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五章 『里帰り』編

昔語り

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「おう、坊主! 久しぶりだな! 一ヶ月ぶりくらいか?」
「お久しぶりです、ゴリッドさん! ……一年半ですよ」
「なに? もうそんなに経ったのか?」
「経ちますよ~。貴族の屋敷が出来てるじゃないですか」
「おう、まあ、そういやぁそうだな。まあ、ゲーティンはいい奴だ。あいつならいても構わねぇ」
「あはは」

 エルフィーとウェルゲムを宿屋に案内してから、ゴリッドの鍛冶屋に赴いた。
 ドワーフである彼は時間の感覚が圧倒的にオリバーとは違う。
 そして……。

(ドワーフにめっちゃ気に入られてるイラード侯爵……)

 本当、もうこのままここに住んで幸せな余生を送ってください。
 そんな気持ちでいっぱいである。

「しかし一年半って事はサイズが合わなくなってきたんじゃねえか? 背もずいぶん伸びてんなぁ」
「そうなんですよ。それで、以前素材でよいと言われていた『リッチの骨』……手に入ったのでこれでお願いしようかと」
「おお! なかなかの上物じゃねえか」
「それから、今度祖父の誕生日パーティーなんです。これって二つに分けられませんか? 貴族用と冒険者用の二つが欲しいかな~って」
「んん……? いや、さすがにそりゃ無理だな。だが、用途に分けて二つ必要なのは分かった。なら、『厄石』を持ってきな。それで済む」
「か、簡単に言ってくださいますけれど……」

『厄石』はそうそう落ちているものではない。
 空間の隙間より『厄災の澱み』が物質化したものなのではないか、時間が経つとAランクの魔物になる事から、魔物の核なのではないか、等々言われている。

(そういえば『ワイルド・ピンキー』に『厄石』とか出てたっけ? さすがにもう細部は思い出せないな……? 『聖霊石』は出てた気がするけど)

 天井を見上げて考え込む。
 その様子にゴリッドも「まあ、確かにホイホイ手に入るもんでもねぇからなぁ」と自分の膝を叩く。

「とりあえず貴族のパーティーに出られるよう、表に被せる飾りみてぇなのを作ってやるよ。今回はそれで凌げねぇか?」
「なるほど!」
「貴族用って事は、派手に飾っていいのか」
「いえ、あまり派手には……目立ちたくありません」
「まあ、そりゃそうか」

 というわけで、『リッチの骨』を手渡し、新しい厄呪魔具の仮面制作に取りかかってもらう。
 とはいえもう夜も更けてきた、完成は明後日、という事になった。
 問題はその間のオリバーだ。
 この町は他の町と違って人族の方が少ない。
 だが、まったくいないわけではないし、この顔を晒したまま宿に戻ればエルフィーとウェルゲムに顔を見られる事になる。
『厄石』を取った鉄の仮面を簡単に打ち直すか、と聞かれたが……それで『魅了』や『誘惑』の効果は打ち消せない。

(『厄石』が欲しい……)

 普通『厄石』を欲しがる人間などいないものなのだが、予備の仮面が一つ欲しいと今切実に思った。
 ランクも上がった事だし、今度ギルドで『厄石』の依頼があったら優先的に回してもらおうと誓う。

「宿に帰らねぇのか?」
「連れがいるんです。里帰りしようと思って……」
「おお、里帰りか。いいなぁ、しとけしとけ! なくなってからじゃ帰れねえからな」
「…………」

 言葉が重い。

「……ドワーフは元々どこに住んでいたんですか?」

 そういえば『ワイルド・ピンキー』は多種族が入り乱れる国と一括りにされていたが、オリバーの知るこの国は決して『入り乱れる』という表現が適切とは思えない有様だ。
 人間種以外の種はこのように受け入れてくれる町に集まり、自分たちだけの集落を作っても地図には載らない。
 アーネストの担当する『ハグレード地方』に至っては、人間種以外を『公帝国民』とは認めず、「有事であっても騎士や冒険者は手を差し伸べてはならない」という法まである。
『ハグレード地方』は『公帝国派』として有名であり、公帝意志反映が強い土地だ。
 その『ハグレード地方』がそうなのだから公帝は亜人が嫌いなのだろう。
 そうして追い出され、追いやられた彼ら。
 しかし本来は住んでいた土地があるはずだ。

「…………。そうだな……ペンドラゴ帝国時代は好きなところに住んでいた」
「好きなところに……」
「ここの山は昔はなくてなぁ、その頃からペンドラゴ帝国はカルディアナ王国を始めとする数多の小国の自治を認め、争いが起きそうになれば諫め、種族同士のいざこざにも役人を派遣しては双方が納得出来るよう、または妥協出来るように間を取り持ってくれたんだ。おれたちドワーフ族は西の方にある山脈の間に国を作って物作りをしながら、交易で人間種とも良好な関係を築いていた」
「……理想……ですね」
「ああ、今の時代では考えられんだろう? あの時代は本当に良かった。カルディアナ王家は聖霊信仰発祥の国で、ペンドラゴ帝国皇帝はカルディアナ王家と聖霊信仰を重宝し讃えていた。あの頃はまだ聖霊が実際に見える人間も多かったからな……聖霊の加護を一族の血筋レベルで受けた者が多かったから、本当に自然も人の心も豊かだったんだ」
「っ……」

 歴史書では習わない話だ。
 それは本当に古い出来事。
 千年か、それよりももう少し前の話。
 しかし、人間は短命で忘れやすい種族。
 そしてとても……腐りやすい。
 数多の種族が支えていても、カルディアナ王国とペンドラゴ帝国はゆっくりと衰退していった。
 それでも約六百年、二つの国はお互いを支え合いながら続いていったらしい。
 だが、時の腐敗には勝てなかった。
 内部からゆっくりと冒され、次第に二つの国は敵対するようになり、各地のいざこざを諫める事もなくなり、争いの火種が増えていくばかりの時代が百年近く続いたそうだ。
 悪化していくのを止められず、各種族の内紛も激しくなり、ついにいくつかの武力衝突が始まったのが今から二百年ほど前。
 そしてつい最近まで、その争いの時代は続いていた。
 それまで、かろうじて生きながらえていた『カルディアナ王国』と『ペンドラゴ帝国』の王族と皇族は共に王位と帝位を破棄。
 事実上の消滅を迎えた。
 それを統括して『エドルズ公帝国』が誕生したのは今から三十年ほど前。
 戦乱により人間種以外の種族も国を失い、故郷を失い、居場所を失い……今のように流れて身を寄せ合える町をなんとか見つけられたら運がいい。

「あの頃は本当に良かった……」

 ゴリッドの手が止まる。
 しみじみとした声に、喉の奥が重くなるような感覚になった。
 そうして覇権を勝ち取ったのが、かつて王家と皇帝家に仕えていた貴族たち……オリバーの祖先たち。
 満足なのか。
 今の、この形で。彼らは。

「だからなぁ、坊主……お前みたいな『聖霊の加護』を持ってる奴は今じゃかなり珍しいんだぜ」
「!」
「もう聖霊はおれたちにも見えなくなっちまった。カルディアナ王家やペンドラゴ皇帝家を滅ぼした人間だけじゃあなく、あの国々を守ろうとしなかったおれたちにも愛想を尽かしたんだろう。あの時代は生きるのに必死だったと言い訳したって、その事実は変わらないからなぁ」
「ゴリッドさん……」
「『聖霊石』が見つかるのは、聖霊の皮肉なのかもしれねぇと時々思うんだ。昔よりも魔物が強く、多くなっている今の時代、『聖霊自分たちなしでお前らはどのぐらい生き延びていけるか』……そう言われているような気がする。だが、お前さんの持つ加護は違う。聖霊が聖霊の意思で与えるもんだ」

 槌を振るう手が再開され、ゴリッドはオリバーを一度も見る事はなく作業を続けた。
 語り口調は優しい。
 火がゴゥゴゥ……と音を立てて燃えるその部屋で、真剣な眼差しで仕事を続けるドワーフ。
 彼はとても昔を懐かしみ、だが今を嘆いているわけではないのだろう。

「……聖霊は人にも見えたんですか……」
「というよりも、霊力を持つ者にしか見えなかった。俺も昔はあったんだが……それでもこればかりは天賦の才能……生まれながらの体質というやつが大きい。加護持ちの坊主は霊力があるかもしれんぞ」
「…………」

 ニッ、とこちらを見ないでゴリッドは笑う。
 そこに含まれているのは、やはり後悔ではない。

「霊力……魔力とは違うんですか?」
「違うらしいな」
「……んー……」

 聖霊の加護。
 これも、正直『ワイルド・ピンキー』に出てきた記憶がない。
 主人公シュウヤの特別な力は『スキルコピー』であって聖魔法ではなかったし、ヒロインの一人エマの死で覚醒するのも『呪無効』。
 この『呪無効』は厄呪魔具使いのスレリエル卿にとっては脅威以外のなんでもない。
 オリバーは自分の厄呪魔具があるのでそもそも通用しないが、厄呪魔具に用がない普通の人間にとってこれはとても大きいのだ。
 なので、やはり……聖霊の事はラノベには書いていなかったように思う。
 便利な設定、程度だったはずだ。

(けれど、この世界ではちゃんと聖霊には聖霊の理由……由来がある。ラノベの中でまったく語られていなかったカルディアナ王国とペンドラゴ帝国。まあ、それもこの国の成り立ちのための理由づけ、なのかな?)

 この世界が、この世界として成立するための歴史という事なのだろうか。
 それとも……。

(いや、あの神様は『そのラノベのモデルになった世界』って言ってた気がする。あれ? じゃあラノベ通りの展開には、もしかしてならない感じ? ……その可能性は考えてなかったな……)

 だが、それならそれでいいのかもしれない。
 シュウヤはすべてを力で解決する。
 戦争が起きなければ、それが一番いい。

「どちらにしても、今の時代聖霊はその辺をうろついてやしねーよ」
「……カルディアナ王国とペンドラゴ帝国時代はうろついてたんですか?」
「おうよ、だからおれにも見える、力の強い聖霊がいたのさ。そこら中に聖霊を奉る祠があってなぁ、『聖霊石』ってのは聖霊の『器』だったんだ。聖霊は『聖霊石』を家にして、人間種と交流していたし、力を貸し与えていたんだぜ」
「へえ……」

 ふと、クロッシュ侯爵家に伝わる話を思い出す。
 クロッシュ侯爵家に奉られている、『霊器ウェンディ・ランス』という槍。
 聖霊が宿っており、その槍に宿る聖霊を見る事が出来た者はその聖霊の力を借り受け、『聖霊術』という魔法よりも上の原始の力が使えるようになる。
 そしてその『聖霊術』は、魔法も物理攻撃も通用しないAランク+の災害『ドラゴン』をも倒す力である──と。

(どこまで本当か分からないけど、ゴリッドさんの話を聞いていると夢が広がるなぁ)

 それは主に『ドラゴン』を倒せる、というところだが。

「……ゴリッドさん、『霊器』というのを知っていますか?」
「おう! 聖霊が器にした『武器』の事だな。聖霊武具はこれを基に作られたと言われているんだぜ」
「え! そうなんですか?」
「おうよ。聖霊武具は『聖霊石』を普通の武具に埋め込んで作る。まあ厄呪魔具や聖霊魔具の武器版だな。だが元々厄呪魔具や厄呪武具、聖霊魔具も『霊器』をヒントにカルディアナ王国とペンドラゴ帝国時代に作られたもんだ。聖霊が『聖霊石』で作った武具に宿り、霊力のある者が聖霊と心を通わせ……ああ、いや契約だったか? まあ、とにかくそうして戦ったんだとよ。そういう事が出来たやつは『聖霊の寵愛』っていう『聖霊の加護』よりも強い絆みたいなもんで聖霊に守られていたというな」
「…………聖霊の……寵愛……?」
「おう。太古の昔……おれが生まれる前の話だ」
「………………」

 ひや、と背中に汗が流れる。
 目が泳ぎ、自分のステータスを危うく開いて確認しそうになった。

「そういう『聖霊の寵愛』と『霊器』を持ち、聖霊と心を通わせた者は『救済者セイバー』と呼ばれていたんだぜ。まあ、古の英雄の呼び名だな」
「…………」
「ガキの頃、誰もが憧れたもんだぜ……。まあおれのガキの頃の話だけどよ」
「そ、そ……そうなんですか……」

 ごく、と喉を生唾が通る。

(そんな設定知らない。そんな設定なかったはず……やっぱりモデルだから? ラノベの世界そのものではないから? ……でも、でも……そ!って……)

 御伽噺として、語り継がれてさえいない古の物語。
 かつて、いた……という話だろう。
 だが、あまりにも自分の周りに揃いすぎている。
 自分の正義を振りかざすつもりはない。
 ただ目の前で泣いている人がいたら救いたいとは思う。
 ただそれだけの力しか自分にはないはずだから。

(……さすがに、そこまでの力は……いらないしね)

 もし、神が……あの神様が『死なないための加護』としてそこまでのものを用意していたのなら──。
 これまでは【無敵の幸運】がソレだと思っていたが、まさか……。

(……まさか、ね)


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