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令嬢と月旦評 6
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「そいつは良かった。ご褒美はあんたのキスが良いな」
「平手ならお見舞いしてあげなくもないけれど?」
さらりと返されたそれに、ヴィレクセストがつれないなー、とぼやいたが、それを無視したアルマニアはノイゼを見て、こてりと首を傾げてみせた。
「いかがかしら?」
短い言葉を受け、ノイゼが黙したままアルマニアを見つめる。レジスタンスの皆が固唾を飲んで賢人を窺う中、長い沈黙を経て、彼は口を開いた。
「そちらの方は、一体何者なのでしょうか」
返答とは呼べぬそれに、しかしアルマニアは咎めることはせず、顔だけでヴィレクセストを振り返った。
私が答えるまでもないから貴方が答えなさい、という表情をきちんと浮かべた彼女に、賢人を含むレジスタンスの面子は皆そのままに受け取ったようだったが、実情は違う。果たしてヴィレクセストについてどこまで言って良いものなのか、判らなかっただけだ。
アルマニアの視線を受けて少しだけ笑ったヴィレクセストは、そうだなぁと口を開いた。
「あんたらが頼ろうとしてた聖獣よりも強い、特別な生き物ってことにしとこう」
「……答える気がないということですね?」
「というよりは、世の中には知らない方が良いことも沢山あるって話かね。下手に知ってしまうと、そのせいで色々厄介なことが起こるんだよ。あんただって、こんなしょーもないことで死にたくはないだろ?」
その言葉に隠れた強い警告をきちんと察知したノイゼは、渋々ながらも頷きを返した。納得はいかないものの、そういった感情は飲み込み、これ以上の追及をすることは避けたようだった。
「アルマニア嬢、そちらの方のお力は十分に理解しました。始祖である大賢人様にも及ぶ魔法を扱えるのですから、八賢人と戦うことになった際、これほど心強い味方はいないでしょう。……では、貴女のお力はいかがでしょうか」
涼やかな目でアルマニアを見ながら、ノイゼが言う。その中にある、まさか部下の力が己の力であるかのような顔をして偉そうなことを言っているのではないだろうな、という牽制を正しく感じ取ったアルマニアは、鈴の音のような軽やかな笑い声を上げた。
「ヴィレクセストを直属の臣下として召し抱えていることこそが、私の力よ。彼は、私だけを主と定め、私の命にのみ従う。私だからこそ、彼は自らの力を振るうの。ならば、その力は間違いなく私の力だわ。さて、私のこの考えは間違っているかしら?」
自信に満ちた表情でそう言いながら、しかしアルマニアは内心で反吐を吐くような思いだった。
ヴィレクセストの力は、彼自身のものだ。アルマニアの力でなどあるものか。彼がアルマニアのお願いを聞いてくれるのだって、アルマニアが彼の主に相応しいからではなく、そのほとんどがただの好意と厚意によるものである。決して、自らの行いによって手に入れた信頼からくるものではないのだ。
アルマニアは、本当は何も持っていないただの小娘だ。そんなことは、自分が一番よく判っている。けれど、それでは駄目だ。それでは、レジスタンスはアルマニアを認めてくれない。
(ええ、ええ、矜持も信念も、なんだって曲げてあげるし捨ててあげるわ。そんなもの、成し遂げると誓った目的の前ではくだらない些末事ですもの)
アルマニアは、その瞳で賢人を射抜く。全身で己こそが正しいのだと証明するように、目を逸らさずにノイゼを見据える。
「…………強き者を従えられるというのも、また紛れもない才であり強さですね」
そう言ったノイゼが、ふっと表情を緩めてから深く頭を下げた。
「貴女の力を侮るような無礼を働きました。申し訳ありません」
「いいえ、良いのよ。寧ろ、それくらいの方が頼もしくて結構だわ」
それを許しと受け取ったノイゼが顔を上げて、それから、もうひとつだけ、と言った。
「貴女は元とは言え、シェルモニカ帝国の人間のはず。それがどうして、私たちの国を正そうなどということを考えたのでしょう。失礼ながら、もっと大局的な目的があるのでは?」
「あら、さすがは賢人だわ。ええ、その通りよ。私の最終的な目的は、ザクスハウルをどうこうすることではないわ」
そこで言葉を切ったアルマニアが、これまでで一番美しい女神のような微笑みを浮かべる。
「私は、三国全てを制する覇王になるの。ザクスハウルは、ただの足がかりよ」
まるでちょっとそこまで散歩に行くのとでも言い出しそうな軽やかな声で言われたそれに、ノイゼが目を見開き、周囲の人々が大きくざわつく。
今にも口々に何かを言い出しそうな人々を手で制しながら、ノイゼはアルマニアを観察するように見た。
確かに、アルマニアの臣下だというあの男の力は凄まじい。それは認めよう。だが、だからといって彼の存在だけで三国を手中に収めることができるかというと、甚だ疑問だった。
しかし、アルマニアの目はそう言っていない。目的という言葉を使いながらも、彼女はそれを目指すべき先として言っているのではなく、必ず実現する未来であるかのような確かさをもって口にしているのだ。
果たして、その底が窺えぬ自信はどこからくるのか。無論、彼女が従えているヴィレクセストにはまだ隠された力があるのかもしれないが、ノイゼが彼女に見たそれは、誰かの力を当てにするような類のものではないように思えた。
「…………つまり貴女は、力でねじ伏せ、貴女こそがこの国の長として立ち、ザクスハウルを乗っ取るおつもりなのですか?」
あまりに直接的な問いに、アルマニアがぱちりと瞬きをする。同時に、とても良い兆候だと彼女は思った。婉曲表現で回りくどく言うのではなく、はっきりとした言葉で問いを投げるということは、アルマニアに婉曲的な表現を理解するだけの能があると認めた上で、それを無駄な工程であると判じたということだ。
言いたいことをはっきり言って良いのだと思われているという事実は、君主として立つにあたって非常に好ましいことである。
「いいえ、違うわ」
ノイゼの問いをあっさりと否定したアルマニアが、にこりと笑う。今度の笑みは、年相応にも思える愛らしいものだった。
「万が一どうしようもなくなったら、力づくで、というのも一考しようとは思っているけれど、基本方針はそうではないの。ただ、貴方たちに私を見ていて欲しい。それだけよ」
そう言ったアルマニアに、彼女の背後に控えているヴィレクセストは少しだけ驚いたような顔をした。だがアルマニアはそれに気づかぬまま、言葉を続ける。
「私の一挙手一投足を、僅かも逃さずしっかり監視してちょうだい。そして、間違っていると思ったことは躊躇わずに言って欲しい。勿論、私も反論はするわ。けれど、きっとそれが健全なの。そうやって一緒に努力して、この国がもっと素敵な場所になるように導いて……、そうしたらその果てに、私が王になっているわ」
なるのではなく、なっているのだ、と。そう言ったアルマニアに、ノイゼは呆けた顔をして数度瞬きをして、そして、初めて心から可笑しそうな声を上げて笑った。
「は、ははははっ! なるほど、そう来ましたか。ええ、ええ、そう言われてしまっては、否を言うことはできません。勿論、組織である以上、私一人で全てを決定する訳にはいきませんが……、まずは私個人として、貴女を歓迎させてください、アルマニア嬢」
そう笑って差し出された手を、アルマニアが握る。令嬢だった彼女にとって、対等な握手というのは初めて経験するものだったが、なかなかどうして悪くない心地だ、と彼女は思った。
「さて、貴女とレジスタンスがどのように関わっていくかを定める前に、まずはこの国に何が起こったのかについて、聞いていただけるでしょうか」
そう言って、ノイゼは己の知る全てを語り始めた。
「平手ならお見舞いしてあげなくもないけれど?」
さらりと返されたそれに、ヴィレクセストがつれないなー、とぼやいたが、それを無視したアルマニアはノイゼを見て、こてりと首を傾げてみせた。
「いかがかしら?」
短い言葉を受け、ノイゼが黙したままアルマニアを見つめる。レジスタンスの皆が固唾を飲んで賢人を窺う中、長い沈黙を経て、彼は口を開いた。
「そちらの方は、一体何者なのでしょうか」
返答とは呼べぬそれに、しかしアルマニアは咎めることはせず、顔だけでヴィレクセストを振り返った。
私が答えるまでもないから貴方が答えなさい、という表情をきちんと浮かべた彼女に、賢人を含むレジスタンスの面子は皆そのままに受け取ったようだったが、実情は違う。果たしてヴィレクセストについてどこまで言って良いものなのか、判らなかっただけだ。
アルマニアの視線を受けて少しだけ笑ったヴィレクセストは、そうだなぁと口を開いた。
「あんたらが頼ろうとしてた聖獣よりも強い、特別な生き物ってことにしとこう」
「……答える気がないということですね?」
「というよりは、世の中には知らない方が良いことも沢山あるって話かね。下手に知ってしまうと、そのせいで色々厄介なことが起こるんだよ。あんただって、こんなしょーもないことで死にたくはないだろ?」
その言葉に隠れた強い警告をきちんと察知したノイゼは、渋々ながらも頷きを返した。納得はいかないものの、そういった感情は飲み込み、これ以上の追及をすることは避けたようだった。
「アルマニア嬢、そちらの方のお力は十分に理解しました。始祖である大賢人様にも及ぶ魔法を扱えるのですから、八賢人と戦うことになった際、これほど心強い味方はいないでしょう。……では、貴女のお力はいかがでしょうか」
涼やかな目でアルマニアを見ながら、ノイゼが言う。その中にある、まさか部下の力が己の力であるかのような顔をして偉そうなことを言っているのではないだろうな、という牽制を正しく感じ取ったアルマニアは、鈴の音のような軽やかな笑い声を上げた。
「ヴィレクセストを直属の臣下として召し抱えていることこそが、私の力よ。彼は、私だけを主と定め、私の命にのみ従う。私だからこそ、彼は自らの力を振るうの。ならば、その力は間違いなく私の力だわ。さて、私のこの考えは間違っているかしら?」
自信に満ちた表情でそう言いながら、しかしアルマニアは内心で反吐を吐くような思いだった。
ヴィレクセストの力は、彼自身のものだ。アルマニアの力でなどあるものか。彼がアルマニアのお願いを聞いてくれるのだって、アルマニアが彼の主に相応しいからではなく、そのほとんどがただの好意と厚意によるものである。決して、自らの行いによって手に入れた信頼からくるものではないのだ。
アルマニアは、本当は何も持っていないただの小娘だ。そんなことは、自分が一番よく判っている。けれど、それでは駄目だ。それでは、レジスタンスはアルマニアを認めてくれない。
(ええ、ええ、矜持も信念も、なんだって曲げてあげるし捨ててあげるわ。そんなもの、成し遂げると誓った目的の前ではくだらない些末事ですもの)
アルマニアは、その瞳で賢人を射抜く。全身で己こそが正しいのだと証明するように、目を逸らさずにノイゼを見据える。
「…………強き者を従えられるというのも、また紛れもない才であり強さですね」
そう言ったノイゼが、ふっと表情を緩めてから深く頭を下げた。
「貴女の力を侮るような無礼を働きました。申し訳ありません」
「いいえ、良いのよ。寧ろ、それくらいの方が頼もしくて結構だわ」
それを許しと受け取ったノイゼが顔を上げて、それから、もうひとつだけ、と言った。
「貴女は元とは言え、シェルモニカ帝国の人間のはず。それがどうして、私たちの国を正そうなどということを考えたのでしょう。失礼ながら、もっと大局的な目的があるのでは?」
「あら、さすがは賢人だわ。ええ、その通りよ。私の最終的な目的は、ザクスハウルをどうこうすることではないわ」
そこで言葉を切ったアルマニアが、これまでで一番美しい女神のような微笑みを浮かべる。
「私は、三国全てを制する覇王になるの。ザクスハウルは、ただの足がかりよ」
まるでちょっとそこまで散歩に行くのとでも言い出しそうな軽やかな声で言われたそれに、ノイゼが目を見開き、周囲の人々が大きくざわつく。
今にも口々に何かを言い出しそうな人々を手で制しながら、ノイゼはアルマニアを観察するように見た。
確かに、アルマニアの臣下だというあの男の力は凄まじい。それは認めよう。だが、だからといって彼の存在だけで三国を手中に収めることができるかというと、甚だ疑問だった。
しかし、アルマニアの目はそう言っていない。目的という言葉を使いながらも、彼女はそれを目指すべき先として言っているのではなく、必ず実現する未来であるかのような確かさをもって口にしているのだ。
果たして、その底が窺えぬ自信はどこからくるのか。無論、彼女が従えているヴィレクセストにはまだ隠された力があるのかもしれないが、ノイゼが彼女に見たそれは、誰かの力を当てにするような類のものではないように思えた。
「…………つまり貴女は、力でねじ伏せ、貴女こそがこの国の長として立ち、ザクスハウルを乗っ取るおつもりなのですか?」
あまりに直接的な問いに、アルマニアがぱちりと瞬きをする。同時に、とても良い兆候だと彼女は思った。婉曲表現で回りくどく言うのではなく、はっきりとした言葉で問いを投げるということは、アルマニアに婉曲的な表現を理解するだけの能があると認めた上で、それを無駄な工程であると判じたということだ。
言いたいことをはっきり言って良いのだと思われているという事実は、君主として立つにあたって非常に好ましいことである。
「いいえ、違うわ」
ノイゼの問いをあっさりと否定したアルマニアが、にこりと笑う。今度の笑みは、年相応にも思える愛らしいものだった。
「万が一どうしようもなくなったら、力づくで、というのも一考しようとは思っているけれど、基本方針はそうではないの。ただ、貴方たちに私を見ていて欲しい。それだけよ」
そう言ったアルマニアに、彼女の背後に控えているヴィレクセストは少しだけ驚いたような顔をした。だがアルマニアはそれに気づかぬまま、言葉を続ける。
「私の一挙手一投足を、僅かも逃さずしっかり監視してちょうだい。そして、間違っていると思ったことは躊躇わずに言って欲しい。勿論、私も反論はするわ。けれど、きっとそれが健全なの。そうやって一緒に努力して、この国がもっと素敵な場所になるように導いて……、そうしたらその果てに、私が王になっているわ」
なるのではなく、なっているのだ、と。そう言ったアルマニアに、ノイゼは呆けた顔をして数度瞬きをして、そして、初めて心から可笑しそうな声を上げて笑った。
「は、ははははっ! なるほど、そう来ましたか。ええ、ええ、そう言われてしまっては、否を言うことはできません。勿論、組織である以上、私一人で全てを決定する訳にはいきませんが……、まずは私個人として、貴女を歓迎させてください、アルマニア嬢」
そう笑って差し出された手を、アルマニアが握る。令嬢だった彼女にとって、対等な握手というのは初めて経験するものだったが、なかなかどうして悪くない心地だ、と彼女は思った。
「さて、貴女とレジスタンスがどのように関わっていくかを定める前に、まずはこの国に何が起こったのかについて、聞いていただけるでしょうか」
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