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辺境へGO!なのだけれど...

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 俺達はレイトン先生が合流したところで、ラムダの町を出発し、ケヴィンの実家のある辺境の屋敷へ向かった。

『馬車でもかなり時間がかかりますから.....』

 サマリアさんは馬車と荷車を二台、用意してくれた。まぁ馬的な動物の引く馬車のようなもの......というべきか。でも、元が乙女ゲームだから、いわゆる異世界ファンタジーよりはやや現実世界寄り。

 動物とかも前世の俺達の世界に普通にいる動物っぽい。まぁ呼び名はちょっと違うんだけど、割愛。

 問題なのは、その普通な動物達の中に異常が発生しているということ。勿論、ダンジョンから漏れだしてる障気のせいなんだけど。

 ラムダから馬車に揺られること一月。野を越え山を越えて、すっかりみんなの尻が腫れ上がった頃、ケヴィンの実家のある西の辺境に辿り着いた。
 
 サマリアさんやラムダの街の人に聞いた話では、この辺境の森でかなり深刻な異常が発生しているという。

「かなりの数がいます」

とケヴィンのお父上。形が変容しているものがそれほどいる訳じゃないんだけど、実はもっと深刻。

 何故かというと、森の動物の多くが、過度の発情状態になってるらしいんだ。

 そこの人、今エチチなこと考えたでしょ?違いますから!

「ご存じのとおり、発情期の獣というのは極めて凶暴でして......」

 つまり、森には熊も狼も、肉食系の怖い動物が沢山生息しているわけ。それが過度の発情状態ーつまりはとんでもなく凶暴な状態になっているってこと。

 当然、人間はとてもじゃないけど、森に入れない。しかも、獣達は餌と番う相手を求めてどんどん人里に降りてくる。超ヤバ状態なんです、まじで。

「国境警備隊が駆除にあたってますが、とても間に合わないし.....中には、その......」

 続きは言わなくていいです。あの作家先生、人外ものもお好きでしたから。推して知るべし、腐女子の恐ろしさ。

 俺達はとにかく一刻も早くダンジョンの入り口に辿り着かなきゃ......というところなんだけど、なんか変。

 しきりに屋敷に泊まらせたがるんだよね、ケヴィンの父上。しかもそれぞれ別の部屋に。
 俺達ー俺とマグリットとルードヴィヒは同じ部屋だけど、アントーレ、エメルさん、レイトン先生はそれぞれ別の部屋。建物まで違うって差別...というよりなんかおかしくないか?

 少なくとも俺達は身分違いにしても、エメルさんはアントーレの旧友なんだから、無理に違う部屋を勧めるって無いよね?

『大丈夫だ。俺が同じ部屋に泊まる』

ってエメルさんが毛布を抱えてアントーレと同じ部屋に泊まってくれた。



 翌朝、みんなして、ひとりも欠けずにダイニングに現れた時、ケヴィンの父上の顔色が心なし悪かったのは気のせいだろうか?

 あ、ちなみにレイトン先生は転移魔法で、パートナー先生の待つホテルにお泊まりしたそうです。
 まったく、大人って......。
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