただ好きな人の幸せのためだけに尽力する。それは、何よりの正解なのではないのでしょうか」
椿が口にした言葉は、問いと呼ぶにはあまりに確信めいた音で空気を震わせた。少なくとも椿自身は、大樹の想いこそが正解であると信じているような、そんな音色だ。しかし大樹は、それをそっと否定した。
『いいえ、貴方のその考えは間違っています』
一体どこがどう間違っているのか、と椿が問う前に、まるでそれをやんわりと制すように、大樹が言葉を続ける。
『私は見返りを欲していますよ。実際にそれを求め、そのために尽力しているのですから』
「そ、そんなことはないでしょう。だって貴方は、」
『はい、そうです。私は彼女の幸せを願っている。彼女に、彼女の幸せという見返りを求めているのです』
言われ、椿は呆気に取られた顔をした。その表情が、それを見返りと呼ぶのかと言っている。
そんな椿に対し、大樹は殊更に優しい声で言葉を紡いだ。
『真に見返りを求めない無償の愛であれば、私が彼女に望むことは何もないのでしょう。私はその極致には到底至れぬ身なので、それがどういうものなのかは想像もできませんが、少なくとも私のこれは、絶対的に違います。私は彼女に幸せであることを強要し、そのために身勝手に彼女を守っているのですから。……だからこれは、ただの独りよがりな愛情ですよ。彼女のためでも何でもなく、ただ自分が彼女にそれを求めているから、その見返りが目的で行動しているだけなのです』
木が優しく奏でる音色に、椿は何も言葉を返せない。ただ、この大樹が彼女に向ける想いが正解でないのであれば、一体何が正解なのだろうかと思った。
そんな椿の心の内を見透かしたように、大樹は微笑むような葉音を鳴らした。
『きっと、普遍的な正解などないのです。それを決めるのは、いつだって自分自身なのでしょう。だから私は、私の思う正解を選びました。そして、貴方は何を思い、何を考え、どんな答えを出すのか。きっとそれだけが、貴方にとっての正解なのですよ』
大樹の言葉に、椿は何も言わない。言えなかっただけかもしれない。
『想いというのは、想いの数だけ種類があり、想いの数だけ正解があるのでしょう。その想いを否定することは誰にもできません。想いの末に何を願おうと、ひとつひとつが尊いものなのです。……だからどうか、私のそれで貴方のそれを損ねないでください』
そうなってしまっては、私が悲しくなってしまうからと、木はそう言った。その言葉に、椿は迷い、けれど大樹をしっかりと見つめて口を開く。
「……僕の願いで朧さんが悲しむことになっても、それでも、正解であることができるのでしょうか」
自分にしか見つけることができないと言われた答えを問う、卑怯な言葉だ。そう判っていても、椿は止めることができなかった。
そんな臆病な子供に対し、大樹はそよりと葉を揺らす。そして、まるで笑うような優しさで、月光に葉を照らした。
『その人が悲しむことになっても、それでも想いを伝えたい、通い合わせたい。そう望む己の想いを、己で肯定することができるのであれば。きっとそのとき、それはひとつの正解なのでしょう』
その言葉に、椿がほんの僅かに目を開く。
今の自分では到底それを成すことなどできないと思ったが、けれど同時に、閉ざされた闇が微かに白じんだような、そんな心地がした。
『だから、この先を生きるその道の中で、沢山のものを見て、沢山の音を聞いて、ゆっくりと考えていきなさい。焦ることは何もないのです。答えはいつだって貴方自身の中にあり、そしてきっと、それは不変ではない。ならば、果てに至るそのときまで、どうか自分の心を大切にしてあげてください』
巣立ちを迎える雛を見守るような温かさで耳を撫でたその声に、椿は大樹を見上げて数度瞬きをしてから、そっと目を伏せた。
「…………はい」
小さく落ちたその声は、今にも消えそうなほどに静かで、それでいて、確かな強さを持って夜の空気を震わせた。
『私のようになる必要など、ないのですよ』
「……いいえ。僕は、貴方のようになりたいのです。貴方がお嬢さんに向ける気持ちは、何よりも尊いものだと思うから」
『それを言うのであれば、貴方があの美しいものに向ける想いも、同様に何よりも尊いものでしょう』
静かな木の言葉に、しかし椿は首を横に振った。
「いいえ。僕の想いは、貴方のそれには到底敵いません。…………僕は、この気持ちを伝えてしまいました。想いに気づいたからにはそれを伝えないのは不誠実だと、そう思って、伝えてしまったのです。朧さんが困ると判っていて、それでも、言ってしまったのです」
懺悔するように、椿はぽつぽつと言葉を吐き出す。
「自分で選択したことです。だから、今更なかったことにしたいとは思いません。……けれど、きっと言わない方が良かったんです。言わない方が、朧さんにとっては良かったんです」
抱える想いを伝えたあの日を思い出して、椿は言った。
あの日のことは、今でもはっきりと覚えている。貴方をお慕いしていますと、そう伝えたあのとき、朧は困った顔をして、そしてほんの僅かな悲しみが混じった声で、ありがとうとだけ言った。
たったそれだけの言葉しか貰えなかった椿は、しかしそれだけで、十分すぎるほどに彼の気持ちを悟ってしまった。
朧は、椿を愛してはくれない。そして、自分を好いてくれた椿を愛せないことを、心から申し訳ないと思ったのだ。
こうなることくらい、考えなくとも判ったはずだ。何者でもない朧は、何者かであるために、生けるもの死せるものの望みに手を貸す。そんな朧に椿は、叶えることができない願いを告げてしまったのだ。
愛して欲しいと言った訳ではない。ただ、この想いを黙っている訳にはいかないと思ったから、その気持ちのままに伝えただけだ。けれど、たとえ椿自身でも、そこに欠片ほどの願いもなかったとは言い切れない。ほんの僅かに愛して欲しいという欲が混じっていなかったとは、言い切れない。そしてそれが、きっと朧を苦しめている。
朧のことだ。こうして言わずとも、遅かれ早かれ椿の想いには気づいただろう。けれど、それでも椿が口に出して言わなければ、これほどまでに彼を苦しめることもなかった。音にするということは、それだけで僅かな呪いになるものなのだ。
朧との旅路でそれを知っていたはずなのに、些細な自己満足のために、椿はその呪いを吐き出してしまった。そのときの椿にはそこまで思い至っていなかったとは言え、気づかなかったで許されることではない。
だから、大樹の想いの形を羨ましいと思った。そして、これこそが至高なのだろうと、そう確信した。
しかし、そんな椿に対して、大樹は静けさの中に強さの籠った不思議な音色で言う。
『想いというのは、そんなに単純なものではないのだと思いますよ』
言われ、椿は言葉の意味が理解できないという顔をして木を見上げた。
『私が彼女に向けるこの想いは、私の想いです。私自身は紛れもなく至高の想いを捧げているつもりですが、それは私にとってはそうであるというだけのこと。別の誰かからすれば、取るに足らない淡い想いにしかならないこともあるでしょう』
「そ、そんなことはないと、」
『いいえ、あるのですよ』
椿の言葉をきっぱりと否定した大樹は、やはり強い声で言葉を続けた。
『何よりも強く想っているからこそ、何を棄ててでも手に入れたい。この上なく愛しているからこそ、この想いを受け入れて貰いたい。これほど恋しい相手にはもう出会えないと確信したからこそ、誰よりも傍にいたい。……強い想い故にこう望むこともまた、ひとつの至高なのです』
大樹の言葉が、ぽたりぽたりと椿の肌に落ちて染み込んでいく。
『想いが強ければ身を引くことなどできないだろうと、そう考える誰かからすれば、私の想いは吹けば飛ぶほどに軽いものでしょう。けれど、私自身にそのようなつもりはありません。私は、これ以上などないほどに彼女を想っているのですから』
「…………でも、貴方は何も望まず、お嬢さんの幸せだけを思い、そのために全てを投げうっていらっしゃいます。……一切の見返りを求めず、ただ好きな人の幸せのためだけに尽力する。それは、何よりの正解なのではないのでしょうか」
椿が口にした言葉は、問いと呼ぶにはあまりに確信めいた音で空気を震わせた。少なくとも椿自身は、大樹の想いこそが正解であると信じているような、そんな音色だ。しかし大樹は、それをそっと否定した。
『いいえ、貴方のその考えは間違っています』
一体どこがどう間違っているのか、と椿が問う前に、まるでそれをやんわりと制すように、大樹が言葉を続ける。
『私は見返りを欲していますよ。実際にそれを求め、そのために尽力しているのですから』
「そ、そんなことはないでしょう。だって貴方は、」
『はい、そうです。私は彼女の幸せを願っている。彼女に、彼女の幸せという見返りを求めているのです』
言われ、椿は呆気に取られた顔をした。その表情が、それを見返りと呼ぶのかと言っている。
そんな椿に対し、大樹は殊更に優しい声で言葉を紡いだ。
『真に見返りを求めない無償の愛であれば、私が彼女に望むことは何もないのでしょう。私はその極致には到底至れぬ身なので、それがどういうものなのかは想像もできませんが、少なくとも私のこれは、絶対的に違います。私は彼女に幸せであることを強要し、そのために身勝手に彼女を守っているのですから。……だからこれは、ただの独りよがりな愛情ですよ。彼女のためでも何でもなく、ただ自分が彼女にそれを求めているから、その見返りが目的で行動しているだけなのです』
木が優しく奏でる音色に、椿は何も言葉を返せない。ただ、この大樹が彼女に向ける想いが正解でないのであれば、一体何が正解なのだろうかと思った。
そんな椿の心の内を見透かしたように、大樹は微笑むような葉音を鳴らした。
『きっと、普遍的な正解などないのです。それを決めるのは、いつだって自分自身なのでしょう。だから私は、私の思う正解を選びました。そして、貴方は何を思い、何を考え、どんな答えを出すのか。きっとそれだけが、貴方にとっての正解なのですよ』
大樹の言葉に、椿は何も言わない。言えなかっただけかもしれない。
『想いというのは、想いの数だけ種類があり、想いの数だけ正解があるのでしょう。その想いを否定することは誰にもできません。想いの末に何を願おうと、ひとつひとつが尊いものなのです。……だからどうか、私のそれで貴方のそれを損ねないでください』
そうなってしまっては、私が悲しくなってしまうからと、木はそう言った。その言葉に、椿は迷い、けれど大樹をしっかりと見つめて口を開く。
「……僕の願いで朧さんが悲しむことになっても、それでも、正解であることができるのでしょうか」
自分にしか見つけることができないと言われた答えを問う、卑怯な言葉だ。そう判っていても、椿は止めることができなかった。
そんな臆病な子供に対し、大樹はそよりと葉を揺らす。そして、まるで笑うような優しさで、月光に葉を照らした。
『その人が悲しむことになっても、それでも想いを伝えたい、通い合わせたい。そう望む己の想いを、己で肯定することができるのであれば。きっとそのとき、それはひとつの正解なのでしょう』
その言葉に、椿がほんの僅かに目を開く。
今の自分では到底それを成すことなどできないと思ったが、けれど同時に、閉ざされた闇が微かに白じんだような、そんな心地がした。
『だから、この先を生きるその道の中で、沢山のものを見て、沢山の音を聞いて、ゆっくりと考えていきなさい。焦ることは何もないのです。答えはいつだって貴方自身の中にあり、そしてきっと、それは不変ではない。ならば、果てに至るそのときまで、どうか自分の心を大切にしてあげてください』
巣立ちを迎える雛を見守るような温かさで耳を撫でたその声に、椿は大樹を見上げて数度瞬きをしてから、そっと目を伏せた。
「…………はい」
小さく落ちたその声は、今にも消えそうなほどに静かで、それでいて、確かな強さを持って夜の空気を震わせた。
0
お気に入りに追加
15
あなたにおすすめの小説
精霊の港 飛ばされたリーマン、体格のいい男たちに囲まれる
風見鶏ーKazamidoriー
BL
秋津ミナトは、うだつのあがらないサラリーマン。これといった特徴もなく、体力の衰えを感じてスポーツジムへ通うお年ごろ。
ある日帰り道で奇妙な精霊と出会い、追いかけた先は見たこともない場所。湊(ミナト)の前へ現れたのは黄金色にかがやく瞳をした美しい男だった。ロマス帝国という古代ローマに似た巨大な国が支配する世界で妖精に出会い、帝国の片鱗に触れてさらにはドラゴンまで、サラリーマンだった湊の人生は激変し異なる世界の動乱へ巻きこまれてゆく物語。
※この物語に登場する人物、名、団体、場所はすべてフィクションです。
身の程なら死ぬ程弁えてますのでどうぞご心配なく
かかし
BL
イジメが原因で卑屈になり過ぎて逆に失礼な平凡顔男子が、そんな平凡顔男子を好き過ぎて溺愛している美形とイチャイチャしたり、幼馴染の執着美形にストーカー(見守り)されたりしながら前向きになっていく話
※イジメや暴力の描写があります
※主人公の性格が、人によっては不快に思われるかもしれません
※少しでも嫌だなと思われましたら直ぐに画面をもどり見なかったことにしてください
pixivにて連載し完結した作品です
2022/08/20よりBOOTHにて加筆修正したものをDL販売行います。
お気に入りや感想、本当にありがとうございます!
感謝してもし尽くせません………!
旦那様が不倫をしていますので
杉本凪咲
恋愛
隣の部屋から音がした。
男女がベッドの上で乱れるような音。
耳を澄ますと、愉し気な声まで聞こえてくる。
私は咄嗟に両手を耳に当てた。
この世界の全ての音を拒否するように。
しかし音は一向に消えない。
私の体を蝕むように、脳裏に永遠と響いていた。
【完結】キミの記憶が戻るまで
ゆあ
BL
付き合って2年、新店オープンの準備が終われば一緒に住もうって約束していた彼が、階段から転落したと連絡を受けた
慌てて戻って来て、病院に駆け付けたものの、彼から言われたのは「あの、どなた様ですか?」という他人行儀な言葉で…
しかも、彼の恋人は自分ではない知らない可愛い人だと言われてしまい…
※side-朝陽とside-琥太郎はどちらから読んで頂いても大丈夫です。
朝陽-1→琥太郎-1→朝陽-2
朝陽-1→2→3
など、お好きに読んでください。
おすすめは相互に読む方です
龍の寵愛を受けし者達
樹木緑
BL
サンクホルム国の王子のジェイドは、
父王の護衛騎士であるダリルに憧れていたけど、
ある日偶然に自分の護衛にと推す父王に反する声を聞いてしまう。
それ以来ずっと嫌われていると思っていた王子だったが少しずつ打ち解けて
いつかはそれが愛に変わっていることに気付いた。
それと同時に何故父王が最強の自身の護衛を自分につけたのか理解す時が来る。
王家はある者に裏切りにより、
無惨にもその策に敗れてしまう。
剣が苦手でずっと魔法の研究をしていた王子は、
責めて騎士だけは助けようと、
刃にかかる寸前の所でとうの昔に失ったとされる
時戻しの術をかけるが…
ブレスレットが運んできたもの
mahiro
BL
第一王子が15歳を迎える日、お祝いとは別に未来の妃を探すことを目的としたパーティーが開催することが発表された。
そのパーティーには身分関係なく未婚である女性や歳の近い女性全員に招待状が配られたのだという。
血の繋がりはないが訳あって一緒に住むことになった妹ーーーミシェルも例外ではなく招待されていた。
これまた俺ーーーアレットとは血の繋がりのない兄ーーーベルナールは妹大好きなだけあって大いに喜んでいたのだと思う。
俺はといえば会場のウェイターが足りないため人材募集が貼り出されていたので応募してみたらたまたま通った。
そして迎えた当日、グラスを片付けるため会場から出た所、廊下のすみに光輝く何かを発見し………?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる