部活動戦争！

私立自由ヶ原学園！

私立自由ヶ原学園。

この広大な敷地に門を構える高校は、その名の通り生徒の自主性を重んじる、自由な校風が売りの学校だ。偏差値はさほど高くはないが、その独特な校風に惹かれて全国から数多くの個性豊かな顔立ちが集まる。
勉学、スポーツ、芸事などなど何か一芸に秀でた者が一様に集い切磋琢磨している。
この学園の最大の一風変わった点とは、部活動である。学園では生徒の可能性を伸ばすために部活動の創立は基本的に生徒たちの自由であり権利だ。顧問も学校側の承認も必要なく、自分のやりたいことをとことん追求することができるのだ。他校には無いようなマイナーな部活動もたくさん存在し、そこで世界レベルにまでなる者も決して珍しくはないのだ。

だが、そんな『部活動を作る権利』の上にはある制約がある。

ー部活動の存続と予算に関しての権利は、各部が自分たちの力でもぎ取ること。

そう、自由ヶ原学園がいくら膨大な資金を持つ組織だとしても、部活動にかけられる予算というものはある程度は決まっている。多くの部活動があるならば一つ一つの部に使える予算が少なくなってしまうのは至極当然のこと。活動の場所や予算を十分に確保したければ、彼らは他の部を蹴落として潰し合い、部活の存続を勝ち取る必要があるのだ。

「弱肉強食」

これが自由ケ原の、もう一つの絶対的なルールなのだ。
そうして今年も季節は巡り、新入生たちが入学してくるのである。