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第一章
溺れる鴉 17
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今にも泣きそうな声で懇願するレイヴンだが、顔に意地の悪さを浮かべているシンがそれを止めるはずもなく、
「それは断る」
と、白くなだらかな双丘の奥に潜む小さな孔の周りを、指でくるくるとなぞった。
「んんぅ……!」
「ここにも塗らないと……だろ?」
ぶるぶると身体を震わせるレイヴンは、目にいっぱいの涙を滲ませた。
シンはレイヴンの両膝裏に手をかけるとそのまま持ち上げ、レイヴンの膝が胸につくようにした。潜んでいた秘部はシンの前ですっかりと晒され、レイヴンは恥ずかしさのあまり、声にならない悲鳴を上げた。
「そんなに恥ずかしいのか?」
覗き込むシンが、心底不思議そうに尋ねた。両手で顔を隠すレイヴンは、黙ったままコクコクと首を動かした。
「だったら……」
仕方ないとばかりにシンはレイヴンの両脚を下ろすと、クルリと身体を反転させ、うつ伏せの状態にして腰だけを持ち上げる。近くにある枕を掴むとそれをレイヴンの顔近くにやり、ベッドの間に差し込むようにした。
「これなら楽か?」
「………………はぃ」
顔を見ずに済むという意味でなら、まだ楽な方だった。顔を赤く染めたままのレイヴンは、抱き締める枕に顔を埋めた。
「息を長く吐いて、力を抜け」
シンはたっぷりと薬を絡めた中指を、レイヴンの呼吸に合わせながら、彼の秘部へと挿入させていった。
「……ぅ」
冷たくもぬるりとした質感は、普段潤滑剤として使用する油とは異なり、シンの指を難なく呑み込んでいく。
そこは幾度となく男のものを受け入れてきたとはいえ、異物を挿れられ気持ちよく感じられるほど、レイヴンの身体は仕込まれてはいない。
慎重に扱われているとはいえ、やはり気持ちのいいものではないそれだが、吐き気が込み上げるほど不快でもない。レイヴンは呼吸に集中して、身体の強張りを解いていった。
「……ん、く……はあっ……」
「気持ち悪くないか?」
「……ん…………は、ぃ……」
「裂傷にはこれが一番効く。中が深く傷ついているだろうから、そのまま放っておけば感染症にもかかりかねない。不快だろうが、奥まで挿れるぞ」
「んんぅっ……!」
最奥まで挿れられる指は圧迫感があるものの、痛みは微塵も感じなかった。かつて、シンほど自分を気遣い、扱う人間などいなかった。濡れるはずのない秘部に幾許かの油を塗られ、指で慣らすこともせず挿れられる。当然ながら、感じるものは苦痛しかない。
前戯の意味も、快楽の意味も知らずに長い時を繰り返したレイヴンにとって、"それ"は初めてのことだった。
「んっ……は、ぁ…………っ……」
吐き出す息と共に上がる声に、甘い色がつき始めた。緩やかに、そして小刻みに肉癖を擦られ、レイヴンの下肢には熱が帯び始めた。
特に臍の下が熱い。この感覚をレイヴンは知っていた。しかし今、感じるものでは決してないはずだったのだ。
レイヴンの中の、ある一点に指が触れるたびに、その波は押し寄せた。押されているわけでもないのに、少し圧が加わるだけで、頭の中が蕩けていくようだ。
「うん。こんなもんか」
そうとは知らないシンが、少しだけ指を引き抜きレイヴンへと声をかけた。
「このまま背中も塗っていくぞ。腹を下にしても、もう痛くはないだろう?」
そう言ってレイヴンの下腹部に手を這わせた瞬間、シンの手に熱を帯びたレイヴンのそれが触れた。
「……っ」
「おっと」
今気付いたとばかりにシンが驚きの声をあげた。レイヴンは僅かに残る意識の中で、シンに対し「ごめんなさい」と頭の中で謝罪する。
「はあっ……はあ……ぁ……んんっ」
傷の手当てから、どうしてこんなことになってしまったのか。いくら考えても、レイヴンにはこの状況から回避することはできなかった。
気持ちがいい。
ただそれだけが、今の彼を支配する。
「それは断る」
と、白くなだらかな双丘の奥に潜む小さな孔の周りを、指でくるくるとなぞった。
「んんぅ……!」
「ここにも塗らないと……だろ?」
ぶるぶると身体を震わせるレイヴンは、目にいっぱいの涙を滲ませた。
シンはレイヴンの両膝裏に手をかけるとそのまま持ち上げ、レイヴンの膝が胸につくようにした。潜んでいた秘部はシンの前ですっかりと晒され、レイヴンは恥ずかしさのあまり、声にならない悲鳴を上げた。
「そんなに恥ずかしいのか?」
覗き込むシンが、心底不思議そうに尋ねた。両手で顔を隠すレイヴンは、黙ったままコクコクと首を動かした。
「だったら……」
仕方ないとばかりにシンはレイヴンの両脚を下ろすと、クルリと身体を反転させ、うつ伏せの状態にして腰だけを持ち上げる。近くにある枕を掴むとそれをレイヴンの顔近くにやり、ベッドの間に差し込むようにした。
「これなら楽か?」
「………………はぃ」
顔を見ずに済むという意味でなら、まだ楽な方だった。顔を赤く染めたままのレイヴンは、抱き締める枕に顔を埋めた。
「息を長く吐いて、力を抜け」
シンはたっぷりと薬を絡めた中指を、レイヴンの呼吸に合わせながら、彼の秘部へと挿入させていった。
「……ぅ」
冷たくもぬるりとした質感は、普段潤滑剤として使用する油とは異なり、シンの指を難なく呑み込んでいく。
そこは幾度となく男のものを受け入れてきたとはいえ、異物を挿れられ気持ちよく感じられるほど、レイヴンの身体は仕込まれてはいない。
慎重に扱われているとはいえ、やはり気持ちのいいものではないそれだが、吐き気が込み上げるほど不快でもない。レイヴンは呼吸に集中して、身体の強張りを解いていった。
「……ん、く……はあっ……」
「気持ち悪くないか?」
「……ん…………は、ぃ……」
「裂傷にはこれが一番効く。中が深く傷ついているだろうから、そのまま放っておけば感染症にもかかりかねない。不快だろうが、奥まで挿れるぞ」
「んんぅっ……!」
最奥まで挿れられる指は圧迫感があるものの、痛みは微塵も感じなかった。かつて、シンほど自分を気遣い、扱う人間などいなかった。濡れるはずのない秘部に幾許かの油を塗られ、指で慣らすこともせず挿れられる。当然ながら、感じるものは苦痛しかない。
前戯の意味も、快楽の意味も知らずに長い時を繰り返したレイヴンにとって、"それ"は初めてのことだった。
「んっ……は、ぁ…………っ……」
吐き出す息と共に上がる声に、甘い色がつき始めた。緩やかに、そして小刻みに肉癖を擦られ、レイヴンの下肢には熱が帯び始めた。
特に臍の下が熱い。この感覚をレイヴンは知っていた。しかし今、感じるものでは決してないはずだったのだ。
レイヴンの中の、ある一点に指が触れるたびに、その波は押し寄せた。押されているわけでもないのに、少し圧が加わるだけで、頭の中が蕩けていくようだ。
「うん。こんなもんか」
そうとは知らないシンが、少しだけ指を引き抜きレイヴンへと声をかけた。
「このまま背中も塗っていくぞ。腹を下にしても、もう痛くはないだろう?」
そう言ってレイヴンの下腹部に手を這わせた瞬間、シンの手に熱を帯びたレイヴンのそれが触れた。
「……っ」
「おっと」
今気付いたとばかりにシンが驚きの声をあげた。レイヴンは僅かに残る意識の中で、シンに対し「ごめんなさい」と頭の中で謝罪する。
「はあっ……はあ……ぁ……んんっ」
傷の手当てから、どうしてこんなことになってしまったのか。いくら考えても、レイヴンにはこの状況から回避することはできなかった。
気持ちがいい。
ただそれだけが、今の彼を支配する。
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