210 / 241
番外編【お正月編 海side】
3
しおりを挟む
……という理由から。
「かいさんのばか~。けちんぼ~。にほんしゅ~」
まだなお足りないとキス(いや、酒か)を強請ってくる柳に、今の今まで好きにさせていたのだ。どちらかといえばオレの方が押し倒されていた身だった。キスをしている間はオレの口の中の酒が味わえると、かつてないほど柳は積極的だった。
今はオレの下でバタバタと手足をばたつかせているが、酒をしこたま飲んだ彼は力が入らないせいでオレに良いようにされていることにまるで気づいていない。着せ替え人形よろしく衣類を次々と剥がされる。
だが、力が入らないなりに、彼はなぜか衣類を剥がされることを拒んでいて……。
「……! ああ。ふふっ。これはすみませんでした」
「ふぇっ……、や、やぁっ……!」
素っ裸にしたとろでようやく気付いたオレも馬鹿だった。なぜ、柳が酒だ酒だと訴え、欲しがっていたのか。酔っ払いは酔っ払いに違いない。確かにそうなのだが、柳は……
「これを隠そうとしてたのか……馬鹿だな、お前」
「う、うやあぁぁ……!」
男としては健全な、そしてこの子にとっては珍しい生理現象。
酔っていたとはいえ、散々オレに絡んでいたのだ。そうなってもおかしくはない。
それがたとえオレを、夫として見ていなくとも、だ。
「……っ、あっ……っ、んっ!」
身体の中心で昂ぶりを見せる彼の先に指を宛がうと、涙を滲ませながら必死に声を殺して身体を震わせる。そんな健気な様が、庇護欲とともに嗜虐心をも刺激した。
なぜだろう。楽にしてやりたいのに……苛めたくなる。
「柳」
「っ、……?」
「お前は何の味がするの? ビール? 焼酎? チューハイ? ブランデー?」
「え……? え?」
「オレも酒は好きなんだ。次はオレに飲ませてくれたっていいだろう?」
酔った勢いで、とは考えなかったし。また、それで済ますつもりもなかった。
理性は保つことができた。こんな子ども相手に箍が外れることはない。
それでも、他の子ども相手には決してしないようないたずらも、この幼き妻にはついついしてしまう。
「ぁっ、ぅんあ……やっ、あぁっ……」
体中の至るところに吸いつくという愛撫だけで、こんなにもいちいち敏感に反応してみせるのは、酒のせいなのか。それとも元からなのか。
テラテラと溢れる蜜を擽りながら、薄い桜色の胸の突起をちろちろと舐めあげる。嫌だ嫌だと首を横に振ってはいるが、漏れる吐息は次第に甘みを帯びていった。
「柳。気持ちいい?」
「ぁっ、だ……やぁっ、んっ……」
「じゃあ、ここは?」
「……っ! だ、めっ……!」
反り立つソレを上下に扱いてやると、すぐに限界だと音を上げ始めた。
「早いな。もう?」
「やっ、ぁ……ぁ、……あぁっ……!」
彼はあっけなく達してしまった。
自分一人じゃろくに処理もできないような子だ。この一度きりだけで、そのまま意識を手放した。
そしてすやすやと安らかな寝息を立て始める。もう? とは思わない。彼にとってはようやく、だ。
あどけない寝顔。
普段と同様の子どもの顔。
「すぅ……。すぅ……、にゅっく……」
「クッ……変なしゃっくり」
思わず笑ってしまう。
変な子ども。
面白いオレの奥さん。
普通の少年。
けれど、オレを笑わせることができる唯一の人間。
「……柳」
「むにゃぁ」
オレの声掛けに微笑む彼。
何も知らない、真っ白な彼。
この子の前髪を撫でながら、オレはある男の顔を思い出す。思い出したところで、何もありはしないのだが。
柳がこのまま、無邪気な笑顔を見せてくれるのなら、何もかもがどうでもいい。
お前がたとえ、オレを見ていなくとも。
オレは一生を約束した。だから。
「日の出はまた来年だな」
「……ん、ぅ……はぁいぃ……」
約束した。今度こそ。
「守るから……」
絶対、だ。
END.
「かいさんのばか~。けちんぼ~。にほんしゅ~」
まだなお足りないとキス(いや、酒か)を強請ってくる柳に、今の今まで好きにさせていたのだ。どちらかといえばオレの方が押し倒されていた身だった。キスをしている間はオレの口の中の酒が味わえると、かつてないほど柳は積極的だった。
今はオレの下でバタバタと手足をばたつかせているが、酒をしこたま飲んだ彼は力が入らないせいでオレに良いようにされていることにまるで気づいていない。着せ替え人形よろしく衣類を次々と剥がされる。
だが、力が入らないなりに、彼はなぜか衣類を剥がされることを拒んでいて……。
「……! ああ。ふふっ。これはすみませんでした」
「ふぇっ……、や、やぁっ……!」
素っ裸にしたとろでようやく気付いたオレも馬鹿だった。なぜ、柳が酒だ酒だと訴え、欲しがっていたのか。酔っ払いは酔っ払いに違いない。確かにそうなのだが、柳は……
「これを隠そうとしてたのか……馬鹿だな、お前」
「う、うやあぁぁ……!」
男としては健全な、そしてこの子にとっては珍しい生理現象。
酔っていたとはいえ、散々オレに絡んでいたのだ。そうなってもおかしくはない。
それがたとえオレを、夫として見ていなくとも、だ。
「……っ、あっ……っ、んっ!」
身体の中心で昂ぶりを見せる彼の先に指を宛がうと、涙を滲ませながら必死に声を殺して身体を震わせる。そんな健気な様が、庇護欲とともに嗜虐心をも刺激した。
なぜだろう。楽にしてやりたいのに……苛めたくなる。
「柳」
「っ、……?」
「お前は何の味がするの? ビール? 焼酎? チューハイ? ブランデー?」
「え……? え?」
「オレも酒は好きなんだ。次はオレに飲ませてくれたっていいだろう?」
酔った勢いで、とは考えなかったし。また、それで済ますつもりもなかった。
理性は保つことができた。こんな子ども相手に箍が外れることはない。
それでも、他の子ども相手には決してしないようないたずらも、この幼き妻にはついついしてしまう。
「ぁっ、ぅんあ……やっ、あぁっ……」
体中の至るところに吸いつくという愛撫だけで、こんなにもいちいち敏感に反応してみせるのは、酒のせいなのか。それとも元からなのか。
テラテラと溢れる蜜を擽りながら、薄い桜色の胸の突起をちろちろと舐めあげる。嫌だ嫌だと首を横に振ってはいるが、漏れる吐息は次第に甘みを帯びていった。
「柳。気持ちいい?」
「ぁっ、だ……やぁっ、んっ……」
「じゃあ、ここは?」
「……っ! だ、めっ……!」
反り立つソレを上下に扱いてやると、すぐに限界だと音を上げ始めた。
「早いな。もう?」
「やっ、ぁ……ぁ、……あぁっ……!」
彼はあっけなく達してしまった。
自分一人じゃろくに処理もできないような子だ。この一度きりだけで、そのまま意識を手放した。
そしてすやすやと安らかな寝息を立て始める。もう? とは思わない。彼にとってはようやく、だ。
あどけない寝顔。
普段と同様の子どもの顔。
「すぅ……。すぅ……、にゅっく……」
「クッ……変なしゃっくり」
思わず笑ってしまう。
変な子ども。
面白いオレの奥さん。
普通の少年。
けれど、オレを笑わせることができる唯一の人間。
「……柳」
「むにゃぁ」
オレの声掛けに微笑む彼。
何も知らない、真っ白な彼。
この子の前髪を撫でながら、オレはある男の顔を思い出す。思い出したところで、何もありはしないのだが。
柳がこのまま、無邪気な笑顔を見せてくれるのなら、何もかもがどうでもいい。
お前がたとえ、オレを見ていなくとも。
オレは一生を約束した。だから。
「日の出はまた来年だな」
「……ん、ぅ……はぁいぃ……」
約束した。今度こそ。
「守るから……」
絶対、だ。
END.
0
お気に入りに追加
575
あなたにおすすめの小説
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
スキル『日常動作』は最強です ゴミスキルとバカにされましたが、実は超万能でした
メイ(旧名:Mei)
ファンタジー
この度、書籍化が決定しました!
1巻 2020年9月20日〜
2巻 2021年10月20日〜
3巻 2022年6月22日〜
これもご愛読くださっている皆様のお蔭です! ありがとうございます!
発売日に関しましては9月下旬頃になります。
題名も多少変わりましたのでここに旧題を書いておきます。
旧題:スキル『日常動作』は最強です~ゴミスキルだと思ったら、実は超万能スキルでした~
なお、書籍の方ではweb版の設定を変更したところもありますので詳しくは設定資料の章をご覧ください(※こちらについては、まだあげていませんので、のちほどあげます)。
────────────────────────────
主人公レクスは、12歳の誕生日を迎えた。12歳の誕生日を迎えた子供は適正検査を受けることになっていた。ステータスとは、自分の一生を左右するほど大切であり、それによって将来がほとんど決められてしまうのだ。
とうとうレクスの順番が来て、適正検査を受けたが、ステータスは子供の中で一番最弱、職業は無職、スキルは『日常動作』たった一つのみ。挙げ句、レクスははした金を持たされ、村から追放されてしまう。
これは、貧弱と蔑まれた少年が最強へと成り上がる物語。
※カクヨム、なろうでも投稿しています。
30年待たされた異世界転移
明之 想
ファンタジー
気づけば異世界にいた10歳のぼく。
「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」
こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。
右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。
でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。
あの日見た夢の続きを信じて。
ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!
くじけそうになっても努力を続け。
そうして、30年が経過。
ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。
しかも、20歳も若返った姿で。
異世界と日本の2つの世界で、
20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。
乙女ゲーム?悪役令嬢?王子なんて喜んで差し上げます!ストーカーな婚約者など要りません!
愛早さくら
恋愛
リジーは公爵令嬢だ。当然のように幼い頃から、同じ年の王太子スペリアの婚約者だった。
よくある政略結婚。
しかしリジーは出来ればスペリアから逃れたいと思っていた。何故なら……――スペリアがリジーの、とんでもないストーカーだったからだった……。
愛が重いを通り越して明確にストーカーな婚約者スペリアから逃れたいリジーの的外れな暗躍と、それを凌駕するスペリアのストーカー力!
勝つのはどっちか?
今、滑稽な戦いが幕を開ける……!
・キャプションには語弊があります。
・基本的にはコメディベースの明るい印象のお話にするつもりです!
・地味に他の異世界話と同じ世界観。
・魔法とかある異世界が舞台。
・CPは固定です。他のキャラとくっつくことはありません。
・当て馬イッパイぱらだいす。
・主人公は結局ストーカーからは逃れられませんが多分ハッピーエンド。
闇を照らす愛
モカ
BL
いつも満たされていなかった。僕の中身は空っぽだ。
与えられていないから、与えることもできなくて。結局いつまで経っても満たされないまま。
どれほど渇望しても手に入らないから、手に入れることを諦めた。
抜け殻のままでも生きていけてしまう。…こんな意味のない人生は、早く終わらないかなぁ。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と叫んだら長年の婚約者だった新妻に「気持ち悪い」と言われた上に父にも予想外の事を言われた男とその浮気女の話
ラララキヲ
恋愛
長年の婚約者を欺いて平民女と浮気していた侯爵家長男。3年後の白い結婚での離婚を浮気女に約束して、新妻の寝室へと向かう。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と愛する夫から宣言された無様な女を嘲笑う為だけに。
しかし寝室に居た妻は……
希望通りの白い結婚と愛人との未来輝く生活の筈が……全てを周りに知られていた上に自分の父親である侯爵家当主から言われた言葉は──
一人の女性を蹴落として掴んだ彼らの未来は……──
<【ざまぁ編】【イリーナ編】【コザック第二の人生編(ザマァ有)】となりました>
◇テンプレ浮気クソ男女。
◇軽い触れ合い表現があるのでR15に
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾は察して下さい…
◇なろうにも上げてます。
※HOTランキング入り(1位)!?[恋愛::3位]ありがとうございます!恐縮です!期待に添えればよいのですがッ!!(;><)
「お前を妻だと思ったことはない」と言ってくる旦那様と離婚した私は、幼馴染の侯爵から溺愛されています。
木山楽斗
恋愛
第二王女のエリームは、かつて王家と敵対していたオルバディオン公爵家に嫁がされた。
因縁を解消するための結婚であったが、現当主であるジグールは彼女のことを冷遇した。長きに渡る因縁は、簡単に解消できるものではなかったのである。
そんな暮らしは、エリームにとって息苦しいものだった。それを重く見た彼女の兄アルベルドと幼馴染カルディアスは、二人の結婚を解消させることを決意する。
彼らの働きかけによって、エリームは苦しい生活から解放されるのだった。
晴れて自由の身になったエリームに、一人の男性が婚約を申し込んできた。
それは、彼女の幼馴染であるカルディアスである。彼は以前からエリームに好意を寄せていたようなのだ。
幼い頃から彼の人となりを知っているエリームは、喜んでその婚約を受け入れた。二人は、晴れて夫婦となったのである。
二度目の結婚を果たしたエリームは、以前とは異なる生活を送っていた。
カルディアスは以前の夫とは違い、彼女のことを愛して尊重してくれたのである。
こうして、エリームは幸せな生活を送るのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる