31 / 58
本編
第三十話 月の翳りを取り払って②
しおりを挟む
湯浴みをしようと服を脱いだアリーチェは、思わず叫び声を上げそうになっていた。
肌を隠すドレスを身に纏っていたから気づかなかったが、蔦のようなものは足首に巻き付くかのように成長し、腕の方も肘を越えた場所にまで先端が伸びていた。
毒々しい華の文様は、大きな胸元の一つを中心に、肩口や二の腕、腹部や内股にまで咲いており、あちこちに小さな蕾すら芽吹いている。その胸元の大輪に関して言えば、まるで今にもアリーチェの心臓を食らい尽くさんばかりの禍々しさを放っていて。
胸元に呪いの文様が浮かんで以来、肌を見られたくなくて一人で湯浴みをする生活が続いていたが、こんなものを侍女が目にした日には卒倒してしまってもおかしくはないだろう。
現に、呪いの文様を見慣れたアリーチェでさえ、身体を洗っている間はずっと手の震えが止まらずにいた。
――怖くて、怖くて。
一歩一歩着実に、死の足音が近づいてきているようで。
ひやり、と。
死神の鎌が喉に突き付けられるような感覚に、温かいはずの湯が冷水のように感じていた。
――『貴女を死なせないことだけはお約束します』
ふと頭の中に浮かんだ無感動な低い声。
それだけが、アリーチェの全て。
――不安で、恐ろしくて。
それでも、クロムのことだけは信じられるから。
だから。
「……ねぇ、クロム」
真っ青な顔で部屋の扉を叩いたアリーチェを、クロムはなにも言わずに招き入れてくれた。
「はい」
ソファに腰かけたクロムの前。アリーチェは震える指先で、けれど迷うことなく夜着のボタンを外していく。
「!? アリーチェさん!?」
アリーチェの行動に気づいたクロムがぎょっとしたように目を見開いたが、そんなことには構っていられない。
足元に服を落とし、頼りない下着だけの姿になったアリーチェは、恥ずかし気に顔を赤く染めながらもクロムを正面から見つめていた。
「見てっ」
「っ」
アリーチェの勢いに押されたらしいクロムは一瞬驚いたように身を引いたものの、その瞳に嫌悪の色が浮かぶことはなく、それだけでじわりと涙が滲みそうになった。
――クロムは、こんなアリーチェの肌を見ても、“気持ち悪い”なんて思わない。
恐怖か、安堵か、それともその両方か。泣きそうに顔を歪めたアリーチェは、縋るような瞳でクロムに問いかける。
「……私、あとどのくらい?」
自ら余命を尋ねるのは恐ろしく、言葉は僅かに震えていた。
けれど。
「その心配はありません」
「でも……っ!」
きっぱりと断言され、アリーチェは涙の浮かんだ瞳を揺らめかせる。
昼間、息ができなくなるような胸の締め付けに、一瞬死を覚悟したのだ。
呪いの発動がすぐそこにまで迫っていることを、現実のものだと実感した。
呪いを解く鍵が眠っているという古代遺跡への立ち入りはすぐに叶いそうにない。
そんな、絶望的な状況で。
どうしたらこの不安を払拭することができるというのだろう。
クロムのことを、信じていないわけではない。むしろ、クロムには絶対の信頼を置いている。
だが、胸に湧く不安とクロムに向けた信頼は別物だ。
「……例の薬。また、使ってもいいですか?」
突然の呪いの成長は例の薬の効用が弱まったせいもあると言って、クロムは多少の躊躇を見せながらも尋ねてくる。
あれからそれなりの時間が経過している。薬の効果が弱まってもそれは当然のことだろう。
「今度は、呪いを退化させるためにこの前より少し強めのものにしましょう」
呪いを抑えるだけではなく、退化もさせる。できたとしても僅かだとクロムは苦笑するものの、確かに昼間、咲きかけた呪いの華が蕾に戻った姿を目にしている。
どうしてそんなことが可能なのか、尋ねてほしくなさそうなクロムに聞くことはできないけれど、クロムが言うからには僅かな呪いの退化は可能なのだろう。
「え……」
「心配しないでください。俺は外に出ますから」
少し強めとの言葉に思わず驚いてしまったアリーチェの反応をどう取ったのか、クロムはもうあんなことにはならないようにと対策を口にする。
あの時、あんなことになってしまったのは、クロムがアリーチェの血を舐め取ってしまったことにも大きな要因があった。
だから、今回はアリーチェだけ。そして、念のためにもクロムは今夜マクラーゲン邸の外にいる。
「っ」
もうあんなふうに触れ合うことはないと宣言され、アリーチェの身体はふるりと震えた。
「……や……、嫌よ……」
絶望にも似たこの感覚はなんだろう。
先ほど自分の肌を見た時よりも強い恐怖を感じ、アリーチェは己の身体を抱き締めるとふるふると首を振る。
あの熱を、自分一人で耐えるなんて。
再び薬を使うと告げられて感じたものは、怯えなどでは決してなく、お腹の奥がきゅんと切なくなるような期待と歓喜だったのに。
「? アリーチェさん?」
ふら、とした足取りでクロムの目の前に立ったアリーチェは、そのままクロムの肩に手を置き、そっと身を屈めて唇を近づけた。
「――っ!?」
静かに唇を重ねれば、クロムの赤い瞳が信じられないものを見るかのように大きく見開いた。
「……眼鏡が邪魔だわ」
自らした初めてのキスに対する感想はそんなものだった。
なんだか、眼鏡の硝子に触れ合うことを阻まれているかのような気持ちになって、思わずむすりとしてしまう。
「……クロムに触られると気持ちがいいの」
「っ、それは……っ」
そうして切なげに微笑んだアリーチェへ、息を詰めたクロムが苦し気に表情を歪ませる。
「魔力酔いのせいです」
それは、アリーチェの意思ではなく。
魔力によってもたらされた強制的なもの。
だから流されてはダメだと諭してくるクロムに向かい、アリーチェはふるふると首を振って否定すると寂し気に微笑んだ。
「それでもいいの」
あれ以来、キスをしてくれてもそれ以上のことをしてくれないことが寂しかった。
「触ってほしい」
本当は、ずっとずっと触れて欲しかった。
クロムに触れられると気持ちがよくて。
不安が、全て消えていくから。
「ね?」
「……っ」
甘く誘いかけるアリーチェの吐息に、クロムの眉間にはぐっと皺が寄る。
「……とりあえず、準備、しますね」
苦渋の決断をするかのように席を立ったクロムは、研究室から持ってきた手荷物の中を探ると目的のものを手にしてすぐに戻ってくる。
「腕、出してください」
「っ」
照明に反射して光る鋭い針の先は怖くて見ていられないものの、妙に胸がドキドキするのは、この後に訪れる快楽をすでに知っているからだ。
違法薬物に手を染めてしまう人々の気持ちが少しだけわかってしまうような気がするが、後遺症もなにもない魔力酔いはある意味もっと質が悪いかもしれない。
「……ぁ……」
針の刺さった部分が熱を持ち、そこからじわじわとしたぬくもりが流れていく。
「ん……っ」
針を引き抜かれる感覚だけはどうしても嫌な痛みを伴って、アリーチェの顔は僅かに顰められる。
けれどその痛みも、すぐに訪れたふわふわとした甘い感覚に溶けて消えてしまった。
「……ねぇ、この薬って、本当はなにでできているの?」
答えてくれるとも思っていなかったが、ことり、と首を傾けた純粋なアリーチェの双眸に、クロムは観念したように口を開く。
「……俺の血液から精製した魔力が含まれています」
なぜ、クロムの魔力を取り込む必要があるのか、ふわふわしたアリーチェの思考回路ではよくわからない。
「身体の中から直接抑え込む必要があるので」
根付きつつある呪いに抵抗するためにはそれが一番なのだと告げられて、なんとなく納得する。
「……クロムも魔力持ちなのね」
クロムの魔力を直接アリーチェの中に流し込んで呪いを抑える。なぜそんなことができるのかは置いておくとして、つまりはそういうことなのだろう。
「……」
沈黙は、肯定か。
「そうでなければ魔力酔いなんて起きるはずがないもの」
なにを隠したがっているのかはわからないが、ふわりと甘く微笑んだアリーチェへ、クロムはかちゃりと眼鏡を外すと真っ直ぐアリーチェを見つめてくる。
「!」
その仕草と赤い双眸に射貫かれて、アリーチェの心臓はドキリと跳ね上がった。
「……クロ、ム……」
どきどきと胸が鼓動を刻み、こくりと喉が鳴った。
お腹の奥がじわりとした熱を持ち、脚の間がきゅん、と痺れるような感覚がした。
「もう黙ってください」
どうやら迷いを捨て去ったらしいクロムがアリーチェの顎を取ってきて、口づけの角度に上げられる。
「こんな時におしゃべりは野暮ですよ」
肌を隠すドレスを身に纏っていたから気づかなかったが、蔦のようなものは足首に巻き付くかのように成長し、腕の方も肘を越えた場所にまで先端が伸びていた。
毒々しい華の文様は、大きな胸元の一つを中心に、肩口や二の腕、腹部や内股にまで咲いており、あちこちに小さな蕾すら芽吹いている。その胸元の大輪に関して言えば、まるで今にもアリーチェの心臓を食らい尽くさんばかりの禍々しさを放っていて。
胸元に呪いの文様が浮かんで以来、肌を見られたくなくて一人で湯浴みをする生活が続いていたが、こんなものを侍女が目にした日には卒倒してしまってもおかしくはないだろう。
現に、呪いの文様を見慣れたアリーチェでさえ、身体を洗っている間はずっと手の震えが止まらずにいた。
――怖くて、怖くて。
一歩一歩着実に、死の足音が近づいてきているようで。
ひやり、と。
死神の鎌が喉に突き付けられるような感覚に、温かいはずの湯が冷水のように感じていた。
――『貴女を死なせないことだけはお約束します』
ふと頭の中に浮かんだ無感動な低い声。
それだけが、アリーチェの全て。
――不安で、恐ろしくて。
それでも、クロムのことだけは信じられるから。
だから。
「……ねぇ、クロム」
真っ青な顔で部屋の扉を叩いたアリーチェを、クロムはなにも言わずに招き入れてくれた。
「はい」
ソファに腰かけたクロムの前。アリーチェは震える指先で、けれど迷うことなく夜着のボタンを外していく。
「!? アリーチェさん!?」
アリーチェの行動に気づいたクロムがぎょっとしたように目を見開いたが、そんなことには構っていられない。
足元に服を落とし、頼りない下着だけの姿になったアリーチェは、恥ずかし気に顔を赤く染めながらもクロムを正面から見つめていた。
「見てっ」
「っ」
アリーチェの勢いに押されたらしいクロムは一瞬驚いたように身を引いたものの、その瞳に嫌悪の色が浮かぶことはなく、それだけでじわりと涙が滲みそうになった。
――クロムは、こんなアリーチェの肌を見ても、“気持ち悪い”なんて思わない。
恐怖か、安堵か、それともその両方か。泣きそうに顔を歪めたアリーチェは、縋るような瞳でクロムに問いかける。
「……私、あとどのくらい?」
自ら余命を尋ねるのは恐ろしく、言葉は僅かに震えていた。
けれど。
「その心配はありません」
「でも……っ!」
きっぱりと断言され、アリーチェは涙の浮かんだ瞳を揺らめかせる。
昼間、息ができなくなるような胸の締め付けに、一瞬死を覚悟したのだ。
呪いの発動がすぐそこにまで迫っていることを、現実のものだと実感した。
呪いを解く鍵が眠っているという古代遺跡への立ち入りはすぐに叶いそうにない。
そんな、絶望的な状況で。
どうしたらこの不安を払拭することができるというのだろう。
クロムのことを、信じていないわけではない。むしろ、クロムには絶対の信頼を置いている。
だが、胸に湧く不安とクロムに向けた信頼は別物だ。
「……例の薬。また、使ってもいいですか?」
突然の呪いの成長は例の薬の効用が弱まったせいもあると言って、クロムは多少の躊躇を見せながらも尋ねてくる。
あれからそれなりの時間が経過している。薬の効果が弱まってもそれは当然のことだろう。
「今度は、呪いを退化させるためにこの前より少し強めのものにしましょう」
呪いを抑えるだけではなく、退化もさせる。できたとしても僅かだとクロムは苦笑するものの、確かに昼間、咲きかけた呪いの華が蕾に戻った姿を目にしている。
どうしてそんなことが可能なのか、尋ねてほしくなさそうなクロムに聞くことはできないけれど、クロムが言うからには僅かな呪いの退化は可能なのだろう。
「え……」
「心配しないでください。俺は外に出ますから」
少し強めとの言葉に思わず驚いてしまったアリーチェの反応をどう取ったのか、クロムはもうあんなことにはならないようにと対策を口にする。
あの時、あんなことになってしまったのは、クロムがアリーチェの血を舐め取ってしまったことにも大きな要因があった。
だから、今回はアリーチェだけ。そして、念のためにもクロムは今夜マクラーゲン邸の外にいる。
「っ」
もうあんなふうに触れ合うことはないと宣言され、アリーチェの身体はふるりと震えた。
「……や……、嫌よ……」
絶望にも似たこの感覚はなんだろう。
先ほど自分の肌を見た時よりも強い恐怖を感じ、アリーチェは己の身体を抱き締めるとふるふると首を振る。
あの熱を、自分一人で耐えるなんて。
再び薬を使うと告げられて感じたものは、怯えなどでは決してなく、お腹の奥がきゅんと切なくなるような期待と歓喜だったのに。
「? アリーチェさん?」
ふら、とした足取りでクロムの目の前に立ったアリーチェは、そのままクロムの肩に手を置き、そっと身を屈めて唇を近づけた。
「――っ!?」
静かに唇を重ねれば、クロムの赤い瞳が信じられないものを見るかのように大きく見開いた。
「……眼鏡が邪魔だわ」
自らした初めてのキスに対する感想はそんなものだった。
なんだか、眼鏡の硝子に触れ合うことを阻まれているかのような気持ちになって、思わずむすりとしてしまう。
「……クロムに触られると気持ちがいいの」
「っ、それは……っ」
そうして切なげに微笑んだアリーチェへ、息を詰めたクロムが苦し気に表情を歪ませる。
「魔力酔いのせいです」
それは、アリーチェの意思ではなく。
魔力によってもたらされた強制的なもの。
だから流されてはダメだと諭してくるクロムに向かい、アリーチェはふるふると首を振って否定すると寂し気に微笑んだ。
「それでもいいの」
あれ以来、キスをしてくれてもそれ以上のことをしてくれないことが寂しかった。
「触ってほしい」
本当は、ずっとずっと触れて欲しかった。
クロムに触れられると気持ちがよくて。
不安が、全て消えていくから。
「ね?」
「……っ」
甘く誘いかけるアリーチェの吐息に、クロムの眉間にはぐっと皺が寄る。
「……とりあえず、準備、しますね」
苦渋の決断をするかのように席を立ったクロムは、研究室から持ってきた手荷物の中を探ると目的のものを手にしてすぐに戻ってくる。
「腕、出してください」
「っ」
照明に反射して光る鋭い針の先は怖くて見ていられないものの、妙に胸がドキドキするのは、この後に訪れる快楽をすでに知っているからだ。
違法薬物に手を染めてしまう人々の気持ちが少しだけわかってしまうような気がするが、後遺症もなにもない魔力酔いはある意味もっと質が悪いかもしれない。
「……ぁ……」
針の刺さった部分が熱を持ち、そこからじわじわとしたぬくもりが流れていく。
「ん……っ」
針を引き抜かれる感覚だけはどうしても嫌な痛みを伴って、アリーチェの顔は僅かに顰められる。
けれどその痛みも、すぐに訪れたふわふわとした甘い感覚に溶けて消えてしまった。
「……ねぇ、この薬って、本当はなにでできているの?」
答えてくれるとも思っていなかったが、ことり、と首を傾けた純粋なアリーチェの双眸に、クロムは観念したように口を開く。
「……俺の血液から精製した魔力が含まれています」
なぜ、クロムの魔力を取り込む必要があるのか、ふわふわしたアリーチェの思考回路ではよくわからない。
「身体の中から直接抑え込む必要があるので」
根付きつつある呪いに抵抗するためにはそれが一番なのだと告げられて、なんとなく納得する。
「……クロムも魔力持ちなのね」
クロムの魔力を直接アリーチェの中に流し込んで呪いを抑える。なぜそんなことができるのかは置いておくとして、つまりはそういうことなのだろう。
「……」
沈黙は、肯定か。
「そうでなければ魔力酔いなんて起きるはずがないもの」
なにを隠したがっているのかはわからないが、ふわりと甘く微笑んだアリーチェへ、クロムはかちゃりと眼鏡を外すと真っ直ぐアリーチェを見つめてくる。
「!」
その仕草と赤い双眸に射貫かれて、アリーチェの心臓はドキリと跳ね上がった。
「……クロ、ム……」
どきどきと胸が鼓動を刻み、こくりと喉が鳴った。
お腹の奥がじわりとした熱を持ち、脚の間がきゅん、と痺れるような感覚がした。
「もう黙ってください」
どうやら迷いを捨て去ったらしいクロムがアリーチェの顎を取ってきて、口づけの角度に上げられる。
「こんな時におしゃべりは野暮ですよ」
2
お気に入りに追加
138
あなたにおすすめの小説
マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました
東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。
攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる!
そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
大嫌いな次期騎士団長に嫁いだら、激しすぎる初夜が待っていました
扇 レンナ
恋愛
旧題:宿敵だと思っていた男に溺愛されて、毎日のように求められているんですが!?
*こちらは【明石 唯加】名義のアカウントで掲載していたものです。書籍化にあたり、こちらに転載しております。また、こちらのアカウントに転載することに関しては担当編集さまから許可をいただいておりますので、問題ありません。
――
ウィテカー王国の西の辺境を守る二つの伯爵家、コナハン家とフォレスター家は長年に渡りいがみ合ってきた。
そんな現状に焦りを抱いた王家は、二つの伯爵家に和解を求め、王命での結婚を命じる。
その結果、フォレスター伯爵家の長女メアリーはコナハン伯爵家に嫁入りすることが決まった。
結婚相手はコナハン家の長男シリル。クールに見える外見と辺境騎士団の次期団長という肩書きから女性人気がとても高い男性。
が、メアリーはそんなシリルが実は大嫌い。
彼はクールなのではなく、大層傲慢なだけ。それを知っているからだ。
しかし、王命には逆らえない。そのため、メアリーは渋々シリルの元に嫁ぐことに。
どうせ愛し愛されるような素敵な関係にはなれるわけがない。
そう考えるメアリーを他所に、シリルは初夜からメアリーを強く求めてくる。
――もしかして、これは嫌がらせ?
メアリーはシリルの態度をそう受け取り、頑なに彼を拒絶しようとするが――……。
「誰がお前に嫌がらせなんかするかよ」
どうやら、彼には全く別の思惑があるらしく……?
*WEB版表紙イラストはみどりのバクさまに有償にて描いていただいたものです。転載等は禁止です。
悪役令嬢は王太子の妻~毎日溺愛と狂愛の狭間で~
一ノ瀬 彩音
恋愛
悪役令嬢は王太子の妻になると毎日溺愛と狂愛を捧げられ、
快楽漬けの日々を過ごすことになる!
そしてその快感が忘れられなくなった彼女は自ら夫を求めるようになり……!?
※この物語はフィクションです。
R18作品ですので性描写など苦手なお方や未成年のお方はご遠慮下さい。
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
公爵様、契約通り、跡継ぎを身籠りました!-もう契約は満了ですわよ・・・ね?ちょっと待って、どうして契約が終わらないんでしょうかぁぁ?!-
猫まんじゅう
恋愛
そう、没落寸前の実家を助けて頂く代わりに、跡継ぎを産む事を条件にした契約結婚だったのです。
無事跡継ぎを妊娠したフィリス。夫であるバルモント公爵との契約達成は出産までの約9か月となった。
筈だったのです······が?
◆◇◆
「この結婚は契約結婚だ。貴女の実家の財の工面はする。代わりに、貴女には私の跡継ぎを産んでもらおう」
拝啓、公爵様。財政に悩んでいた私の家を助ける代わりに、跡継ぎを産むという一時的な契約結婚でございましたよね・・・?ええ、跡継ぎは産みました。なぜ、まだ契約が完了しないんでしょうか?
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいませええ!この契約!あと・・・、一体あと、何人子供を産めば契約が満了になるのですッ!!?」
溺愛と、悪阻(ツワリ)ルートは二人がお互いに想いを通じ合わせても終わらない?
◆◇◆
安心保障のR15設定。
描写の直接的な表現はありませんが、”匂わせ”も気になる吐き悪阻体質の方はご注意ください。
ゆるゆる設定のコメディ要素あり。
つわりに付随する嘔吐表現などが多く含まれます。
※妊娠に関する内容を含みます。
【2023/07/15/9:00〜07/17/15:00, HOTランキング1位ありがとうございます!】
こちらは小説家になろうでも完結掲載しております(詳細はあとがきにて、)
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
【R18】殿下!そこは舐めてイイところじゃありません! 〜悪役令嬢に転生したけど元潔癖症の王子に溺愛されてます〜
茅野ガク
恋愛
予想外に起きたイベントでなんとか王太子を救おうとしたら、彼に執着されることになった悪役令嬢の話。
☆他サイトにも投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる