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ドキドキ? 学園生活♪ 【葉月 side】
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職員室に入り、「転校生です」と一言言うなり、教師はすぐに対応してくれた。担任は数学教諭らしく、結構年若い。やたらとホストっぽく見えるのは、外見がイケメンの部類に入るのと、髪型が今風の兄ちゃんっぽい所為だと思っておく。名前は加藤恭介先生。
おそらくだが、昔やんちゃしてたけど、なんとか更生しましたよっていうタイプの人間だろな。第一印象はそんな感じ。
その先生と一緒に俺らは本校舎へと向かい、Aクラスに入った。一クラス、だいたい三十名前後。まぁ、こんなもんか。他のクラスはここよりちょい多めって聞いてたけど……って、俺を見てクラスの奴らすげぇどよめいてるけど大丈夫か?
軽く先生の方から紹介をされた後、柳、それから俺の順に、それぞれ自己紹介を行うよう言われた。
面倒くせぇけど、柳が先にやや緊張気味にぺこりとお辞儀をする。
「初めまして。今日から皆さんと学校生活を共にしていきます。しん……紫瞠柳です。よ、よろしくお願いします」
クラスの反応は、まぁ普通……じゃねぇな。皆、俺の方に視線がいってるよ。柳よりも俺にいってるよ、このうぜぇ視線。柳が自己紹介してんだから、ちゃんと見てあげろよ。可愛いだろうが。まぁ、柳に邪まな視線が行かなくて、俺的には良いんだけどさ。
「次、片岡な」
ぼやぼや考えていると、次は俺だと先生に促される。
ああ、自己紹介ね。う~ん。どうすっかなぁ。簡潔にいきたいけど、多分後で確かめられるだろうしな。まぁ、いいか。すぐにバレるし。今、言っちまおう。
「片岡葉月。家は……たぶん皆も知ってるだろう片岡総合病院。院長の孫です。当の俺はこんなんですが、とりあえずよろしく」
と。
クラスの連中が一気にざわつく原因を作ってみせる。まぁ、ここらだけでなく他県に渡って有名だからな。爺ちゃんの病院。
ざわざわと騒がしくなるこの事態を、意外にも加藤先生はそう鬱陶しそうにせず、まるでパーカッション張りのデカい音量で両手を叩くと、「質問は休憩時間にしろよ~」と生徒を制した。へぇ、結構先生してんじゃん。
俺が人のことを珍しく感心していると。
「今日から新学期だが、まずは恒例の科目別テストを行う。まるっと一日を使うが、大学受験に必要な模試だと思え。本番は緊張もさながら、集中力がいかに続くかも問われる。手を抜けとは言わないが、いい練習だと思ってテストに励め」
言ってたなぁ、それ。なんで新学期初日なのに丸一日拘束されんの? って思ってたけど、テストなら時間、潰れるわな。しかも普通ならあまり重要視されない、家庭科や技術、音楽に身体能力を測る体育テストなんかの実技も後日やるんだろ? 細かくやるのは、さすが名門校って思うべきなのかね。
ねぇ、柳。って、思いながら、チラリと横目で柳を見下ろすと……
「は、は、は、は、葉月。て、て、て、て、テストだってこと、し、知ってた?」
「え?」
「ぼ、ぼ、ぼ、ぼ、僕っ、て、て、て、て、テストだって、テストあるって、し、し、し、し、知らなかっ……」
あれ? 柳ってまさか、今日がテスト日だってこと、知らない?
カクカクと壊れた玩具みたいに動き出す面白……じゃない、大変なことになってる柳が俺を必死の形相で見上げていた。この異常な事態に加藤先生も気づいたのか。
「どうした? 紫瞠……って、紫瞠!? 顔が真っ青だぞ!?」
血の気が引いてホントに青ざめてる柳の顔に、大変驚いたご様子。
確か、通知は自宅に届いていたはずだけど、柳がそれを見逃すなんて珍しいな。そういった郵便物は主婦並みにこまめにチェックするはずなのに。
「て、て、て、て、テスト勉強してな、な、な、な、なかっ……かっ、かっ、海さんのバカー!!」
ああ、旦那の仕業ってわけね。よくわからないけど、テストのことを隠されていたらしい。よく意地悪されるとは聞いてたけど……へぇ。いけ好かないやり方だな。
おそらくだが、昔やんちゃしてたけど、なんとか更生しましたよっていうタイプの人間だろな。第一印象はそんな感じ。
その先生と一緒に俺らは本校舎へと向かい、Aクラスに入った。一クラス、だいたい三十名前後。まぁ、こんなもんか。他のクラスはここよりちょい多めって聞いてたけど……って、俺を見てクラスの奴らすげぇどよめいてるけど大丈夫か?
軽く先生の方から紹介をされた後、柳、それから俺の順に、それぞれ自己紹介を行うよう言われた。
面倒くせぇけど、柳が先にやや緊張気味にぺこりとお辞儀をする。
「初めまして。今日から皆さんと学校生活を共にしていきます。しん……紫瞠柳です。よ、よろしくお願いします」
クラスの反応は、まぁ普通……じゃねぇな。皆、俺の方に視線がいってるよ。柳よりも俺にいってるよ、このうぜぇ視線。柳が自己紹介してんだから、ちゃんと見てあげろよ。可愛いだろうが。まぁ、柳に邪まな視線が行かなくて、俺的には良いんだけどさ。
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ああ、自己紹介ね。う~ん。どうすっかなぁ。簡潔にいきたいけど、多分後で確かめられるだろうしな。まぁ、いいか。すぐにバレるし。今、言っちまおう。
「片岡葉月。家は……たぶん皆も知ってるだろう片岡総合病院。院長の孫です。当の俺はこんなんですが、とりあえずよろしく」
と。
クラスの連中が一気にざわつく原因を作ってみせる。まぁ、ここらだけでなく他県に渡って有名だからな。爺ちゃんの病院。
ざわざわと騒がしくなるこの事態を、意外にも加藤先生はそう鬱陶しそうにせず、まるでパーカッション張りのデカい音量で両手を叩くと、「質問は休憩時間にしろよ~」と生徒を制した。へぇ、結構先生してんじゃん。
俺が人のことを珍しく感心していると。
「今日から新学期だが、まずは恒例の科目別テストを行う。まるっと一日を使うが、大学受験に必要な模試だと思え。本番は緊張もさながら、集中力がいかに続くかも問われる。手を抜けとは言わないが、いい練習だと思ってテストに励め」
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ねぇ、柳。って、思いながら、チラリと横目で柳を見下ろすと……
「は、は、は、は、葉月。て、て、て、て、テストだってこと、し、知ってた?」
「え?」
「ぼ、ぼ、ぼ、ぼ、僕っ、て、て、て、て、テストだって、テストあるって、し、し、し、し、知らなかっ……」
あれ? 柳ってまさか、今日がテスト日だってこと、知らない?
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「どうした? 紫瞠……って、紫瞠!? 顔が真っ青だぞ!?」
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確か、通知は自宅に届いていたはずだけど、柳がそれを見逃すなんて珍しいな。そういった郵便物は主婦並みにこまめにチェックするはずなのに。
「て、て、て、て、テスト勉強してな、な、な、な、なかっ……かっ、かっ、海さんのバカー!!」
ああ、旦那の仕業ってわけね。よくわからないけど、テストのことを隠されていたらしい。よく意地悪されるとは聞いてたけど……へぇ。いけ好かないやり方だな。
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