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ドキドキ? 学園生活♪ 【葉月 side】
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――――…
昼食は当然美味かった。柳が作った弁当なんだから不味いわけがない。廻の料理が激マズだからそれに比べて美味い、とかいうレベルでもない。正直、ウチで専業主婦ってるお袋の料理よりも美味いと感じてしまうんだから、彼が俺と同じ男子高校生とは思えない。久々に柳の手料理を口にした真実なんか、美味い美味いといちいち騒がしくてたまんなかった。
その間、皇は生徒会としての仕事なのか、俺と柳にこの学校の重要事項と規約について簡単に説明してくれた。特に生徒の中で成り立ってしまっている独自の規則や、暗黙の了解など。ツインズのよしみってやつなのか、少しでも俺らに関心を持ってくれたからなのか、ただ単に余計な面倒事を増やさないためなのか。理由はどうあれ、まぁまぁ親切に教えてくれた。
そして皇はツインズにも用があったらしく、飯を食い終わると早々に、泣き喚く二人を連れて出ていった。こう、襟をむんずと掴んで。引きずっていくように……ざまぁ。
「なんだか一気に静かになったねぇ。僕らも教室に戻ろっか」
「そだね」
他に誰もいなくなったところで、俺にも用意してくれていた缶コーヒーを飲み干すと、俺と柳は校舎を後にした。
納得がいったことが一つだけあった。性格についてはともかく、皇っていう男は確かにイイ男だ。猫を何匹被ってんのかはわかんねぇけど、外面良し、頭良し、運動神経よし、喧嘩強し、そんでもって美形ともなれば、ファンクラブやら親衛隊とやらもできるだろう。そりゃあな。そんだけのスペック持った野郎ならモテるだろうさ。加えて、副会長や風紀委員長っていう、見た目がイケメンの部類に入る野郎共もいるんだ。他のクラスからの関心は絶えることがないだろう。下駄箱がいちいち鍵付きになったっていう理由も納得がいく。ファンレターなんて可愛いモンも、束になりゃただの書類だ。それはわかる。わかったさ。
けどなぁ。ここ、男子校だぜ? 全員が全員、ホモってわけじゃないだろうに。そこんとこどうなのよ? と、俺は自分のクラスに戻るまでの道中、午後から始まる学力テストではなく、きゃあきゃあと野太く湧きあがる歓声に対して頭を抱えていた。
「葉月? 頭痛いの? 大丈夫?」
「ん? ん~……柳がデコ、撫でてくれたら治るかも」
冗談ぽく、しかし割と本気で撫でてもらいたいと思いながら嘯くと、柳は俺の一回り以上も小さな手を伸ばしてデコを撫でてくれた。嬉しいのはもちろんだけど、ちょっとだけ硬い柳の手がふわふわしてて気持ちいい。ちょっとだけ硬いけど。
「保健室行く?」
「ううん。良くなったからいい」
なら良かった、と。ほっと息を吐く柳は俺から離れた。
俺の横に並ぶと、約二〇cmの身長差。俺の方がデカイから、二人が並ぶと先輩後輩の関係に見られる体格差。でも、決して恋人同士に見られることはない二人。
俺はそう見えて欲しいんだけど。三年前のように。
ん? となると、俺はホモなのか? 柳は男だし。かといって、柳以外の野郎に興味ねぇし。勃起しねぇし。柳なら同じ野郎の身体であってもヌけるのに。う~ん、わからん。
「ねぇねぇ。葉月」
再び悩み始めた俺に、柳が俺の袖を引っ張って話かけてきた。
「何? 柳。どったの?」
「うん。あのね……」
そのとき。
俺はさっきまで考えていたことよりも、もっと考えなければならなかったことがあったんだっていうことを。この時の柳の顔を見て、思い知らされた。
柳は首を少しだけ傾けて、そして少しだけ笑いながら。
「ブレット、って何?」
俺に尋ねてきた。
そんでもって、とっさに返した俺の台詞が。
「あ~……パン、のことじゃない?」
苦し紛れだった。顔に出なかったのは、普段から表情筋を無駄に動かさないせいだけど。この時ばかりは自分自身にすげぇと褒めた。すげぇと褒めたけど、パンって何よ。頭回らないにもほどがあるだろ、俺。それにパンならブレッドだ。
柳がコレを聞いてきたのは間違いなく皇とのあの対面時が原因だろう。あの野郎……マジでムカつく。
そして柳はといえば。
「そっか。パンのことか……ん? なんで葉月がパンなの?」
「俺、パン好きだし。朝はパン派だし」
「そうだね。葉月、パン好きだもんね!」
「そうそう」
と、俺の苦し紛れの言い訳に笑顔で付き合ってくれた。
「でもさ……」
けれどそれで、すんなりと話が終わるわけでもないってことは、親友である俺自身が、一番よく知っているはずだったんだ。
「何か隠してるでしょ?」
「……」
「それってやっぱり、僕に言えないこと?」
「……」
柳の笑顔は変わらなかった。優しい口調も、気づかう表情も、向かい合う態度も。
でも、俺は何も言えなかった。いや、何と答えればいいのか、わからなかった。俺は柳に……返してあげられる言葉を持っていなかった。答えを、持っていなかった。
傍に、廻や真実がいたら、一言だけでも返す言葉があったのかもしれないけれど。俺は自分一人では、この時の柳と向かい合う覚悟ができていなかった。
情けない話だと思う。けれど、恐かったんだ。俺は柳が好きで、大事に思っていて、特別に感じてて。だからこそ、守りたくて。傷つけたくなくて。
失いたくなくて。
なのに俺は。俺達は。
再び失ってしまうことが怖くて、一番守りたいものから逃げていたんだ。もう二度と、傷つけられないように。もう二度と、傷つかないように。
柳は俺に言った。
「隠したいことの一つや二つ、誰にだってあるもんね。だから、無理に話すことはないよ。僕だって、海さんと暮らし始めて、一番に言わなくちゃいけなかったことを黙ってたんだから。でもさ、それがもし、僕のためっていう理由なら、皆と改めてお話がしたいな」
背の高い俺に視線を真っ直ぐ合わせるように、首を上げて、そしてきっぱりと断言する。
「僕、皆が好きだもん。それは葉月達も一緒だと思ってるんだよ? だから、話せる時がきたら話してね。僕はもう、諦めないから。逃げないから!」
不安なんて言葉、知らないよって言わんばかりの、キラキラとした瞳の奥が、本当に笑ってるんだよってことを、教えてくれていた。
柳のまっすぐな目。それは俺達が、それまで信じてきた昔と変わらない柳の目。
「柳……」
「ブレットのことも、いつか聞かせてね。……よ~し! 午後のテストもがんばるぞ~!」
柳は両の拳を握りしめると、午後のテストへと頭を切り替えたようだった。
俺はどうしたらいいのかわからず、ひたすら頭の中だけで、他の仲間の意見を求めていた。
ーーーー…
「……ブレッ、ト? あいつが『ブレット』、だと? ……はっ、はははっ! …………ふざけんなよ。あの金髪野郎」
昼食は当然美味かった。柳が作った弁当なんだから不味いわけがない。廻の料理が激マズだからそれに比べて美味い、とかいうレベルでもない。正直、ウチで専業主婦ってるお袋の料理よりも美味いと感じてしまうんだから、彼が俺と同じ男子高校生とは思えない。久々に柳の手料理を口にした真実なんか、美味い美味いといちいち騒がしくてたまんなかった。
その間、皇は生徒会としての仕事なのか、俺と柳にこの学校の重要事項と規約について簡単に説明してくれた。特に生徒の中で成り立ってしまっている独自の規則や、暗黙の了解など。ツインズのよしみってやつなのか、少しでも俺らに関心を持ってくれたからなのか、ただ単に余計な面倒事を増やさないためなのか。理由はどうあれ、まぁまぁ親切に教えてくれた。
そして皇はツインズにも用があったらしく、飯を食い終わると早々に、泣き喚く二人を連れて出ていった。こう、襟をむんずと掴んで。引きずっていくように……ざまぁ。
「なんだか一気に静かになったねぇ。僕らも教室に戻ろっか」
「そだね」
他に誰もいなくなったところで、俺にも用意してくれていた缶コーヒーを飲み干すと、俺と柳は校舎を後にした。
納得がいったことが一つだけあった。性格についてはともかく、皇っていう男は確かにイイ男だ。猫を何匹被ってんのかはわかんねぇけど、外面良し、頭良し、運動神経よし、喧嘩強し、そんでもって美形ともなれば、ファンクラブやら親衛隊とやらもできるだろう。そりゃあな。そんだけのスペック持った野郎ならモテるだろうさ。加えて、副会長や風紀委員長っていう、見た目がイケメンの部類に入る野郎共もいるんだ。他のクラスからの関心は絶えることがないだろう。下駄箱がいちいち鍵付きになったっていう理由も納得がいく。ファンレターなんて可愛いモンも、束になりゃただの書類だ。それはわかる。わかったさ。
けどなぁ。ここ、男子校だぜ? 全員が全員、ホモってわけじゃないだろうに。そこんとこどうなのよ? と、俺は自分のクラスに戻るまでの道中、午後から始まる学力テストではなく、きゃあきゃあと野太く湧きあがる歓声に対して頭を抱えていた。
「葉月? 頭痛いの? 大丈夫?」
「ん? ん~……柳がデコ、撫でてくれたら治るかも」
冗談ぽく、しかし割と本気で撫でてもらいたいと思いながら嘯くと、柳は俺の一回り以上も小さな手を伸ばしてデコを撫でてくれた。嬉しいのはもちろんだけど、ちょっとだけ硬い柳の手がふわふわしてて気持ちいい。ちょっとだけ硬いけど。
「保健室行く?」
「ううん。良くなったからいい」
なら良かった、と。ほっと息を吐く柳は俺から離れた。
俺の横に並ぶと、約二〇cmの身長差。俺の方がデカイから、二人が並ぶと先輩後輩の関係に見られる体格差。でも、決して恋人同士に見られることはない二人。
俺はそう見えて欲しいんだけど。三年前のように。
ん? となると、俺はホモなのか? 柳は男だし。かといって、柳以外の野郎に興味ねぇし。勃起しねぇし。柳なら同じ野郎の身体であってもヌけるのに。う~ん、わからん。
「ねぇねぇ。葉月」
再び悩み始めた俺に、柳が俺の袖を引っ張って話かけてきた。
「何? 柳。どったの?」
「うん。あのね……」
そのとき。
俺はさっきまで考えていたことよりも、もっと考えなければならなかったことがあったんだっていうことを。この時の柳の顔を見て、思い知らされた。
柳は首を少しだけ傾けて、そして少しだけ笑いながら。
「ブレット、って何?」
俺に尋ねてきた。
そんでもって、とっさに返した俺の台詞が。
「あ~……パン、のことじゃない?」
苦し紛れだった。顔に出なかったのは、普段から表情筋を無駄に動かさないせいだけど。この時ばかりは自分自身にすげぇと褒めた。すげぇと褒めたけど、パンって何よ。頭回らないにもほどがあるだろ、俺。それにパンならブレッドだ。
柳がコレを聞いてきたのは間違いなく皇とのあの対面時が原因だろう。あの野郎……マジでムカつく。
そして柳はといえば。
「そっか。パンのことか……ん? なんで葉月がパンなの?」
「俺、パン好きだし。朝はパン派だし」
「そうだね。葉月、パン好きだもんね!」
「そうそう」
と、俺の苦し紛れの言い訳に笑顔で付き合ってくれた。
「でもさ……」
けれどそれで、すんなりと話が終わるわけでもないってことは、親友である俺自身が、一番よく知っているはずだったんだ。
「何か隠してるでしょ?」
「……」
「それってやっぱり、僕に言えないこと?」
「……」
柳の笑顔は変わらなかった。優しい口調も、気づかう表情も、向かい合う態度も。
でも、俺は何も言えなかった。いや、何と答えればいいのか、わからなかった。俺は柳に……返してあげられる言葉を持っていなかった。答えを、持っていなかった。
傍に、廻や真実がいたら、一言だけでも返す言葉があったのかもしれないけれど。俺は自分一人では、この時の柳と向かい合う覚悟ができていなかった。
情けない話だと思う。けれど、恐かったんだ。俺は柳が好きで、大事に思っていて、特別に感じてて。だからこそ、守りたくて。傷つけたくなくて。
失いたくなくて。
なのに俺は。俺達は。
再び失ってしまうことが怖くて、一番守りたいものから逃げていたんだ。もう二度と、傷つけられないように。もう二度と、傷つかないように。
柳は俺に言った。
「隠したいことの一つや二つ、誰にだってあるもんね。だから、無理に話すことはないよ。僕だって、海さんと暮らし始めて、一番に言わなくちゃいけなかったことを黙ってたんだから。でもさ、それがもし、僕のためっていう理由なら、皆と改めてお話がしたいな」
背の高い俺に視線を真っ直ぐ合わせるように、首を上げて、そしてきっぱりと断言する。
「僕、皆が好きだもん。それは葉月達も一緒だと思ってるんだよ? だから、話せる時がきたら話してね。僕はもう、諦めないから。逃げないから!」
不安なんて言葉、知らないよって言わんばかりの、キラキラとした瞳の奥が、本当に笑ってるんだよってことを、教えてくれていた。
柳のまっすぐな目。それは俺達が、それまで信じてきた昔と変わらない柳の目。
「柳……」
「ブレットのことも、いつか聞かせてね。……よ~し! 午後のテストもがんばるぞ~!」
柳は両の拳を握りしめると、午後のテストへと頭を切り替えたようだった。
俺はどうしたらいいのかわからず、ひたすら頭の中だけで、他の仲間の意見を求めていた。
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