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その命あるかぎり…誓えますか?
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「ピザ……」
どうにかこうにか、車まで辿り着けた僕たち。静かな地下駐車場、その車の中でおにいさんが運転席側に座ると、隣の助手席側に座ってシートベルトを締める僕に呟いた。
「家で取るか。お前が好きなデリバリーの」
本格的なピザではなく、蒼さんのお家でよく取っていたファーストフード。それをおにいさんは食べようと僕に提案してくれた。
僕はピザが大好きだからもちろん、嬉しいんだけど……
「いいの? おにいさん、ああいうのあんまり好きじゃないんじゃないの?」
蒼さんの不摂生を顰めっ面で叩いていたおにいさんだ。釜で焼くようなマルゲリータならともかく、デリバリーピザは毛嫌っている筈なのに。
でもおにいさんは首を横に振った。
「あそこに人を呼ぶのが好きじゃないだけだから。食べ物は別に……毎日食べるわけでもなし」
それは確かにそうだね。普段は僕が作るから油ものは少ないし、お野菜や海藻類、お豆なんかも多めだし。
僕は指で円を作って大きく広げてみせた。
「こういうLサイズのピザ、頼んでいい? チーズたくさんの!」
とろけるやつ! そう聞くと、おにいさんが小さく笑った。
「いいよ。セレクトは任せる」
「やったぁ!」
マルゲリータは残念だったけど、食べ慣れているピザが食べられるということでテンションは最高潮! 僕は車の中で手を上げて喜んだ。
その時……
おにいさんが僕の肩を自分へと抱き寄せて、僕のほっぺにキスをした。
「ひゃっ?」
突然のその行為に、僕は驚いて悲鳴を上げつつ、キスをされた方のほっぺを手で抑えた。
急に恥ずかしくなって、真っ赤な顔でおにいさんへと尋ねる。
「な、なっ、なんでっ、ちゅーするのっ?」
こういうのは女の子にするものじゃないのっ? 兄弟だから? おにいさん、アメリカンなの!?
すると、涼しげな顔でおにいさんは答えてくれた。
「したかったから」
「したかったからって……」
僕、もう高校生になる歳の男なのに……兄弟ってこんなもの? 恥ずかしがっていたのが僕だけだとわかると、さらに恥ずかしさが増して俯いてしまう。
そんな僕の気も知らないでか。おにいさんは僕を見ながら平気で聞いてくる。
「お前は誰かとしないの?」
「えっ……ちゅ、ちゅーのこと?」
おにいさんはコクリと一つ頷く。そんなポンポンやるものじゃないような気がするんだけど……特にこの日本では。
そう思いつつも、僕は改めて数少ない僕のキス遍歴を思い返す。
「ん……友達、とか?」
「友達?」
「circus」のメンバーだけど、仲良くなるとみんなテンションが上がるからか、ふざけてキスをしたりする。僕はどちらかといえばされる方なんだけど、そういや全員としたことあるなぁ。
僕はおにいさんへ正直に答えた。
「うん、友達。でも、同学年の男の子が多いよ。女の子とはそんなに……って、おにいさん。顔がすごく怖いよ!?」
なんで怖くなるの!? 聞かれたから答えただけなのに! どうしてそんな眉間に皺が寄るの!?
「でも……でも、ちゅってするやつだよ? ほっぺに」
「へえ……」
どうしてそう、素っ気ないの? 僕、何か悪いこと言った!?
おにいさんが不機嫌になっていく理由がわからない。僕がキスをしたことがあるのがだめだったのかな……でも、キスって制限とかないよね。悪いことしてるわけじゃ、ないよね?
何がいけなかったのかわかってないけれど、おにいさんにこれ以上機嫌を悪くして欲しくない僕はダメ元であることを聞いてみた。
「お、大人がするやつはしたことないから……わかんないよ。あれってどうやるの?」
いわゆるベロチュー。流石に経験はないそれだけど、おにいさんは大人だしきっとあるんだろう……あんまり考えたくはないけど。
おにいさんを見上げると、眉間の皺だけは無くしてくれていた。良かった……。
ちなみに、その僕の問いかけに対してのおにいさんの答えはといえば。
「ただ重ねるだけ」
と、流石に僕でもわかる答えを返してきた。
「子供だからって馬鹿にしてるでしょ」
「何だ。知ってるのか」
わざとらしい。すっごくわざとらしく、おにいさんは驚いてみせた。子供子供って馬鹿にして……こんにゃろう。
どうにかこうにか、車まで辿り着けた僕たち。静かな地下駐車場、その車の中でおにいさんが運転席側に座ると、隣の助手席側に座ってシートベルトを締める僕に呟いた。
「家で取るか。お前が好きなデリバリーの」
本格的なピザではなく、蒼さんのお家でよく取っていたファーストフード。それをおにいさんは食べようと僕に提案してくれた。
僕はピザが大好きだからもちろん、嬉しいんだけど……
「いいの? おにいさん、ああいうのあんまり好きじゃないんじゃないの?」
蒼さんの不摂生を顰めっ面で叩いていたおにいさんだ。釜で焼くようなマルゲリータならともかく、デリバリーピザは毛嫌っている筈なのに。
でもおにいさんは首を横に振った。
「あそこに人を呼ぶのが好きじゃないだけだから。食べ物は別に……毎日食べるわけでもなし」
それは確かにそうだね。普段は僕が作るから油ものは少ないし、お野菜や海藻類、お豆なんかも多めだし。
僕は指で円を作って大きく広げてみせた。
「こういうLサイズのピザ、頼んでいい? チーズたくさんの!」
とろけるやつ! そう聞くと、おにいさんが小さく笑った。
「いいよ。セレクトは任せる」
「やったぁ!」
マルゲリータは残念だったけど、食べ慣れているピザが食べられるということでテンションは最高潮! 僕は車の中で手を上げて喜んだ。
その時……
おにいさんが僕の肩を自分へと抱き寄せて、僕のほっぺにキスをした。
「ひゃっ?」
突然のその行為に、僕は驚いて悲鳴を上げつつ、キスをされた方のほっぺを手で抑えた。
急に恥ずかしくなって、真っ赤な顔でおにいさんへと尋ねる。
「な、なっ、なんでっ、ちゅーするのっ?」
こういうのは女の子にするものじゃないのっ? 兄弟だから? おにいさん、アメリカンなの!?
すると、涼しげな顔でおにいさんは答えてくれた。
「したかったから」
「したかったからって……」
僕、もう高校生になる歳の男なのに……兄弟ってこんなもの? 恥ずかしがっていたのが僕だけだとわかると、さらに恥ずかしさが増して俯いてしまう。
そんな僕の気も知らないでか。おにいさんは僕を見ながら平気で聞いてくる。
「お前は誰かとしないの?」
「えっ……ちゅ、ちゅーのこと?」
おにいさんはコクリと一つ頷く。そんなポンポンやるものじゃないような気がするんだけど……特にこの日本では。
そう思いつつも、僕は改めて数少ない僕のキス遍歴を思い返す。
「ん……友達、とか?」
「友達?」
「circus」のメンバーだけど、仲良くなるとみんなテンションが上がるからか、ふざけてキスをしたりする。僕はどちらかといえばされる方なんだけど、そういや全員としたことあるなぁ。
僕はおにいさんへ正直に答えた。
「うん、友達。でも、同学年の男の子が多いよ。女の子とはそんなに……って、おにいさん。顔がすごく怖いよ!?」
なんで怖くなるの!? 聞かれたから答えただけなのに! どうしてそんな眉間に皺が寄るの!?
「でも……でも、ちゅってするやつだよ? ほっぺに」
「へえ……」
どうしてそう、素っ気ないの? 僕、何か悪いこと言った!?
おにいさんが不機嫌になっていく理由がわからない。僕がキスをしたことがあるのがだめだったのかな……でも、キスって制限とかないよね。悪いことしてるわけじゃ、ないよね?
何がいけなかったのかわかってないけれど、おにいさんにこれ以上機嫌を悪くして欲しくない僕はダメ元であることを聞いてみた。
「お、大人がするやつはしたことないから……わかんないよ。あれってどうやるの?」
いわゆるベロチュー。流石に経験はないそれだけど、おにいさんは大人だしきっとあるんだろう……あんまり考えたくはないけど。
おにいさんを見上げると、眉間の皺だけは無くしてくれていた。良かった……。
ちなみに、その僕の問いかけに対してのおにいさんの答えはといえば。
「ただ重ねるだけ」
と、流石に僕でもわかる答えを返してきた。
「子供だからって馬鹿にしてるでしょ」
「何だ。知ってるのか」
わざとらしい。すっごくわざとらしく、おにいさんは驚いてみせた。子供子供って馬鹿にして……こんにゃろう。
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