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本編
第三話 婚約解消の真実②
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「そんな……っ」
(――……っ!?)
今、自分はなにを聞いただろうか。
言われた言葉がよほどショックだったのか、イザベラの顔は動揺で青白くなっているものの、アリーチェの受けた衝撃はそれ以上に違いない。
(……ど、ういう……?)
アリーチェがハインツとの婚約を白紙にさせられてからまだ半日もたっていない。
アリーチェが呪いにかかったのは半月ほど前の出来事だが、その時からすでに次の婚約者候補が挙げられていたとでもいうのだろうか。
――否。それにしては二人の会話は違和感がありすぎた。
むしろ、二人が交わすそれらの会話からは――……。
(……ま、さか……)
身体中から急速に体温が引いていき、口元を手で覆ったアリーチェは身体を小刻みに震わせる。
信じがたい憶測が頭の中を過ぎったが、いくらなんでもそんなことはありえない。
(……そんなこと、って……)
だが、湧いた疑念を必死で否定しようとするアリーチェへ、残酷な現実が突き付けられていく。
「でも、必ず君を妻にするから」
イザベラへとそう語りかけるハインツの声色には、アリーチェが今まで見たこともないような熱がこもっており、その事実にも大きな衝撃を味わった。
「こんなふうに陰でこそこそ会うのではなくて、早く堂々と君といたいよ」
「ハインツ様……っ」
ハインツから向けられる赤裸々な愛の言葉に、イザベラは嬉しそうに目の前の胸元へと顔を寄せ、感極まった声を上げる。
(……う、そ……)
――“陰でこそこそ会う”。
その言葉は、この逢瀬が少なくとも数回は繰り返されていることを示していて。
アリーチェの疑念を確信へ変えるには充分すぎる遣り取りだった。
――ハインツは、アリーチェと婚約をしている時からこうしてイザベラと逢瀬を重ねていた。
それがアリーチェと婚約を結んだ後からなのか、そもそもその前からだったのかはわからないが、どちらにせよハインツの心がイザベラに向いていることだけは確かだろう。
(……そ、んな……)
あまりの衝撃の事実に顔面蒼白になるアリーチェだったが、話はそれでは終わらなかった。
「……本当に、上手くいってよかったですわ」
「そうだね」
にっこりと微笑んだイザベラへ、ハインツが真面目な顔で頷いた。
(……“上手くいった”って……、なにが……?)
今度は一体なんの話をしているのだろうと愕然とするアリーチェの瞳に、苦々しい表情を浮かべたハインツの姿が映り込む。
「いくら筆頭公爵家の娘だからと、強引に婚約させられては堪らない」
(――……っ!?)
――“筆頭公爵家の娘”“婚約”。
アリーチェとハインツの婚約は決して強引に推し進められたものではないが、ハインツのその発言は確実にアリーチェとの婚約を非難するものだった。
互いに愛ある婚約だとは言えない関係だったが、それでも信頼関係は築けているものだと思っていた。
そもそも、王族や貴族には政略結婚が当たり前。まさかハインツがアリーチェとの婚約をそこまで疎ましく思っていたとは想像することもできずに、アリーチェは血の気を失った顔で二人を見続けることしかできなくなってしまう。
――アリーチェと共にいる時のハインツは常に優しくて。そんなことを思っているなど、微塵も感じたことはなかったのに。
「ハインツ様……」
イザベラはうっとりとハインツへ身を任せ、二人はそのまましばらく無言で抱き合った。
辺りにはどこからか聞こえてくる微かな水音だけが響き、長いのか短いのかわからない時間がたった頃。
「……ところでイザベラ」
「はい」
やっと満足がいったのか、ゆっくりと身体を離したハインツから向けられた呼びかけに、イザベラは紫色の大きな瞳を返す。
そうして。
「例の、首飾りに込められていた呪いのことだけれど……」
(――……っ!?)
耳に飛び込んできたハインツの言葉に、アリーチェの瞳は大きな打撃を受けて見開かれた。
「一体なんの呪いなんだい?」
(……いま……、な、んて……?)
集められた魔術師全員が解析不可能だと申し訳なさそうに首を振ったアリーチェの呪いに関することを、なぜイザベラに問いかけるのか。
その、イザベラが呪いの種類を知っているかのようなハインツの疑問符は、まるで――……。
「それが、あいにくわたくしにもわかりませんの」
「! わからない!?」
申し訳なさそうに眉を下げたイザベラは、そんな表情さえ思わず手を差し伸べてしまいたくなるほど美しかった。
そして、驚いたように目を見張ったハインツへ、イザベラは困ったような微笑みを浮かべてみせる。
「はい。わたくしも人に勧められるまま買ってしまったものですので……」
「……そうか……」
小さな嘆息一つであっさりとそれを受け入れるハインツは、一体なにを考えているのかアリーチェには理解できなかった。
あれほど必死になってアリーチェの呪いを解こうとしていたハインツはなんだったのだろう。
あの、優しくて誠実なハインツは。
アリーチェの呪いが解けるまで待つと国王に食い下がったハインツは。
あれらは全て偽りの姿だったというのだろうか。
本当のハインツは。
ハインツの真実の姿は。
「ですが、そう気に病むことはありませんわ」
にっこりと微笑んだイザベラは、甘える仕草でハインツの肩へと手を伸ばす。
「実際、アリーチェ様はお元気にしてらっしゃるではありませんか」
「そう、だね……」
少しだけ悩むような様子を見せながらも、ハインツがアリーチェにかけられた呪いについてイザベラを追及するようなことはない。
罪悪感の欠片も見えない二人は、互いの身体に触れ合ったまま。
「それより殿下」
そこでしっとりと微笑んだイザベラがほんの少しだけ顔を上げ、なにかをねだるような目を向ければ、ハインツはそっと身を屈めて顔を寄せる。
「……ん……っ」
(――っ!)
アリーチェの場所から肝心な部分は見えないが、一つに重なった二人の影がなにをしているかなど、イザベラの口から洩れてくる甘い吐息を聞けば明白だった。
「ん……っ、ん……っ、ん……、ぁ、ふ……っ。で、んか……」
ぴちゃり……っ、と響いた水音は、水草の生える水面から聞こえたものだろうか。
「今夜はお会いできませんの……?」
(――……っ!)
どこか寂し気で、それでいてうっとりと誘うようなイザベラの甘い声に、そこで初めてアリーチェの指先はぴくりと動いた。
(……そ……、んな……)
まるで逃げようとするかのように足は後ろに下がり、身体は小刻みに震え出す。
(……こんなことって……!)
呆然と二人の姿を見つめたまま、アリーチェはじわりじわりと後ろへ下がっていき、二人の姿が完全に視界から消えた後。
(……まさか、私の呪いは殿下とイザベラ様が――……!?)
あまりのショックから知らず涙を流していたアリーチェは、くるりと踵を返すと逃げるようにして王宮を後にしたのだった。
(――……っ!?)
今、自分はなにを聞いただろうか。
言われた言葉がよほどショックだったのか、イザベラの顔は動揺で青白くなっているものの、アリーチェの受けた衝撃はそれ以上に違いない。
(……ど、ういう……?)
アリーチェがハインツとの婚約を白紙にさせられてからまだ半日もたっていない。
アリーチェが呪いにかかったのは半月ほど前の出来事だが、その時からすでに次の婚約者候補が挙げられていたとでもいうのだろうか。
――否。それにしては二人の会話は違和感がありすぎた。
むしろ、二人が交わすそれらの会話からは――……。
(……ま、さか……)
身体中から急速に体温が引いていき、口元を手で覆ったアリーチェは身体を小刻みに震わせる。
信じがたい憶測が頭の中を過ぎったが、いくらなんでもそんなことはありえない。
(……そんなこと、って……)
だが、湧いた疑念を必死で否定しようとするアリーチェへ、残酷な現実が突き付けられていく。
「でも、必ず君を妻にするから」
イザベラへとそう語りかけるハインツの声色には、アリーチェが今まで見たこともないような熱がこもっており、その事実にも大きな衝撃を味わった。
「こんなふうに陰でこそこそ会うのではなくて、早く堂々と君といたいよ」
「ハインツ様……っ」
ハインツから向けられる赤裸々な愛の言葉に、イザベラは嬉しそうに目の前の胸元へと顔を寄せ、感極まった声を上げる。
(……う、そ……)
――“陰でこそこそ会う”。
その言葉は、この逢瀬が少なくとも数回は繰り返されていることを示していて。
アリーチェの疑念を確信へ変えるには充分すぎる遣り取りだった。
――ハインツは、アリーチェと婚約をしている時からこうしてイザベラと逢瀬を重ねていた。
それがアリーチェと婚約を結んだ後からなのか、そもそもその前からだったのかはわからないが、どちらにせよハインツの心がイザベラに向いていることだけは確かだろう。
(……そ、んな……)
あまりの衝撃の事実に顔面蒼白になるアリーチェだったが、話はそれでは終わらなかった。
「……本当に、上手くいってよかったですわ」
「そうだね」
にっこりと微笑んだイザベラへ、ハインツが真面目な顔で頷いた。
(……“上手くいった”って……、なにが……?)
今度は一体なんの話をしているのだろうと愕然とするアリーチェの瞳に、苦々しい表情を浮かべたハインツの姿が映り込む。
「いくら筆頭公爵家の娘だからと、強引に婚約させられては堪らない」
(――……っ!?)
――“筆頭公爵家の娘”“婚約”。
アリーチェとハインツの婚約は決して強引に推し進められたものではないが、ハインツのその発言は確実にアリーチェとの婚約を非難するものだった。
互いに愛ある婚約だとは言えない関係だったが、それでも信頼関係は築けているものだと思っていた。
そもそも、王族や貴族には政略結婚が当たり前。まさかハインツがアリーチェとの婚約をそこまで疎ましく思っていたとは想像することもできずに、アリーチェは血の気を失った顔で二人を見続けることしかできなくなってしまう。
――アリーチェと共にいる時のハインツは常に優しくて。そんなことを思っているなど、微塵も感じたことはなかったのに。
「ハインツ様……」
イザベラはうっとりとハインツへ身を任せ、二人はそのまましばらく無言で抱き合った。
辺りにはどこからか聞こえてくる微かな水音だけが響き、長いのか短いのかわからない時間がたった頃。
「……ところでイザベラ」
「はい」
やっと満足がいったのか、ゆっくりと身体を離したハインツから向けられた呼びかけに、イザベラは紫色の大きな瞳を返す。
そうして。
「例の、首飾りに込められていた呪いのことだけれど……」
(――……っ!?)
耳に飛び込んできたハインツの言葉に、アリーチェの瞳は大きな打撃を受けて見開かれた。
「一体なんの呪いなんだい?」
(……いま……、な、んて……?)
集められた魔術師全員が解析不可能だと申し訳なさそうに首を振ったアリーチェの呪いに関することを、なぜイザベラに問いかけるのか。
その、イザベラが呪いの種類を知っているかのようなハインツの疑問符は、まるで――……。
「それが、あいにくわたくしにもわかりませんの」
「! わからない!?」
申し訳なさそうに眉を下げたイザベラは、そんな表情さえ思わず手を差し伸べてしまいたくなるほど美しかった。
そして、驚いたように目を見張ったハインツへ、イザベラは困ったような微笑みを浮かべてみせる。
「はい。わたくしも人に勧められるまま買ってしまったものですので……」
「……そうか……」
小さな嘆息一つであっさりとそれを受け入れるハインツは、一体なにを考えているのかアリーチェには理解できなかった。
あれほど必死になってアリーチェの呪いを解こうとしていたハインツはなんだったのだろう。
あの、優しくて誠実なハインツは。
アリーチェの呪いが解けるまで待つと国王に食い下がったハインツは。
あれらは全て偽りの姿だったというのだろうか。
本当のハインツは。
ハインツの真実の姿は。
「ですが、そう気に病むことはありませんわ」
にっこりと微笑んだイザベラは、甘える仕草でハインツの肩へと手を伸ばす。
「実際、アリーチェ様はお元気にしてらっしゃるではありませんか」
「そう、だね……」
少しだけ悩むような様子を見せながらも、ハインツがアリーチェにかけられた呪いについてイザベラを追及するようなことはない。
罪悪感の欠片も見えない二人は、互いの身体に触れ合ったまま。
「それより殿下」
そこでしっとりと微笑んだイザベラがほんの少しだけ顔を上げ、なにかをねだるような目を向ければ、ハインツはそっと身を屈めて顔を寄せる。
「……ん……っ」
(――っ!)
アリーチェの場所から肝心な部分は見えないが、一つに重なった二人の影がなにをしているかなど、イザベラの口から洩れてくる甘い吐息を聞けば明白だった。
「ん……っ、ん……っ、ん……、ぁ、ふ……っ。で、んか……」
ぴちゃり……っ、と響いた水音は、水草の生える水面から聞こえたものだろうか。
「今夜はお会いできませんの……?」
(――……っ!)
どこか寂し気で、それでいてうっとりと誘うようなイザベラの甘い声に、そこで初めてアリーチェの指先はぴくりと動いた。
(……そ……、んな……)
まるで逃げようとするかのように足は後ろに下がり、身体は小刻みに震え出す。
(……こんなことって……!)
呆然と二人の姿を見つめたまま、アリーチェはじわりじわりと後ろへ下がっていき、二人の姿が完全に視界から消えた後。
(……まさか、私の呪いは殿下とイザベラ様が――……!?)
あまりのショックから知らず涙を流していたアリーチェは、くるりと踵を返すと逃げるようにして王宮を後にしたのだった。
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